2007年03月31日

日本漢方と中医学の長所と短所についての御質問

 からの御質問

性別 : 男性
年齢 : 20歳〜29歳
簡単な : 関東地方
具体的な御職業 : 大学院生
ご意見やご質問をどうぞ : こんにちは、今年、韓国で韓医学科を卒業した韓国人です。
 これから、新しい旅立ちを前にいろいろ悩みを抱えている日々を過ごしています。

 韓国漢方は新方と言う点から中医学と類似点が多いということですが・・私の国では日本を古方派、韓国中国を新方派と定義しております・・よって、わたくは新方派ということになると思います。
 ホームページを閲覧したところ、新方、古方を両方勉強されたとのことですが・

 1.新方と古方の各長短所は具体的に何でしょうか?

 2.また、それらを融合する意義は何でしょうか?

 3.実際、両方を学習した経験から、どちらが難しかったのでしょうか?

 4.日本で漢方をやっている方は約何割ぐらいが新方(もしくは中医学)をやっているのでしょうか?

 5.日本では医学部での卒後研修(和漢診療学講座)において漢方教育がなされると聞きますが・・そこで教えているのは古方でしょうか? それとも古方、新方両方を教えているのでしょうか?

 6.私は東洋医学の客観性、再現性向上のために証の西洋医学的分析が必要だと思いますが・・そのために古方、新方を融合した知識は役に立つのでしょうか?

 以上の6点でお願いします。
 ちなみに私は古方、新方、西洋医学を融合したい理想を持っています。そう言った趣旨で今回の質問をさせていただきました。
 宜しくお願いします。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 個人的な経験からのお返事になりますが、HP上に公開している拙論を御紹介しながら、それぞれのご質問に対する小生の見解をそれぞれ簡単に示したいと思います。

>1.新方と古方の各長短所は具体的に何でしょうか?

 中医学には医学体系として哲理が確立しており、論理性の点でも優れているが、日本漢方では東洋医学的な哲理に乏しく論理性の面でも虚実論など、幼稚さから脱却し切れていない。数十年前までは寒熱理論を無視されていたに近く、過去の口訣ばかりに頼った臨床報告が多い。
 日本漢方の優れた点としては、過去の歴史的な基本方剤を最も重視し、中医学派の一部の先生のような基本方剤をお手本とせず、最初から方剤を自前で組み立てることはしない。

日本漢方の将来「中医漢方薬学」の提唱(平成元年の提言!)

中医学と漢方医学(村田恭介著)

の拙論にこそ、二つのご質問に対するお返事になると思います。

>3.実際、両方を学習した経験から、どちらが難しかったのでしょうか?

 これについては、やはり専門用語の豊富さと論理における複雑性においても、中医学の学習の方がはるかに学習に困難を極め、実際には教科書で示される典型的な患者さんは現実にはいないに等しいわけですから、中医学理論を有機的に活用してご相談者に適切な方剤を提示することがなかなか出来ない、つまり臨床に直結した学習とはなりにくかった。
 その点、日本漢方は過去の口訣に頼って、方剤運用の分かりやすいコツが示されているので、一年も真面目に学習すれば、ありきたりな病気には一定レベルの成果を挙げることが出来た。

中医漢方薬学に目覚めるまで・・・日本漢方(漢方医学)の問題点

>4.日本で漢方をやっている方は約何割ぐらいが新方(もしくは中医学)をやっているのでしょうか?

 現実には中医学を学ぶ人が爆発的に増えており、おそらく漢方を真に専門的に学ぶ専門家の8割近くが中医学を中心とした学習をしていることと思われますが、日本東洋医学会などの機関誌に掲載される論文や製薬メーカー主導の各病院やクリニック等への売り込みはエビデンス漢方ばかり。
 このためテレビなど各マスコミでも取り上げられるのが、どうしても日本漢方やエビデンス漢方ばかりが目立っているように思います。

 問題は膨大な数を占める漢方を専門としない西洋医学専門の医師が投与される医療用漢方は製薬メーカー主導によるエビデンス漢方が主流で、このエビデンス漢方のみによる医師が爆発的に増えている現状と思われます。(医療用漢方の使われ方の実態は、小生には多くの身近な身内医師による報告から実体がつぶさに把握できています。)
 これらの実体からいえば、真に専門的に中医学を学ぶ医師も薬剤師も全体からいえば、まだまだ少ないことになりそうです。

>5.日本では医学部での卒後研修(和漢診療学講座)において漢方教育がなされると聞きますが・・そこで教えているのは古方でしょうか?

 古方のようです。論理的思考能力の高い日本の医学部医学科卒業者が、多くの点で論理性と科学性に欠ける日本漢方のありかたに多大なる疑問を呈することがないとは不思議と言うほかはありません。
 日本漢方ナショナリズムから脱却できない一派が日本漢方の表看板を代表されている実体は、砂上の楼閣のように思えてなりません。

>6.私は東洋医学の客観性、再現性向上のために証の西洋医学的分析が必要だと思いますが・・そのために古方、新方を融合した知識は役に立つのでしょうか?

 日本漢方の欠点ばかり述べるようですが、現実には臨床面において、各基本方剤の運用面で、日本漢方には過去の膨大な治験例と口訣が蓄積されており、一つの方剤の運用において、異病同治の方剤運用に優れています。中医学的に説明困難な方剤運用による著効例は過去に数多く蓄積されています。

漢方医学発展への道 (中医学と日本漢方)

 この点で、日本漢方における口訣や治験例を中医学的に分析解明することは中医学発展の為にも是非必要なことだと考えています。

 なお、中医学と西洋医学の比較では、

中医学と西洋医学━中西医結合への道 村田恭介著

 この拙論のような西洋医学批判も必要だと考えます。
 疾病の本質を病名として提示出来る中医学は、やはりある意味では西洋医学をはるかに凌ぐ優れた医学体系であると思います。

 以上、少しでもご参考になれば幸いです。
                     頓首
            村田恭介拝

posted by ヒゲジジイ at 18:52| 山口 ☁| 漢方薬や中医学の学習方法および懐かしい拙論 | 更新情報をチェックする

2007年03月30日

漢方でダニアレルギーは治るのでしょうか?

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
簡単なご住所 : オーストラリア
お問い合わせ内容 : 私の13歳になる息子についてご相談です。
 息子はひどいダニアレルギーで、毎日ティッシューを半箱くらい使ってしまいます。
 アレルギーの薬を飲んでいるのですが、症状は軽くなるものの治りません。たまに炭酸飲料などを飲んでしまうと、もうその夜は鼻を真っ赤にして大変です。機嫌もとたんに悪くなります。
 いろいろな療法を試してみましたがなかなかこれと言ったものにめぐり合えません。
 漢方でダニアレルギーは治るのでしょうか。良いアドバイスをお願いいたします。


お返事メール:拝復
 もちろん漢方でダニアレルギーを治すことは可能です。
 但し、御子息の体質と病状の諸条件に適合した漢方処方が必要です。そのためには、地元で漢方の専門家を見つける必要があります。アメリカなどでは探せば見つかっているようですが、

http://murata-kanpo.seesaa.net/article/36139984.html

 そちらでも漢方専門の診療所などを探して、根気よく通いつめる必要があります。遠方からのご相談ではなかなかしっかりとピントが合うとは限りません。
 漢方はマンツーマン、というか個別性を重視して照準を合わせる医学・薬学ですので、病名治療的にこの薬がよいと簡単にアドバイス出来るものではありません。悪しからずご理解下さいませ。
             村田漢方堂薬局

2007年03月29日

タバコの喫煙は健康を害しますが・・・人によっては心の健康を支えるかもしれません。



 村八分の好きな島国根性の日本人には、上記のタイトルは最も気に食わないことに違いない。
 だからあえて異を唱えたくなる。

 タバコを迫害することにかけては異常なほどの情念を燃やす国民だが、「万病の原因は冷えにある」というトンデモナイ危険思想を信じ込んで、岩盤浴やニンニク健康食品・薬用人参など温補過剰による健康被害には気がつかない。

 この栄養豊かでカロリー過剰の飽食の時代に、かてて加えて異常なほどの温暖化がすすむ時代に、いやはやおめでたいばかりの衆愚ぶりである。

 漢方の専門家でさえ風邪の漢方薬は、いまだに葛根湯だと信じ込まれているこの日本という国は・・・イヤハヤっダッシュ(走り出すさま)

posted by ヒゲジジイ at 01:53| 山口 | 哲学の煙(けむり)と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2007年03月28日

漢方薬の品質やエキス濃度の問題

 漢方薬は煎じ薬に勝るものはないという馬鹿げた神話が信じ込まれているようだが、決してそんなことはない。

漢方薬は煎じ薬が一番よいという誤解!
 たとえば眼科系疾患に有効な杞菊地黄丸、あるいはその基本方剤である六味丸などは、わざわざ丸薬と名づけられている如く、煎じ薬としたものよりも、各生薬粉末を混合して丸剤に製したもののほうが、効果的なように思われる。
 エキス剤と粉末薬を比較した場合は、なおさらそのように思われる。
 実際にエキス製剤のものと、純粋に粉末生薬を混合して丸剤に製したものを、同一人物で比較実験した場合は、歴然とした効果の違いが感じられた。
 安中散という胃薬で有名な漢方処方などでは、煎じ薬と原料生薬粉末を混合して製したものの効能比較では、かなり歴然とした差が出る場合が多い。
 もちろん、処方名で指摘されている通り、粉末薬の方が優れている。但し、薬用量が余りに少ない市販品の場合では、二分の一濃度のエキス散(煎じたものをエキスにしたもの)の方が、はるかに有効であった。
 桂枝茯苓丸などは、長期服用の場合は、煎じ薬よりも慢性疾患を改善する上で、様々な面で合理的であり、効果も安定している。
 その他にも当帰芍薬散や四逆散・八味丸、平胃散、参苓白朮散、乾姜人参半夏丸など、本来、煎じ薬とすべきでない方剤意外に多い。
 とりわけ、牛黄や麝香のような高貴薬などは、煎じる意味がほとんど皆無であり、原料生薬をそのまま粉末などに製して服用するのが常識である。
 つまり、漢方薬は煎じ薬が一番だというのは、大きな誤解に等しいということである。


成川一郎氏の「漢方製剤の偽装」を読んで感じたこと
建築業界の耐震強度偽装問題になぞらえて「漢方製剤の偽装」という本の題名であるらしい。
 市販される各種漢方薬のエキス製剤や医療用漢方製剤の偽装問題、すなわち煎薬に比して、一日量があまりにも少なすぎて効力に疑問のある製剤が多いという問題のお話。
 このことには誰も気付いてなかったということだが、小生のような三十五年近い古株?にとっては、まったく常識的なことであって、今更何を、という感無きにしも非ず。
 葛根湯の力価ばかりを云々しても、はたして葛根湯がそれほど風邪に効きますかね〜〜?と、そちらの方に疑問を呈したほどだ。
 確かに漢方製剤の品質問題をこれほど徹底的に研究された成川氏には頭が下がり、この分野ではとても貴重な資料となっていることと思われる。
 それだけに成川氏に、もっと注目して欲しいものが、日本漢方で使用される生薬の錯誤問題である。このためにどれだけ漢方処方の効力を低下せしめているか、ということにも目を向けて欲しいということだ。

 生姜と乾姜と煨姜(わいきょう)モドキの錯誤問題。

 漢防已と清風藤の混同問題。

 桂皮と桂枝の錯誤問題。

 人参と党参と竹節人参の問題。

 蒼朮と白朮の錯誤問題。

 浜防風と漢防風の混用問題。

 これらを正しく使用するか、あるいはこれまで通り錯誤したままの漢方製剤が引き続き作られるとしたら、こちらのほうこそ重大問題であり、偽装問題以上の大きな問題が含まれているような気がしてならないのだが、どうだろう。
 ひるがえって、漢方製剤の優劣は各メーカー間でも、各方剤毎に異なり、また重要なことはエキス配合量が二分の一だからといっても、満量配合の製剤よりも効力が遙かに優れた製剤も多い事実をご存知だろうか?(猪苓湯などで顕著!)

 たとえば、これは既に十年くらい前に「和漢薬」誌などにも発表したことだが、顔面に生じた慢性の皮膚疾患に、医師の出された医療用のツムラ猪苓湯とツムラ茵蔯五苓散の配合で全く無効であったものが、市販されているエキス量二分の一の猪苓湯とエキスと粉末が混合された茵蔯五苓散の併用によって比較的速やかな効果を示した例など、患者さん御本人と、主治医に薬剤師2名によって、何度も確認したものである。
 さらに最近しばしば遭遇することだが、複数の女性が医療用のツムラ猪苓湯エキスを出され、小生から見ても適切な投与であると思われるのに、一向に効かないからもっといい漢方薬が欲しいという要求に、濃度は二分の一だが効力の点では長年信頼している某メーカーの猪苓湯エキス製剤を試してもらったところ、速やかな効果を得ている事実をどう解釈すべきだろうか?

 濃いければ良いという問題でもなく、配合生薬の品質問題にも大きく左右されることを忘れてはならないと思うのである。
 以上、様々なことを考えさせてくれる優れた書籍だけに、絶賛するだけに終わらずに、近接する諸問題にも敷衍させてもらった。

関連サイトの記事:http://m-kanpo.ftw.jp/u50272.html#60806
関連HP:間違いだらけの漢方と漢方薬
 上記の二つのブログを読んでもらえば少しは理解してもらえるかもしれないが、最近経験したことでは、たとえば皆さんご存知の四逆散製剤での出来事である。
 この皆さんというのは、村田漢方堂薬局で多くの人に利用してもらっており、その多くの人がこのブログを御覧になっているらしいので、村田漢方堂薬局で各種の四逆散を利用されている人に対する皆さんのことである。

 四逆散製剤だけでも三種類の製剤を利用しているが、例の最も濃度の薄い某メーカーの甘草(かんぞう)以外の柴胡(さいこ)・枳実(きじつ)・芍薬(しゃくやく)が同比率で配合された顆粒剤である。
 多種類の症状に悩まれるやや高齢の人に、これまでやって来られた間違った温め療法の数々をすべて中止してもらい、この四逆散製剤だけを服用してもらったところ、即座に現れた効果が、長年の不眠症が安定剤なしで寝つきがよくなり熟睡できるようになったこと。さらには快便となったこと。

 まだまだ他にも多種類の症状があるので、今後は次第に適切な方剤を加えて行く必要があるが、さし当たっては体質改善三点セットを追加しているところである。

 このようなアラユル医療の副作用で心身ともに痛めつけられた人には、あえて濃度の薄い漢方処方で対処したほうが、却って効果的なこともあるということだ。
 濃度的にも品質的にも最も優れた某メーカーの四逆散(エキスと粉末を合わせた製剤)を利用するばかりが能ではなく、適材適所で各種の四逆散製剤を使い分けるのも、技術の一つであるはずだ。

 でもやっぱり一番人気があるのは錠剤のエキス剤ですね。臨機応変の増減が出来ることにかけては、四逆散や黄連解毒湯に関しては、漢方薬といえどもヤッパシ錠剤に限るようですね。

 ともあれ、葛根湯であれ四逆散であれ、あるいは黄連解毒湯であれ、名前が同じなら効果・効能に優劣は無いと思ったら大間違いであることだけは知っておいたほうがいいだろう、いくら素人さんでもね。
 つまりエキス濃度が濃ければ濃いほどよいという問題ではなく、適材適所ということであり、濃度問題にも増して重要なことは、使用されている原材料(配合生薬)の品質の優劣と、その漢方処方内の配合比率などは、かなり重要問題なのである。

 ネットでいくら調べても、こんな漢方と漢方薬の真実を暴露するところはヒゲジジイ関連のブログやサイト以外には滅多にないと思いますよ手(チョキ)
posted by ヒゲジジイ at 01:08| 山口 ☁| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

2007年03月27日

子宮筋腫に対する漢方薬

御質問者:東海地方の内科医師

 ブログを拝見していますが、個人的には新鮮な話題で興味深いです。

 本日は、30台前半の女性についてお知恵を拝借できればと思いメールしました。
 十数年来の生理痛がある方です。胃腸が弱く、食事をするとすぐにお腹が一杯になってしまうそうです。舌は淡紅で、腹診としては腹直筋緊張あり、腹力中等度、胸脇苦満あり、脈は弦脈です。

 婦人科を受診して子宮筋腫を指摘されています。なお、いろいろご事情があって心療内科へ通院中です。
 婦人科の担当医からは手術の可能性について説明を受けたそうでして、できれば手術なしでなんとかしたいとの意向です。

 個人的には難易度が高いと考え、ご期待に沿えるかどうか不明である、と伝えてはあります。
 とりあえずは25番(桂枝茯苓丸)を処方しましたが、何か状況を打破するお考えがあればお教えくださいますと幸いです。


お返事メール:拝復
 拝読した瞬間、これぞまさしく柴胡桂枝湯証の典型!であると感じました。

柴胡桂枝湯(サイコケイシトウ)

 しかしながら、子宮筋腫があるわけですから、桂枝茯苓丸に柴胡桂枝湯をエキス剤で投与されたのでは、桂枝(実際には肉桂=辛甘・大熱)が二重になりすぎて腎陽を過剰に温め過ぎますので、桂枝茯苓湯に小柴胡湯を合方されるのが適切だと考えます。

桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン) 

 すなわち小柴胡湯合桂枝茯苓丸ですが、この配合中には柴胡桂枝湯が丸ごと入っていることになりますので、古方派時代には盛んに使用して多くのひとに喜ばれてきました!
 うまくいけば子宮筋腫が小さくなることも大いにあり得ます。さらに、医療用漢方にヨクイニンがあった?と思うのですがヨクイニンも加えるとさらに効果的なようですが。但し、胃弱な人にはヨクイニンでも胃に応える場合があるようです。
 また、田七人参も加えるとよりベターだと思いますが、残念ながら日本ではナゼだか健康食品扱いで、残念です。

 また、上記の合方中に含まれる柴胡桂枝湯によって、心療内科的な疾患にもかなりな効果を発揮できる可能性も高いと思います。

 なお、難易度が高いと書かれていますが、過去の経験からは古方派時代でも子宮筋腫を手術せずに免れ閉経まで持ち込んでめでたしメデタシの人は大変多く、大の漢方ファンになられた方もおられるほでです。
 また、子宮筋腫のみならず卵巣嚢腫、子宮内膜症、チョコレート嚢胞など、これ等婦人科疾患こそ漢方ではかなりな得意分野ではないかと思ってます。過去も現在も含め、漢方治療に本気で臨んだ人の多くがそれなりの成果を得ていると思います。

 以上、簡単ながらお返事まで。
             村田恭介拝


折り返し頂いたメール:前略
 ショウサイコトウ合ケイシブクリョウガンでもし子宮筋腫が縮小するようでしたら、願ったりかなったりです。
 さっそく処方させていただきます。


【編集後記】 子宮筋腫に関しては傷寒・金匱の時代から今に到るまで桂枝茯苓丸を主体に運用すべきことが多いが、子宮内膜症やチョコレート嚢胞、あるいは卵巣嚢腫などには桂枝茯苓丸や当帰芍薬散など保険適応範囲の方剤では、体質によっては不適応の場合 も多く、保険では使用できない牛膝散製剤や折衝飲製剤を主体に運用する必要があるケースがシバシバである。

 蛇足ながら以前、中堅病院に勤務される地元の婦人科の医師に、子宮内膜症などで桂枝茯苓丸で効果がない場合にはどうすればよいかとの質問を受けましたが、てっきり折衝飲は保険収載品目だと思い込んで、
 「モルヒネの100分の1の鎮痛効果があると言われる延胡索(えんごさく)が配合された折衝飲エキス製剤を使用すればいいかもしれませんよ」
 とアドバイスしたものの、やや困った表情をされていた理由が、後になって分かったのだった。

2007年03月26日

常連さんってどういう意味ですか?

 タイルのような質問の回答は、すでにこのブログで何度か書いたこともあるはずだが、最近もシバシバ受ける質問なのでもう一度書いておくと、要するに慢性疾患だけでなく、急性疾患までほとんどすべての疾患を村田漢方堂薬局の漢方薬で解決しようとされる人達である。
 これらの人達は、漢方薬が安全で副作用がほとんどないから、というありきたりで単純な理由から「何でもかんでも漢方」ファンになったわけではない。

 皆さんそれぞれにもっともな理由があって、合成医薬品の一切にアタル、すなわち中毒する、副作用がでる、アレルギー反応が出る、服用すると嘔吐する、発疹が出るなど、化学合成された医薬品を一切受け付けない人達が本当に存在するのである。

 それほどでなくても、頑固な慢性疾患に長年苦労され、その間には様々な医薬品の副作用に悩まれ、それに併行して慢性疾患まで悪化した人というのも、相当におられる。
 また、西洋医学では治らないはずの難治性の疾患や重度の疾患が、当方の漢方薬によって緩解したことがきっかけで、その身内中の難病も運よく比較的スムーズに治ったおかげで、超常連さんになられた一族もおられる。
 
 また、上記のような悲壮な問題からではなくて、年がら年中風邪を引いているような虚弱体質の人が、西洋医学治療ではまったく埒が明かないので、漢方薬によって長期的な体質改善を行うつもりで通い詰めた結果、いつの間にか大の漢方ファンになってしまった人も沢山おられる。

 いずれの常連さんも急性疾患用の漢方薬を各種様々常備されておられ、緊急時には電話一本でアドバイスできる体制を整えている。
 長年のお付き合いだから、当方でも体質を熟知している分、急性疾患でも対処が早く、必要に応じて病院での検査・診断を強制(笑)する場合でも、渋々でも素直に従ってくれる人達である。(時には頑固を張って病院での諸検査・診断を拒否される人もおられるが、すべて自己責任が取れる人達だからである。

 ただし、不思議と言おうか当然と言うべきか、アクの強いヒゲジジイの繊細優美(笑)にして神経質であれかこれかのテストの多い細かな微調整に付き合えるような日本の伝統的忍耐強さと精神力を持ち合わせた人でなければ、到底常連さんにはなれるものではない。
 具体的には必要に応じて病状の客観的および主観的報告の労を厭わない主体性を必要とするからだ。
ラベル:常連さん
posted by ヒゲジジイ at 02:12| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2007年03月25日

最近頭に来ること(笑)

哲学の煙の発生源

 電話でのお問合せに多いことだが、またネットを見て直接来局される人にも多いのが、予約制でないことに不満を漏らされる人が多いことである。

 また、直接来局された人に到っては最初だからたっぷり相談時間を何時間も取ってあげているのに、これまで行っていた漢方薬局や病院では予約制でも待っている人が多かったが・・・言外にアンタとこ大丈夫〜〜〜?といった風情で怪訝で不安そうな顔がうかがえる。

 だったらそこへ戻ったら、とヒゲジジイは当然ノタマウのである。じゃ〜〜〜何のためにこの気難しいヒゲジジイの所にやってきたんだよ〜〜、ヒゲジジイは腕が悪いからタップリ時間をかけないとなかなか適切な漢方薬の配合を見つけ出すことが出来ないんだから、人気のあるところで治らないからって、ワザワザこんな田舎までやって来てもらわなくたって結構だよ! さようなら

 一方では、運悪く混雑しているタイミングばかりに来られる人達は、近くに喫茶店があれば繁盛するのにね〜〜^と、ご冗談でしょう(笑)

 予約制にしたら、特別な相談があって話し込みにやって来られる十年以上の常連さんたちが困るのである。
 新人さんに安易な気持ちで気軽に来られては困るが、気心の知れた常連さんには、気楽にいつでも来て欲しい。

 常連さんこそ、愚鈍でのろまな、考え込んだら百年目のヒゲジジイ流の漢方の価値を認めてくれる人達だから、昨今、(急速に増えている)いつ止めるとも分からない新人さんよりも、はるかに大切な人達なのである。

 ところで腕の悪さにかけては自慢ではないが、(もとは病気の問屋さんだった)現在四十代の常連さんで、当時、他の漢方専門薬局でどうしても治らないからと村田漢方堂薬局に来られたのはいいが、ヒゲジジイがどんなに頑張っても3年間、ほとんど効果が出ず、振り出しに戻ってようやく効果が出始めて今ではとても元気になられているが、この方が最高に効かなかった期間の最長不倒かもしれない。
 それでも諦めずに頑張ってくれたお陰で、複雑な配合ながら3年目にして安定した効果が出るようになり、常に臨機応変の複雑な配合変化を繰り返して、気がついたらとても元気になるのと同時に不動の常連さん、不動のファンとなられていた。こんなに腕が悪いのにね〜〜〜っ 
 今では女性薬剤師ととても気心の知れた仲良しである。

 このブログを続けるのも好い加減厭きてきたので、ヒゲジジイの腕の悪さ自慢ブログに変えて「そして誰も来なくなった」としたら、さぞや皆が喜ぶことだろうなぁ〜〜〜 呵呵大笑!

 実はとうとう57歳の誕生日を迎えてしまったので、かなり人生に投げ遣りになっているかもパンチ

2007年03月24日

ニキビ治療の御相談

性別 : 女性
年齢 : 20歳〜29歳
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : 東海地方
お問い合わせ内容 : 初めまして。
 ミクシイというサイトで漢方の名医がいると紹介して頂いたのが先生にご相談したいと思ったきっかけです。
 ご相談内容ですが、顎、頬、おでこにできるニキビで悩んでます。
 先生のサイトを見させて頂いて、病院に通うのがまず第一と理解しました。ニキビに悩んで5年・・自分では色々やってきたつもりです。病院にも数箇所足を運びました。化粧品が悪いとか、不規則な生活をしていないかなどどこも世間一般で言われているような診断でした。
 処方の薬では治らないし、新しいニキビもできました。それほど顔中にニキビがあるというわけではありません。
 ただ、必ずどこかにニキビがあり、痕も残ってしまうのでどうにかしたいのです・・。
 漢方の力を先生の力を貸してください。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 長年、ニキビが治らないでお困りの人は多いようですが、軽症だからといって簡単に解決がつく問題ではありません。ニキビの場合、重症の人の方が、半分治ったくらいでも、明らかな効果が見えるので、短期間で半減して大いに喜んでもらえても、徹底的に完治するまでは、かなり徹底した体質改善を行う必要があるために、8割緩解で諦める人も出てきます。

 貴方の場合のようにニキビ歴が長いとは言え、それほど重症ではない、むしろ軽症であるというケースでは、病歴が長いだけに体質改善そのものをかなり徹底的に行わなければ、根治しない可能性が高いのです。
 だから、軽症だけに目立った効果が直ぐに出るとは限らず、気長く少なくとも1〜3年くらいのピントの合った体質改善的な漢方処方が必要になります。

 見かけが軽症だからといって直ぐに治ってしまうわけではないということです。ニキビも脂漏性皮膚炎も同類ですが、気長く体質改善を行った人は、最終的にはほとんど根治してしまいますが、長期的なピントの合った体質改善方法を行う必要があるであろうということです。

 こちらでは、アトピー性皮膚炎も含めてニキビや脂漏性皮膚炎など、女性の美容に直結した問題で来られる方は多いのですが、真剣真面目に続ける人は全員、体質改善に成功していますが、数回の微調整が耐えられず、直ぐに他の治療方法に目移りする人は、いつの間にかサヨウナラ、で今年だけでも既に2人の脱落者が出ている始末です。
 こちらから言えば、あまりにも根気が無さ過ぎる。根気のない人は、何をしても成功しないだろうと、こちらでも割り切っています。

 逆に、根気があり、漢方薬のピントの微調整に耐えられ、一定レベルの経費もつぎ込める人(軽症のニキビであっても根本的な体質改善には一ヵ月分に換算すれば1万円〜3万円くらいかかる)でなければ、自費の漢方治療というのは不可能です。

 難病だから経費がかかり、ありきたりな病気だから経費がかからないとは限らないのです。例えば、最近でも某膠原病の女性に、当帰四逆加呉茱茰生姜湯加地竜の配合で、月額換算すれば1万数千円の経費であり、同様なある膠原病でも、茵蔯蒿湯と独活寄生湯製剤の併用で、やはり月額1万数千円の経費で、お二人とも順調に緩解しています。

 ともあれ、貴女は遠方ですので、上記のおつもりで地元の漢方専門薬局などで、体質をシッカリ見極めて御相談に乗ってくれるところに訪問され、適切な体質改善を行ってもらうその根気があれば、1〜2年もすればほとんどニキビとオサラバ出来ることでしょう。体質によって漢方薬や体質改善方法も異なりますので、必ず直接出向いて御相談されるべきです。

 以上、メールでのご相談ではこれ以上のアドバイスを差し上げることは不可能ですので、悪しからず御了承下さいませ。
                     頓首
村田漢方堂薬局 村田恭介拝


折り返し頂いたメール:お返事ありがとうございます。

時間がかかるのは百も承知です。
体質改善から始める決意もあります。
実際私も体質が問題の1つだと思っています。
費用もそれなりに覚悟があります。

やはり遠方ですと直接アドバイスは頂けないんでしょうか。。
1度近くの漢方へ相談し、●●●を処方されましたが、
私の話はあまり聞いて頂けず、途中でやめてしまいました。。

もし先生とのお付き合いが難しいのであれば、どうしようもありません。

◎◎◎◎◎で先生のような方いらっしゃらないでしょうか。。


折り返しお送りしたメール:拝復
 当方のサイトを本当に真剣に読まれていたら

> もし先生とのお付き合いが難しいのであれば、どうしようもありません。

 このようなやや失礼とも思える文面をお送りされること自体、理解に困しみます。
 だから当方では、チェック体制をしっかり行っているのです。

漢方と漢方薬の将来のために直接来局の方、あるいは電話のお問合せで、漢方薬販売をお断りした事例集

 こういうブログをやっているのも、本気の人、マナーが守れる人、そういう方としかお付き合いがしたくないからです。
 現実には、当方には関東や関西方面からでも、重症の人から軽症の人まで、体質改善が行いたいからと、泊りがけでやって来られる若い人が絶えません。それだけの気概のある人でなければ、やや大袈裟に言えば互いに切磋琢磨して漢方治療を行うことが出来ないからです。

> やはり遠方ですと直接アドバイスは頂けないんでしょうか。。

とありますが、当然のことです。
 遠方の人でも、本当に真剣に真面目な人というのは、こちらがたとえお断りすることがあっても直接やってこられ、しかもマナーがしっかり守れる人だからこそ、こちらも真剣にアドバイスも出来るし、長いお付き合いも出来るのです。
 単なる慈善事業をおこなっているわけではないので当然ではないでしょうか?!

 ところで、「●●●を処方された」とあるのは、朝鮮人参のことでしょうか? もしもそうだとすると、相談を中止されて大正解です。あまりにも幼稚すぎます。

ともあれ当方は儲け主義でやっている薬局でもなければ、かといって単なる慈善事業でやっている薬局でもない、お客様は神様ではない! 「イヤな客には売るな!」石原明著(PHP研究所)

http://cyos.exblog.jp/  http://cyosyu.jugem.jp/  ということです。 
                              頓首


【編集後記】 土曜日の仕事を終わってストレスが溜まりにたまって、またまたブログに八つ当たりとは年甲斐もないが、ことのついでに、というかどさくさ紛れに本音を書いておくと、今頃の日本がますます嫌いになる理由はこれである
http://cyosyu.jugem.jp/?eid=49
自国の国旗や国歌に敬意を払えない教師達

 自国の国旗や国歌に敬意を払えない先生方に、大事な子供をあずけるわけには参らぬ。

 父や母、祖父や祖父母、曽祖父や曾祖母をはじめとしたみずからのご先祖様に敬意を払えない不遜な輩と非難されても致し方ないのではなかろうか?

 そんな不遜な輩にどうして大事なわが子を託すことが出来ようか!?

 実に不倶戴天と表現するに相応しい。
 価値観の相違で済まされる次元とは到底思えない。


posted by ヒゲジジイ at 13:07| 山口 ☔| 吹き出物やニキビ、脂性や角栓および脂漏性皮膚炎 | 更新情報をチェックする

2007年03月22日

2007年03月20日

後鼻漏治療の志願者

 後鼻漏で悩まれる方は日本全国に大変多く、後鼻漏の漢方治療の専門の宣伝サイトがあるくらいであるから、相当な人数がおられるのは確かである。
 小生の過去の経験でも、蓄膿症が原因の場合は病院治療などで治らなかったケースでも、ほどほどの根気を要するものの8割以上の緩解を得られたケースはトテモ多い。

 ところが、蓄膿症が完治した後や風邪をこじらせた後に生じたカタル性炎症による後鼻漏の場合は、やや事情が異なる。後鼻漏が水溶性の場合は、藿香正気散(カッコウショウキサン)などで速治することも珍しくないが⇒ 10日分のカッコウショウキサンで止まった水様性の後鼻漏
 粘りの強い後鼻漏となると、時に一筋縄では行かずに不十分な効果のまま、綿密な情報交換が不十分なまま効果も中途半端で治療を断念される方すら出てくる始末である。⇒ 風邪が治った後に生じる頑固な後鼻漏にも様々なタイプがある

 これらのことを承知の上で、しばらく当方の漢方でがんばって見たいというヒゲジジイと血液型が同じB型の人からのお申し込みがあった。

お問合せ・ご連絡内容 : 先程、後鼻漏の漢方治療でお電話させていただきました◎◎でございます。
 私の後鼻漏は3年くらい前に風邪をこじらせたくらいから始まったのだと思います。そのときは急性蓄膿もあったのですが、耳鼻科に半年くらい通い黄鼻(蓄膿)は治り、透明でネバネバの後鼻漏が残ってしまったのです。
 その後、耳鼻科(半年以上)や漢方薬局2箇所等(3ヶ月、7ヶ月くらい)をやったがだめで(ここら辺の経過や処方はお伺いしたときにお話いたします。)今に至ります。
 B型独特の凝り性もかなりあると思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。・・・・・・・・・・・に休みを取ってお伺いさせていただきます。
 それではお会いできるのを楽しみにしております。

ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 「B型独特の凝り性」とは! まさに小生もB型特有のマニアックな凝り性のところがあります。
 一度下関に来られて以後は、お互いに焦らずコツコツと漢方薬の配合の微調整を行えば、必ずや遅かれ早かれ8割以上の緩解は得られるものと思います。
 以上、取り急ぎお返事まで。
                     頓首
ラベル:後鼻漏

2007年03月18日

風邪引き体質を改善する漢方薬についての御質問

 運営サイト・ブログの中で最もクリック数の多い漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記 からの御質問
性別 : 女性
年齢 : 50歳〜59歳
ご職業 : 主婦
簡単なご住所 : 関東地方
ご意見やご質問をどうぞ : 00歳の専業主婦です。
 風邪ひき体質をなんとか漢方薬で治したいと思い、メールいたしました。

 小さい頃から、体は、それほど丈夫ではなく、しばしば、風邪を引いていました。若い頃は、まあまあ、元気にすごしていたのですが、40歳を過ぎたあたりから、風邪をひく回数が増え、今では、1ヶ月に1回ぐらい引くようになりました。
 1度引くと長引き、治ったと思っても、今度は、口内炎で苦しんだりと、元気に過ごしている日数が少なく、憂鬱な気分になってきます。

 風邪をひかなくなるために、免疫力を上げてくれるような漢方薬があれば、ぜひとも、教えていただきたいのですが。なお、特に持病などありません。

お返事メール:拝復
 訪問されたブログのページにも

漢方と漢方薬は、実際には世間の想像以上にきめ細かく論理的であるということ

とありますように、適切な漢方薬を選択するにはかなり高度な知識が必要です。その理由は、中医学・中薬学は個別性の医学・薬学だからです。言い換えれば、その人その人の体質に応じた適切な漢方薬を選択しなければ、しっかりした効果を得ることが出来ないからです。

 それゆえ、お送りいただいたメールの情報だけでは、貴方の体質の情報は乏しく、風邪を引きやすく、口内炎なども出来やすい免疫力のない体質であるということ、これだけの情報では不足なのです。

 ですからお近くの漢方専門薬局などで、しっかり日頃の体質などを把握してもらいながら、7〜10日毎に通いつめてピントの合った漢方処方を購入され、必要に応じた配合の微調整を行ってもらう必要があると思います。

 もしも咽喉腫痛から始まる風邪であれば!という条件付ですが、この場合には少なくとも、銀翹散製剤の天津感冒片を購入され、少量を常用されると、これだけでも次第に風邪を引くことが少なくなります。
 このことは風邪専門のブログ
風邪やインフルエンザの漢方薬 の
咽喉が弱い人には銀翹散製剤の錠剤の少量継続がもっとも有効のように思える
 このページに具体的な利用方法を書いています。

 あくまで多かれ少なかれ咽喉をやられるタイプの風邪に限ります。風邪を引いてない時でも、天津感冒片の微量を利用し続ければ、この方法だけでもある程度は風邪を引きにくくなるはずです。
 しかしながら、真の意味で丈夫な身体にするには、その他にも体質そのものを丈夫にする貴女にピッタリあった漢方処方を併用する必要があります。
どの漢方薬を使用すればよいかは、先にも述べましたように、お送りいただいたメールの情報だけではアドバイスすることは不可能ですので、必ずお近くの漢方専門薬局や漢方専門クリニックなどでジックリと御相談の上、お求め下さい。

 当方の地元(山口県)近辺には、貴女と同様な体質の人が漢方薬によってとても丈夫な身体になられ、同年代の人よりも遙かに元気で長生きされておられる漢方の常連さんで80歳以上の女性が沢山おられます。
 そのような方こそ、虚弱体質を改善する為に長年に亘って体質改善用の漢方薬と伴に天津感冒片など、様々な漢方薬を臨機応変に使用され続けたお陰で、大きな成果が得られているわけです。

 以上、取り急ぎお返事まで。
                頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介拝


後日頂いたメール:村田恭介様

 お忙しいところ、早速のお返事を頂戴いたしましてありがとうございました。色々と、貴重なお答えいただきまして、参考にさせていただきたいと思います。
 まずは、お教えいただきました、天津感冒片を少量常用の方法をしばらく、試してみたいと思っている次第です。(咽頭痛から必ずといっていいほど、始まり ますので)

 私と同じような方が、漢方薬でお丈夫になられ、元気に過ごされていらしゃるとの事、とても、励まされました。村田漢方堂薬局へ直接出向きたいところですが、なにしろ、◎◎◎◎に住んでおりますので、伺えないのがほんとうに残念です。
 それでは、これからも、漢方漫遊記を拝読させていただきたいと思っております。
 ほんとうに、ありがとうございました。

2007年03月17日

2007年02月23日のアメリカからのお問合せ「腰の捻挫によって生じた長年の腰痛に対する漢方薬」の続報

2007年02月23日:腰の捻挫によって生じた長年の腰痛に対する漢方薬 の御質問者(アメリカ駐在)からのご連絡メール:村田先生侍史

 二月に先生からお返事を頂戴したしました◎◎と申します。
先生のお返事をうけて、▲▲▲▲▲▲にある漢方クリニックにいってきました。
 そこで、処方された薬をご連絡いたします。
 ちなみにそこでの診断は気虚、血虚、寒証、跌打損傷的瘀血との事でした。

<処方内容(全てエキス剤です)>
1.十全大補湯
2.逍遥丸
3.療傷丸(成分は当帰、川芎、白芍、香附子、牛膝、元瑚(延胡索)、桃仁、紅花、木瓜、桂枝、乳香、没薬)
4.黄連片
 の4処方です。

 これらの処方を服用し始めて1週間になりますが、気のせいかなんとなく痛みが軽減されたような気がします。

 こちらからの勝手なご相談に非常にご丁寧な回答を頂いたのにも関わらず、事の顛末をご連絡しないのは失礼と思いメールさせていただきました。

 重ねて御礼申し上げますと同時に、今後の先生の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
 専門のクリニックがあってよかったですね。
 そのまま緩解することをお祈り申し上げますが、もしも効果が不十分な場合は、折々に配合の微調整を行ってもらうべきだと思います。
 一回目ですべてピントがあっているとは限りませんので、あせらずコツコツ頑張って下さい。
 なお、興味深い処方構成ですので、ブログに再録させて頂きたく、御了承下さいませ。
             頓首

ラベル:腰痛

2007年03月16日

ソケイ部から恥骨一帯にかけての湿疹

御質問者:北陸地方の鍼灸師

 前文失礼致します。風痰上擾の目眩の際はご指導ありがとうございました。
 お忙しいこととは存じますがご指導いただければ幸いです。
症状なのですが、ソケイ部から恥骨一帯にかけての湿疹があり痒みがあります。
 ステロイド系の塗り薬を使用していますがほとんど無効です。 患部はカサカサしています。 また、寝て起きると異様に体が寒く、特に背中が寒いです。朝起きるとお風呂 に入らないと寒くていられないです。
花粉症もあり目の痒みと鼻水が出ます。

舌所見は淡紅、白苔(膩傾向だと思います。また薄く黄色が舌中部から舌根に有るように見えます。)胖傾向です。舌辺部は逆にツルッとしてます。
 甘いものの過食や食事の不摂生などあるので脾の問題が根底にあり湿熱があるのかと思うのですが、舌証との兼ねあいが今ひとつの様に思っています。
 薬としては猪苓湯にプラス何か入れなければと思いますが、御助言よろしくお願いいたします。


お返事メール:ご報告された状況からは、辛温解表に風湿邪を除去する作用のある荊防敗毒散(けいぼうはいどくさん)がよいのではないかと思います。
 薄くかかる黄苔は微妙で、陽虚による水湿不化による黄苔ということもありますので、湿熱を本当に挟むのかどうかは不明です。
 この方剤なら、風寒湿の表症に有効ですので、花粉症や目の痒みや鼻水にも一定の効果が得られる可能性が高いと思います。

 もしも手元に荊防敗毒散がないばあいは、連翹を加えてない十味敗毒湯でも代用になると思います。
 一般書籍類では、十味敗毒湯の効能を去風化湿・清熱解毒として、風湿熱の皮疹に適応するとされているものがありますが、実際には清熱解毒の力よりも風寒湿を除去する作用が強いように思います。ですから意外に風寒湿を呈する湿疹に有効で、上記の荊防敗毒散の代用になりえるものだと思ってます。(但し、個人的には荊防敗毒散は優れた方剤だと思いますが、十味敗毒湯については花岡青洲の考案した方剤とはいえ、この世に存在する意義は乏しいと愚考しています。)

 脾虚が明らかであれば、同じ荊防敗毒散でも人参などが加わった製剤(建林松鶴堂の製剤)「松鶴太陽」が適切だと思われます。
 なお、猪苓湯を使用する必要はないように思います。
 以上、簡単ながらお返事まで。
                      頓首

村田恭介拝
posted by ヒゲジジイ at 11:21| 山口 ☁| アトピー性皮膚炎や慢性湿疹など痒みを伴う皮膚病 | 更新情報をチェックする

苓甘姜味辛夏仁湯が頭痛や頭部ふらつきに著効を得た中医学的分析

御質問者:東海地方の内科医師

 夜分に失礼いたします。一件、村田さんの解釈を伺いたいケースがあります。
 30台の女性です、頭痛、頭部ふらつき、耳鳴り、めまい、むかつき感、生理の前に体調が思わしくない、など多彩な症状をもっているかたです。
 基本的に、脾虚と腎陽虚があると考え、八味地黄丸・六君子湯を中軸として処方してきたのですが、最近寒いときに頭痛と頭部ふらつきが増悪され、手元にあった119を内服したそうです(花粉の頓服として処方していた)。
 ほかにもいろいろ頓服を試したが全くだめで、119が著効したそうです。

 私のような浅学ではちょっと理解困難ですので、村田さんのお知恵を拝借できれば幸いに存じます。


ヒゲジジイのお返事メール:119番は、苓甘姜味辛夏仁湯のことですね。
 日本古方派では小青竜湯の裏の処方として珍重されており、小生も古方派時代には盛んに使用したものです。
 この方剤を用いて、中年女性の喘息を根治、文字通り根治させた経験が三十年近く前にあり、確か「漢方の臨床」誌にも発表した記憶があるのですが、手元の自著を探すと見つかりません。
 また、苓桂味甘湯や苓甘姜味辛夏仁黄湯など、この系列の加味方のすべての関係を「漢方の臨床」誌に発表した記憶があるのですが、いずれ書庫にいって探しておきたいと思います。
 ともあれ、

>寒いときに頭痛と頭部ふらつきが増悪され

た状況に苓甘姜味辛夏仁湯によって効果が得られた仕組みは、辛温の性質の「細辛」にはかなり強力な去風止痛作用がありますので、ひとえに細辛の止痛作用のお陰であろうと推察します。また、もともと本方には吐き気や眩暈にも有効な半夏や茯苓が配合されておりますので、痰濁上擾による眩暈にも有効に作用したものと思われます。
 
 漢方処方は一般で解説される効果効能以外の領域にも、広く応用可能なことは、猪苓湯においても既にご存知の通りです。葛根湯などについても葛根と麻黄・桂枝の配合比率次第では、各種の頚椎症など広い範囲の疾患に応用できるなど、配合中の薬味ひとつひとつの性質を深く研究されればされるほど、計り知れない応用力が付くものと思います。

 と、エラッソウなことを書いた小生こそ、難問がなかなか解けずに思案し続ける御相談者が常時数名以上、毎日考え込んでは不眠症の日々を送っております(笑)

以上、取り急ぎお返事まで。
                    頓首

 村田恭介拝

折り返し頂いたメール:早速のお返事ありがとうございました。
 119のお陰で漢方処方の引出しが増えました。ありがたいことです。

2007年03月15日

田七人参の問題点

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 関東地方
具体的な御職業 : 漢方関連
お問い合わせ内容 : メールといえど夜分のことで申し訳ございません。
 早速ですが、気になる事がありまして、是非先生に教えて貰いたい事がありまして、厚かましくもまた質問の方させて頂きます。
 気になることとは、『田七人参』の事なのです。色んな書籍を読めば読むほど、又色々な症状に使えば使うほど、話を聞けば聞くほどになんとなくその効能にハッキリしたものを見いだせない事が多いのです。(自分の物に出来ないのです)その疑問というのは、最近ある製薬会社の人間と話をしていたのですが、、、田七人参:朝鮮人参=3:1=止血:補気という関係があるというのです。田七には止血の作用が3/4程度で補気の作用が1/4で朝鮮人参はその全く逆の効果があると言うのです。
 また長期的にみると必ずと言っていいほど、田七には血管収縮作用が現れるという話も聞いたことがあります。この血管収縮が「あながち嘘ではないな」と自分が感じた理由は人参の「生津止渇」という作用が、その血管収縮作用によるものなのか?と考えたからなのであります。
 以上のことを自分勝手な妄想で考えますと、補気作用により血小板〜の生成に関与しそれを促し、血管収縮作用によって止血を行うので総合的に考え止血に効果があるのかと考えてしまうのです。また各炎症に効果があるとされていますが、例として肝炎などに有効に作用する場合、肝の亢進している血管に対し収縮を促し機能を正常化させる事と、以上の書いた内容が正しければ何らかの関連があるのか?などど考えてしまいます。(応用が進めばアトピーなどにも効果があるのでは?考えてしまいます。)
 最後に「血管収縮」という事実があるのであれば、「オケツ」があるような場合には使えない生薬ということになり得ると思うのですが、、、しかし「止血活血」という効能が歌われておりますので、その使い道は効能如何によって、オケツに対しては非常に慎重にしなければいけないのか?と思ってしまっています。
 以上なのですが、経験が浅いもので田七なるものを自分のものに出来ていないので、お忙しいとは思いますが、今回も先生に甘えさせていただければと思いメールさせて頂きました。

ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 肩透かしのお返事になりそうで申し訳ないのですが、田七人参の中薬学的考察方面においては様々に問題もあり、たとえば温性というのが定説のようですが、温でも寒でもなく、平であるとの論証が中国国内の某氏によってなされているほどです。
 たしかに温性であるとされる従来の解釈では、あまりにも矛盾が多すぎるからです。
 また、残念ながら日本では食品扱いされる状況からは、健康食品分野での過大評価による販売目的の過度な宣伝や販売合戦など、品質問題を含めて、あまりにも問題が多過ぎます。

 田七人参が日本国内にようやく輸入され始めた当初、当時の情報では9等級くらいの品質の幅がありました。現在はどの程度の幅の品質における等級があるのかは知りませんが、品質そのものにあまりにも大きな落差がある性質上、早急に日本国内において、正式な医薬品として厚生労働省に申請する勇気を持った製薬会社が現れないことには、いくら巷の陰で、効果効能を云々詮議立てしたところで、田七人参の本当の姿を解明し、論議することも困難だと思います。
 次善の策としては、中国語原書の中薬学書を広く漁って、中医学的な学習ととともに、現代医学的な解明を学ぶ以外に方法はないと思います。

 中略

 田七人参の医薬品の許可を得ることが出来ない日本の製薬会社は、まことに怠慢極まりないと考えているところですが、日本国内ではまったくの「健康食品」なのですから、コメントする気にもなれません。
 でも、さいわい貴方は様々に考察を巡らされているわけですから、その調子で試行錯誤されることこそ、大いなる学習と思考訓練になるわけですから、今後の発展に期待申し上げると同時に、心からお慶び申し上げる次第です。
                       頓首

ヒゲジジイ


折り返し頂いたメール:
 お忙しいところ、早速のお返事ありがとうございました。
 そのような事情があったのですね。
 これからも勉強を重ねて自分のものに出来たらと思います。

posted by ヒゲジジイ at 23:41| 山口 ☔| 間違いや問題の多い日本の漢方と漢方薬 | 更新情報をチェックする

御家族の代理による御相談で漢方薬を購入できますか?

性別 : 女性
年齢 : 20歳〜29歳
簡単なご住所 : 九州地方
具体的な御職業 : 事務
お問い合わせ内容 : HPを見てメールしました。
 母親が乳癌で今入院しています。月曜から抗がん剤治療が始まります。
 母親はそちらには行けないのですが、私だけでも処方してもらえるのでしょうか?
 少しでも薬のダメージをなくしたいのですが何をしていいのかわかりません。
 よろしくお願いします。

お返事メール:拝復
 まことに残念ながら、当方ではご本人様が積極的な意思と姿勢で来局されない限りは、御相談に乗って漢方薬をお渡しすることは出来ません。
 御本人様のご家族や代理の方からのお問い合わせで最も困る問題点は以下の通りです。

 たとえ、どのようにお困りの状況であっても、ご本人様の意思(本当に漢方薬を求めておられているのかどうか?)が不明であるという問題です。
 過去にも、しばしばご本人様の意思とご家族や代理の方との意識が大幅に異なっていたということから、後々に当方が板ばさみに合って困ったことがあるからです。

 また、直接来られる場合でも、御本人様の意思と意欲よりも、引率者の方たちの意欲ばかりが先走って、ご本人様はそれほど積極的ではなかったということが断然多く、昨今でも折々に遭遇しています。そのためにせっかく来られてもお断りせざるを得ないこともあるほどです。

 以上が村田漢方堂薬局の方針ですので、まことに恐縮ながら御了承下さいませ。
                     頓首
村田漢方堂薬局 村田恭介拝
posted by ヒゲジジイ at 00:48| 山口 | 徹底したポリシー | 更新情報をチェックする

2007年03月14日

将来、漢方薬の仕事をする上での薬剤師資格を得ることのメリットについて

性別 : 女性
年齢 : 20歳〜29歳
御職業 : 学生
簡単な御住所 : 関東地方
ご意見やご質問をどうぞ : 質問をする場所を間違っていたらすみません。
 薬系資格の将来についてもしご存知であれば教えてください。
 現在大学選びで迷っていて、候補が二つあります。
 一つは4年制の大学で西洋薬学・東洋薬学を学び、最後の年は1年間中国の本校へ留学する、という学校です。
 もう一つは、6年制大学の漢方学科です。最近薬剤師受験資格が、大学在学4年以上から6年以上に変わりましたが、2年分多い学費を払い、時間を費やしてまで薬剤師の資格をとる事の利点を見出せていません。
 近く、”登録販売士”なる資格が新しくでき、薬剤師資格を持たない者でも販売できる薬種が増える、という記事を読みました。
 4年制の薬科大学(前述)に行き、この資格をとることと、6年制に行き薬剤師の資格をとることで出来ること、何が違うのでしょうか。
 それぞれのメリット・デメリットなど詳しく教えていただけたら有難いです。

 大学を卒業して将来何になりたいか、はっきりと決まっているわけではないのですが、研究職や、総合病院・薬局での調剤業務のようなお堅いイメージ(私だけでしょうか)よりも、人とのコミュニケーションを大事に出来るような仕事に就きたいと思っています。
 よろしくお願いします。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:薬剤師資格と登録販売士?資格などを比較すれば、資格として行える範囲の違いは雲泥の差です。
 薬剤師資格なしで行える従来から存在する薬種商なども含めて、医薬品製造業の許可を得ることは出来ません。
 ですから自家製の医薬品(漢方薬も含めて)を製造(調合)して販売することは、薬剤師資格がなければ行えないことです。これは決定的に異なるところです。

 今後は、6年制の薬学部を卒業しないと薬剤師の受験資格が得られないわけですから、それだけ6年制の薬学部に行くメリットは計り知れないはずです。
http://yakkei.jp/contents/six_year/archives/2005/02/post_1.asp
http://yakkei.jp/contents/six_year/index.asp

 また薬剤師資格によるそのほかの職種は病院における臨床薬剤師や調剤業務等、一生、就職には困ることがありません! 少々高齢になっても食い逸れることはないということです。

 ところで、薬学部に入学したら漢方が学べると思われているようですが、それに関しては期待が大きく外れることでしょう。
 また、現在では猫も杓子も(笑)漢方、漢方とあこがれて漢方専門店や薬局をオープンされるものの、この世界は意外に過酷で、腕がないと効果が出ないので、たちまち経営破たんを起こす(というのも相談客が来てくれないから)。
 だから、勢い漢方の世界でも安売り競争が激化して、腕の勝負よりも値段の勝負という本末転倒した現象が生じているほどです。
 以上、簡単ながらお返事まで。
           
ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 02:20| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2007年03月13日

中医学と西洋医学━中西医結合への道 村田恭介著



 中医学と西洋医学 の本体を取り出して専用サイトに移転し、同時に一部修正中! なのです。
posted by ヒゲジジイ at 12:05| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2007年03月12日

日常茶飯事(付録:深部静脈血栓)

※「病院に行くほどではないと思うから、病院に行く前にマズ漢方薬でも試してみようかな〜〜〜と思うんですがね〜〜〜(と物見遊山!)」
 「そんな気楽さで来られたんじゃ〜カナワナイ。先に病院に行って! 重大な病気が隠れていたらこちらだって困りますからねっ。病院にも行かせずに薬局に留め置かれたなんて、あらぬ嫌疑をかけられたんじゃ〜〜、たまったもんじゃない!」

※「病院でもらった薬(合成薬)を飲んだら、却って気分が悪くなったんですよ」
 「じゃ〜〜、先生にはっきりと報告すべきですよ」
 「とってもいい先生なもんで、言い難いんですよ。調子いいでしょう〜〜っと、言われると、ついついハイッ!て返事してしまったんですよ」
 「バッカジャナイノ〜〜〜ッ」

※「〜〜〜が痛いんですが、飲んだら直ぐ効く漢方薬って〜〜のはないんでしょうね〜〜?!」
 「ハイッ、ご期待通りありません!」
本当はあっても確実な保障は出来ない。

※「歩行すると足が痛くなるんですが、今直ぐに出してもらえる漢方薬はあるんでしょうか?無理ですかね〜〜?」
 「病院では治らないのですか?」
 「いえいえ病院に行くほどでもないんでね〜〜〜」
 「それじゃ〜〜逆に病院に行って下さいよ。体格と年齢の若さから言って、もしも深部静脈血栓などがあったら大変ですからね。一度診断を受けていた方が安心ですよ。ところでどの程度悪いのですか?」
 「一時間も歩くと踝が痛くなるんですよ。大したことは無いんですがね」
 「じゃ〜〜無理ですね。漢方薬を服用しながら一時間歩いては試されたんじゃ〜〜かなわない。きっと、効かない効かないと苦情を持ち込まれるのがオチでしょう。」
その程度の軽症で人をおちょくってるんじゃないのこの人っ! ともあれ、様々な原因による深部静脈血栓の漢方治療の相談はしばしばあるが、必ず病院での診断が下っている必要がある。本日あったばかりの事例

※「漢方薬は効き目が出たら止めてもいいんでしょうか?」
 「止めるやめないは、アナタのご自由ですよ」


※「漢方薬は効き目が出たら止めてもいいんでしょうか?」
 「ええ、構いませんよ、もちろん。でも、再発の可能性が高いことだけは保障しますよ」

※「漢方薬は効き目が出たら止めてもいいんでしょうか?」
 「ええっ、構いませんとも。再発すれば、また再開すればいいんですよっ」
本日あったばかりの事例。ケース・バイ・ケースで、同じ質問でも返事がこうも違ってくる!?

※「〜〜〜が漢方薬で治りますか?」
 「治るかどうかは、やってみなければわかりません。直ぐにピントが合うこともあれば、ピントが合うまでお互いに根気勝負となる場合もあります。ピントが合っても四季折々、臨機応変に配合を変化させる必要が生じる場合だってあります」
 「だったら私の病気はどうなんでしょうか?」
 「察するところアナタの話の雰囲気からは根気がなさそうですので、ほとんど無理でしょうね、きっと」
中途半端な気持ちで来られても長続きしないだろうから、治る病気も結局は根気が続かずに治らないことになりがちって〜〜こと

※「漢方薬って意外に安いんですね〜〜〜っ!」

※「漢方薬って意外に高いんですね〜〜〜っ!」