2007年03月11日

頚椎症を薬を頼らずタダで治すには? 首伸ばし療法の発明!

 毎日まいにちマイニチ、こんな穴倉みたいな薬局で深刻な相談ばかりを受け、いつも猫背の姿勢で考え込んで夢中になり、夢中になり過ぎて気がついたときはグッタリして眩暈さえ感じることがある。
 哲学の煙と牛黄製剤だけが救いの生活がどんなに長く続いていることだろう。
 合間を縫ってパソコンにも向かい、仕事が終わると俯いた姿勢で本を読むかテレビでサッカーを観戦するか。

 二十代半ば頃から三十代半ばまで8年間、毎晩欠かさずサンドバックと格闘してプロボクサーの夢を追い続け、それが不可能となるとチヌ釣りに熱中し・・・・本業も含めて常に猫背の生活。
 右肩がひどく下がってきたのは、弱小の薬大硬式野球部でピッチャーをやっていたことに始まる。

 そのうち自身がひどい頚椎症になっていることに気が付いたのは、二十年前に頭部打撲を二度やった時以来だ。
 歯医者さんでの治療、あの斜め横になる姿勢が耐えられなくなった。それ以外で生じる苦痛は、考え込んだり目を凝らすパソコンなどが長時間続くと、頭がぼんやりして足元がふらつくことが起こり始めていた。
 特にここ数年は老化が進んで持久力がなくなり、長時間の相談業務が極端に疲れるようになっていた。ヒゲジジイの頚椎症は残念ながらしばしば遭遇する独活葛根湯証ではない。それゆえ、対症療法的に牛黄製剤がよく効くので、麝香製剤とともに常用することでお茶を濁していた。

 ところが偶然なことから、一瞬にして完治してしまったのだった!
 哲学の煙の空箱のお陰である。外箱のセロファンを瞬間接着剤使用時の滑らかさをつけるために必要だからと捨てずにいたらどんどんテーブルの上に山のようになっていった。その向こう側にはテレビがあるので、次第に首を伸ばさなければ見えなくなりはじめた。
 そうっ! 首を伸ばしてテレビを見るようになって以後、あらゆる頚椎症関連の諸症状が本当に超速効で雲散霧消して、以後、二週間くらいになるが、まったく再発は、ない!
 信じられないが本当の話である。
 そのかわりに常に、首は伸ばし加減であるから姿勢が良くなった。軍人のように威張っている。今までのように猫背で首を縮めることはない。
 この猫背で首を縮める姿勢こそが最大の原因だったのだ。
 
 以後は、次第に体力が回復し、長時間の相談業務で疲労することもふらつくことも皆無。だから、逆に穴倉生活に耐えられなくなって却って抑鬱気分が襲ってきたほどだ。
 もうすぐチヌの乗っ込みである! 絶対に逃亡してやるぞっと決意している。

 ところで、頚椎症にも様々なタイプがあるので、一概には論じれないが、漢方と漢方薬の世界では、葛根湯系列の症候があるばあいには意外に簡単に軽快する。
 葛根湯と鋏(はさみ) で述べた独活葛根湯が適応することがかなり多い。

 ところが、このタイプ以外の頚椎症ではかなり正確に弁証論治しなければならず、さいわいに独活葛根湯タイプであっても様々な方剤を組み合わせる必要が生じることが多い。

 しかしながら、上記のヒゲジジイが体験した自然牽引の方法、首を伸ばす姿勢の習慣、つまり猫背に陥らない姿勢を保つ、首を亀さんみたいに縮めない。
 これを実行するだけでも緩解する人が必ずやいるはずである。

 信じられないことに、数十年続いた右肩のひどい傾斜が、一瞬にして治っているのだから、その効果のほどが知れようというものである。
 だから最近、猫背の人や、どちらかの肩が下がっている人には頚椎症と決め込んで、盛んにヒゲジジイのタダの首伸ばし療法を伝授するのだが、真面目に取り合おうとしないのだから、みんなバカである(笑)
ラベル:頚椎症
posted by ヒゲジジイ at 00:50| 山口 🌁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2007年03月08日

葛根湯と鋏(はさみ)

 ハサミと葛根湯の関係は・・・ほかでもない「馬鹿と鋏は使いよう」と同様に「馬鹿と葛根湯は使いよう」で、つまるところ「葛根湯と鋏(はさみ)は使いよう」ということだ。

 ヒゲジジイの主催するサイトやブログの中では最も人気の高い(クリック数が多い) において、
葛根湯(カッコントウ) : 漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記  このページに葛根湯の応用方法を簡単に記しているが、本来なら葛根湯専用のサイトをオープンしても良いくらい、極めて応用範囲の広い方剤なのである。

 風邪やインフルエンザにはほとんど非力ではあっても、頚椎症をはじめ、様々な領域に広く応用が効くことは驚くばかりである。
 しかしながら、上記のブログ内 葛根湯(カッコントウ) : 漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記  に記している内容を再読してみて、重要なことを書き漏らしていることを発見した。だから、そこに追記すれば良いことだが、このブログに書く理由は、最近、立て続けに併用方剤として葛根湯系列の方剤を追加することで効果を上げている人が続いているからである。

 きっとその方たちも、このブログだけは目を通されていることと思われるが、いずれも服用してい頂いている葛根湯系列の方剤は、それぞれに明らかな特徴がある。

 しばしば病院から投与される医療用の葛根湯との違いは、配合成分中の葛根と麻黄の配合比率が明らかに異なっており、葛根と麻黄の比率が常に二倍以上、葛根が多い製剤を使用している。医療用のように葛根と麻黄がほとんど同比率のものは使用しない、ということである。

 また、実際には医療用には存在しないらしい独活葛根湯(どっかつかっこんとう)製剤を使用することが断然多く、この方剤では葛根が麻黄の2.5倍も多い。さらに地黄と独活が加わっている製剤である。

 このように葛根湯系列の方剤は、名前の如く「葛根」が主薬であるから、配合成分上は「葛根」こそもっとも多くなければならず、それゆえにこそ慢性疾患にも応用が利き、長期間の使用に耐えるのである。

 本年は、常に頭がボンヤリしているという悩みを抱えている何人ものかたに、また耳鳴り・頭痛・肩凝りが重度に合併している人、ふらつきと耳鳴りが合併している人など、独活葛根湯製剤が大活躍している。

 上記のような葛根と麻黄が同比率に近い製剤では、峻烈な性質のある麻黄が勝ち過ぎて、一時的に風邪の引きかけに使用したり頓服的に使用する外には、長期連用にはどうしても負担がかかり過ぎる恐れがある。

 とどのつまりは、葛根が麻黄よりも二倍以上に配合されたものでなければ、逆に言えば麻黄の配合量をセイブしたものでなければ、長期連用に耐えない可能性が高いのである。

posted by ヒゲジジイ at 01:20| 山口 ☔| 時代的な傾向や使用頻度が増加中の漢方薬方剤 | 更新情報をチェックする

2007年03月07日

病院の奨める岩盤浴や自己治療による温熱食品の常用によって病状を悪化させた挙句

 行き着いた先は・・・村田漢方堂薬局である。

 中医学的には明らかに熱証のややご高齢の女性が、頭部・顔面のある不快症状で来局された。
 明らかな熱証タイプの上に血行障害を呈しているご様子。

 ところが、これまでの治療が悉く間違っている。間違った方法だけは直ぐに見分けがつくものである。
 通院中の医院とタイアップした岩盤浴に二年間、毎週二回通い詰め、折々にニンニク健康食品を自家製造して飲用し、健康食品店で奨めれた高麗人参を常用し、それで自覚症状は次第に悪化して耐えられなくなり、昨日の岩盤浴の予約を取り消してまで村田漢方堂薬局に救い?を求めて駆け込まれた。

 以上の療法は悉く間違いだらけで逆効果ばかりであることを強く指摘すると、先日の若い女性の時とは異なって、思いがけずご聡明な女性で、一々納得される理解力には却ってこちらの方が驚いたくらいだ。

 上記の間違った療法をすべて中止すれば、恐らくは半分は軽快するだろうから、さし当たって必要最小限の敢えて濃度の薄い四逆散製剤を10日分お渡しして、経過を観察することにした。

 間違った温め療法を長期間行ったことによる弊害を除去するには、それらを即刻中止することが急務であるから、それによって蒙ったストレスによる気滞を軽く解消してあげれは、気が通れば血の滞りもおのずと解消する道理である。
 この熱盛血瘀を治療するひとつの手段として、涼性の理気剤(少量の四逆散)で様子を見るに限るのである。

 とりわけこの婦人を悩ませたのは週二回の岩盤浴で、岩盤浴が終わった後には決まって2〜3時間は患部の頭部・顔面が強烈な膨張感を伴った熱感で、今にも卒倒しそうな不快症状が続く為、必ずご家族同伴の自家用車で送り迎えしてもらっていたことであった。



2007年03月05日

憂鬱な月曜にもらった「ヒゲ爺パンダ」シール

 月に一回は訪れる憂鬱な月曜日。
 鬱は昨日の日曜日から始まって仕事が始まる月曜日も鬱々としていた。

 朝から新しく中年世代のご夫婦が来られ、辛い症状に憂鬱そうだったから、あえてカラ元気を出して励ました。
 でも、憂鬱な一日である。
 
 昼ごろだったか「お陰で大分元気になりましたexclamation」と明るくおっしゃる美しい女性に、思わず「うらやましいですねバッド(下向き矢印)たらーっ(汗)」と、立場が完全に逆転したご挨拶を漏らすヒゲジジイ。

 元気出しなさいよとばかり頂いたのが、これひらめき
    ヒゲ爺パンダシール


 上は明るいけど、下はまだ暗い。
毎月1回は訪れる抑鬱気分も通常は1〜2日で吹っ切れる。恒例の一時的な逃避願望に他ならない。だから四逆散製剤や麝香製剤を服用する以前に治ってしまうのだった。

3月6日の追記:上記の強がりも通用せず、6日の火曜日も新人さんが続き、已む無く皆さん愛用の四逆散製剤の錠剤を服用せざるを得なくなり、服用後はかなり抑鬱から脱出できた。結局、いつの間にかミイラ取りがミイラになってしまっていたのだった。


posted by ヒゲジジイ at 22:10| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2007年03月02日

漢方専門薬剤師への道

 のお問い合わせフォームより
性別 : 女性
年齢 : 20歳〜29歳
御職業 : 医療・福祉関係
簡単な御住所 : 九州北部地方
具体的な御職業 : 薬剤師
御意見や御質問をどうぞ : はじめまして。
 私は現在調剤薬局に勤務しておりますが、今後は漢方(薬)の専門薬剤師になりたいと考えております。漢方の専門薬剤師になるにはどういった方法があるのでしょうか?
 専門の学校があると聞いた事もあるのですが・・・。情報をお持ちでしたらお教え頂けないでしょうか。よろしくお願いいたします。

ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 少し前に、薬学生から同様な御質問を頂いています。その時にお返事した内容を以下のブログに掲載していますので、それを参考にして頂けるのではないかと思います。

薬学部卒業後に漢方を専門に学ぶには?

 なお、漢方を学ぶ専門の学校があるという話ですが、その分野はまったく存じません。やはり漢方専門薬局における最前線での実践こそが上達し熟練する最短コースのように思います。

 以上、簡単ながら取り急ぎお返事まで。
                  頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介拝

折り返し頂いたメール:お忙しいところ早々に貴重なご助言を、どうもありがとうございました。
 大変参考になりました。
 自分自身の今後をよく見極め、進んでいこうと思います。
 お礼まで。

posted by ヒゲジジイ at 18:31| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2007年03月01日

騙す人が悪いのか? 騙される人が悪いのか?

 奇妙奇天烈なご相談や無表示医薬品の御相談など、このブログよりも他のブログで相応しいことばかりが続いていた。

健康食品の朝鮮人参を飲み続けながら体中が痒いのは本当に良い反応なのか?

ペテン社会日本の現状:某ダイエット食品店の陰謀

 上記の二例を見ればお分かりのように、騙す人が悪いのか? 騙される人が悪いのか?
 もちろん騙す人が悪いに決まっているが、親日の某国人は、騙される日本人が悪いのよ、と言ったとか?!

 ヒゲジジが思うに、騙す人が悪いばかりでなく、騙される人も「馬鹿」なのよ、と思うのである。

posted by ヒゲジジイ at 21:09| 山口 | とんでもない話や、信じられない困った話 | 更新情報をチェックする