2007年02月21日

病院で投与されている30年来の慢性気管支炎に対する漢方薬

性別 : 女性
年齢 : 60歳〜69歳
ご職業 : 主婦
簡単なご住所 : 近畿地方
お問い合わせ内容 : 5ヶ月程医院で漢方薬を処方して頂いています。
 30年来慢性気管支炎があり2,3年まえからエアコンの風が当たると痛みを伴うようになり、一般病院では異常なしと診断され、本で紹介されていた病院(漢方薬を処方されます)で受診しております。
 頻尿もあり薬もそのように処方して頂いているはずです。
 小青竜湯、八味丸料、処方されています。改善されれば中断すべきでしょうか。


ヒゲジジイのお返事メール:拝復
 こういう御質問のお返事が最も困難です。まったく雲を掴むような内容です。

 五ヶ月間、漢方薬の小青竜湯、八味丸を服用されて、調子は良いのか悪いのか、効いているのか効いていないのか? これらについての記載がないわけですから、ドウ判断してよいやら困惑するのみです。

 わずかな手がかりが「30年来慢性気管支炎があり2,3年まえからエアコンの風が当たると痛みを伴うようになり」ということですが、この疼痛を伴う気管支炎が中医学的に熱証や肺陰虚であった場合は、小青竜湯や八味丸など、とんでもないピンとはずれであり、却って悪化しても不思議ではない配合となります。

 ところが、それとは逆に中医学で言う「肺寒停飲」による気管支炎や気管支喘息であれば、大正解ということになります。(エアコンがこたえているところもみると、かなりフィットしている可能性も高い。)
 もしも大正解でピントが合っており、次第に調子が良いのであれば、三十年も続いていた気管支炎なら、今後も状況に応じたピントの合った適切な漢方薬を一生涯続けるべきだと思います。ご年齢のことを考えますと・・・ということです。

 つまり、三十年も続いた慢性疾患が真の意味で根治することは殆んどあり得ないからです。

 以上、簡単ながら取り急ぎお返事まで。


折り返し頂いたメール:早速お返事頂き有難うございます。本当は医者に相談すべき事なのですが、じっくり話がし難く困っておりました。貴重な助言を頂き感謝いたします。


【編集後記】 一般病院で異常無しと診断されても、呼吸器専門病院で診断してもらうと気管支喘息や気管支炎と診断された例は、数限りない。病気の受診はかならず専門医に見て貰っておくべきである。それから漢方治療を始めても遅くはない。
 お問い合わせの女性は、もしかすると小青竜湯と八味丸で効果がでており、止めるとしたらいつ頃止めるべきかまだ続けるべきか、それらの詳細を主治医に相談するタイミングや勇気?がないために、こちらに問合せがあったのかもしれない?
 世間にはザラにある奇妙な現象で、通院中の医師にまともな質問が出来ずに他に問い合わせる、という落語のネタになりそうな話が日本国中で日常茶飯事なのだからおかしいというよりも実に不気味である。
 患者さんが多くて質問を遠慮されるというケースが最も多いようだが、あの流れ作業のような大量の患者さんを短時間で診て、短時間で診断し治療薬を投与されるスーパーマン医師が日本国中に存在するということなのだろう?!

 今や医療用漢方でも上記のように同様な現象が起こっているらしい。
 漢方で流れ作業が通じるなんて、信じられない光景ではあるが怪訝なのを通り越して実に神業としか言いようがない??!
ラベル:慢性気管支炎