2007年03月18日

風邪引き体質を改善する漢方薬についての御質問

 運営サイト・ブログの中で最もクリック数の多い漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記 からの御質問
性別 : 女性
年齢 : 50歳〜59歳
ご職業 : 主婦
簡単なご住所 : 関東地方
ご意見やご質問をどうぞ : 00歳の専業主婦です。
 風邪ひき体質をなんとか漢方薬で治したいと思い、メールいたしました。

 小さい頃から、体は、それほど丈夫ではなく、しばしば、風邪を引いていました。若い頃は、まあまあ、元気にすごしていたのですが、40歳を過ぎたあたりから、風邪をひく回数が増え、今では、1ヶ月に1回ぐらい引くようになりました。
 1度引くと長引き、治ったと思っても、今度は、口内炎で苦しんだりと、元気に過ごしている日数が少なく、憂鬱な気分になってきます。

 風邪をひかなくなるために、免疫力を上げてくれるような漢方薬があれば、ぜひとも、教えていただきたいのですが。なお、特に持病などありません。

お返事メール:拝復
 訪問されたブログのページにも

漢方と漢方薬は、実際には世間の想像以上にきめ細かく論理的であるということ

とありますように、適切な漢方薬を選択するにはかなり高度な知識が必要です。その理由は、中医学・中薬学は個別性の医学・薬学だからです。言い換えれば、その人その人の体質に応じた適切な漢方薬を選択しなければ、しっかりした効果を得ることが出来ないからです。

 それゆえ、お送りいただいたメールの情報だけでは、貴方の体質の情報は乏しく、風邪を引きやすく、口内炎なども出来やすい免疫力のない体質であるということ、これだけの情報では不足なのです。

 ですからお近くの漢方専門薬局などで、しっかり日頃の体質などを把握してもらいながら、7〜10日毎に通いつめてピントの合った漢方処方を購入され、必要に応じた配合の微調整を行ってもらう必要があると思います。

 もしも咽喉腫痛から始まる風邪であれば!という条件付ですが、この場合には少なくとも、銀翹散製剤の天津感冒片を購入され、少量を常用されると、これだけでも次第に風邪を引くことが少なくなります。
 このことは風邪専門のブログ
風邪やインフルエンザの漢方薬 の
咽喉が弱い人には銀翹散製剤の錠剤の少量継続がもっとも有効のように思える
 このページに具体的な利用方法を書いています。

 あくまで多かれ少なかれ咽喉をやられるタイプの風邪に限ります。風邪を引いてない時でも、天津感冒片の微量を利用し続ければ、この方法だけでもある程度は風邪を引きにくくなるはずです。
 しかしながら、真の意味で丈夫な身体にするには、その他にも体質そのものを丈夫にする貴女にピッタリあった漢方処方を併用する必要があります。
どの漢方薬を使用すればよいかは、先にも述べましたように、お送りいただいたメールの情報だけではアドバイスすることは不可能ですので、必ずお近くの漢方専門薬局や漢方専門クリニックなどでジックリと御相談の上、お求め下さい。

 当方の地元(山口県)近辺には、貴女と同様な体質の人が漢方薬によってとても丈夫な身体になられ、同年代の人よりも遙かに元気で長生きされておられる漢方の常連さんで80歳以上の女性が沢山おられます。
 そのような方こそ、虚弱体質を改善する為に長年に亘って体質改善用の漢方薬と伴に天津感冒片など、様々な漢方薬を臨機応変に使用され続けたお陰で、大きな成果が得られているわけです。

 以上、取り急ぎお返事まで。
                頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介拝


後日頂いたメール:村田恭介様

 お忙しいところ、早速のお返事を頂戴いたしましてありがとうございました。色々と、貴重なお答えいただきまして、参考にさせていただきたいと思います。
 まずは、お教えいただきました、天津感冒片を少量常用の方法をしばらく、試してみたいと思っている次第です。(咽頭痛から必ずといっていいほど、始まり ますので)

 私と同じような方が、漢方薬でお丈夫になられ、元気に過ごされていらしゃるとの事、とても、励まされました。村田漢方堂薬局へ直接出向きたいところですが、なにしろ、◎◎◎◎に住んでおりますので、伺えないのがほんとうに残念です。
 それでは、これからも、漢方漫遊記を拝読させていただきたいと思っております。
 ほんとうに、ありがとうございました。