2007年02月23日

腰の捻挫によって生じた長年の腰痛に対する漢方薬

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : アメリカ合衆国
具体的な御職業 : 管理職
お問い合わせ内容 : メールにて失礼いたします。米国に駐在中の00歳(男)の会社員です。

 10年前に空手の練習中、腰と右足の付け根(太ももと腰の繋がる辺り)を酷くひねって(捻挫)以来坐骨神経痛のような痛みに苦しんでいます。
 昨年末に中華街の漢方薬屋で座骨神経痛には「独活寄生湯(エキス剤)」が良いと言われて服用しています。
 ただ気になっているのは先生のサイトでは「漢方薬はきちんと漢方医にかかって服用するもの」とありましたので、このまま服用しても問題が無いか心配しています。(今のところは特に副作用はありません)
 また、漢方薬で実際に私のような外傷性の坐骨神経痛に効果があるのか、そのような症例はあるのかが気になっています。
 お忙しい中を大変恐縮ではございますが、アドバイスを頂戴できれば幸いです。よろしくお願いいたします。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 漢方薬はどんなに優れた処方を用いても、その人の病状と体質にマッチしてなければ、まったくの暖簾に腕押しで、ほとんど効果を発揮しないものです。ですから、その漢方処方の効果・効能に、たとえピッタリの症状が書かれていたとしても、ぜんぜん効果がない、ということもシバシバ生じるのが漢方の微妙で繊細なところなのです。

 それゆえ、専門家に会って直接御相談して体質と病状にピッタリ合った方剤を調合してもらうなり選択してもらうなりしないことには、店頭で気軽に「これがいいですよ」くらいのことでは、適切な方剤が選ばれるとは限りません。
 たとえば貴方が現在服用中の「独活寄生湯」は、中医学的効能では、肝腎不足の風寒湿痺に対する方剤としてとても重宝な方剤です。
 ところが貴方の場合は、捻挫によって生じているだけに中医学的には跌打損傷によるオ血阻滞が直接的原因になっているわけですから、

http://blog.livedoor.jp/cyosyu1/archives/50581046.html (このページのFに該当)

 少なくとも貴方が服用中の独活寄生湯の中には跌打損傷によって生じた血瘀に対する薬味の配合があまりにも少ないので、ややピントがずれているように思われます。
 むしろ文面だけでは断定できないのですが、まったく日本ではありきたりな方剤、疎経活血湯 http://cyosyu.exblog.jp/i35 や 条件によっては
 桂枝茯苓丸料  などの方向に解決策があるはずですが、もちろん、このようなことは単なるメールのやり取りくらいでは、正確なことはいえるものではありません。
 
 近年、アメリカでは中医学熱が盛んで、日本では日本漢方やエビデンス漢方の総本山のようなメーカーさんですら、アメリカでは中医学専門の病院(医院?)をオープンしているとのきわめて矛盾した噂を聞いたりするほどです。
 そちらでも探せば、中医学や漢方専門のクリニックや薬局があれば直接、診断を仰ぐなり詳細な漢方相談をされるなりされて、ピッタリ合った処方を手に入れるべきだと思います。
 
 なお「漢方薬で実際に私のような外傷性の坐骨神経痛に効果があるのか」との御質問ですが、まったくもって日常茶飯事のご相談内容で、漢方薬の最も得意とする分野の一つでもあるわけです。西洋医学では手術以外に治療方法がないとて、手術を免れたい為に漢方治療を求めて来られた多くの男女を、村田漢方堂薬局の仕事だけでも三十数年間にどれだけの人が治っていかれたか、ややオーバーに言えば数限りがないほどです!

 以上、取り急ぎお返事まで。
                          頓首
村田漢方堂薬局 村田恭介拝


折り返し頂いたメール村田先生侍史

ありがとうございます。
早速、中華街にある中医学のクリニックに行こうと思います。
お忙しい中を貴重なアドバイスを頂戴し、ありがとうございました。