漢方薬専門・村田漢方薬局による漢方相談サイトに設置の御質問フォームより、
性別 : 男性
年齢 : 20歳〜29歳
御職業 : 会社員
簡単なご住所 : 中国地方
具体的な御職業 : 会社員
お問合せ・ご連絡内容 :
初めまして〇〇に住んでいる者ですが今、抱えている症状について2.3質問があります。
胃の調子が良くなく、毎日食欲が湧かなかったりシクシク(?)と胃が痛くなったり、満腹でもないのにゲップが出たりいつまでも満腹感があり口臭が気になったりします。三年前に一人暮らしをし始めた時からの症状なんですが市販の胃薬を飲んでも治らないのですが漢方で治りますか?
突然ですいません。
かけこむ病院を探してる時に漢方の存在に気づきましたもので。
あと、今というか1年前くらいから上記の症状に伴って不眠、後頭部の頭痛、肩から首にかけてのハリというかコリ、疲れやすく疲れがとれない、イライラしやすい、外出したくない、夜異常に頭が冴え考え込む、言葉がトゲトゲしくなる、抜け毛の量が増え頭髪がかなり薄くなる等挙げだしたらキリがないくらいあり一種の鬱状態の毎日をおくってます。
精神科に行こうかとも思いましたが、安定剤等を飲むことに抵抗がありますので相談(質問)したしだいです。
上記の事を早いこと改善したいので一度訪ねたいと思いますが、やっぱり連絡なしに行っても「漢方は保険がきかない」というのを耳にしたもので不安です。一回訪ねただけでいくらか料金はかかるのですか?あと漢方を処方していただいての料金の目安なんかもわかると嬉しいです。
長々とすいません良い答えが返ってくるのを待ってます。
お返事メール:拝復
様々な症状でお困りのようですが、現代社会では貴方と類似した症状に悩まれている人が大変多く、その気で頑張れば多くの場合、適切な漢方薬を使用すれば順調に治るものです。
但し、貴方の場合はまだ一度も病院に行っておらず、漢方薬もはじめてのご様子ですので、本気で漢方薬に打ち込めるかどうかの問題の方が大きいと思います。
経費的な面では、一つの漢方処方だけで済むのであれば、10日分で1,500〜2,800円レベルで、10日毎に様子をみながらで済めばよいのですが、沢山の症状があればもう1〜2処方が必要かもしれません。その場合は上記の2〜3倍はかかる計算になります。
保険がきかないと心配されていますが、当然、当方のような漢方専門薬局では保険はききません。
保険の漢方で宜しければ、インターネットなどで検索して保険漢方を出して下さる病院や医院を探されると宜しいかと思います。
当方では、病院治療および昨今病院で出される保険漢方などをもってしても治らないでお困りの方ばかりの御相談を対象としております。
まずは、病院治療を受けられ、それでもどうしても治らない場合に、自費の漢方を考えても遅くは無いかもしれません。
ご参考までに、
http://bany.bz/kanpo/entry_41533.php
http://murata-kanpo.ftw.jp/u18832.html
http://murata-kanpo.seesaa.net/article/24641927.html
特に一番最後の中には、保険漢方と自費の漢方の違いと、村田漢方堂薬局の方針を詳細に書いています。
以上、簡単ながらお返事まで。
村田漢方堂薬局 村田恭介拝
注記:自費の漢方の利点は、保険適用されない様々な漢方処方を必要に応じて自由に利用できることである。経費的には明らかに不利でも、この点こそ自費の漢方の最大特長であろう。
2007年01月10日
現代社会でもっともよく見かける若い人のストレス症候群らしき男性からの御質問
posted by ヒゲジジイ at 01:58| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問
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2007年01月09日
頑固な浮腫に対する漢方薬配合の微妙さについて
八十五歳近い常連さんのお話。
数年前のことだが、自動車を運転するのを止められたため、昔のようには直接来局されなくなって久しい。その頃からすべて電話相談に切り替えているので、何年も直接お会いすることがなくなっている。
糖尿病、高血圧、慢性腎炎、関節リウマチなど、病気の問屋さんのようなご婦人だが、二十年以上の漢方薬のお付き合いで、一人暮らしで持病を持ちながらもなんとか御達者である。
様々な漢方薬を長年利用されているので、そのすべてを公開するのは憚られるが、浮腫みだけがうまくコントロールできずに難儀していたことがあった。
腎炎と浮腫みに対して、茵蔯五苓散加山梔子製剤に猪苓湯、六味丸系列の方剤と補助的に五苓散などを常用しても、もう一つコントロールできない。つまり利尿作用がしっかり作動してくれず、いつも浮腫みっぽい。
直接来られるように言っても、もう運転しないからと拒否されるので、そのままの配合が長く続いていた。
その後、肝炎の数値が最近不安定だというので、茵蔯蒿(インチンコウ)の成分を増強する意味で、適量の茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)を加えたところ、これが一気に効を奏して、長年の浮腫みの悩みが一気に解消して、様々の検査数値まで正常化してきた。
すでに服用している猪苓湯、五苓散、茵蔯五苓散加山梔子製剤に茵蔯蒿湯を加えたといっても、新たな生薬は大黄が増えたのみである。
事ほど左様に、ちょとした配合の工夫一つで、もう一つピントがくっきりと合ってなかったものが、ようやくドンピシャリの配合となったということなのだろう。
これまでの配合に、茵蔯蒿湯の少量を加えただけでこの通りであるから、いかに漢方薬の配合というものがデリケートで繊細なものかと、イヤになってしまうことがある。
といっても、皆がみな、このようにデリケートで繊細な配合を要するわけではないが、時にピンと合わせに難航するケースにおいてこそ、ほんのチョットした配合のずれから、期待する効果が得られてないのだろうと思われる。
実に、そのチョットした配合こそ重要課題なのであるが・・・・
数年前のことだが、自動車を運転するのを止められたため、昔のようには直接来局されなくなって久しい。その頃からすべて電話相談に切り替えているので、何年も直接お会いすることがなくなっている。
糖尿病、高血圧、慢性腎炎、関節リウマチなど、病気の問屋さんのようなご婦人だが、二十年以上の漢方薬のお付き合いで、一人暮らしで持病を持ちながらもなんとか御達者である。
様々な漢方薬を長年利用されているので、そのすべてを公開するのは憚られるが、浮腫みだけがうまくコントロールできずに難儀していたことがあった。
腎炎と浮腫みに対して、茵蔯五苓散加山梔子製剤に猪苓湯、六味丸系列の方剤と補助的に五苓散などを常用しても、もう一つコントロールできない。つまり利尿作用がしっかり作動してくれず、いつも浮腫みっぽい。
直接来られるように言っても、もう運転しないからと拒否されるので、そのままの配合が長く続いていた。
その後、肝炎の数値が最近不安定だというので、茵蔯蒿(インチンコウ)の成分を増強する意味で、適量の茵蔯蒿湯(インチンコウトウ)を加えたところ、これが一気に効を奏して、長年の浮腫みの悩みが一気に解消して、様々の検査数値まで正常化してきた。
すでに服用している猪苓湯、五苓散、茵蔯五苓散加山梔子製剤に茵蔯蒿湯を加えたといっても、新たな生薬は大黄が増えたのみである。
事ほど左様に、ちょとした配合の工夫一つで、もう一つピントがくっきりと合ってなかったものが、ようやくドンピシャリの配合となったということなのだろう。
これまでの配合に、茵蔯蒿湯の少量を加えただけでこの通りであるから、いかに漢方薬の配合というものがデリケートで繊細なものかと、イヤになってしまうことがある。
といっても、皆がみな、このようにデリケートで繊細な配合を要するわけではないが、時にピンと合わせに難航するケースにおいてこそ、ほんのチョットした配合のずれから、期待する効果が得られてないのだろうと思われる。
実に、そのチョットした配合こそ重要課題なのであるが・・・・
posted by ヒゲジジイ at 01:57| 山口 ☀| 腎盂腎炎やネフローゼ、慢性腎炎および腎機能低下や腎不全
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2007年01月06日
人間様という扱いに注意を要する霊長類は、他人の失敗を喜ぶイヤミなところがあるので案の定、前回のように失敗談を掲載すれば低迷していたクリック数が急に増えるのだった!
案の定、まったく予測どおりの結果が出ましたよ。
正月前後から御他聞に漏れず、どのサイトやブログでもクリック数が低迷傾向は時節柄止むを得ないのだろうが、人間様というイヤミな霊長類は、他人の失敗や不幸を喜ぶどうしようもない性質があるので、このブログでも実験してみたくなった。
ところで、しばしばメールや直接訪問された人にも訊かれることだが、治験例をあまり書かれないのは、ナゼですか? という質問に対するお返事をまとめて書いておくと、自慢話ばかりを書いたら無数に延々と続いて書く方も好い加減面白くないよ、ということである。
たとえば、二十代の頃に東亜医学協会発行の「漢方の臨床」誌などに書き、それが「求道と創造の漢方」という本にもなって、それ以来厭き厭きしてしまって、治験例を書くよりも研究や新たな開発のほうが、はるかにやりがい、書き甲斐があるものである。
時には依頼されて、脾肺病としてのアトピー性皮膚炎のように、新説とともに治験例も掲載しているが、こういう新説を披露する目的あっての治験例の記載以外は、たとえば今書いているようなブログに、延々と類似した疾患、アトピー性皮膚炎にしても慢性関節リウマチや、坐骨神経痛などのその他、ありきたりの慢性疾患など、治験例というのは無数にあって、書くほうにとってはこれほど面白くないものは無い。
つまり、治験例を書くのは二十代で卒業してしまったということだ。むしろ、どうしても同じ書くならありきたりな自慢話よりも、アラユル疾患のほとんどのケースでは2〜3ヶ月以内に、おおよその配合骨格が決まる筈なのに、それ以上過ぎてもシッカリした効果が得られずに、微調整の繰り返しが必要な場合や、あるいは結局は、数ヶ月以内にしっかりピントが合っても、特殊なケースや通常とは異なったケースなどの方がどうしても印象深いものである。
だから、延々と多種多様な疾患が緩解・治癒した無数の自慢話ばかり書くよりも、やや難航気味だったり、一時失敗してしまった例、それ以外では、ビックリするほど著効を得た例や、珍しく一方剤だけで治っている例など、特殊で珍しいケースばかりを書きたくなるものである。
例えば、毎年たんさんの新人さんが来られるアトピー性皮膚炎では、現在お一人だけ数ヶ月以上経っても、もう一つピントがしっかり定まらずに、微調整の繰り返しを行って、インチンコウトウや猪苓湯製剤などの配合でも、東京の奥様ほどの反応が得られず、湿熱の除去にやや難航気味であるから、辛開苦降の戦法を加味すべく、カッコウショウキサンを少量加える奇襲戦法を試みようとしている最中である。
現在、当方で服用されているアトピー性皮膚炎では、この方以外は、ほぼ全員順調に経過している。
だから、治験例の記載を要望する方が多いのだが、書くほうとしては長年苦労して生み出した「中医漢方薬学」論の手の内すべて明かすことになるので、確かに一部の人には興味深いことかもしれないが、やはり書くほうとしては味も素っ気もなく、面白くも無いのだった。
よほど気が乗ったら、差し支えないレベルでほんの一部でも公開しようとも思ったが、やっぱり、昔、専門誌で書きまくった時期を思い返せば、いまさらあれほど面白くない記述は無い、というか治験例を書くのは厭きアキしてしまったということだ。
それよりも、失敗談やもう一歩が治せないで難航している愚痴をつい漏らすことの方がクリック数が異常に増すから、イヤミな人間様の生態を観察するほうが、よっぽど人間研究にもなりますよ。
正月前後から御他聞に漏れず、どのサイトやブログでもクリック数が低迷傾向は時節柄止むを得ないのだろうが、人間様というイヤミな霊長類は、他人の失敗や不幸を喜ぶどうしようもない性質があるので、このブログでも実験してみたくなった。
ところで、しばしばメールや直接訪問された人にも訊かれることだが、治験例をあまり書かれないのは、ナゼですか? という質問に対するお返事をまとめて書いておくと、自慢話ばかりを書いたら無数に延々と続いて書く方も好い加減面白くないよ、ということである。
たとえば、二十代の頃に東亜医学協会発行の「漢方の臨床」誌などに書き、それが「求道と創造の漢方」という本にもなって、それ以来厭き厭きしてしまって、治験例を書くよりも研究や新たな開発のほうが、はるかにやりがい、書き甲斐があるものである。
時には依頼されて、脾肺病としてのアトピー性皮膚炎のように、新説とともに治験例も掲載しているが、こういう新説を披露する目的あっての治験例の記載以外は、たとえば今書いているようなブログに、延々と類似した疾患、アトピー性皮膚炎にしても慢性関節リウマチや、坐骨神経痛などのその他、ありきたりの慢性疾患など、治験例というのは無数にあって、書くほうにとってはこれほど面白くないものは無い。
つまり、治験例を書くのは二十代で卒業してしまったということだ。むしろ、どうしても同じ書くならありきたりな自慢話よりも、アラユル疾患のほとんどのケースでは2〜3ヶ月以内に、おおよその配合骨格が決まる筈なのに、それ以上過ぎてもシッカリした効果が得られずに、微調整の繰り返しが必要な場合や、あるいは結局は、数ヶ月以内にしっかりピントが合っても、特殊なケースや通常とは異なったケースなどの方がどうしても印象深いものである。
だから、延々と多種多様な疾患が緩解・治癒した無数の自慢話ばかり書くよりも、やや難航気味だったり、一時失敗してしまった例、それ以外では、ビックリするほど著効を得た例や、珍しく一方剤だけで治っている例など、特殊で珍しいケースばかりを書きたくなるものである。
例えば、毎年たんさんの新人さんが来られるアトピー性皮膚炎では、現在お一人だけ数ヶ月以上経っても、もう一つピントがしっかり定まらずに、微調整の繰り返しを行って、インチンコウトウや猪苓湯製剤などの配合でも、東京の奥様ほどの反応が得られず、湿熱の除去にやや難航気味であるから、辛開苦降の戦法を加味すべく、カッコウショウキサンを少量加える奇襲戦法を試みようとしている最中である。
現在、当方で服用されているアトピー性皮膚炎では、この方以外は、ほぼ全員順調に経過している。
だから、治験例の記載を要望する方が多いのだが、書くほうとしては長年苦労して生み出した「中医漢方薬学」論の手の内すべて明かすことになるので、確かに一部の人には興味深いことかもしれないが、やはり書くほうとしては味も素っ気もなく、面白くも無いのだった。
よほど気が乗ったら、差し支えないレベルでほんの一部でも公開しようとも思ったが、やっぱり、昔、専門誌で書きまくった時期を思い返せば、いまさらあれほど面白くない記述は無い、というか治験例を書くのは厭きアキしてしまったということだ。
それよりも、失敗談やもう一歩が治せないで難航している愚痴をつい漏らすことの方がクリック数が異常に増すから、イヤミな人間様の生態を観察するほうが、よっぽど人間研究にもなりますよ。
posted by ヒゲジジイ at 17:02| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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2007年01月05日
ピンとはずれの処方の判断ミスでゴメンネとあやまったこと2例
愛用する猪苓湯製剤は、メーカー間で優劣が大き過ぎるように愚考するものだが、常々様々な領域に応用して重宝している。
蓄膿系の後鼻漏には辛夷清肺湯などの適切な副鼻腔炎に対する方剤や六味丸系列の方剤とともに、止まらない後鼻漏の切り札的に猪苓湯製剤を加えて、しばしば穏やかな効果を発揮したり、時には偉効を奏したり、多汗症に対する応用はもとより、アトピー性皮膚炎、ストレス症候群など、本来の腎・膀胱・泌尿器系以外の領域にも様々に応用可能なのは、少陽三焦理論に基づくヒゲジジイの大きな開発と発明である。
ところが、判断ミスから失敗して結果的には不適応だった人に試してもらって顕著な利尿作用を発揮してしまい、ゴメンネとあやまる事態が生じてしまったのだった
一年も頑張ってくれているのに、いつもの東京の奥様。7割の改善以上の進展がないので、体内の水分調節を行ってみましょうということになり、10日分ほど愛用の某メーカーの猪苓湯製剤を試みてもらっていたところ、4日目にギブアップとのメールを先ほど頂いて、お詫びのメールをお送りしたばかりだ。
利尿が次第にかかり過ぎて、続けるにはトイレに行くのが頻繁すぎるということで、愛用の製剤がいかに良質であるかの証明をして下さったものの、ちょっと効き過ぎて困る位なので、服用量を減らすよりも、急性膀胱炎時に備えることとして、中断してもらうことになったのだった。
本当に無駄なテストをしてもらって申し訳なかったと平謝りだが、やはりあらためて威力のある製剤であることを確信させてもらった次第である。
一方では同じ製剤を使用しながら、東京の美人の奥様に対する効果の十分の一も発揮してくれないで、持久戦となっている人もおられるのだから、体質上の違いを見分けるのはとても骨が折れる仕事である。
とりわけ現在、やや難航気味なのが鼻炎に伴う頑固な後鼻漏で、蓄膿症に伴う後鼻漏ほどにはシャープさに欠けるのである。他薬との配合バランスの問題もあるので、様々に工夫が必要である。
ところで、失敗といえば愛用のアレルギー性疾患の補助にシバシバ使用する三点セットでもやってしまった。薬性としてはやや涼性(少し冷やすということ)であるから、虚寒性の人に使用するにはしっかりと温性の方剤と併用しなければならないところへ、その温性の方剤、補中益気湯をしっかり配合しているから安心とばかりに、三点セットの許容範囲内で分量を増やすようにアドバイスしたところが、バランスを失ってアトピーを一時悪化させてしまったのだった。
近年では珍しく虚寒性体質者のアトピー性皮膚炎の子供さんであったから、(アレルギーをぶっ飛ばすとはいっても)涼性の三点セットが虚寒体質には明らかにアダとなったので、直ぐに中止してもらい、補中益気湯の煎じ薬単独で続けてもらっって半月、今朝の薬の追加注文のお電話では、次第に好転して順調であるとの報告を得たばかりである。
それにしても、珍しく純粋に補中益気湯単独で押し通せそうな、典型的な舌象であったのだった。単方でアトピー性皮膚炎が治せそうな期待が大いにもてる症例であるから、今後が楽しみである。
あのマズイ補中益気湯の煎液をおいしいオイシイといってもっと欲しがるくらいだというので、飲み過ぎに注意を喚起しているほどなのだった。
蓄膿系の後鼻漏には辛夷清肺湯などの適切な副鼻腔炎に対する方剤や六味丸系列の方剤とともに、止まらない後鼻漏の切り札的に猪苓湯製剤を加えて、しばしば穏やかな効果を発揮したり、時には偉効を奏したり、多汗症に対する応用はもとより、アトピー性皮膚炎、ストレス症候群など、本来の腎・膀胱・泌尿器系以外の領域にも様々に応用可能なのは、少陽三焦理論に基づくヒゲジジイの大きな開発と発明である。
ところが、判断ミスから失敗して結果的には不適応だった人に試してもらって顕著な利尿作用を発揮してしまい、ゴメンネとあやまる事態が生じてしまったのだった
一年も頑張ってくれているのに、いつもの東京の奥様。7割の改善以上の進展がないので、体内の水分調節を行ってみましょうということになり、10日分ほど愛用の某メーカーの猪苓湯製剤を試みてもらっていたところ、4日目にギブアップとのメールを先ほど頂いて、お詫びのメールをお送りしたばかりだ。
利尿が次第にかかり過ぎて、続けるにはトイレに行くのが頻繁すぎるということで、愛用の製剤がいかに良質であるかの証明をして下さったものの、ちょっと効き過ぎて困る位なので、服用量を減らすよりも、急性膀胱炎時に備えることとして、中断してもらうことになったのだった。
本当に無駄なテストをしてもらって申し訳なかったと平謝りだが、やはりあらためて威力のある製剤であることを確信させてもらった次第である。
一方では同じ製剤を使用しながら、東京の美人の奥様に対する効果の十分の一も発揮してくれないで、持久戦となっている人もおられるのだから、体質上の違いを見分けるのはとても骨が折れる仕事である。
とりわけ現在、やや難航気味なのが鼻炎に伴う頑固な後鼻漏で、蓄膿症に伴う後鼻漏ほどにはシャープさに欠けるのである。他薬との配合バランスの問題もあるので、様々に工夫が必要である。
ところで、失敗といえば愛用のアレルギー性疾患の補助にシバシバ使用する三点セットでもやってしまった。薬性としてはやや涼性(少し冷やすということ)であるから、虚寒性の人に使用するにはしっかりと温性の方剤と併用しなければならないところへ、その温性の方剤、補中益気湯をしっかり配合しているから安心とばかりに、三点セットの許容範囲内で分量を増やすようにアドバイスしたところが、バランスを失ってアトピーを一時悪化させてしまったのだった。
近年では珍しく虚寒性体質者のアトピー性皮膚炎の子供さんであったから、(アレルギーをぶっ飛ばすとはいっても)涼性の三点セットが虚寒体質には明らかにアダとなったので、直ぐに中止してもらい、補中益気湯の煎じ薬単独で続けてもらっって半月、今朝の薬の追加注文のお電話では、次第に好転して順調であるとの報告を得たばかりである。
それにしても、珍しく純粋に補中益気湯単独で押し通せそうな、典型的な舌象であったのだった。単方でアトピー性皮膚炎が治せそうな期待が大いにもてる症例であるから、今後が楽しみである。
あのマズイ補中益気湯の煎液をおいしいオイシイといってもっと欲しがるくらいだというので、飲み過ぎに注意を喚起しているほどなのだった。
posted by ヒゲジジイ at 21:26| 山口 ☁| 中医漢方薬学
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2007年01月04日
ふたたび終わりなき日常がはじまる
「終わりなき日常」というキャッチコピーは、思想・心情などあらゆる点でヒゲジジイとは右と左の対極にいる学者さん(宮台真司氏)が本の題名に使ったものだが、実に言い得て妙である。
明日からそれがはじまる。
明日からそれがはじまる。
ラベル:終わりなき日常
posted by ヒゲジジイ at 18:07| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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2007年01月02日
新年最初に書いた拙文は『漢方の臨床』誌へ「新年のことば」
新年から「おめでとう」という言葉で日本国中がおめでたくなっているみたいだから、屋上に屋を重ねるつもりはありませんね。
ところで、正道(せいどう)を真っ直ぐ突き進む(笑)ヒゲジジイが年明け早々に書いた拙文は、締め切りが5日に迫っている「新年のことば」。
生まれ育った?古巣の『漢方の臨床』誌(東亜医学協会)で、詳細の報告は掲載されて以後に公表することにするが、話題の中心は、
一犬虚を吠ゆれば万犬実を伝う(いっけんきょをほゆれば ばんけんじつをつたう)
という問題について。
漢方の専門家集団では、案外このようなネット界の実情をご存じない先生方が多いかもしれないので・・・・
ところで、正道(せいどう)を真っ直ぐ突き進む(笑)ヒゲジジイが年明け早々に書いた拙文は、締め切りが5日に迫っている「新年のことば」。
生まれ育った?古巣の『漢方の臨床』誌(東亜医学協会)で、詳細の報告は掲載されて以後に公表することにするが、話題の中心は、
一犬虚を吠ゆれば万犬実を伝う(いっけんきょをほゆれば ばんけんじつをつたう)
という問題について。
漢方の専門家集団では、案外このようなネット界の実情をご存じない先生方が多いかもしれないので・・・・
ラベル:新年のことば
posted by ヒゲジジイ at 22:24| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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