性別 : 女性
年齢 : 50歳〜59歳
簡単なご住所 : 東北地方
お問い合わせ内容 : 以前「おなら,げっぷ,不眠」についてお聞きした者です。
2006年03月17日げっぷ・おなら・不眠の悩み
2006年03月18日げっぷ・おなら・不眠(2)
あの時は本当にご丁寧な返信をありがとうございました。すぐにでも村田薬局に飛んでいきたいと思いましたが,あまりに遠方で,またお出かけ恐怖症になっていて大事な予定をキャンセルするような状態でしたので,なんとか近辺で探してみようと思ったのでした。
そして某薬局を見つけてお世話になって1年になります。さまざまな症状は消失いたしましたが肝心の「げっぷ,おなら,」(不眠症はややまし)の方がほとんど改善されない状態です。
半夏厚朴湯を主体に,2,3の方剤を組み合わせた物ですが(例えば「半夏瀉心湯」+酸棗仁湯」)最近,胃のもたれをなんとかしたいとお願いしたところ「半夏瀉心湯+小建中湯+酸棗仁湯」になりました。
ところがこれを飲み始めてから舌の黄色が濃くなり,口内炎ができました。それで薬局の先生に相談しましたが大丈夫このまま続けてくださいということでしたので,ちょうど急に寒くなったりしたのでそのせいかとも思い,続けて飲んでいました。
しかしその後,胃の調子が悪く,おなかがもやもやしたり張ったりしてとても落ち着きません。
ガスもたくさんたまります。
それできのうから服用を中止してみたらお腹は楽になり,舌も黄色が薄くなりました。
また以前安中散を1.5グラムでしたが配合された時にも(半夏厚朴+半夏瀉心にプラスして)お腹がもやもやして苦しくなりました。その時も先生に話し安中散をやめてもらったことがあります。
先生は薬とは関係ないとおっしゃるのですが,私の思い過ごしなのかわからないままこれ以上このお薬は怖くて飲めません。
先生は,違和感を伝えるとご自分の調合を否定されたと思われ気分を害されるようです。
私としてはかなり気をつけてお話しているつもりなのですが。
なのでこれ以上お話することはむずかしいと感じています。
それでかねてからずっと心にあった村田薬局さんに思い切ってお世話になりにいこうかと思いメールを差し上げた次第です。
ここまで書いて迷っておりましたら,一昨日から一睡もできなくなってしまいました。
お薬を飲んでいない不安感もあるのかもしれません。大変につらいです。
村田様がお引き受けくださるようであれば,●●●●●にお伺いするつもりでおります。
よろしくお返事お願い致します。
お返事メール:拝復
今、一年前のブログを読み直してみました。そのとき提案した開気丸が一部有効なようでしたが、開気丸を中心にした方剤の組み合わせは色々と試みられたのでしょうか?
今回頂いたメールには、開気丸の「か」の字も出てきませんが、どうして開気丸を中止されたのでしょうか?
ところで、すでに病歴は16年になられているようですが、漢方薬の服用歴も長いようですので、これまでの経験からも漢方薬それぞれの処方を服用しての体感も、貴女なりに感じるところがあったことと思われます。
貴女のように漢方歴もほどほど長い人の場合は、通っている漢方薬局さんに(当方でしばしば行うように)必要な可能性がありそうな処方を常備されておいて、許容される範囲内の配合変化を、漢方薬局さんのアドバイスをもとに、臨機応変に配合を変える工夫をさせてもらうべきだったように思います。
漢方服用歴の長い人は、各処方の癖を自然に覚えられて来られるのが通常ですので、当方の常連さんなどでは、様々な処方を当方からのヒントに基づいて、症状の変化に応じた臨機応変の配合変化を許容範囲内でご自分で工夫してもらうことも多々あります。
逆に言えば、あるていどの漢方に対する勉強熱心で勘のよい人ほど、難航する疾患もお互いの努力のもと、次第に解決して次第に元気を回復していかれておられます。
一見治りにくい体質病であっても、小生の経験から言えば、自分の腕の悪さを棚に上げるようなものかもしれませんが(笑)、病気の方の勉強熱心さと勘のよさが、漢方治療の能率を上げた事例を沢山経験しています。
最近でも、慢性感染症?などで発熱や微熱を繰り返す方が、当方の漢方を数ヶ月続けるうちに、様々にお出しした処方の組み合わせの効率的な使用方法を御自分の体感から次第に習得しはじめ、
「この処方とこの処方の比率をこのように変えたら効き目が上がりましたが、四逆散は生理痛の時には役にたっても、それ以外のときに服用すれば却って微熱が続くので中止したら発熱することもなくなりました。」
などと報告されるようになり、こちらのほうでは、
「勘の良い方だから、その調子でご自分で許容範囲内で様々今後も工夫して下さいね」
などと一見無責任なことを言うようですが、それまでには各処方の性質を繰り返しアドバイスし続けた成果が稔っりつつあるわけです。
ご自身が病気を治したい一心で、様々に漢方処方の反応を敏感に感じ取って逐一報告してくれたお陰でもありました。
このようなことは当方の常連さんではアタリマエの行為であり、当然分からない時は当方に執拗に質問もし、綿密な御相談に来られるからこそ、ご自身の身体をかなりな部分でコントロールできるようになっているわけです。
漢方薬を利用される人の中には、いつまでもすべてこちらまかせで、こちらのアドバイスに従って臨機応変の工夫をされようとしない人ほど、病気治療と体質改善の長丁場に耐えられないようで、たとえ遠方から泊りがけで来られても、稀には一月も継続できなかった人もおられるくらいです。
逆に自己主張ばかり強すぎて、こちらのアドバイスをなかなかヒントにしてもらえない人も、うまく行かないわけですから、互いの相性という問題もあるかもしれません。
また、せっかく当方に来られても、来られている間はやけに元気で観光の方にも力を注ぎすぎて、帰宅後は長旅疲れで一時ほんとうに寝込んでしまった人もおられました。
現実問題として、このトウヘンボク爺さんのところへ毎日遠近様々なところから新しい方が来られていますが、一般的な傾向として、あらかじめお問合せがあったり予告して来られる人よりも、例外はあるものの、何の連絡もないまま突然遠方から来局される人の方が、ナゼだか治りのスピードが良い傾向にあるのです。
予約制を嫌う理由の一つにこの問題もあります。
ともあれ、過去のメールを再読してみて感じたことは、貴女のような聡明な方ならご自身に合った漢方薬の配合をみずから体感して見つけ出すことは、当方のちょっとしたアドアイスをヒントにされれば、十分に可能だと思います。
但し、あまりに遠方ですので、貴女の長旅の疲労が心配です。
以上、書き殴りの乱筆、失礼ながらお返事まで。
頓首
村田漢方堂薬局 村田恭介拝
【編集後記】その後、実際に下関まで二泊三日の旅程で来られたが、とても華奢で繊細そうなご様子ながら、舌証などから意外にも黄連解毒湯証が並存していることが判明し、当日から他薬と一緒に服用してもらったところ、翌日から胃の調子がとてもよくなったとの報告を得た。
その後もずっと当方の漢方薬を愛用され、臨機応変の配合変化のコツを覚えられて、平成24年8月現在にもずっと当方の漢方薬を愛用されている。
また、ご主人様(直接来られて後)や子供さんも当方の漢方薬をずっと愛用され、この奥様ご自身は当初の自覚症状のほとんどが消失して、とても元気になられている!
2007年04月10日
絶対にやってはいけない不謹慎なダイエット法
posted by ヒゲジジイ at 01:53| 山口 | ダイエットや肥満症
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2007年04月08日
類似した現象が複数重なった数々の出来事
今年になって例年には見られない目立つ現象が重なっているので、平成19年の時代傾向として参考になるかもしれないのでメモ的に記しておく気になった。
各種の合成医薬品による副作用問題のご相談や、ニンニク含有健康食品や朝鮮人参あるいはその含有製剤(大建中湯など)の過剰摂取・飲用によって温補過剰となり高血圧や皮膚瘙痒症を生じたため副作用による御相談は例年通りであるが・・・今年になってやや目立つ傾向としては・・・↓
例年になく吐き気関連の御相談がかなり多いことと、平成の寒涼派(漢方の専門家にだけ理解される表現)であるヒゲジジイの薬局では、今年は例年になく温補剤を使用していることが目立っている。
その他の具体的な現象としては、半夏厚朴湯でストレス症候群に伴う吐き気や食欲不振に繁用する機会が多かったのは、そういう年もあるだろうくらいのものだが、麦門冬湯系列の方剤を用いて吐き気や嘔吐恐怖症に使用する機会が多く、しかも比較的良く効果を発揮している今年は、やはり例年とは異なっている。
過去にも繰り返す反芻胃(はんすうい)に対して麦門冬湯を主方剤として速効を得て、長期間の連用によって徹底的に根治した例を持っているが、例年になく悩ましい吐き気や乾嘔に使用する機会がやけに目立つ年である。
最後に、例年にない珍現象として、膠原病関連では温熱剤とともにしばしば加える地竜によってバランスの取れた配合となり、つまり温熱剤とともに寒涼性の地竜によって見事な配合バランスが取れることが例年であったが、今年の新人さんに限っては初期に速効を得て喜んでいたら、1〜2ヵ月後には次第に地竜の清熱作用が勝ちすぎるようになり、途中で地竜を中止したり減量して、温熱薬主体で好転していく例が3例も続いた。
この現象は、村田漢方堂薬局では珍現象に近いことで、寒熱錯雑証における熱性炎症を巧みに除去する地竜が速効を得た後に短期間で必要がなくなったり減量するケースは、甚だ珍しいことである。
どうも、今年は例年と様子が異なるようだ。当然のことながら異常気象との関連性を思わざるを得ない。
各種の合成医薬品による副作用問題のご相談や、ニンニク含有健康食品や朝鮮人参あるいはその含有製剤(大建中湯など)の過剰摂取・飲用によって温補過剰となり高血圧や皮膚瘙痒症を生じたため副作用による御相談は例年通りであるが・・・今年になってやや目立つ傾向としては・・・↓
例年になく吐き気関連の御相談がかなり多いことと、平成の寒涼派(漢方の専門家にだけ理解される表現)であるヒゲジジイの薬局では、今年は例年になく温補剤を使用していることが目立っている。
その他の具体的な現象としては、半夏厚朴湯でストレス症候群に伴う吐き気や食欲不振に繁用する機会が多かったのは、そういう年もあるだろうくらいのものだが、麦門冬湯系列の方剤を用いて吐き気や嘔吐恐怖症に使用する機会が多く、しかも比較的良く効果を発揮している今年は、やはり例年とは異なっている。
過去にも繰り返す反芻胃(はんすうい)に対して麦門冬湯を主方剤として速効を得て、長期間の連用によって徹底的に根治した例を持っているが、例年になく悩ましい吐き気や乾嘔に使用する機会がやけに目立つ年である。
最後に、例年にない珍現象として、膠原病関連では温熱剤とともにしばしば加える地竜によってバランスの取れた配合となり、つまり温熱剤とともに寒涼性の地竜によって見事な配合バランスが取れることが例年であったが、今年の新人さんに限っては初期に速効を得て喜んでいたら、1〜2ヵ月後には次第に地竜の清熱作用が勝ちすぎるようになり、途中で地竜を中止したり減量して、温熱薬主体で好転していく例が3例も続いた。
この現象は、村田漢方堂薬局では珍現象に近いことで、寒熱錯雑証における熱性炎症を巧みに除去する地竜が速効を得た後に短期間で必要がなくなったり減量するケースは、甚だ珍しいことである。
どうも、今年は例年と様子が異なるようだ。当然のことながら異常気象との関連性を思わざるを得ない。
posted by ヒゲジジイ at 01:02| 山口 | 中医漢方薬学
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2007年04月07日
1回目で速効を得ても同じ漢方処方でいいとは限らないのが中医漢方薬学の常識
最初の1〜3回で効果がまったく見られないからといって早々に諦められる場合は(ヒゲジジイの腕が悪いことはチョット棚に上げて)、あまりに根気がなさ過ぎるので直ぐに記憶から遠ざかってしまう。
本当は内心忸怩たるものが大いにあるものの、そんな短期間でギブアップするような方に多くの時間を割いたことの無力感は否定できない。
今後も、以前にも増して根性ありやなしやの審査を厳重にしなければならないだろう(笑)
現実には互いに苦労した人ほど、真の漢方の膂力を理解してもらえて、漢方ファンになった人も多いのだが、いつの時代も根気のない人の方が多く、速効を得て短期間で8割近くの効果が見えた人の中にこそ、次第に遠ざかっていつのまにか消え去っている。そして再発して、慌ててやって来る人の何と多いことか
ところが同じ方剤で再び緩解するとは限らないのだから、頑固な慢性疾患というのは侮れるものではない。
運の良い人は、例えば骨髄異形成症候群という白血病の前駆症状であることが多い疾患でも、牛黄製剤を主体にした最初の二種類の漢方製剤によって30日後の検査で血小板が1,5倍、白血球は2倍に増えたお陰でこちらのほうはあっさり正常化して、主治医が怪訝な顔をされているが、いつまでこの効果が持続するかが今後の問題である。
すでにご本人は治った気分でおられて服薬を怠り勝ちなのだから、素人さんの無知なるがゆえの恐さを感じるばかりである。
昨今、立て続けに葛根黄連黄芩湯(カッコンオウレンオウゴントウ)を使用することが多いが、初日から速効を得る人もあれば、途中から他方剤とのバランスがとりにくくなっている人もいる。かと思えば、明日から追加方剤として併用を開始する予定の人もいる。
アトピー性皮膚炎では、初期に茵蔯蒿湯や猪苓湯の併用で順調に軽快して2ヶ月で8割以上の緩解の兆しが見えたと思ったところで、突然の再燃ならぬ全身重度のトビヒが生じても、托裏消毒飲の方意を上回る「玉屏風散製剤・荊防敗毒散加減製剤・白花蛇舌草」などでアッサリと即効的に緩解しているものの、この病気の油断大敵なることをあらためて認識させられる。
以下、ロウジンの繰言的なマトメ、
最近も相変わらず、初期から比較的順調に緩解している人ほど、真の体質改善を行わないまま、あっさりと短期間で服薬を中止する傾向が目立っている。
効くように見えてなかなかピントの合わない人では、短期間でで諦める人もいるかわりに、辛抱強く根気勝負で頑張る人も多い。
こういう互いに苦労して複雑な配合と臨機応変の配合変化を必要とする人達ほど、漢方の奥深さを真に理解してもらえることが多いもので、複雑な体質を持たれている人達だけに、もっとも深く熟考して力を注ぐ必要があるため、こうして深夜まで眠れずに考え込むのであった(笑)腕が悪くてアホだから〜
本当は内心忸怩たるものが大いにあるものの、そんな短期間でギブアップするような方に多くの時間を割いたことの無力感は否定できない。
今後も、以前にも増して根性ありやなしやの審査を厳重にしなければならないだろう(笑)
現実には互いに苦労した人ほど、真の漢方の膂力を理解してもらえて、漢方ファンになった人も多いのだが、いつの時代も根気のない人の方が多く、速効を得て短期間で8割近くの効果が見えた人の中にこそ、次第に遠ざかっていつのまにか消え去っている。そして再発して、慌ててやって来る人の何と多いことか

運の良い人は、例えば骨髄異形成症候群という白血病の前駆症状であることが多い疾患でも、牛黄製剤を主体にした最初の二種類の漢方製剤によって30日後の検査で血小板が1,5倍、白血球は2倍に増えたお陰でこちらのほうはあっさり正常化して、主治医が怪訝な顔をされているが、いつまでこの効果が持続するかが今後の問題である。
すでにご本人は治った気分でおられて服薬を怠り勝ちなのだから、素人さんの無知なるがゆえの恐さを感じるばかりである。
昨今、立て続けに葛根黄連黄芩湯(カッコンオウレンオウゴントウ)を使用することが多いが、初日から速効を得る人もあれば、途中から他方剤とのバランスがとりにくくなっている人もいる。かと思えば、明日から追加方剤として併用を開始する予定の人もいる。
アトピー性皮膚炎では、初期に茵蔯蒿湯や猪苓湯の併用で順調に軽快して2ヶ月で8割以上の緩解の兆しが見えたと思ったところで、突然の再燃ならぬ全身重度のトビヒが生じても、托裏消毒飲の方意を上回る「玉屏風散製剤・荊防敗毒散加減製剤・白花蛇舌草」などでアッサリと即効的に緩解しているものの、この病気の油断大敵なることをあらためて認識させられる。
以下、ロウジンの繰言的なマトメ、
最近も相変わらず、初期から比較的順調に緩解している人ほど、真の体質改善を行わないまま、あっさりと短期間で服薬を中止する傾向が目立っている。
効くように見えてなかなかピントの合わない人では、短期間でで諦める人もいるかわりに、辛抱強く根気勝負で頑張る人も多い。
こういう互いに苦労して複雑な配合と臨機応変の配合変化を必要とする人達ほど、漢方の奥深さを真に理解してもらえることが多いもので、複雑な体質を持たれている人達だけに、もっとも深く熟考して力を注ぐ必要があるため、こうして深夜まで眠れずに考え込むのであった(笑)腕が悪くてアホだから〜
posted by ヒゲジジイ at 01:54| 山口 ☁| 骨髄異形成症候群
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2007年04月06日
巨大な子宮筋腫
御質問者:東海地方内科医師
前略 いつもお世話になっています。
以前ご相談した子宮筋腫の件ですが、かなり大きい(8x12cm)ようでしかも結構急に大きくなっている様子です。
ご本人はなんとか保存的に治療を試みてみたいそうです。ご教示くださいました処方を指示しようと思っていますが、バンランコンというのは全く適応はないものでしょうか。
お教えくださいますと幸いです。
お返事メール: 子宮筋腫が大きい場合は、中医学的には桂枝茯苓丸に莪朮(ガジュツ)と三稜(サンリョウ)を加えるのが一般的です。
さらに蒼朮やヨクイニン、田七人参などを加えて、積極的な去邪法を行うのが通常です。
扶正も大切ですので、もしも柴胡桂枝湯証の存在が間違いなければ、小柴胡湯合桂枝茯苓丸を基本に、ガジュツ、サンリョウ、ヨクイニン、ソウジュツ、田七人参を加えなければ、可能性は低いと思います。
もしも血虚の存在が明らかであれば当帰芍薬散や補中益気湯などを加える必要もあります。(補中益気湯は気虚に対する方剤とされていますが、現実には血虚に対する優れた方剤でもあります。)
中医学入門当初にこれらの弁証論治によって、大きな子宮筋腫のみならず卵巣嚢腫にもしばしば偉効を奏した経験があり、当時「和漢薬」誌などに書いた記憶があります。
なお、子宮筋腫にバンランコンを使用することはないと思います。
以上、取り急ぎお返事まで。
頓首
村田恭介拝
【編集後記】 過去に類似した症例をどこかに書いた記憶があったのでたどってみると、拙著『求道と創造の漢方』のV章「中草薬の考察━中草薬漫談━」の延胡索(えんごさく)の項、274頁に、巨大な卵巣嚢腫の例を掲載している。
このケースでは幸い内容物が水様性であったために速効があったものの、その後数年間は同一方剤を連用して治療を徹底している。以後、大の村田漢方堂薬局の漢方ファンとなられ、
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/25622559.html
このページでご紹介した婦人のことである。
その時の方剤は、同ページに記載されている方剤を転載すると、
桂枝茯苓湯合当帰芍薬散料加香附子・延胡索・ガジュツ・三稜・猪苓であった。
子宮筋腫の場合ではやや事情が異なり、速効は望めないかもしれないが、正確な弁証論治によってかなりな縮小をみることもある。閉経まで持ち込めた症例はかなりある。
折り返し頂いたメール:早速のお返事ありがとうございました。
”子宮筋腫のみならず卵巣嚢腫にもしばしば偉効”は大変励みになると思いますので、可能性がある旨お伝えして処方してみます。
前略 いつもお世話になっています。
以前ご相談した子宮筋腫の件ですが、かなり大きい(8x12cm)ようでしかも結構急に大きくなっている様子です。
ご本人はなんとか保存的に治療を試みてみたいそうです。ご教示くださいました処方を指示しようと思っていますが、バンランコンというのは全く適応はないものでしょうか。
お教えくださいますと幸いです。
お返事メール: 子宮筋腫が大きい場合は、中医学的には桂枝茯苓丸に莪朮(ガジュツ)と三稜(サンリョウ)を加えるのが一般的です。
さらに蒼朮やヨクイニン、田七人参などを加えて、積極的な去邪法を行うのが通常です。
扶正も大切ですので、もしも柴胡桂枝湯証の存在が間違いなければ、小柴胡湯合桂枝茯苓丸を基本に、ガジュツ、サンリョウ、ヨクイニン、ソウジュツ、田七人参を加えなければ、可能性は低いと思います。
もしも血虚の存在が明らかであれば当帰芍薬散や補中益気湯などを加える必要もあります。(補中益気湯は気虚に対する方剤とされていますが、現実には血虚に対する優れた方剤でもあります。)
中医学入門当初にこれらの弁証論治によって、大きな子宮筋腫のみならず卵巣嚢腫にもしばしば偉効を奏した経験があり、当時「和漢薬」誌などに書いた記憶があります。
なお、子宮筋腫にバンランコンを使用することはないと思います。
以上、取り急ぎお返事まで。
頓首
村田恭介拝
【編集後記】 過去に類似した症例をどこかに書いた記憶があったのでたどってみると、拙著『求道と創造の漢方』のV章「中草薬の考察━中草薬漫談━」の延胡索(えんごさく)の項、274頁に、巨大な卵巣嚢腫の例を掲載している。
このケースでは幸い内容物が水様性であったために速効があったものの、その後数年間は同一方剤を連用して治療を徹底している。以後、大の村田漢方堂薬局の漢方ファンとなられ、
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/25622559.html
このページでご紹介した婦人のことである。
その時の方剤は、同ページに記載されている方剤を転載すると、
桂枝茯苓湯合当帰芍薬散料加香附子・延胡索・ガジュツ・三稜・猪苓であった。
子宮筋腫の場合ではやや事情が異なり、速効は望めないかもしれないが、正確な弁証論治によってかなりな縮小をみることもある。閉経まで持ち込めた症例はかなりある。
折り返し頂いたメール:早速のお返事ありがとうございました。
”子宮筋腫のみならず卵巣嚢腫にもしばしば偉効”は大変励みになると思いますので、可能性がある旨お伝えして処方してみます。
posted by ヒゲジジイ at 00:39| 山口 ☀| 子宮筋腫・子宮内膜症・卵巣チョコレート嚢胞・子宮腺筋症・卵巣嚢胞・卵巣嚢腫
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2007年04月05日
公然の秘策は牛黄製剤だが・・・
公然の秘密とは言語矛盾も甚だしいタイトルだが、多くの漢方薬局では公然であっても、一般世間的には秘策に近いというほどの意味。
すなわち一般処方で埒が明かないときに、牛黄製剤によって打開できることが多いのである。また、麝香製剤もまた然り。
但し、牛黄製剤といえども、他に配合されている生薬類によって効果が大きく左右されるばかりか、牛黄そのものの品質によっても驚くほど効果に優劣がつくことが多い。
だから、各種様々な製剤を多種類取り揃えて、奥の手として常々自分自身が愛用しているだけあって、多くの人に自信をもって推奨することがとても多い。
しかしながら、ほどほどの経費を要するシロモノだから、皆がみなに奨めるわけには行かず、重度の各種の疾患や、ハードな仕事に追われ続けながらも持病も重度という人、少々の経費は承知の上という人など、あるいは重度の仮面鬱病や慢性疲労症候群などで、疲労感が激しい人には奥の手の秘策としては打って付けである。
昨日も、大腸癌の手術ミス(癌の切除の取りこぼし)により様々な個所に転移ガンを持ちながらも十年近く頑張っておられる要職にある人が、愛用の牛黄製剤が途切れていると、体力が持たないといってまとめて購入されて帰られた。
長いお付き合いながら、今年になって音沙汰が無かったので心配していたところだけに、お元気そうでホットした。この昨日の出来事をきっかけに本日のブログを書く気になったのである。
もちろんすべての疾患に通用するわけではないが、
http://www.kanpouyaku.biz/aiyou.html
このようなことから、熱心に漢方を続けられながらも、もう一つ打開策が見られないときに、最もシンプルなタイプの牛黄製剤を追加することで、一気に効果を上げることが出来た例は、数十年来、枚挙に暇がないほどである。それほど効果が上がることが多いので、牛黄ばかりを売って経営を成り立たせている薬局もあるほどである。
ところが、若い頃には漢方メーカー各社に牛黄製剤の取り扱いを奨められても、頑固に断っていた時期があった。
牛黄製剤を販売していたら、一般処方で配合を工夫しての腕と実力を養うことが出来なくなるので、安易にそのような高貴薬に頼りたくない、という理由からであった。
ところが、その後年月を経て、やはり牛黄製剤や麝香製剤というものは、れっきとした中薬であるだけに、他には代えられない独自の効果と威力があることに脱帽することとなり、今や村田漢方堂薬局の大黒柱となっている。
ところが、若い人にはよほどでない限りは奨める気にはなれない価格であるから、結局は主として中年世代および中年以降の人達の愛用薬となっているのが現実である。
慢性疲労症候群の人や重度の鬱病および仮面鬱病の人達にもかなり適応するはずであるが、実に惜しいことではある。パニック症候群の人にも、先日就職試験という切羽詰った問題に直面している状況を打開する秘策としてパニック時に使用してもらったところ、発作が見事に治まっていた。
また癲癇発作の前兆が眩暈(メマイ)として出現する人に常用してもらうことで、前兆が感じられるときには必ず使用して発作を事前にストップするのに確実な効果を発揮している実例もある。
あの小渕首相も最高品質の牛黄製剤を使用していたらきっと死を免れていたに違いないと断言したくなるほど偉大な高貴薬であるから、驚くべき実例の数々は現実に当方で愛用している人こそ御存知である。
牛黄製剤ならどれでも良いというわけにも行かないのが難しいところではあるが、牛黄製剤にも種類がとても多いので止むを得まい。
すなわち一般処方で埒が明かないときに、牛黄製剤によって打開できることが多いのである。また、麝香製剤もまた然り。
但し、牛黄製剤といえども、他に配合されている生薬類によって効果が大きく左右されるばかりか、牛黄そのものの品質によっても驚くほど効果に優劣がつくことが多い。
だから、各種様々な製剤を多種類取り揃えて、奥の手として常々自分自身が愛用しているだけあって、多くの人に自信をもって推奨することがとても多い。
しかしながら、ほどほどの経費を要するシロモノだから、皆がみなに奨めるわけには行かず、重度の各種の疾患や、ハードな仕事に追われ続けながらも持病も重度という人、少々の経費は承知の上という人など、あるいは重度の仮面鬱病や慢性疲労症候群などで、疲労感が激しい人には奥の手の秘策としては打って付けである。
昨日も、大腸癌の手術ミス(癌の切除の取りこぼし)により様々な個所に転移ガンを持ちながらも十年近く頑張っておられる要職にある人が、愛用の牛黄製剤が途切れていると、体力が持たないといってまとめて購入されて帰られた。
長いお付き合いながら、今年になって音沙汰が無かったので心配していたところだけに、お元気そうでホットした。この昨日の出来事をきっかけに本日のブログを書く気になったのである。
もちろんすべての疾患に通用するわけではないが、
http://www.kanpouyaku.biz/aiyou.html
このようなことから、熱心に漢方を続けられながらも、もう一つ打開策が見られないときに、最もシンプルなタイプの牛黄製剤を追加することで、一気に効果を上げることが出来た例は、数十年来、枚挙に暇がないほどである。それほど効果が上がることが多いので、牛黄ばかりを売って経営を成り立たせている薬局もあるほどである。
ところが、若い頃には漢方メーカー各社に牛黄製剤の取り扱いを奨められても、頑固に断っていた時期があった。
牛黄製剤を販売していたら、一般処方で配合を工夫しての腕と実力を養うことが出来なくなるので、安易にそのような高貴薬に頼りたくない、という理由からであった。
ところが、その後年月を経て、やはり牛黄製剤や麝香製剤というものは、れっきとした中薬であるだけに、他には代えられない独自の効果と威力があることに脱帽することとなり、今や村田漢方堂薬局の大黒柱となっている。
ところが、若い人にはよほどでない限りは奨める気にはなれない価格であるから、結局は主として中年世代および中年以降の人達の愛用薬となっているのが現実である。
慢性疲労症候群の人や重度の鬱病および仮面鬱病の人達にもかなり適応するはずであるが、実に惜しいことではある。パニック症候群の人にも、先日就職試験という切羽詰った問題に直面している状況を打開する秘策としてパニック時に使用してもらったところ、発作が見事に治まっていた。
また癲癇発作の前兆が眩暈(メマイ)として出現する人に常用してもらうことで、前兆が感じられるときには必ず使用して発作を事前にストップするのに確実な効果を発揮している実例もある。
あの小渕首相も最高品質の牛黄製剤を使用していたらきっと死を免れていたに違いないと断言したくなるほど偉大な高貴薬であるから、驚くべき実例の数々は現実に当方で愛用している人こそ御存知である。
牛黄製剤ならどれでも良いというわけにも行かないのが難しいところではあるが、牛黄製剤にも種類がとても多いので止むを得まい。
posted by ヒゲジジイ at 01:01| 山口 ☀| 大腸癌・直腸癌・虫垂癌による転移ステージ4・腹膜播種・腹水など
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2007年04月04日
漢方治療が継続出来るのは勘の良い人達が多い現実
そもそも村田漢方堂薬局の漢方薬を利用されようとされる人達は、一般西洋医学治療では解決がつかず、さらには医療用漢方および自費の各地の漢方治療でも解決がつかなかったというケースがほとんどだから、結果的に複雑な配合とならざるを得ない場合も大いにあり得る。
もちろん、びっくりするほど単純な方剤の組み合わせでスラスラと緩解する人も少なくないが、上記のようなケースでは、服用者も利用する各方剤の基礎知識を知っておいてもらう必要があるので、当方からはくどいほどに繰り返しアドバイスすることが多い。
繰り返し説明するのも、ピントを合わせる過程で、あるいは状況変化に応じて、臨機応変に配合を変化させたり、適宜、使用分量を増減したり、様々な工夫、悪く言えば小細工、よく言えば高度な加減を行うのを服用者自身に行ってもらう必要から、かなりな理解力を必要としているのが現実である。
だから勘のよい人ほど、早くマスターされ、中途半端なピントの段階でも、状況報告や各方剤の反応について敏感に察知し報告してもらえるので、ますますいよいよピンと合わせの能率が向上するわけである。
多少は気心が知れる頃には、各方剤の使用方法のコツやヒントをマスターされ、ご自分に適した適宜の使用方法を考案されて優れた成果が出たとの報告が得られるようになればしめたもので、「とても良い勘をしておられるから、こちらのヒントを参考にされて、引き続きご自身でやって良い範囲内で工夫してみて下さいよ」と言えるまでになる。
要するに、小細工の多い中医漢方薬学治療が長続きする人というのは、観察力があって、しかも客観的および主観的状況報告を的確に行え、勘のよい人に限られるように思われる。
理屈っぽい中医漢方薬学派の村田漢方堂薬局の漢方で、1回目で効果が出なかったら直ぐに諦める人は問題外だが、初期に速効があっても2回で止めた人が今年になって目立つのであった。
まさか
「よく効きました!」と喜んでいたのは、あれはお世辞だったのだろうか
実にまったく苦労のし甲斐のない話である。

もちろん、びっくりするほど単純な方剤の組み合わせでスラスラと緩解する人も少なくないが、上記のようなケースでは、服用者も利用する各方剤の基礎知識を知っておいてもらう必要があるので、当方からはくどいほどに繰り返しアドバイスすることが多い。
繰り返し説明するのも、ピントを合わせる過程で、あるいは状況変化に応じて、臨機応変に配合を変化させたり、適宜、使用分量を増減したり、様々な工夫、悪く言えば小細工、よく言えば高度な加減を行うのを服用者自身に行ってもらう必要から、かなりな理解力を必要としているのが現実である。
だから勘のよい人ほど、早くマスターされ、中途半端なピントの段階でも、状況報告や各方剤の反応について敏感に察知し報告してもらえるので、ますますいよいよピンと合わせの能率が向上するわけである。
多少は気心が知れる頃には、各方剤の使用方法のコツやヒントをマスターされ、ご自分に適した適宜の使用方法を考案されて優れた成果が出たとの報告が得られるようになればしめたもので、「とても良い勘をしておられるから、こちらのヒントを参考にされて、引き続きご自身でやって良い範囲内で工夫してみて下さいよ」と言えるまでになる。
要するに、小細工の多い中医漢方薬学治療が長続きする人というのは、観察力があって、しかも客観的および主観的状況報告を的確に行え、勘のよい人に限られるように思われる。
理屈っぽい中医漢方薬学派の村田漢方堂薬局の漢方で、1回目で効果が出なかったら直ぐに諦める人は問題外だが、初期に速効があっても2回で止めた人が今年になって目立つのであった。
まさか


ラベル:臨機応変にの配合変化
posted by ヒゲジジイ at 02:20| 山口 ☁| 中医漢方薬学
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2007年04月03日
薬剤師が漢方薬・中医学を学んでその知識を活かせる道

性別 : 女性
年齢 : 20歳〜29歳
御職業 : 医療・福祉関係 薬剤師
簡単な御住所 : 近畿地方
ご意見やご質問をどうぞ : 初めまして、●●と申します薬剤師です。
不妊治療に携わるなど医療関係に属しては来たのですが薬剤師としての経験・知識は無に等しい微々たる物。
現状の閉塞感と無力感に苛まれている中で少しでも人の役に立てる者になりたいと、漢方薬・中医学に明るくなりたいと志している次第です。
先生如何にして学べばいいのか、どこに居ればいいのか医師でもない薬剤師という立場で、どうやって力になればいいのか、どうお考えでしょうか。
穿った質問をする事も出来ないひよっこで申し訳ありません。応えて戴けたら嬉しく思います。
乱文大変失礼いたしました。お読みいただき有難う御座いました。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
ちょうど一ヶ月前にも同様な御相談がありました。
2007年03月02日 漢方専門薬剤師への道
このブログですが、この中に記載しているURL
2007年02月19日 薬学部卒業後に漢方を専門に学ぶには?
の内容が、少しは参考になるかもしれません。
要するに薬剤師の立場から、漢方薬、中医学を学んで実際に世の中の病人さんのお役にたつべく実践するには、漢方専門の薬局に就職するか、あるいは自営の漢方専門薬局を開設するかしかないように思われます。
但し、どの業界でも価格競争が厳しいように、昨今ではあれだけ厚生労働省が医薬品のネット通販(医薬品画像と価格などを陳列掲載により買い物カゴ等によるお誘い販売)を止めるように再三再四、内部通達を行ってもエスカレートするばかりですので、せっかく苦労を重ねて勉強し、知恵を絞って適切な漢方薬が販売できるようになっても、ようやくピントが合った時点でネット上の安売り店で購入される場合もあり、いくら腕が良くとも経営困難に陥る危険性無しとしない恐ろしい時代を迎えています。
(医薬品のネット通販も法律的に禁止され、来年度からはネット通販は行えないとの噂が業界では絶えないのですが、事実は定かではありません。現実には大手ポータルサイトなどでも公然と行われているのですから。)
しかしながら、本当の現実を言えば、価格面で良心的な配慮さえしておれば、最終的には知識と腕で勝負できる世界でもありますので、むしろ
お客様は神様ではない! 「イヤな客には売るな!」石原明著(PHP研究所)要するに(嫌な客には売るな)
という心構えさえ出来てさえいれば、背水の陣で自営の薬局を持たれるのが一番だと思います。
本当にやる気さえあれば、若いうちなら何でも可能です。
ヒゲ薬剤師だって若い頃はボクサーになりたい夢もありましたが、そちらに向かえば絶対にKOパンチャーになる自信はありましたから。
多少とも自信過剰気味で人生に立ち向かって行けば、かなりなことが可能です。大きく挫折することがあっても、勝気さと自分自身に対する信頼とがあれば、どのような目的でも8割以上は実現可能だと思いますが・・・・・いかがでしょうか?
以上、取り急ぎお返事まで。
村田漢方堂薬局 村田恭介拝
折り返し頂いたメール:お忙しい中、丁寧にお応え頂きありがとうございます。
>勝気さと自分自身に対する信頼とがあれば
今私に足りない物は当にここかもしれません。
自信を持って進めるように努力を重ねる所存でございます。
現在、逆境の最中と申しますか心弱くなっている部分もありましたものでお答えいただけた事自体にも心温まる気持ちでした。
夢を見定め、現在足りない物を考え直して一歩ずつ進んで行きたいと思います。
本当にありがとうございました。
ラベル:嫌な客には売るな
posted by ヒゲジジイ at 22:14| 山口 ☁| 徹底したポリシー
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