2007年02月16日

胃弱など消化器系統の不定愁訴

性別 : 女性
年齢 : 40歳〜49歳
ご職業 : 医療・福祉関係
簡単なご住所 : 関東地方
具体的な御職業 : 薬剤師(漢方相談)
お問い合わせ内容 : いつも村田先生のHPにはお世話になっております。
 漢方相談を受けていますが、なかなかうまくいかない方があり、あつかましいお願いですが、アドバイスをいただきたくメール致しました。宜しくお願いいたします。

??才主婦 ???cm ??kg(注記:痩せ型
主訴:気持ち悪く、食欲が出ない。胃もたれは20才の頃からある。3年前に過敏性大腸症候群。2年前に胃炎をしてから特に調子悪い。
 はじめの頃は、胃痛、ゲップ、もたれが強かったが現在は、ゲップ、ガス、はりはたまに。
 でもぞおちが痞え、気持ち悪い症状がとれない。その他:不眠(心療内科でソラナックス服用)最近は急行に乗れない。胸のあたりにもやっとしたイヤな感じ(動悸のような)がある。
 胃下垂、疲れやすく、手足が冷える口渇なし。湯茶を5〜6杯/日トイレは近いほう(夜間0回、昼夜8〜10回)大便は1日2回(軟便〜下痢)数年前より、検査をすると血尿たちくらみあり生理の周期は25日、量が少ない。
 舌質暗、歯こんがいつもはっきりある、苔薄白。

 啓脾湯、帰脾湯など処方もかわり、香蘇散+半夏厚朴湯+四君子湯で一週間は吐気がおちついていましたが、効かなくなってしまいました。目の表情から、うつ的なつらさを感じます。
 お忙しいところ申し訳ありません。(もし、再録の場合は、ご本人が特定できないようご配慮お願いします。)


お返事メール:拝復
 ざっと読ませてもらって直ぐに思い浮かべる処方は、柴芍六君子湯ですが、もっと適切なのは漢方製剤を用いて、六君子湯を主体に四逆散を適量加えるほうがよいように感じます。
 四逆散は満量加えるのではなく、少量を加えるという意味です。
 現代社会において鬱的な要素をもたれている人には、四逆散の適量を加えることが効果的なケースが増えているように思います。

 あるいは潜血と立ちくらみにも配慮すれば(苓桂朮甘湯などではなく)、六君子湯を主体に補中益気湯あるいは帰脾湯を適量加える方法も、可能性を感じます。
 以上、取り急ぎお返事まで。
                       頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介拝


【編集後記】 お問合せの最後に「もし、再録の場合は、ご本人が特定できないようご配慮お願いします。」とあるが、再録の条件あってのお返事であり、また守秘義務は当然のことです。


折り返し頂いたメール:早速のメールどうもありがとうございました。
1年ほど前から相談を受けているかたで、主訴が、下痢→不眠→はきけと変化してきましたが、根っこに、先生のご指摘のようにうつ的なものがあります。
一度、六君子湯を主体に四逆散を少量で様子みてみます。
突然の質問にもかかわらず、丁寧に教えていただき感謝しています。

PS:村田漢方堂薬局さんのサイトのなかで、猫のサイトのファンです。
  更新楽しみにしています。

posted by ヒゲジジイ at 23:33| 山口 ☁| 更年期障害・自律神経失調症や不定愁訴症候群 | 更新情報をチェックする