最初にちょっと難しい話をすれば、漢方医学的に、病気の原因が「瘀血(おけつ)」であると言われることが社会現象としてもブームになりつつあるが、たしかに「瘀血(おけつ)」が原因で生じる疾患は数多いが、ここで考えなければならないのは、その病の原因となった「瘀血(おけつ)」を生じるには、もっと根本的な原因があってのことであり、中医学的に考えれば「瘀血(おけつ)」というのは多くの場合二次的病理産物であるに過ぎない。
「瘀血(おけつ)」というものは 瘀血(おけつ)に対する最低限の基礎知識 に書かれているように様々な原因によって生じるものである。
これに類似した論法で言えば、現代社会の慢性疾患の原因の多くが精神的なストレスが誘引となっており、様々な欲求不満という単なるワガママから生じる肝気鬱結という場合もあるにせよ、多くはヤマアラシの闘争によるものが最も多いように見受けられる。肝気鬱結の原因について
ヤマアラシのジレンマとは独逸の厭世哲学者、ショーペンハウアーの寓話によるものであるが、彼の意図した意味を越えて、人間同士が接近すると常に摩擦が付き物である。ヤマアラシ同士が接近すれば当然、互いの針で差し合って傷の絶え間がないので、あとは想像力を働かせれば、皆さんそれぞれの立場によって様々な意味合いで、それぞれに納得がゆくはずである。
事ほど左様に人間同士とは常に摩擦が付き物だから、学校におけるイジメによる自殺が絶えないのも、根本原因は人間同士が互いに近づく環境におかれるからだ。
当然、イジメの問題は学校に限らず、会社内でも東京営業所と大阪営業所の部長同士の確執で会社が傾いたり、家庭内では夫婦間のトラブルの絶え間がないなど、ヤマアラシの闘争は人間社会には蔓延している。
三十数年に亘る漢方相談の経験から言える事は、どうやら半数以上の人の発病原因がヤマアラシの闘争によるものであることをヒシヒシと感じる昨今である。
もちろん、ショーペンハウアーの寓話通りにヤマアラシのジレンマによるものも多いのも事実であるが、いじめ問題も含めた、泥沼に嵌ったヤマアラシの闘争によるものが最も多く残酷である。
これによって肝気鬱結が生じ、肝の疏泄失調によって「気滞血瘀(けつお)」が生じ、気滞を伴うだけに多かれ少なかれ必ず「痰濁」を伴っている。
瘀血(おけつ)は気機を阻害して気滞を増長させ、気滞と血瘀が悪循環を形成し、水道を妨害して水湿内停をさらに誘発して浮腫や痰濁を増やす。
つまり、瘀血を治療せずにいつまでも遷延させると痰濁を増長させ、また痰濁は血流を阻害して血瘀を増長させ、一方では次第に正気を損耗させるなどにより、胸痺や中風のみならず悪性腫瘍の発生原因となるなど、複雑多変で難治な病変を誘発し兼ねない。
という仕組みによって、精神的なストレス、しかもヤマアラシの闘争 が病気の根本原因になっていることが多いというお話です。
人間なんてロクナ奴はいやしないのだから、ヒゲジジイのように「自分には甘く、人には厳しい」態度を養うこと。
これは半分冗談だが、自虐的になるのは馬鹿馬鹿しいよ、と言いたいためのレトリック。(もののあわれやわび・さび・かるみの日本的霊性を自覚している日本人は一割にも満たないという説もあるくらいだから。)
さらに・・・
背伸びして本当の自分以上の自分を演じる努力を止めること。人に良く思われようとすることは立派だけど、あまり背伸びしすぎると破綻が来る。さらにストレスが増してロクなことはない。
意外にこういうケースも多いかも。
蛇足ながら、ニーチェの師匠でもあるショウペンハウエルは35年以上前からヒゲジジイのもっとも馴染んだ皮肉屋さんで、戦後の全集はもちろん所有して愛読しているし、ニーチェの如きは戦後の全集の二種類はもとより、戦前に発行された生田長江氏の名訳の全集も2セット、合計で3種類4セットの全集を所有し、愛読しているのだった。ガハハハッ (もしかして積読しているだけかもね?)
ショーペンハワー仕込みの皮肉を一言。
民放の馬鹿騒ぎにNHKの屁っ放り腰(へっぴりごし)
2006年11月29日
頑固な慢性疾患の発病原因の多くはヤマアラシの闘争
posted by ヒゲジジイ at 00:22| 山口 ☀| 中医漢方薬学
|
2006年11月28日
過去に深く関係した3社の企業倫理の違い
過去の思い出ばかりを書くようになっては、やはりヒゲジジイと自称して当然だろうか。56歳にして晩年の気分である。
タイトルの3社というのは、文字通り三者三様で、過去の僅かな貢献(2つの事業に参画)を徳として現在も長く丁重に遇して下さる奇特な企業もあれば、ヒゲジジイの考案品を最初に製品化したメーカーさんとは、その後も製剤のネーミングのお手伝いをして、それなりのお付き合いで現在は普通の取引先としての長いお付き合いである。
ところが一番深く関わり、ヒゲジジイの発案や考案品を最も多く製品化して現在も複数その社の利益に貢献している企業には、些か理解に苦しむ処遇ばかりを受けて、常々不快である。
喧嘩を売る気かと些か怪訝である。
長い付き合いの中では、知りたくないことまで知ってしまい、企業の論理とはいかに冷徹なものかを思い知ったのは10年前、アメリカでは絶対にあり得ない一方的な契約破棄の数々。朝令暮改とはこの社のためにある諺であろう。
さらには許されざるイカサマまがいのことまで知って愕然としたこともある。(やや古い事ながら未だに証拠を保存している)。
企業の論理として従業員を養う為には、あらゆる方策を講じて利益追求の道を模索せざるを得ない資本主義経済の宿命は止むを得ないことであろうと同情するにやぶさかではない。しかしながら(ちょっと陳腐な表現ながら)やっていいことと悪いことがあるだろう。
この狭い漢方界において、とりわけやってはいけないことはイカサマまがいのことと、ヒゲジジイを敵に回すことである(笑)
タイトルの3社というのは、文字通り三者三様で、過去の僅かな貢献(2つの事業に参画)を徳として現在も長く丁重に遇して下さる奇特な企業もあれば、ヒゲジジイの考案品を最初に製品化したメーカーさんとは、その後も製剤のネーミングのお手伝いをして、それなりのお付き合いで現在は普通の取引先としての長いお付き合いである。
ところが一番深く関わり、ヒゲジジイの発案や考案品を最も多く製品化して現在も複数その社の利益に貢献している企業には、些か理解に苦しむ処遇ばかりを受けて、常々不快である。
喧嘩を売る気かと些か怪訝である。
長い付き合いの中では、知りたくないことまで知ってしまい、企業の論理とはいかに冷徹なものかを思い知ったのは10年前、アメリカでは絶対にあり得ない一方的な契約破棄の数々。朝令暮改とはこの社のためにある諺であろう。
さらには許されざるイカサマまがいのことまで知って愕然としたこともある。(やや古い事ながら未だに証拠を保存している)。
企業の論理として従業員を養う為には、あらゆる方策を講じて利益追求の道を模索せざるを得ない資本主義経済の宿命は止むを得ないことであろうと同情するにやぶさかではない。しかしながら(ちょっと陳腐な表現ながら)やっていいことと悪いことがあるだろう。
この狭い漢方界において、とりわけやってはいけないことはイカサマまがいのことと、ヒゲジジイを敵に回すことである(笑)
posted by ヒゲジジイ at 00:45| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
|
2006年11月27日
11月23日のメマイ(めまい)の漢方薬[風痰上擾]の続き
メマイ(めまい)の漢方薬 〔風痰上擾の場合〕 の続き
ご質問者:北陸地方の鍼灸師
村田恭介先生
ご返信ありがたく拝見いたしました。
お忙しい中、本当にありがとうございます。
頭の中でゴチャゴチャしていたのがスッキリしたのと同時に、自分の弱点というか、今勉強しなきゃいけない分野がわかりました。(分かった気になってるだけかもしれませんが…笑)
一つ一つの薬味 の性質や病機の把握が全然出来てないと思いました。(どうしても日本流の名残りにとらわれています)
質問の件に関してのご指摘いただいた「めまい」の程度ですが、じっとしていれば大丈夫なのですが、動いたり立っていて下を向いたり、横を向いたりするとふらつくというよりフワッという感じになら、それが多いと悪心があるそうです。
あ と後頚部から肩にかけての凝り感が平常時より強く、うっとおしいのと、記載してませんでしたが、朝起きると背中がふつうより寒く、ちょうど第3から第6胸椎辺り一体がシャワーなどのお湯をかけると、明らかに冷たいのが分かるそうです。(留飲が有るのでしょうか?)
重ねてお聞きしたいのですが、ソケイ部の湿疹は風痰上優と絡めて考えていいのでしょうか?
また、今出ている症状が治まってきた時、体質改善の目的で九味半夏湯の使用を考えて良いのでしょうか。 風痰上優になるという 事は少なからず体の状態的にそんな傾向があるのではと考えるのですが、先生ご指摘の桂枝と升麻は災いしないのでしょうか。
お忙しい事とは存じますが重ねてご指導宜しくお願いいたします。
頓首
折り返しヒゲジジイの逆質問: 白膩苔が明らかで、黄色味はまったくないのでしょうか?
それに舌質は紅か、あるいは淡紅なのか? それに舌形や大きさはどうでしょうか?
歯型はついてないのでしょうか?
その変の情報がはっきりしないともう一つ分析は不可能です。苔の生えている場所は全面か、奥だけかなども、
その辺をご返信願えれば、もう少し考察する材料になると思います。
折り返しのお返事: 村田先生
情報が足りなくてすいません。
舌診に関しては、先生のサイトを見出してから取りくみだしたものですから、未熟なのでしっかりしているかどうかわかりませんが、舌苔に関しては、膩はそんなにべっとりはなく、どちらかというと舌根部側にあり、黄色はありません。
舌体は胖傾向で、舌先部は紅、そのほかは淡紅なのか紫なのか微妙です。 舌先部にオ点があります。歯痕はありません。
以上よろしくお願いいたします。
ヒゲジジイのお返事メール:拝復
「舌体は胖傾向で舌先が紅で、そのほかは淡紅なのか紫なのか微妙」とあれば、また諸症状を参考にして風痰上擾傾向は明らかであるとしても舌先の紅からわずかに肝陽化火の傾向が見られるので、やはり釣藤散(舌先が紅により)に半夏白朮天麻湯(胖大に近ければ)を土台に、オ血があることが確実として少量の生薬製剤二号方かイスクラの冠元顆粒を加える方法が一つ。
あるいはオ血除去の目的部分は扁鵲で代用しても構わないかもしれません。牡丹皮と大黄は適度な活血化オ作用があります。また、風痰上擾であっても上述の二方剤にはそれぞれ釣藤鈎・天麻が含まれているので扁鵲の桂枝も升麻もそれほど邪魔することはなくなるはずです。
もしも顔が明らかに火照る傾向強ければ、黄連解毒湯を適量加えた方が無難です。舌先が紅いのですから。舌全体はたとえ淡紅でも明らかに舌先が紅い場合は、心系統に熱邪があり、淡紅部分(以下は淡紅を淡白と勘違いした為に錯誤したコメントが続くので参考にならない)は肺脾腎の虚寒などが考えられますが、このように各五臓それぞれの寒熱が異なることはザラにみられることなので、それ以上のことは直接御相談に乗られているT先生みずからが、考えてみて下さい。(肺脾腎の虚寒は半夏白朮天麻湯や扁鵲中の桂枝でカバーできます。)
また足の湿疹は、心系統の熱邪によるものであれば、適量の黄連解毒湯が効果を示すことと思います。
でも、これあくまで少ない情報からの推測に過ぎませんので悪しからず・・・
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
村田恭介拝
ご質問者:北陸地方の鍼灸師
村田恭介先生
ご返信ありがたく拝見いたしました。
お忙しい中、本当にありがとうございます。
頭の中でゴチャゴチャしていたのがスッキリしたのと同時に、自分の弱点というか、今勉強しなきゃいけない分野がわかりました。(分かった気になってるだけかもしれませんが…笑)
一つ一つの薬味 の性質や病機の把握が全然出来てないと思いました。(どうしても日本流の名残りにとらわれています)
質問の件に関してのご指摘いただいた「めまい」の程度ですが、じっとしていれば大丈夫なのですが、動いたり立っていて下を向いたり、横を向いたりするとふらつくというよりフワッという感じになら、それが多いと悪心があるそうです。
あ と後頚部から肩にかけての凝り感が平常時より強く、うっとおしいのと、記載してませんでしたが、朝起きると背中がふつうより寒く、ちょうど第3から第6胸椎辺り一体がシャワーなどのお湯をかけると、明らかに冷たいのが分かるそうです。(留飲が有るのでしょうか?)
重ねてお聞きしたいのですが、ソケイ部の湿疹は風痰上優と絡めて考えていいのでしょうか?
また、今出ている症状が治まってきた時、体質改善の目的で九味半夏湯の使用を考えて良いのでしょうか。 風痰上優になるという 事は少なからず体の状態的にそんな傾向があるのではと考えるのですが、先生ご指摘の桂枝と升麻は災いしないのでしょうか。
お忙しい事とは存じますが重ねてご指導宜しくお願いいたします。
頓首
折り返しヒゲジジイの逆質問: 白膩苔が明らかで、黄色味はまったくないのでしょうか?
それに舌質は紅か、あるいは淡紅なのか? それに舌形や大きさはどうでしょうか?
歯型はついてないのでしょうか?
その変の情報がはっきりしないともう一つ分析は不可能です。苔の生えている場所は全面か、奥だけかなども、
その辺をご返信願えれば、もう少し考察する材料になると思います。
折り返しのお返事: 村田先生
情報が足りなくてすいません。
舌診に関しては、先生のサイトを見出してから取りくみだしたものですから、未熟なのでしっかりしているかどうかわかりませんが、舌苔に関しては、膩はそんなにべっとりはなく、どちらかというと舌根部側にあり、黄色はありません。
舌体は胖傾向で、舌先部は紅、そのほかは淡紅なのか紫なのか微妙です。 舌先部にオ点があります。歯痕はありません。
以上よろしくお願いいたします。
ヒゲジジイのお返事メール:拝復
「舌体は胖傾向で舌先が紅で、そのほかは淡紅なのか紫なのか微妙」とあれば、また諸症状を参考にして風痰上擾傾向は明らかであるとしても舌先の紅からわずかに肝陽化火の傾向が見られるので、やはり釣藤散(舌先が紅により)に半夏白朮天麻湯(胖大に近ければ)を土台に、オ血があることが確実として少量の生薬製剤二号方かイスクラの冠元顆粒を加える方法が一つ。
あるいはオ血除去の目的部分は扁鵲で代用しても構わないかもしれません。牡丹皮と大黄は適度な活血化オ作用があります。また、風痰上擾であっても上述の二方剤にはそれぞれ釣藤鈎・天麻が含まれているので扁鵲の桂枝も升麻もそれほど邪魔することはなくなるはずです。
もしも顔が明らかに火照る傾向強ければ、黄連解毒湯を適量加えた方が無難です。舌先が紅いのですから。舌全体はたとえ淡紅でも明らかに舌先が紅い場合は、心系統に熱邪があり、淡紅部分(以下は淡紅を淡白と勘違いした為に錯誤したコメントが続くので参考にならない)は
また足の湿疹は、心系統の熱邪によるものであれば、適量の黄連解毒湯が効果を示すことと思います。
でも、これあくまで少ない情報からの推測に過ぎませんので悪しからず・・・
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
村田恭介拝
posted by ヒゲジジイ at 21:13| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
|
2006年11月26日
18年前のC先生による「中医漢方薬学論」に対する評価
我が郷土、我が選挙区の安倍さんが首相の間に、既に故人になられたC先生からの18年前のお手紙を公開しておかねばならない(笑)
エビデンス漢方の道をひた走る日本漢方に、一日も早く中医学理論を導入して本来あるべき道に軌道修正すべきことを訴えるために!
C先生とは、小生の過去に書き散らした拙論を読まれている専門家の方なら、あの高名な中医学の大家であられるか!というのは直ぐに判明するはずであるが、敢えてお名前を伏せておく。
但し、以下に転載する先生の署名入りのお手紙の内容にあるように御高著やお手紙についても引用はご承諾済みである。
なお、先日公開を予定していたC先生にはじめてお手紙を頂くきっかけとなった拙論「漢方経験雑録━小柴胡湯と肝臓病」については、リンクしているように他サイトで公開済みである。
以下、18年前、小生の当時の拙論「日本漢方の将来「中医漢方薬学」の提唱(平成元年の提言!)」をはじめとした内容に対する評価が含まれたC先生からのお手紙である。
でも、どうしても気分的には老人のつもりでいるのは、当時漢方界でご活躍だった先生方の多くが他界されたので、こちらまで老け込んだ気分に支配されるのだろうか。
漢方を始めた33年前は、大塚敬節先生や矢数道明先生、藤平健先生、皆さん小生の年齢とはお爺さんほどの開きがあったのは確かだが・・・今回のC先生とは21歳しか違わなかった。
エビデンス漢方の道をひた走る日本漢方に、一日も早く中医学理論を導入して本来あるべき道に軌道修正すべきことを訴えるために!
C先生とは、小生の過去に書き散らした拙論を読まれている専門家の方なら、あの高名な中医学の大家であられるか!というのは直ぐに判明するはずであるが、敢えてお名前を伏せておく。
但し、以下に転載する先生の署名入りのお手紙の内容にあるように御高著やお手紙についても引用はご承諾済みである。
なお、先日公開を予定していたC先生にはじめてお手紙を頂くきっかけとなった拙論「漢方経験雑録━小柴胡湯と肝臓病」については、リンクしているように他サイトで公開済みである。
以下、18年前、小生の当時の拙論「日本漢方の将来「中医漢方薬学」の提唱(平成元年の提言!)」をはじめとした内容に対する評価が含まれたC先生からのお手紙である。
拝啓18年前には若手と言われた村田も既に56歳。年寄りゲ(笑)なイメージがあるかもしれない漢方界では、もしかしてヒゲジジイというにはまだ若いのかも?
先生には過分のご評価をいただき、大変恐縮しております。私の拙文で宜しかったら御遠慮なく御引用下さってかまいません。私もライフワークとしてこの日本に一人でも多くの医療関係者が中医学に御理解を願い、その普及と向上を志しております。
最近の先生のお書きになった論文を「和漢薬」「漢方の臨床」等の雑誌で拝見させていただきました。大変論理的でしかもきめ細かく展開しており、きっと多くの同道の志に大きなはげましになる事でしょう。
中医学はもともと薬学から発展しており、中国では、ごく最近まで大きな薬店の主人が著名な中医師になっていました。新中国になってからはそれぞれ分業するようになりましたが、今でも大きな薬店では中医師を雇って、待合室の一角で患者さんを診ている実状です。
又、現在の中国では、国内の少数民族の伝統医学を尊重し、その保護、育成に努めております。例えば、東医(朝鮮族)、蔵医(チベット族)、蒙医(蒙古族)等それぞれの特徴を生かした医学が発展しております。しかし、これ等は皆、中医学の理論を基礎にしている事は言うまでもありません。そういう意味では日本の古方派漢方は特異な存在と言わなければなりません。それに東洋哲学が全く無視されている不思議な存在でもあります。先生の論説には全く賛同しており、心から敬服しております。
傷寒、金匱のみをバイブル的存在とし、あくまで方証相対にこだわるならば、そこには理論の発展もないし、学問の進歩もなくなることになります。これでは既に学問ではありえないし、自ら科学を否定しているようなものに見られます。科学には絶え間ない進歩と発見がなければならない筈です。
これからの日本の伝統医学の発展の為には、今の漢方が東洋哲学を確立し、中医学の基礎理論を導入し、日本漢方の良いところと結合して、新しい日本の漢方医学をうちたてるべきだと信じております。
しかし、日本の現状はなかなか厳しく、一部の派閥的な感情的な意識を持つ人にはわれわれの絶え間ない働き掛けで中医学への理解をしていただくしかないのではないかと思っております。特に若手の専門家の中にそのような人がいる事は大変残念なことです。それでも、私が10年前に予想していた以上に中医学が普及してきた事は大変喜ばしい事ですし、時代の流れをひしひしと感じます。時代の流れに逆流する人は所詮蟷螂(とうろう)の斧にすぎません。
先生には若手の論客として非常に期待を寄せております。新事物の導入は一朝一旦には事は成りません。地味で絶え間ない努力が要求されます。私もまだ中医学については未熟ですし、勉強中の身です。まだまだ学習する事がいっぱいあります。これからも同学のよしみでお互いにガンバリましょう。
以上、私の率直な意見を遠慮なく述べさせていただきました。もし、失礼なところがありましたらご容赦下さい。
奥様には宜しくお伝え下さい。
敬白
1989年2月10日
C拝
でも、どうしても気分的には老人のつもりでいるのは、当時漢方界でご活躍だった先生方の多くが他界されたので、こちらまで老け込んだ気分に支配されるのだろうか。
漢方を始めた33年前は、大塚敬節先生や矢数道明先生、藤平健先生、皆さん小生の年齢とはお爺さんほどの開きがあったのは確かだが・・・今回のC先生とは21歳しか違わなかった。
posted by ヒゲジジイ at 01:50| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
|
小青竜湯の興味深い配合をされる先生からのおたより
昨日の東海地区の先生からのおたより: 甲状腺機能亢進症の考え方参考にさせていただきます。
とくに、いつも論じられている”五臓間における気・血・津液の生化と輸泄の連携の問題”について考慮にいれてみたいと思います。
それから過日お教えいただいた処方を参考として、慢性の乾燥した咳にたいする組み合わせ、滋陰降下湯+芍薬甘草湯+五味子をいれるために小青竜湯、を処方しましたところ、「今までになく咳が楽になった」と喜んでいただけました。まことにありがとうございます。
息子さんが血液内科に所属とのことですが、内科のいなかでは4K(苦しい、きたない、きつい、興味ぶかい)と当地域では評価されている診療科です。圧倒的に3Kが優位のところですので、くれぐれも体調にご留意くださいますよう機会がありましたらお伝えください。
ヒゲジジイのお返事メール: 乾燥咳の漢方処方、随分面白く興味深い配合で、こちらの方こそとても参考になります。小青竜湯も先生のようなバランスの取れた配合であれば、有用性が拡がるわけですね。
ところでブログを御覧頂いたらお気づきかもしれませんが、編集後記として、
たとえば「甲状腺機能亢進」における中西医結合による弁証分型をいつものように提示しない理由は、臨床の実際においては意外に現実にマッチしないところも多々あるのみならず、限りなく西洋医学に近づきすぎる「同病異治」の世界である。
それゆえ、日本古方派の数少ない優れた点の大きな一つ「異病同治」の観点からは、病名は参考にはしても中西医結合的な弁証分型にはこだわらずに、基礎理論はすべて中医学理論に基づきながら、常に「異病同治」の方向を主体にしているのが「中医漢方薬学派」のアイデンティティーなのである。
という駄文を加えておきました。
また、愚息への貴重なアドバイス、まことにありがとうございます。滅多に愚痴を言わない子のはずですが、通りで時に弱音の雰囲気がかすかに感じられる時があったことの意味が分かりました。医師になって5年になりますので、あの雰囲気では既に泥沼?に嵌ってしまったのかも知れません(笑)
頓首
編集後記: 上記の「滋陰降下湯+芍薬甘草湯+五味子をいれるために小青竜湯」という配合は、うかつに初心者やシロウトが真似してよい配合ではなく、あくまで弁証論治にもとづく専門家の配慮によってなされるべき配合である。これら三処方の配合によって甘草(カンゾウ)の配合分量が膨大なものになり、これによって水滞を生じやすくなるので、適応症があってはじめて成り立つ配合である。きっと配合比率を変化させるなどその辺の配慮はきめ細かくされておられるであろうから、継続服用が可能となるのである。
とくに、いつも論じられている”五臓間における気・血・津液の生化と輸泄の連携の問題”について考慮にいれてみたいと思います。
それから過日お教えいただいた処方を参考として、慢性の乾燥した咳にたいする組み合わせ、滋陰降下湯+芍薬甘草湯+五味子をいれるために小青竜湯、を処方しましたところ、「今までになく咳が楽になった」と喜んでいただけました。まことにありがとうございます。
息子さんが血液内科に所属とのことですが、内科のいなかでは4K(苦しい、きたない、きつい、興味ぶかい)と当地域では評価されている診療科です。圧倒的に3Kが優位のところですので、くれぐれも体調にご留意くださいますよう機会がありましたらお伝えください。
ヒゲジジイのお返事メール: 乾燥咳の漢方処方、随分面白く興味深い配合で、こちらの方こそとても参考になります。小青竜湯も先生のようなバランスの取れた配合であれば、有用性が拡がるわけですね。
ところでブログを御覧頂いたらお気づきかもしれませんが、編集後記として、
たとえば「甲状腺機能亢進」における中西医結合による弁証分型をいつものように提示しない理由は、臨床の実際においては意外に現実にマッチしないところも多々あるのみならず、限りなく西洋医学に近づきすぎる「同病異治」の世界である。
それゆえ、日本古方派の数少ない優れた点の大きな一つ「異病同治」の観点からは、病名は参考にはしても中西医結合的な弁証分型にはこだわらずに、基礎理論はすべて中医学理論に基づきながら、常に「異病同治」の方向を主体にしているのが「中医漢方薬学派」のアイデンティティーなのである。
という駄文を加えておきました。
また、愚息への貴重なアドバイス、まことにありがとうございます。滅多に愚痴を言わない子のはずですが、通りで時に弱音の雰囲気がかすかに感じられる時があったことの意味が分かりました。医師になって5年になりますので、あの雰囲気では既に泥沼?に嵌ってしまったのかも知れません(笑)
頓首
編集後記: 上記の「滋陰降下湯+芍薬甘草湯+五味子をいれるために小青竜湯」という配合は、うかつに初心者やシロウトが真似してよい配合ではなく、あくまで弁証論治にもとづく専門家の配慮によってなされるべき配合である。これら三処方の配合によって甘草(カンゾウ)の配合分量が膨大なものになり、これによって水滞を生じやすくなるので、適応症があってはじめて成り立つ配合である。きっと配合比率を変化させるなどその辺の配慮はきめ細かくされておられるであろうから、継続服用が可能となるのである。
posted by ヒゲジジイ at 00:11| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
|
2006年11月25日
甲状腺機能亢進に対する漢方
ご質問者:東海地区の内科医師
慢性C型肝炎の患者さんを診せていただく機会が多くなってきた最近、肝炎の記述は大変興味深く拝見いたしました。
本日は甲状腺についてお教えください。
最近、動悸を主訴として受診され、甲状腺機能亢進症(バセドー病)と診断した患者さんにたいして、シャカンゾウトウ症と評価して投薬し、メルカゾールとβ遮断剤を併用しました。
個人的経験からは甲状腺ホルモンのレベルが正常化するのには最低でも2ー3ヶ月程度は必要なのですが、シャカンゾウトウ・メルカゾール・β遮断剤の併用1ヶ月目でフォローのために検査をしましたところ、ほぼ正常化していました。ご本人さんも大変喜んでみえまして、私もシャカンゾウトウの効果に驚いた症例です(開業するまえに血液内科をしていましたので白血球減少を心配してメルカゾールを通常量の半分の量で投与)。
ここで質問ですが、甲状腺機能亢進症の弁証の裏読み、五行学説での解釈についてご教示いただければ幸いです。
教科書を自分で検索しないといけないことですが、村田さんに頼ってしまい申し訳ありません。
お返事メール: 本日(24日)もちょうど関西から高血圧を治してほしいという中年女性が、よく問いただすと10年前に甲状腺機能亢進でメルカゾールなどで一旦治癒して「根治した」と医師からは断定されている人でした。
そうそうたやすく「根治」なんていえるはずもありませんので、けっきょくは190〜100の高血圧は問題だから、必ず再度、病院で諸検査して必要な降圧剤などを貰うように強く進言しつつ、せっかく遠路はるばる来られたのだから、弁証論治によって杞菊地黄丸と地竜で様子を見てもらうことにしました。
あきらかな肝腎陰虚がみられたからです。
中医学的教科書では様々な弁証分型が提示されていますが、小生はご存じ「中医漢方薬学派」ですから、中医学基礎理論は派手に駆使しますが、きまりきった弁証分型には現実味が乏しいので、あまり参考にしていません。やはりいつものように、
五臓間における気・血・津液の生化と輸泄(生成・輸布・排泄)の連係に異常が発生し、これらの基礎物質の生化と輸泄に過不足が生じたときが病態であるから、五臓それぞれの生理機能の特性と五臓六腑に共通する「通」という性質にもとづき、病機と治法を分析する。これにより、
@病因・病位・病性の三者を総合的に解明。
A気・血・津液の昇降出入と盈虚通滞の状況を捉える。
これらによって、定位・定性・定量の三方面における病変の本質を把握する、
という基本事項を厳守し、かつ基本方剤を大切にしながら、
病性の寒熱に対応した薬物を考慮しつつ、@発病原因を除去し、A臓腑の機能を調整し、B気血津精の疏通や補充を行う。
ということになります。
御質問の「甲状腺機能亢進」に関して言えば、例えば張先生の分析では、
タダ、小生も古方派時代が長かった分、この甲状腺機能亢進は、古方派でよく使用される炙甘草湯や柴胡加竜骨牡蠣湯、あるいは炙甘草湯合半夏厚朴湯など、的確に使用すればすぐれた効果を発揮するので、口訣漢方にも便利なところがあるようにも感じています。
(なお無関係なことですが、愚息も専門が血液腫瘍内科のようです。)
以上、あまり参考にはならないかも知れませんが、取り急ぎお返事まで。
頓首
編集後記: たとえば「甲状腺機能亢進」における中西医結合による弁証分型をいつものように提示しない理由は、臨床の実際においては意外に現実にマッチしないところも多々あるのみならず、限りなく西洋医学に近づきすぎる「同病異治」の世界である。
それゆえ、日本古方派の数少ない優れた点の大きな一つ「異病同治」の観点からは、病名は参考にはしても中西医結合的な弁証分型にはこだわらずに、基礎理論はすべて中医学理論に基づきながら、常に「異病同治」の方向を主体にしているのが「中医漢方薬学派」のアイデンティティーなのである。
慢性C型肝炎の患者さんを診せていただく機会が多くなってきた最近、肝炎の記述は大変興味深く拝見いたしました。
本日は甲状腺についてお教えください。
最近、動悸を主訴として受診され、甲状腺機能亢進症(バセドー病)と診断した患者さんにたいして、シャカンゾウトウ症と評価して投薬し、メルカゾールとβ遮断剤を併用しました。
個人的経験からは甲状腺ホルモンのレベルが正常化するのには最低でも2ー3ヶ月程度は必要なのですが、シャカンゾウトウ・メルカゾール・β遮断剤の併用1ヶ月目でフォローのために検査をしましたところ、ほぼ正常化していました。ご本人さんも大変喜んでみえまして、私もシャカンゾウトウの効果に驚いた症例です(開業するまえに血液内科をしていましたので白血球減少を心配してメルカゾールを通常量の半分の量で投与)。
ここで質問ですが、甲状腺機能亢進症の弁証の裏読み、五行学説での解釈についてご教示いただければ幸いです。
教科書を自分で検索しないといけないことですが、村田さんに頼ってしまい申し訳ありません。
お返事メール: 本日(24日)もちょうど関西から高血圧を治してほしいという中年女性が、よく問いただすと10年前に甲状腺機能亢進でメルカゾールなどで一旦治癒して「根治した」と医師からは断定されている人でした。
そうそうたやすく「根治」なんていえるはずもありませんので、けっきょくは190〜100の高血圧は問題だから、必ず再度、病院で諸検査して必要な降圧剤などを貰うように強く進言しつつ、せっかく遠路はるばる来られたのだから、弁証論治によって杞菊地黄丸と地竜で様子を見てもらうことにしました。
あきらかな肝腎陰虚がみられたからです。
中医学的教科書では様々な弁証分型が提示されていますが、小生はご存じ「中医漢方薬学派」ですから、中医学基礎理論は派手に駆使しますが、きまりきった弁証分型には現実味が乏しいので、あまり参考にしていません。やはりいつものように、
五臓間における気・血・津液の生化と輸泄(生成・輸布・排泄)の連係に異常が発生し、これらの基礎物質の生化と輸泄に過不足が生じたときが病態であるから、五臓それぞれの生理機能の特性と五臓六腑に共通する「通」という性質にもとづき、病機と治法を分析する。これにより、
@病因・病位・病性の三者を総合的に解明。
A気・血・津液の昇降出入と盈虚通滞の状況を捉える。
これらによって、定位・定性・定量の三方面における病変の本質を把握する、
という基本事項を厳守し、かつ基本方剤を大切にしながら、
病性の寒熱に対応した薬物を考慮しつつ、@発病原因を除去し、A臓腑の機能を調整し、B気血津精の疏通や補充を行う。
ということになります。
御質問の「甲状腺機能亢進」に関して言えば、例えば張先生の分析では、
実際の臨床では虚実挟雑の複雑な局面のことが多く、きめ細く分析して対処する必要がある。表面上は心肝胃の虚火の症状だが、その根底は腎陰虚による陰虚火旺のことが多い。腎陰虚の補益を主体に心肝の治療を合わせたらよいと思う。と述べられています。「臨床 中医学各論」(緑書房発行)より。
タダ、小生も古方派時代が長かった分、この甲状腺機能亢進は、古方派でよく使用される炙甘草湯や柴胡加竜骨牡蠣湯、あるいは炙甘草湯合半夏厚朴湯など、的確に使用すればすぐれた効果を発揮するので、口訣漢方にも便利なところがあるようにも感じています。
(なお無関係なことですが、愚息も専門が血液腫瘍内科のようです。)
以上、あまり参考にはならないかも知れませんが、取り急ぎお返事まで。
頓首
編集後記: たとえば「甲状腺機能亢進」における中西医結合による弁証分型をいつものように提示しない理由は、臨床の実際においては意外に現実にマッチしないところも多々あるのみならず、限りなく西洋医学に近づきすぎる「同病異治」の世界である。
それゆえ、日本古方派の数少ない優れた点の大きな一つ「異病同治」の観点からは、病名は参考にはしても中西医結合的な弁証分型にはこだわらずに、基礎理論はすべて中医学理論に基づきながら、常に「異病同治」の方向を主体にしているのが「中医漢方薬学派」のアイデンティティーなのである。
posted by ヒゲジジイ at 00:04| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
|
2006年11月24日
まさに弱肉強食を証明するかのように真っ先に反応した漢方製造メーカーさん
休み明けの金曜日だから、薬の補充注文の電話が多い上に複数の新人さんや、ようやくピントが合った人、シッカリ方針が決まって点検確認しながら継続中の人、まだピントがしっかり合わずに残念がる人などなど、一日中多忙で疲労困憊の夕方閉店前、昨日のブログ
薬系漢方業界も弱肉強食時代に突入間違いなし!
に早速反応した漢方製造メーカーの外交員さんがやって来られた。薬局内にお客さんが多いので、外で一時間も待っていたのだという。
案の定、真っ先に反応したのはU社だった。
「悪魔のササヤキ」が気に食わぬのか、仕入れ価格の値引きをプレゼントに来られたと思いきや、トンデモナイ! 驚くべきことに納入価の値上げ交渉に臆面もなくやって来たのだと言う。
これが現実社会というもので、本日はしかもこの社の牛黄製剤を三度も服用して命をつないだのだった(笑)
薬系漢方業界も弱肉強食時代に突入間違いなし!
に早速反応した漢方製造メーカーの外交員さんがやって来られた。薬局内にお客さんが多いので、外で一時間も待っていたのだという。
案の定、真っ先に反応したのはU社だった。
「悪魔のササヤキ」が気に食わぬのか、仕入れ価格の値引きをプレゼントに来られたと思いきや、トンデモナイ! 驚くべきことに納入価の値上げ交渉に臆面もなくやって来たのだと言う。
これが現実社会というもので、本日はしかもこの社の牛黄製剤を三度も服用して命をつないだのだった(笑)
posted by ヒゲジジイ at 21:39| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
|
19年前のC先生からの手紙:小柴胡湯と肝臓病について
血気盛んな正確には18年7ヶ月前、専門誌にも盛んに拙論を披露し続けていた頃にもらった京都大学医学部出身の医師、C先生からはじめてもらったときの手紙が出てきた。(同じ頃にしばしばお電話やお手紙を頂いていた同じ京大医学部出身の長崎県のM先生ではない。コチトラ大阪薬科大学出身だから学歴コンプレックス丸出しみたいだけど、当時はこのコンプレックスのお陰で強烈な向上心にも繋がっていたことは間違いありませんよ。)
当時の拙論に、まだ小柴胡湯と間質性肺炎問題が勃発する以前に、肝臓病に小柴胡湯を投与することの問題点を訴えた拙論がU社発行の和漢薬誌419号・1988年4月号の巻頭論文にあった。C先生の手紙を読んで再発見したところだ。
自分としてはまったく忘れていた拙論であるから、今読み直してみて驚いている。当時、よくもこれだけ書きまくったものだと我ながらあきれるくらいだ。
当時から拙論に対して、漢方界の著名なベテラン医師から、様々に応援のお手紙をもらっているが、不思議と医師ばかりで、同業の薬剤師は皆無なのが情けない。医師という立場からの余裕かもしれない。既に故人となられた方も多いが、現在も重鎮として活躍される先生方も多い。(と,ここまで書いて思い出したが、質問のお電話はシバシバ同業の薬剤師からかかっていたのだった。激励されるよりも質問され、アドバイスを求める声はとても多かったから、むしろ謙虚で勉強熱心な同業者が多かったことは間違いない。)。
故人となられた中には、C先生のように当時から御高著や、お送り頂いた手紙類の引用の全面的許可を頂いた署名入りの手紙も手元にある。
中には全文見事な日本漢方の問題点を論じて下さった名文もあるので、近々、本ブログで公開させて頂くつもりである。
当時(昭和63年4月27日)付けでC先生から頂いた手紙の全文を以下に転載する。
なお、C先生の御意見を参考にしつつも、現在は一般のC型慢性肝炎のみならずC型B型合併の肝硬変・腎不全併発の人達に、十数年前に更に発展した?弁証論治にもとづくかなり確立したオリジナルな方法で、皆さんに喜んでもらっている。
ともあれ、上記のようなC先生からお手紙を頂くきっかけとなった拙論については、全文公開したいと考えている。(やや時代遅れの感なきにしも非ずであるが、20年近く前の漢方界の時代状況が反映される貴重な資料ともなるかもしれない。)
当時の拙論に、まだ小柴胡湯と間質性肺炎問題が勃発する以前に、肝臓病に小柴胡湯を投与することの問題点を訴えた拙論がU社発行の和漢薬誌419号・1988年4月号の巻頭論文にあった。C先生の手紙を読んで再発見したところだ。
自分としてはまったく忘れていた拙論であるから、今読み直してみて驚いている。当時、よくもこれだけ書きまくったものだと我ながらあきれるくらいだ。
当時から拙論に対して、漢方界の著名なベテラン医師から、様々に応援のお手紙をもらっているが、不思議と医師ばかりで、同業の薬剤師は皆無なのが情けない。医師という立場からの余裕かもしれない。既に故人となられた方も多いが、現在も重鎮として活躍される先生方も多い。(と,ここまで書いて思い出したが、質問のお電話はシバシバ同業の薬剤師からかかっていたのだった。激励されるよりも質問され、アドバイスを求める声はとても多かったから、むしろ謙虚で勉強熱心な同業者が多かったことは間違いない。)。
故人となられた中には、C先生のように当時から御高著や、お送り頂いた手紙類の引用の全面的許可を頂いた署名入りの手紙も手元にある。
中には全文見事な日本漢方の問題点を論じて下さった名文もあるので、近々、本ブログで公開させて頂くつもりである。
当時(昭和63年4月27日)付けでC先生から頂いた手紙の全文を以下に転載する。
村田 恭介 先生上記の貴重なC先生によるアドバイスであったので、五味子の粉末をわざわざウチダ和漢薬さんに特注で製造してもらったものの、五味子の強烈な酸味にひるんで、どなたにも試してもらうことなく畑の肥やしにしてしまったのであった。
突然にお手紙を差し上げ、御無礼をお許し下さい。
実は、「和漢薬」419号の先生の「漢方経験録--小柴胡湯と肝臓病」を拝見し、非常に感銘致しました。そこで、先生の御参考にでもなればと愚見を提出したいと存じます。
1.最近の傾向として、小柴胡湯の肝臓病に対する効果が、あまりに強調されすぎる嫌いが見受けられます。小柴胡湯は確かに有効な一処方であることは間違いありませんが勿論、それだけが只一つの方法ではなく、より多くの方剤も有効な手段であることは言うまでもありません。そこには弁証がなく、短絡的に肝炎即ち柴胡剤と言う結論になるのだと思います。
2、中医学では、まず弁証して治法を論じるのは御承知の通りで、急性期では「湿熱」の問題が入りますので「」を合方し、慢性期では免疫の問題が突出してきますので「六味地黄丸」補腎を強力にしなければなりません。御説の通り、五行学説から言っても、腎(水)は肝(木)を助けるので、又、古くより「肝腎同源」「補則其母」と言われているように、慢性肝炎の治療に当たって、補腎は切って離せない存在だと確信しております。 3.その他に、近年、中国で評判になっている「五味子」の治療ですが、小生もこの数年間追試しましたところ、その効果はすばらしく、他の医師の先生方にも使用していただいた所、皆、評価は良かったとおっしゃっております。
今のところ、未だ確立された使用法がなく研究模索中です。私は、先ず五味子全部を粉末とし、一日5〜7g分二でやっております。GOT、GPTが確実に下がり始めます。
だが実際に肝炎そのものが良くなっているかどうかは未だ結論が出ていません。ただ数値そのものが下がりますので、患者さんは大変喜んでいただき、その心理的効果ははかりしれません。
4.小生の経験では、はっきり統計をまだしておりませんが、「六味地黄丸+疎肝、補肝剤」と「五味子末」で治療し、数例の慢性肝炎の患者が全く治癒しております。約3年位かかっております。五味子は煎じては効果なく、中の種ごと粉にすることが肝要です。
是非、一度お試しくだされば幸いです。
勝手な意見を遠慮なくかきならべ、重々の無礼をお許し下さい。 草々
昭和63年4月27日
C拝
なお、C先生の御意見を参考にしつつも、現在は一般のC型慢性肝炎のみならずC型B型合併の肝硬変・腎不全併発の人達に、十数年前に更に発展した?弁証論治にもとづくかなり確立したオリジナルな方法で、皆さんに喜んでもらっている。
ともあれ、上記のようなC先生からお手紙を頂くきっかけとなった拙論については、全文公開したいと考えている。(やや時代遅れの感なきにしも非ずであるが、20年近く前の漢方界の時代状況が反映される貴重な資料ともなるかもしれない。)
posted by ヒゲジジイ at 00:40| 山口 ☔| 中医漢方薬学問答
|
2006年11月23日
薬系漢方業界も弱肉強食時代に突入間違いなし!
もともとこのブログは一般の方よりも、同業者の訪問が多いことは各漢方メーカーの情報から既に承知のことである。
それだけにきっと勉強熱心な同業者(薬局経営の薬剤師)が殆どだと信じて、今後の生き残りの方策とヒントを伝授しておきたい。
中には「村田ワールドですね」と揶揄する同業者もあるそうだが、ヒゲジジイとしては褒め言葉として受け取っているつもりである(笑)
それでなくとも医療用漢方に圧されてジリ貧気味の薬系の漢方業界である。と言っても医療用には見られないユニークな漢方製剤がまだまだ豊富にあるので、知識と経験さえあれば、治りにくい病気でもかなり緩解に導けることは間違いない。
ところが、昨今気がついたことに、業界内では顰蹙ものとしてヒソヒソささやかれても、あまり公然とは論じられない問題に、ヒタヒタと押し寄せるネット上での価格競争である。
HPを持たない多くの漢方薬局も、お馴染みさんが突然みえなくなったことで次第に事の重大さに気がつき始め、たまたまネット上の医薬品類のお誘い販売サイトの価格を知って呆然とし、家業を続ける意欲をなくしてサッサと店を閉じてしまった薬局すら出てくる始末である。
ある漢方メーカーの幹部は、今頃の若い漢方薬局の経営者は、販売のことばかり考えて、勉強熱心な先生はほとんどいない。昔は勉強熱心な薬剤師さんばかりだったのに、実に隔世の感があるように嘆いておられたが、その幹部こそ、自社製品が安売り競争の対象品になっていることに腹ではほくそ笑んでいたに違いないと思うと、どっちもどっちじゃないかっ!と慨嘆せずにはおれない自縄自縛の漢方業界である。
事ほど左様に今や薬系の漢方業界では、ネット上における安売り販売に戦戦兢兢としているのである。
それに対抗するには同様に価格を下げると弱小店ではあまりに薄利でやっていけない。かといって、同列の土俵に乗って厚生労働省から再三再四、自粛を要請されている医薬品のネット通販に参入する勇気もない。
それではどうすればよいか?
やはり対抗措置として、価格は下げざるを得ないだろう。後は知識と技術の勝負で付加価値をつける以外に生き残る道はないのである。
当然のことながら、かくいう村田漢方堂薬局も断然対抗措置を取り、
きっと耳にタコが出来るほど書いてきたと思うが、漢方と漢方薬の世界は、世間一般で認識されているほど安易なものではなく、適切な方剤を選択することの困難さは、専門家であればあるほど、学問が深まれば深まるほど理解されるはずである。だから知識と技術は絶え間なく磨く必要があるのはいうまでもないことなのだが、経済原則というどうしようもない大きな壁が後ろ側に聳え立つ時代である。
このために、往々にして本末転倒して販売側は安売りに走ってピント合わせの重大問題を閑却し、軽医療の領域はともかく、難治性や体質病、長期に亘る慢性疾患などに困惑されているはずの病人さんまでもが、価格競争の世界に目が眩んで、重大なピンと合わせの問題をいつの間にか閑却して、安く買うことばかりが主眼に摩り替わって来かねない時代の風潮である。
たとえ一度ピントが合った、つまり適切な漢方処方が見つかったつもりでも、四季折々の変化に応じて方剤を微調整する必要が生じることは再々であり、人間様の身体も経時変化するのだから、いつまでも同一方剤の組み合わせだけで通せるものでもない。
そういう基本的な常識を閑却して、適切な方剤が決まったからと安易に安売り店に走った為に、二度と知識と経験が豊富だった専門家のもとへ相談に駆けつけることも出来ないだろう。(でも、そんな失礼を省みない時代風潮だから、そのような不義理は平気な時代かもしれないが・・・少なくとも村田漢方堂薬局では事情によっては二度と受け付けないだろう。)
このような事態を避けるためには止むを得ず、経済原則の波に飲み込まれざるを得ないのである。だから、今後、漢方薬局の経営を目指す人達の参入には相当の覚悟がいることだろう。
医師の世界でさえ、昔のようには簡単に開業が出来ない難しい時代である。身内の医師にも開業を計画して、様々に調査したところでアッサリ断念した者もいる。
小学校では競争を否定するような教育がいまだに行われているようだが、現代社会の現実こそ、過当競争に近い過激な競争が待っている。
このような現実社会にそぐわない教育がいつまで続くか知らないが、どうせヒゲジジイもいい年だし、実際には高見の見物というところだが、日本漢方に中医学理論をどうしても取り入れようとしない我が愛する日本国の不甲斐なさが歯がゆい。
同時に漢方薬を駆使すれば、なんとか8割以上の緩解に持ち込めるのに役立てる知識と経験は多少はあるものと自負しているから、またもちろん生業でもあることから、もうすこし頑張らざるを得ないということである。
蛇足ながら、そもそもヒゲジジイのHTMLとCSSの知識と技術をもってすれば、漢方薬や健康食品類のネット上でのお誘い販売サイトを制作するのは朝飯前である。既に所持してまだ未使用の独自ドメインも10以上はある。
その気になれば、半日で作って見せるが、さすがに適応を誤れば効果がないばかりか、たまには問題が生じかねない医薬品(漢方薬)のお誘い販売サイトだけは制作する気になれないし、第一プライドも許さない。明らかに横取りサイトを作ることになるのだから。
かてて加えて、あれほど厚生労働省が再三再四に亘って、医薬品のネット販売(お誘い販売)の自粛を求め、法制化してでも禁止しようという動きもあるくらいのものを到底やる気にはならない。
しかしながら、万寿霊茸などキノコ類が20種類前後で構成されたお気に入りの健康食品やウチダ和漢薬系の健康食品類くらいは、HP制作技術を活かしてどこにも負けない価格を掲げて、ネット上のお誘い販売合戦に乱入してやろうかという悪魔のササヤキがないでもない(笑)
ところで、悪趣味にも上記のことをすべて3サイトくらい新に作って実現したと仮定すると、日本漢方の将来「中医漢方薬学」の提唱(平成元年の提言!) を発表した当時よりも、もっと大きく漢方業界を震撼させることだろうな〜〜〜と一人想像して楽しんでいる。
それだけにきっと勉強熱心な同業者(薬局経営の薬剤師)が殆どだと信じて、今後の生き残りの方策とヒントを伝授しておきたい。
中には「村田ワールドですね」と揶揄する同業者もあるそうだが、ヒゲジジイとしては褒め言葉として受け取っているつもりである(笑)
それでなくとも医療用漢方に圧されてジリ貧気味の薬系の漢方業界である。と言っても医療用には見られないユニークな漢方製剤がまだまだ豊富にあるので、知識と経験さえあれば、治りにくい病気でもかなり緩解に導けることは間違いない。
ところが、昨今気がついたことに、業界内では顰蹙ものとしてヒソヒソささやかれても、あまり公然とは論じられない問題に、ヒタヒタと押し寄せるネット上での価格競争である。
HPを持たない多くの漢方薬局も、お馴染みさんが突然みえなくなったことで次第に事の重大さに気がつき始め、たまたまネット上の医薬品類のお誘い販売サイトの価格を知って呆然とし、家業を続ける意欲をなくしてサッサと店を閉じてしまった薬局すら出てくる始末である。
ある漢方メーカーの幹部は、今頃の若い漢方薬局の経営者は、販売のことばかり考えて、勉強熱心な先生はほとんどいない。昔は勉強熱心な薬剤師さんばかりだったのに、実に隔世の感があるように嘆いておられたが、その幹部こそ、自社製品が安売り競争の対象品になっていることに腹ではほくそ笑んでいたに違いないと思うと、どっちもどっちじゃないかっ!と慨嘆せずにはおれない自縄自縛の漢方業界である。
事ほど左様に今や薬系の漢方業界では、ネット上における安売り販売に戦戦兢兢としているのである。
それに対抗するには同様に価格を下げると弱小店ではあまりに薄利でやっていけない。かといって、同列の土俵に乗って厚生労働省から再三再四、自粛を要請されている医薬品のネット通販に参入する勇気もない。
それではどうすればよいか?
やはり対抗措置として、価格は下げざるを得ないだろう。後は知識と技術の勝負で付加価値をつける以外に生き残る道はないのである。
当然のことながら、かくいう村田漢方堂薬局も断然対抗措置を取り、
(漢方薬・漢方専門薬局薬剤師の憂鬱より)ということである。我が薬局では、今はやりのメタボリックシンドロームにかなり効果のある扁鵲(へんせき)という漢方薬は、昨年まで愛用者が多かったのに、メタボリック症候群が騒がれだした途端、販売量が激減した。
「食わずに走れ!」などと見も蓋もないアドバイスを贈っていたのが功を奏したものと思っていたが、それにしても不思議なので、ふと思いついてネット上の医薬品のお誘い販売サイトをネットサーフィンして納得した。
知らない間にネット上では安売り合戦が始まっていたのだった。それを知って急遽どこにも負けない安価に設定し、加えて他の漢方製剤を総点検したところ、従来からどこにも負けない安価な製品も多数あったことに我ながら驚いたものの、世間並みだったものも、一律、どこにも負けない価格設定に急遽変更したのだった。
紅顔の美少年(?)の時代にはボクサーになりたかったくらいだから、何でも負けるのは歯がゆいもの。ネット販売によるお誘い販売こそ、断じてするつもりはないが、当方のHPやブログ類を見て遠路はるばるやって来られる人が増える一方の昨今である。彼らや彼女らは、当方の腕と知識を見込んでくれたことに間違いないにしても、ネットで調べてこられるくらいだから、後々価格面で引け目を感じたくないのが人情というもの。
我が薬局のような弱小でも、もともと日本一販売量の多い製品を複数もっているほど薬系の漢方業界というのはトテモ狭い世界である。
だから、どこにも負けない価格設定にすれば、当然薄利になって面白くもないが、ピント合わせだけに当方の知識を利用されて、ピントが合ったからといって他の安売り店に直行されたのでは、イヨイヨもって面白くない。
そんな不義理をされるくらいなら、どこにも負けない価格設定をしておくに限ると考えたまでのことだ。
但し、価格ばかりを比較する本末転倒の考え方の人は、従来どおり、お断りし続ける方針に変わりはない。
かくしていよいよ、漢方薬業界では、乱売合戦によって随証治療も弁証論治も完全に忘れ去られ、病名漢方乱立の世界に堕するのであろうか?
医療用漢方に圧されて薬系の漢方もここまで追い込まれたということだろう。
本末転倒の「安かろう、ピンとは合わなかろう」の世界の悪循環に陥る自縄自縛の薬系漢方業界は、もはや救いようがないのだろうか?
きっと耳にタコが出来るほど書いてきたと思うが、漢方と漢方薬の世界は、世間一般で認識されているほど安易なものではなく、適切な方剤を選択することの困難さは、専門家であればあるほど、学問が深まれば深まるほど理解されるはずである。だから知識と技術は絶え間なく磨く必要があるのはいうまでもないことなのだが、経済原則というどうしようもない大きな壁が後ろ側に聳え立つ時代である。
このために、往々にして本末転倒して販売側は安売りに走ってピント合わせの重大問題を閑却し、軽医療の領域はともかく、難治性や体質病、長期に亘る慢性疾患などに困惑されているはずの病人さんまでもが、価格競争の世界に目が眩んで、重大なピンと合わせの問題をいつの間にか閑却して、安く買うことばかりが主眼に摩り替わって来かねない時代の風潮である。
たとえ一度ピントが合った、つまり適切な漢方処方が見つかったつもりでも、四季折々の変化に応じて方剤を微調整する必要が生じることは再々であり、人間様の身体も経時変化するのだから、いつまでも同一方剤の組み合わせだけで通せるものでもない。
そういう基本的な常識を閑却して、適切な方剤が決まったからと安易に安売り店に走った為に、二度と知識と経験が豊富だった専門家のもとへ相談に駆けつけることも出来ないだろう。(でも、そんな失礼を省みない時代風潮だから、そのような不義理は平気な時代かもしれないが・・・少なくとも村田漢方堂薬局では事情によっては二度と受け付けないだろう。)
このような事態を避けるためには止むを得ず、経済原則の波に飲み込まれざるを得ないのである。だから、今後、漢方薬局の経営を目指す人達の参入には相当の覚悟がいることだろう。
医師の世界でさえ、昔のようには簡単に開業が出来ない難しい時代である。身内の医師にも開業を計画して、様々に調査したところでアッサリ断念した者もいる。
小学校では競争を否定するような教育がいまだに行われているようだが、現代社会の現実こそ、過当競争に近い過激な競争が待っている。
このような現実社会にそぐわない教育がいつまで続くか知らないが、どうせヒゲジジイもいい年だし、実際には高見の見物というところだが、日本漢方に中医学理論をどうしても取り入れようとしない我が愛する日本国の不甲斐なさが歯がゆい。
同時に漢方薬を駆使すれば、なんとか8割以上の緩解に持ち込めるのに役立てる知識と経験は多少はあるものと自負しているから、またもちろん生業でもあることから、もうすこし頑張らざるを得ないということである。
蛇足ながら、そもそもヒゲジジイのHTMLとCSSの知識と技術をもってすれば、漢方薬や健康食品類のネット上でのお誘い販売サイトを制作するのは朝飯前である。既に所持してまだ未使用の独自ドメインも10以上はある。
その気になれば、半日で作って見せるが、さすがに適応を誤れば効果がないばかりか、たまには問題が生じかねない医薬品(漢方薬)のお誘い販売サイトだけは制作する気になれないし、第一プライドも許さない。明らかに横取りサイトを作ることになるのだから。
かてて加えて、あれほど厚生労働省が再三再四に亘って、医薬品のネット販売(お誘い販売)の自粛を求め、法制化してでも禁止しようという動きもあるくらいのものを到底やる気にはならない。
しかしながら、万寿霊茸などキノコ類が20種類前後で構成されたお気に入りの健康食品やウチダ和漢薬系の健康食品類くらいは、HP制作技術を活かしてどこにも負けない価格を掲げて、ネット上のお誘い販売合戦に乱入してやろうかという悪魔のササヤキがないでもない(笑)
ところで、悪趣味にも上記のことをすべて3サイトくらい新に作って実現したと仮定すると、日本漢方の将来「中医漢方薬学」の提唱(平成元年の提言!) を発表した当時よりも、もっと大きく漢方業界を震撼させることだろうな〜〜〜と一人想像して楽しんでいる。
posted by ヒゲジジイ at 13:22| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
|
メマイ(めまい)の漢方薬 〔風痰上擾の場合〕
性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 北陸地方
具体的な御職業 : 鍼灸師
お問い合わせ内容 :いつも村田先生のサイトを楽しく、またいろいろ勉強させて頂いてます。
わたくしは鍼灸院のかたわら、漢方を少しやっており、先生のサイトを見るようになってから中医学を勉強するようになりました。
(まだ全然初心者ですが)サイトを見ていて大変お忙しそうなので、質問をためらっていたのですが、意を決して送らせ頂きました。
何卒ご指導頂ければ幸いです。
当院に通う患者さんで年齢31歳で腰痛で通われてる方なんですが、以前からも時々あったのですが、寝不足などをすると、血圧が上がり、めまいを訴えられていたのですが、今回も4、5日前からその様な症状がでて、漢方での治療を依頼されました。
わたくしとしては、その方は太っていることもあり(165p105s堅太り)、また胸に痰を自覚的に感じており(出るわけではないです。)、舌苔が白膩で、時々便秘傾向、首筋が張った感覚があり、ソケイ部にかぶれ様の湿疹があります。
そこで、風痰上擾ではないかと思い、方剤として半夏白朮天麻湯もしくは導痰湯かと考えています。しかし、痰だけを除去するだけでなく、痰を作ってしまう病蔵にも働きかけるような方剤が必要なのではないか、また太っている事を考慮して、先生御推薦の九味半夏湯、もしくは防風通聖散(使いわけがよくわかっていませんが…)なども考えたら良いのか、はっきり言って大変迷っています。
古方派漢方の時は、とりあえず、高血圧だからこれみたいにやっておりましたが、中医学を意識しだしてから正直方剤選びに悩んでいます。
ましてや先程の未熟な見立もあっているのかどうなのか心配です。
どうかご指導頂けないでしょうか。宜しくお願いいたします。
また先生は痰やオ血などがあるかどうかは、どの様に判断されておられるのでしょうか?重ねてお願いいたします。
ちなみに以前わたくしも師匠に寒温統一論を読むように言われたことがあり、先生と同じ様に温病勉強しなきゃいけないと、しょっちゅう言われてました。そこで温病関係の本は幾つか持っていたのですが、宝のもちぐされ状態でした。
そこで先生のサイトを見るようになり、最近温病条弁を読んでいます。
お返事メール:拝復
明らかな風痰上擾の兆候があれば、漢方製剤を主体に考える場合は、
日本で常用される「風痰上擾」の治療方剤『半夏白朮天麻湯』『釣藤散』について これを参考にされると良いかと存じます。
ここに書いることは、現実の経験に基づいていますので、的確に配合すれば、比較的速やかに緩解するものと思います。
白膩苔があれば、少なくとも痰濁はそうとうにありそうですので、まずは肥満の問題を考えるよりも先に、忠実な弁証論治にもとづいて、例えば釣藤散に半夏白朮天麻湯を合方し、諸条件によっては、たとえば腎陰虚を伴っておれば六味丸系列の方剤を追加するなど、様々な配合が考えられるはずです。
但し、この方の眩暈症状はどの程度のものか? 天井がぐるぐる回るほどひどいものか、単にふらつく程度か、耳鳴りは伴うのか伴わないのか、悪心、嘔吐はどうなのか等、細かい点での情報不足ですので、何とも申しにくいわけです。
ところで「痰やオ血などがあるかどうかは、どの様に判断」しているのか?との御質問については、基本的には皆さんがされていることと大同小異だと思います。
ただ、特徴があるとすれば、根掘り葉掘りと、様々な視点から細かいところまで質問攻めで、あらゆる角度から検討しますので、かなり時間をかけたぶきっちょな漢方相談となっています。ですから病人さんは、表現力のある人、客観的な報告をする言語能力を必要とします。
だから、よく噂される神業のように「黙って座ればピタリと当た」る世界とは、まったく無縁の薬局で、こちらの納得が行くまで質問攻めに合わせてしまいます。
だから、本気で時間を惜しまず頑張れる人でなければ、漢方薬を販売することが出来ません。それほどブキッチョな漢方薬屋です。
なお、釣藤散合半夏白朮天麻湯合六味丸により、一週間に三日は寝込んで眩暈・耳鳴り、嘔吐を繰り返し、ひどい眼振のあった中年女性の重度の持病が数年間の服用で根治させれた人もあります。前後10年は続服し、廃薬後も十年間、未だに再発はみられていません。
風痰上擾による眩暈の重症例としては典型的でした。
ところで、もしもめまいなど軽症の方であれば、仰るとおり九味半夏湯加減方の扁鵲(ヘンセキ)程度でも十分治せる可能性があると思います。しかも肥満の解消を兼ねて!
但し、風痰上擾が明らかであれば、九味半夏湯加減方の扁鵲は、桂枝や升麻が配合されている為に風痰上擾には一切効果はなく、ましてや防風通聖散などは以ての外ということになりますので、いずれも使用すべではありません!
風痰上擾が明らかであれば、やはり
http://www.cyuikanpo.com/hu.html に沿った方法が無難と思います。
風痰上擾の判定としましては、眩暈がかなりひどく悪心や嘔吐を伴えば、白膩苔があることから、この場合は明らかに風痰上擾は間違いないことになります。
また、もしも白膩苔に黄色がかかっていれば、明らかな湿熱も同居していることになりますから、重症者の風痰上擾では、釣藤散に牛黄を加えたりする工夫も必要になるかと存じます。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
年齢 : 30歳〜39歳
簡単なご住所 : 北陸地方
具体的な御職業 : 鍼灸師
お問い合わせ内容 :いつも村田先生のサイトを楽しく、またいろいろ勉強させて頂いてます。
わたくしは鍼灸院のかたわら、漢方を少しやっており、先生のサイトを見るようになってから中医学を勉強するようになりました。
(まだ全然初心者ですが)サイトを見ていて大変お忙しそうなので、質問をためらっていたのですが、意を決して送らせ頂きました。
何卒ご指導頂ければ幸いです。
当院に通う患者さんで年齢31歳で腰痛で通われてる方なんですが、以前からも時々あったのですが、寝不足などをすると、血圧が上がり、めまいを訴えられていたのですが、今回も4、5日前からその様な症状がでて、漢方での治療を依頼されました。
わたくしとしては、その方は太っていることもあり(165p105s堅太り)、また胸に痰を自覚的に感じており(出るわけではないです。)、舌苔が白膩で、時々便秘傾向、首筋が張った感覚があり、ソケイ部にかぶれ様の湿疹があります。
そこで、風痰上擾ではないかと思い、方剤として半夏白朮天麻湯もしくは導痰湯かと考えています。しかし、痰だけを除去するだけでなく、痰を作ってしまう病蔵にも働きかけるような方剤が必要なのではないか、また太っている事を考慮して、先生御推薦の九味半夏湯、もしくは防風通聖散(使いわけがよくわかっていませんが…)なども考えたら良いのか、はっきり言って大変迷っています。
古方派漢方の時は、とりあえず、高血圧だからこれみたいにやっておりましたが、中医学を意識しだしてから正直方剤選びに悩んでいます。
ましてや先程の未熟な見立もあっているのかどうなのか心配です。
どうかご指導頂けないでしょうか。宜しくお願いいたします。
また先生は痰やオ血などがあるかどうかは、どの様に判断されておられるのでしょうか?重ねてお願いいたします。
ちなみに以前わたくしも師匠に寒温統一論を読むように言われたことがあり、先生と同じ様に温病勉強しなきゃいけないと、しょっちゅう言われてました。そこで温病関係の本は幾つか持っていたのですが、宝のもちぐされ状態でした。
そこで先生のサイトを見るようになり、最近温病条弁を読んでいます。
お返事メール:拝復
明らかな風痰上擾の兆候があれば、漢方製剤を主体に考える場合は、
日本で常用される「風痰上擾」の治療方剤『半夏白朮天麻湯』『釣藤散』について
半夏白朮天麻湯や釣藤散あるいは導痰湯や滌痰湯が適応する「風痰上擾」は、脾不運湿によって湿聚生痰し、痰濁が少陽三焦を阻滞し膜原を障害して肝風内動を誘発し、一方では脾虚不運によって肝陰を滋補できないために肝陽が遊離して肝風を生じ、少陽三焦を通路として肝風が痰濁を伴って上擾するものである。
脾胃論の半夏白朮天麻湯は、同名の方剤半夏白朮天麻湯(《医学心悟》【組成】 製半夏 陳皮 茯苓 甘草 白朮 天麻)に比べて薬味がかなり多く、日本で常用され、製剤化されたエキス製品も各種販売されている。補気健脾・淡滲利水・化痰熄風の効能があり、脾虚湿困・湿聚生痰・痰濁内阻・肝風内動・風痰上擾の病機に適応する。実際の臨床では、めまい・頭重・悪心・嘔吐のみならず、頑固な浮腫に、あるいは下痢や軟便傾向があり軽度の膵炎や潜在的に膵臓が弱っていると思われる者にも有効である。
釣藤散は日本では特に常用される化痰熄風の方剤であり、平肝清熱・補気健脾の効能を併せ持ち、脾虚肝旺・痰濁上擾・肝陽化風および化火の病機に適応する。但し、風痰による痰濁上擾が顕著であれば半夏白朮天麻湯を、肝陽化風の原因として明らかな肝陰虚が認められれば杞菊地黄丸を、肝陽化火が顕著であれば黄連解毒湯などを併用する必要がある。このような二〜三方剤を併用すべきものに、高血圧症や俗に言うメニエール氏症候群などがあり、脳血管障害の前兆の場合もあるので牛黄(ゴオウ)の併用も考える。血オの兆候がわずかでもみられれば、慎重に適量の『生薬製剤二号方』を併用する。
風痰証が遷延すると風痰証が残存したまま痰オ互結証に発展することが多く、脳血管障害の後遺症によくみられる。それゆえ、エキス剤を利用する場合は適宜ウチダの『生薬製剤二号方』を用い、あるいは牛黄製剤なども併用するとよい。牛黄には強力な熄風清熱および開竅と豁痰の作用もある。
但し、釣藤散証のように肝陽偏亢や肝陽化火の傾向がある場合は、血オの徴候がみられても単独で『生薬製剤二号方』を用いてはならず、併用する場合においても過量であってはならない。もしも単独で使用したり併用量が過剰であると肝陽偏亢を助長したり、あるいは肝火を盛んにし、却って逆効果となる場合があるので、杞菊地黄丸などの滋陰剤や黄連解毒湯などを併用するなどして、配合バランスを十分配慮して投与すべきである。
ここに書いることは、現実の経験に基づいていますので、的確に配合すれば、比較的速やかに緩解するものと思います。
白膩苔があれば、少なくとも痰濁はそうとうにありそうですので、まずは肥満の問題を考えるよりも先に、忠実な弁証論治にもとづいて、例えば釣藤散に半夏白朮天麻湯を合方し、諸条件によっては、たとえば腎陰虚を伴っておれば六味丸系列の方剤を追加するなど、様々な配合が考えられるはずです。
但し、この方の眩暈症状はどの程度のものか? 天井がぐるぐる回るほどひどいものか、単にふらつく程度か、耳鳴りは伴うのか伴わないのか、悪心、嘔吐はどうなのか等、細かい点での情報不足ですので、何とも申しにくいわけです。
ところで「痰やオ血などがあるかどうかは、どの様に判断」しているのか?との御質問については、基本的には皆さんがされていることと大同小異だと思います。
ただ、特徴があるとすれば、根掘り葉掘りと、様々な視点から細かいところまで質問攻めで、あらゆる角度から検討しますので、かなり時間をかけたぶきっちょな漢方相談となっています。ですから病人さんは、表現力のある人、客観的な報告をする言語能力を必要とします。
だから、よく噂される神業のように「黙って座ればピタリと当た」る世界とは、まったく無縁の薬局で、こちらの納得が行くまで質問攻めに合わせてしまいます。
だから、本気で時間を惜しまず頑張れる人でなければ、漢方薬を販売することが出来ません。それほどブキッチョな漢方薬屋です。
なお、釣藤散合半夏白朮天麻湯合六味丸により、一週間に三日は寝込んで眩暈・耳鳴り、嘔吐を繰り返し、ひどい眼振のあった中年女性の重度の持病が数年間の服用で根治させれた人もあります。前後10年は続服し、廃薬後も十年間、未だに再発はみられていません。
風痰上擾による眩暈の重症例としては典型的でした。
ところで、もしもめまいなど軽症の方であれば、仰るとおり九味半夏湯加減方の扁鵲(ヘンセキ)程度でも十分治せる可能性があると思います。しかも肥満の解消を兼ねて!
但し、風痰上擾が明らかであれば、九味半夏湯加減方の扁鵲は、桂枝や升麻が配合されている為に風痰上擾には一切効果はなく、ましてや防風通聖散などは以ての外ということになりますので、いずれも使用すべではありません!
風痰上擾が明らかであれば、やはり
http://www.cyuikanpo.com/hu.html に沿った方法が無難と思います。
風痰上擾の判定としましては、眩暈がかなりひどく悪心や嘔吐を伴えば、白膩苔があることから、この場合は明らかに風痰上擾は間違いないことになります。
また、もしも白膩苔に黄色がかかっていれば、明らかな湿熱も同居していることになりますから、重症者の風痰上擾では、釣藤散に牛黄を加えたりする工夫も必要になるかと存じます。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
posted by ヒゲジジイ at 00:12| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
|
2006年11月22日
ここ一年、若い人のマナーの良さが目だち、逆に中年世代の図々しさがヤケに目に付く変わりよう!?
必要以上に敷居を高くしている村田漢方堂薬局のHPやブログ類であるが、そのお陰で、ここ一年近く、直接来局される方は、老いも若きもとてもマナーの良い人達ばかり。一人ガラが悪いのはヒゲジジイのみ。
かかる電話には時折、電話で一方的にまくし立て、金儲け主義の薬局だと非難を浴びせる若い女性にてこずる中年女性薬剤師のようにというのが一年前にあったものの、直接来られる若い人達のあまりのマナーの良さから、最近、これまでの思い込みを修正しつつあるところだ。
それに引き換え、時折中年女性の図々しさに遭遇して唖然とすることもある。どこかのブログに類似した内容を書いていたつもりが、見当たらない。
関西からの電話で、お宅の評判を聞いてお電話しているが、電話相談で漢方薬を指導してもらえないか、漢方薬の方はこちらで手に入れるからご心配なく、という唖然とする内容。
何がご心配要らないだっっとムカっ腹の立つ話である。
いくらなんたって、村田漢方堂薬局は慈善事業でやってるんじゃないぜ〜〜と怒鳴りたくなる話で、下関の親戚から相談するように言われたのだというが、アリガタ迷惑も甚だしい。
かと思えば、一ヵ月分七千円弱の漢方薬で、長い間、整形や耳鼻咽喉科に通い詰めて治らなかった重度の耳鳴り・肩こり・頭痛が(ピント合わせに四回通い詰めたとは言え)、ピントが合ってからは服用10日にして半減し、一ヶ月間でその多くが消失したというのに、「漢方薬は高すぎる、薬代を稼ぐ為に仕事が辞められない!」と矛盾した皮肉を言う初老の女性。
仕事が勤まらないほど重症化した挙句に、このままでは仕事を辞めないといけなくなるのだと困り果てて漢方薬を求めて来た人が、このような矛盾を平然と言われる。
今年は中高年の信じられない言動が目立った。
だから敷居を高くしているのだが、疲労困憊するほど考え抜いてようやく適切な漢方薬を見つけてあげても、ほんとうに苦労し甲斐のない人が少数混じるのだった。
以上は、あくまでここ一年間の相対的な感想であり、ほんの先日、温厚な老紳士のマナーには、毒舌の当方が恥ずかしくなるほどだった。
極端な寒がり頻尿、通院中の病院で様々に医療用漢方を投与されるが、一向に効果がないというので来局されたのだが、明らかに村田漢方堂薬局では珍しく八味地黄丸(八味丸)証である。これまで八味丸や牛車腎気丸は投与されなかったのですか?と問えば、加味逍遙散など血の道系の方剤ばかりのようであった。かなりご高齢でもあるし、今後のこともあるから通院中の先生に依頼して「八味丸か牛車腎気丸」を順番に投与してもらってより効果のある方を選ばれたらドウでしょうか、という当方の提案には、一向に首を縦に振ろうとされない。
明らかに主治医に対する遠慮と、ヒゲジジイのかなり時間をかけた相談に対する労にむくいようとの決意が鮮明である。それゆえ、久しぶりに八味丸を販売したのであった。(言わなければいいのに、折々に「きらいな八味丸」を無意識に発していたようである。
但し、中医漢方薬学派においては八味丸証の場合、ブシの辛熱は時代にマッチしないとの判断から「六味丸+適量の海馬補腎丸」であるべきことは八味丸を使用するよりも合理的な六味丸合海馬補腎丸にも書いている通りである。)
かかる電話には時折、電話で一方的にまくし立て、金儲け主義の薬局だと非難を浴びせる若い女性にてこずる中年女性薬剤師のように
今朝は早くからとんでもない電話で時間を潰された女性薬剤師の話。
例によって若い女性からの婦人科疾患関連の御相談、というよりも、一方的にまくし立てられ、さすがにベテランの女性薬剤師もほうほうの体(てい)。
ここで「例によって」と記したのには訳がある。
小生の薬局のお問い合わせで、きまってマナーが悪く、一方的で独善的な口上と非難を浴びせられるのが、不思議と若き女性たちからばかりであるからだ。
一昔前の世界にも誇れた「大和撫子(やまとなでしこ)」はどこへ消えたのか?!
現代の、とりわけ若き女性達のマナーの悪さにはホトホト呆れるばかりである。
さすがの歴戦の中年女性薬剤師も、今回ばかりは目を白黒させるばかり。
「お金儲けがしたいから、こんなにズルズル電話を引きのばしているんでしょ〜〜〜!!!」
と怒鳴られた、という訳である。
いかにお断りしてお電話を早く切り上げるか、上手にお断りし続けているのに、一方的にまくし立ててがなり続けたのは、最初から最後まで、相手の若き女性だったのだから、ソバで聞いてきても、可笑しかった。
分析すれば、つまるところ、自分の思う通り、期待通りの返事が返ってこない時に、彼女たちのヒステリーが生じるもに違いない、と中年女性薬剤師の分析であるが、小生も「ナルホド」的確かも、と感じたものである。
それにしても小生の薬局では、孔子も言われたように
「女子と小人は養いがたし」
という空気がますます蔓延するばかりであった。
それに引き換え、時折中年女性の図々しさに遭遇して唖然とすることもある。どこかのブログに類似した内容を書いていたつもりが、見当たらない。
関西からの電話で、お宅の評判を聞いてお電話しているが、電話相談で漢方薬を指導してもらえないか、漢方薬の方はこちらで手に入れるからご心配なく、という唖然とする内容。
何がご心配要らないだっっとムカっ腹の立つ話である。
いくらなんたって、村田漢方堂薬局は慈善事業でやってるんじゃないぜ〜〜と怒鳴りたくなる話で、下関の親戚から相談するように言われたのだというが、アリガタ迷惑も甚だしい。
かと思えば、一ヵ月分七千円弱の漢方薬で、長い間、整形や耳鼻咽喉科に通い詰めて治らなかった重度の耳鳴り・肩こり・頭痛が(ピント合わせに四回通い詰めたとは言え)、ピントが合ってからは服用10日にして半減し、一ヶ月間でその多くが消失したというのに、「漢方薬は高すぎる、薬代を稼ぐ為に仕事が辞められない!」と矛盾した皮肉を言う初老の女性。
仕事が勤まらないほど重症化した挙句に、このままでは仕事を辞めないといけなくなるのだと困り果てて漢方薬を求めて来た人が、このような矛盾を平然と言われる。
今年は中高年の信じられない言動が目立った。
だから敷居を高くしているのだが、疲労困憊するほど考え抜いてようやく適切な漢方薬を見つけてあげても、ほんとうに苦労し甲斐のない人が少数混じるのだった。
以上は、あくまでここ一年間の相対的な感想であり、ほんの先日、温厚な老紳士のマナーには、毒舌の当方が恥ずかしくなるほどだった。
極端な寒がり頻尿、通院中の病院で様々に医療用漢方を投与されるが、一向に効果がないというので来局されたのだが、明らかに村田漢方堂薬局では珍しく八味地黄丸(八味丸)証である。これまで八味丸や牛車腎気丸は投与されなかったのですか?と問えば、加味逍遙散など血の道系の方剤ばかりのようであった。かなりご高齢でもあるし、今後のこともあるから通院中の先生に依頼して「八味丸か牛車腎気丸」を順番に投与してもらってより効果のある方を選ばれたらドウでしょうか、という当方の提案には、一向に首を縦に振ろうとされない。
明らかに主治医に対する遠慮と、ヒゲジジイのかなり時間をかけた相談に対する労にむくいようとの決意が鮮明である。それゆえ、久しぶりに八味丸を販売したのであった。(言わなければいいのに、折々に「きらいな八味丸」を無意識に発していたようである。
但し、中医漢方薬学派においては八味丸証の場合、ブシの辛熱は時代にマッチしないとの判断から「六味丸+適量の海馬補腎丸」であるべきことは八味丸を使用するよりも合理的な六味丸合海馬補腎丸にも書いている通りである。)
posted by ヒゲジジイ at 00:59| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
|
2006年11月21日
蕁麻疹への中医的アプローチ
ご質問者:東海地区の内科医師
前略 最近、東洋医学学術社から発行された中国医学用語集と平易な中医の教科書を独学中ですが、孤軍奮闘しています。
日本漢方では病態生理があまり重視されていないように思い興味深いです。
また、西洋医学的病態生理とは全く基盤が異なり、ある病態を別の視点から理解できそうで、西洋医学的治療法では対応困難な病状を改善する重要な手段になりそうです。
ただ、なかなか相手としては手ごわそうな印象です。
例によって前置きが長くなってしまいましたが、蕁麻疹への中医的アプローチについてご教示いただけますでしょうか。
定番のインチンコウトウ、インチン五苓散は確かに有効で症状は取れます。しかし、投薬をやめますと再燃することが多いようです。
根治的に考えた場合にどうでしょうか。
中医的には蕁麻疹の背景病態についてどのように理解されているのか、村田さんの病態論でも勿論結構です。
お忙しいとは存じますが、難治性蕁麻疹の患者さんを抱えている者にお教えくださいますと幸いです。
お返事メール:拝復
ちょうど、重篤化しかかた蕁麻疹の続続報
この重篤化しかかった男性は、現在もなおインチンコウトウとウチダのイオン化カルシウムを継続して服用中です。アルコールを止める事が出来ないので、あるいは一生、インチンコウトウと離れられないかもしれないよ、と冗談めかして宣告しているほどです。
最近はアルコールを服用しても殆んど再発しないのですが、夜昼不規則な勤務体制の仕事のためか、疲労が蓄積すると、ほんの僅かな再発兆候が見えますが、それでも直ぐに消失するようです。
少し前、青魚を過食してムカついたのですが、インチンコウトウを増減することで回復しています。舌には黄膩苔の出没を繰り返していますので、頑固にインチンコウトウとイオン化カルシウムだけで押し通しています。
過去の経験からも、シンプルな方剤で効果が得られる場合は、へたな弁証論治の裏読みはせず、頑固に押し通すことで8割緩解は可能だと考えています。
慢性化した疾患は、真の意味で根治はないことが多く、表向き根治したように見えても、わずかな根が残っていることが多いものと愚考しています。
慢性疾患が、たとえ中医学が素晴らしくとも、ほとんどの慢性疾患が真の意味で根治するものなら、人間様は半永久的に死を免れることになる理屈も成り立つことになるような気がします。とすると、多くの慢性疾患は8〜9割の緩解でしかないのではないかと考えるようになってしまいました。
なにやら自分の腕の悪さを棚に上げて、ヒゲジジイ流の屁理屈が飛び出してしまいましたが、蕁麻疹にはシンプルにインチンコウトウだけで対処できるとは限らず、寒冷蕁麻疹やストレス性の蕁麻疹等様々に言われますが・・・
中医学においても型に嵌った弁証分型がありますが小生自身は、蕁麻疹については中医学的な弁証分型は、あまり参考にしておりません。
蕁麻疹に限らず 漢方と漢方薬の御案内 において陳潮祖先生の書籍をヒントに提示しましたように、
病気を解決するための漢方薬の組み合わせの法則(配合法則)として、
@病気の直接的な原因となっている「内外の病因」を除去する漢方薬。
A五臓六腑の機能を調整する漢方薬。
B体内に流通する気・血・水(津液)・精の疎通あるいは補充を行う漢方薬。
を基本に考えています。
しかしながら、これまでの経験上、寒冷蕁麻疹などはシンプルに葛根湯や当帰四逆湯加味方などでアッサリ根治していますし、インチンコウトウ証の場合はなどでは、頑固に連用してもらうことで、現実には過去も多くの根治例が出ています。
先生のおっしゃる中止すると再燃するのは、服用期間が短すぎるように思えるのですがどうでしょうか?
今回もあまり参考になるようなお返事になってないようで恐縮ですが、当方ではどのようなタイプの蕁麻疹の患者さんが来られようとも、上記の三原則を念頭に臨機応変の漢方処方を考えるだけですので、特別なことはやっておらず、むしろ蕁麻疹のようなデリケートな皮膚病には、「なるべくシンプルな方剤を心がけている」という点が、他の疾患の対処方法と異なる点です。
以上、やはり小生は、純粋中医学派ではなく、日本漢方に中医学理論を取り入れた「中医漢方薬学派」なのだな〜〜と、このお返事メールを認めながら、あらためて再認識した次第です。
以上、お役に立てず申し訳ありません。
頓首
編集後記:重要な補足⇒中医学は構造主義科学であるということ
ところでアトピー性皮膚炎やアトピー型の気管支喘息の人達に必ず基本に据えている例の三点セットはアトピー性皮膚炎の漢方薬+自然療法 で書いている自然療法のことだが、アトピーや喘息に限らず、広く体質改善剤として応用している関係で、しばしば蕁麻疹が出やすかった人が、これを使用後は二度と出なくなったと言う人が多い。
もともとI型とW型アレルギーに対する威力を感じているが、これらをベースに一般漢方処方を服用されている人が多いのが村田漢方堂薬局の特徴でもある。
また、病気が改善するにつれて突如、超美人に変身されて驚くことがあった病気がよくなると超美人に生まれ変わる女性達!に共通するのも、これら三点セットである。
こんな謎めいた記載を理解されるのは、現在、地元を初め全国各地から村田漢方堂薬局に直接来局された人の半数の方が、漢方薬服用のベースとしてこの三点セットを使用されているので、この方たちだけがこの駄文を理解されるはずである。(ちょっといやらしい思わせぶりな宣伝かも?)
折り返し頂いたメール:いつも丁寧に参考となるご教示をいただきまして感謝しております。
ご指摘のようにインチンコウトウの服用ですが、蕁麻疹が消失すると(かなり早く消える場合が多い)ご本人が内服を中断なさってしまうケースがあります。
それなりに長く内服していただくことによって寛解する症例があるそうですので、そのように指導してフォローしてみます。
「へたな弁証論治の裏読みはせず、頑固に押し通すことで」というご指摘は、ある意味真実のように思いましたので、病状の反応を見ながら投薬してみます。
前略 最近、東洋医学学術社から発行された中国医学用語集と平易な中医の教科書を独学中ですが、孤軍奮闘しています。
日本漢方では病態生理があまり重視されていないように思い興味深いです。
また、西洋医学的病態生理とは全く基盤が異なり、ある病態を別の視点から理解できそうで、西洋医学的治療法では対応困難な病状を改善する重要な手段になりそうです。
ただ、なかなか相手としては手ごわそうな印象です。
例によって前置きが長くなってしまいましたが、蕁麻疹への中医的アプローチについてご教示いただけますでしょうか。
定番のインチンコウトウ、インチン五苓散は確かに有効で症状は取れます。しかし、投薬をやめますと再燃することが多いようです。
根治的に考えた場合にどうでしょうか。
中医的には蕁麻疹の背景病態についてどのように理解されているのか、村田さんの病態論でも勿論結構です。
お忙しいとは存じますが、難治性蕁麻疹の患者さんを抱えている者にお教えくださいますと幸いです。
お返事メール:拝復
ちょうど、重篤化しかかた蕁麻疹の続続報
この重篤化しかかった男性は、現在もなおインチンコウトウとウチダのイオン化カルシウムを継続して服用中です。アルコールを止める事が出来ないので、あるいは一生、インチンコウトウと離れられないかもしれないよ、と冗談めかして宣告しているほどです。
最近はアルコールを服用しても殆んど再発しないのですが、夜昼不規則な勤務体制の仕事のためか、疲労が蓄積すると、ほんの僅かな再発兆候が見えますが、それでも直ぐに消失するようです。
少し前、青魚を過食してムカついたのですが、インチンコウトウを増減することで回復しています。舌には黄膩苔の出没を繰り返していますので、頑固にインチンコウトウとイオン化カルシウムだけで押し通しています。
過去の経験からも、シンプルな方剤で効果が得られる場合は、へたな弁証論治の裏読みはせず、頑固に押し通すことで8割緩解は可能だと考えています。
慢性化した疾患は、真の意味で根治はないことが多く、表向き根治したように見えても、わずかな根が残っていることが多いものと愚考しています。
慢性疾患が、たとえ中医学が素晴らしくとも、ほとんどの慢性疾患が真の意味で根治するものなら、人間様は半永久的に死を免れることになる理屈も成り立つことになるような気がします。とすると、多くの慢性疾患は8〜9割の緩解でしかないのではないかと考えるようになってしまいました。
なにやら自分の腕の悪さを棚に上げて、ヒゲジジイ流の屁理屈が飛び出してしまいましたが、蕁麻疹にはシンプルにインチンコウトウだけで対処できるとは限らず、寒冷蕁麻疹やストレス性の蕁麻疹等様々に言われますが・・・
中医学においても型に嵌った弁証分型がありますが小生自身は、蕁麻疹については中医学的な弁証分型は、あまり参考にしておりません。
蕁麻疹に限らず 漢方と漢方薬の御案内 において陳潮祖先生の書籍をヒントに提示しましたように、
病気を解決するための漢方薬の組み合わせの法則(配合法則)として、
@病気の直接的な原因となっている「内外の病因」を除去する漢方薬。
A五臓六腑の機能を調整する漢方薬。
B体内に流通する気・血・水(津液)・精の疎通あるいは補充を行う漢方薬。
を基本に考えています。
しかしながら、これまでの経験上、寒冷蕁麻疹などはシンプルに葛根湯や当帰四逆湯加味方などでアッサリ根治していますし、インチンコウトウ証の場合はなどでは、頑固に連用してもらうことで、現実には過去も多くの根治例が出ています。
先生のおっしゃる中止すると再燃するのは、服用期間が短すぎるように思えるのですがどうでしょうか?
今回もあまり参考になるようなお返事になってないようで恐縮ですが、当方ではどのようなタイプの蕁麻疹の患者さんが来られようとも、上記の三原則を念頭に臨機応変の漢方処方を考えるだけですので、特別なことはやっておらず、むしろ蕁麻疹のようなデリケートな皮膚病には、「なるべくシンプルな方剤を心がけている」という点が、他の疾患の対処方法と異なる点です。
以上、やはり小生は、純粋中医学派ではなく、日本漢方に中医学理論を取り入れた「中医漢方薬学派」なのだな〜〜と、このお返事メールを認めながら、あらためて再認識した次第です。
以上、お役に立てず申し訳ありません。
頓首
編集後記:重要な補足⇒中医学は構造主義科学であるということ
ところでアトピー性皮膚炎やアトピー型の気管支喘息の人達に必ず基本に据えている例の三点セットはアトピー性皮膚炎の漢方薬+自然療法 で書いている自然療法のことだが、アトピーや喘息に限らず、広く体質改善剤として応用している関係で、しばしば蕁麻疹が出やすかった人が、これを使用後は二度と出なくなったと言う人が多い。
もともとI型とW型アレルギーに対する威力を感じているが、これらをベースに一般漢方処方を服用されている人が多いのが村田漢方堂薬局の特徴でもある。
また、病気が改善するにつれて突如、超美人に変身されて驚くことがあった病気がよくなると超美人に生まれ変わる女性達!に共通するのも、これら三点セットである。
こんな謎めいた記載を理解されるのは、現在、地元を初め全国各地から村田漢方堂薬局に直接来局された人の半数の方が、漢方薬服用のベースとしてこの三点セットを使用されているので、この方たちだけがこの駄文を理解されるはずである。(ちょっといやらしい思わせぶりな宣伝かも?)
折り返し頂いたメール:いつも丁寧に参考となるご教示をいただきまして感謝しております。
ご指摘のようにインチンコウトウの服用ですが、蕁麻疹が消失すると(かなり早く消える場合が多い)ご本人が内服を中断なさってしまうケースがあります。
それなりに長く内服していただくことによって寛解する症例があるそうですので、そのように指導してフォローしてみます。
「へたな弁証論治の裏読みはせず、頑固に押し通すことで」というご指摘は、ある意味真実のように思いましたので、病状の反応を見ながら投薬してみます。
posted by ヒゲジジイ at 00:32| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
|
2006年11月20日
朝っぱらからウチダ和漢商事のアガリクスは置いてませんか?というお問合せの電話!
アガリクス嫌いのこの村田漢方堂薬局に向かって、朝っぱらからタイトルのようなお問合せである。
これまでアガリクスに関しては他のHPやブログで書きまくってきたつもりだが、
2月15日(水曜日)またまた、アガリクス問題ですね!
この記事を辿ると各所でアガリクス問題に触れているのが分かろうというもの。
よりによって村田漢方堂薬局にアガリクスの、しかもウチダ和漢商事という特定メーカーまでご指定である。いくらウチダ和漢薬の製品に優れたものが多いからといって、ヒゲジジイが個人的に好きになれないアガリクスまで置くわけがないだろう。
とは言え、いまだにアガリクスかよ〜〜〜と、薄気味悪い日本国である。
アガリクスを置かない薬局として、やや変人扱いされて来たが より
これまでアガリクスに関しては他のHPやブログで書きまくってきたつもりだが、
2月15日(水曜日)またまた、アガリクス問題ですね!
この記事を辿ると各所でアガリクス問題に触れているのが分かろうというもの。
よりによって村田漢方堂薬局にアガリクスの、しかもウチダ和漢商事という特定メーカーまでご指定である。いくらウチダ和漢薬の製品に優れたものが多いからといって、ヒゲジジイが個人的に好きになれないアガリクスまで置くわけがないだろう。
とは言え、いまだにアガリクスかよ〜〜〜と、薄気味悪い日本国である。
アガリクスを置かない薬局として、やや変人扱いされて来たが より
アガリクスは健康食品とは言え、日本全国広しといえども、このアガリクスを販売しない薬局というのも、滅多に無いのじゃないかと思われる。
ところが、自慢じゃないが当方ではアガリクスを5年以上前から置いてないし、どんなに依頼されようが断固としてお断りし続けて来た。
ものすごいブームの到来で、毎日複数のお問い合わせが続いた時期が長かったものだが、頑固にお断りし続けてきた。
幸か不幸か、小生の予感は当たって、出版社の体験談捏造事件による逮捕騒動から、こんどは発がん性問題の勃発である。
アガリクスブームに乗らないで、本当によかったと安堵の胸を撫で下ろしている。
第一、7年前くらいだったかS大学のM農学博士が派手に宣伝したバイブル本を信用された一般消費者の方々の要求に負けて、当時、依頼されるがままに各一流メーカーと思われるところから取り寄せては販売した時期があったのである。
ところが、皆さんあれだけ熱望して購入されながら、不思議と帰り客が無い。
これはダメだと思い、その後はどんな依頼があろうとも、当方の信用にもかかわることゆえ、仕入れと販売をすべて、頑固にお断りし続けることとなった。
そうこうするうちに、アガリクスを派手に宣伝されていたM教授が胃癌でお亡くなりになったという記事を当時の『週刊新潮』で見つけたものである。
こういう事実がありながらも、アガリクスブームにはますます火がついて、お問い合わせや取り寄せの依頼は、一時は殺到したことがあるくらいだが、相変わらず頑固にお断りし続けた。
一流と思われる漢方メーカーさえアガリクス・ビジネスに参入して当方に強い売り込みに来たが、ケンモホロロにお断りし、悪態をついたくらいであった。
一流の漢方メーカーさんが泣きますよ、といった皮肉な発言もしたものだったが、常にアガリクス嫌いの小生は、変人扱いされるし、一般消費者の方々には、アガリクスも置かない薬局なんてという、やや軽蔑的な言動を受けることさえ稀ではなかったのだ。
だが、ここに至ってトウヘンボクのヒゲ薬剤師の面目が保てたというものである。
過熱気味の健康食品ブームに伴って、こういう問題の繰り返しのようだが、まだまだ懲りずに、手を変え品を変え、第二第三のアガリクスが登場することは、ほぼ間違いないだろう。
くわばら、クワバラ
posted by ヒゲジジイ at 10:18| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
|
2006年11月19日
創剣状強皮症にはどのような漢方が効きますでしょうか?
性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : 東北地方
お問い合わせ内容 : 初めまして。●●と申します。
創剣状強皮症にはどのような漢方が効きますでしょうか?
宜しくお願いします。
お返事メール:拝復
漢方の世界では、単純に病名に当てはめてナニナニ病にはこれ、風邪には葛根湯などということは出来ないものです。
マンツーマンで、病名診断が確定していても、必ず個人個人の特殊性・個別性を重視して弁証論治されるべきものです。
創剣状強皮症は限局性の強皮症ですが、中医学では強皮症全般を皮痺・血痺、虚労などに分類している疾患です。
従って、その人の体質にあった漢方薬を合わせるにしても、多くは黄耆や当帰などが含まれる漢方薬が使用されることが多いものです。
ところで、当方での経験では全身性強皮症や斑状強皮症の長期に亘る御相談経験(いずれも8割緩解に持ち込めており、現在も長期に亘る観察可能な状態です)はあるものの創剣状強皮症については直接、漢方薬をお出しした経験はありません。
創剣状強皮症特有のへこみ部分の再生など、なかなか困難をともなうかもしれませんが、他の強皮症の御相談経験からは、長期に亘る不屈の信念で頑張れば、半分以上は緩解するのかもしれませんが、経験がないだけにこれ以上のことは言えません。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
ヒゲ薬剤師
折り返しのメール:村田漢方堂薬局様
早速のご回答有難うございました。
お忙しいところ本当に丁寧なご回答に嬉しく思っております。
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 会社員
簡単なご住所 : 東北地方
お問い合わせ内容 : 初めまして。●●と申します。
創剣状強皮症にはどのような漢方が効きますでしょうか?
宜しくお願いします。
お返事メール:拝復
漢方の世界では、単純に病名に当てはめてナニナニ病にはこれ、風邪には葛根湯などということは出来ないものです。
マンツーマンで、病名診断が確定していても、必ず個人個人の特殊性・個別性を重視して弁証論治されるべきものです。
創剣状強皮症は限局性の強皮症ですが、中医学では強皮症全般を皮痺・血痺、虚労などに分類している疾患です。
従って、その人の体質にあった漢方薬を合わせるにしても、多くは黄耆や当帰などが含まれる漢方薬が使用されることが多いものです。
ところで、当方での経験では全身性強皮症や斑状強皮症の長期に亘る御相談経験(いずれも8割緩解に持ち込めており、現在も長期に亘る観察可能な状態です)はあるものの創剣状強皮症については直接、漢方薬をお出しした経験はありません。
創剣状強皮症特有のへこみ部分の再生など、なかなか困難をともなうかもしれませんが、他の強皮症の御相談経験からは、長期に亘る不屈の信念で頑張れば、半分以上は緩解するのかもしれませんが、経験がないだけにこれ以上のことは言えません。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
ヒゲ薬剤師
折り返しのメール:村田漢方堂薬局様
早速のご回答有難うございました。
お忙しいところ本当に丁寧なご回答に嬉しく思っております。
posted by ヒゲジジイ at 20:35| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問
|
2006年11月17日
思いがけず遠方であることが却って良い結果を生むことも多いことを発見したのだが・・・但し、筆マメな人ばかり!
今年になって、あのトウヘンボクジジイのHPやブログ類を御覧になって、奇特なことに遠路はるばる二泊三日や一泊二日で来られる人達の相談に乗る機会が増え、些か意外な発見があった。
その発見というのは既にタイトルに記したように、筆まめな人であればという大前提の上での話ではあるが、却って近隣や近県の人達と同等に、時にはそれ以上に能率よいピンと合わせが可能となっている事実を発見して驚いている。
但し、本日のように超遠方ながら三十数日目にして主訴の8割が減じたと電話で報告があり、補充注文があるほど二泊三日で来られた当初に既にピントが一発であってしまった場合は、遠方も近隣も無関係な話で、タイトルに該当する話は、直ぐにすべてのピントが合うとは限らない3割くらいの人達のお話である。
近くでアレ遠方であれ、シッカリあるいはある程度のピントが合うまでは、10日毎に連絡を密にして微調整と確認を互いに根気よくメールや電話で連絡し合う訳だが、中には毎日のように様子の変化や精神面の苦渋そのほか、様々な詳細な報告をされる筆まめさんでは、初期にピンと合わせが難航していても、意外に数ヶ月もするとシッカリピントが合ってくるもので、遠方であるという緊張感から、却って真剣に互いに切磋琢磨することで、好結果が得られていることが多い事実を発見して驚いているのだった。
毎日の報告はやや極端にしても、折々に症状の変化や疑問点などに対する往復メールを交わすうちに、下関の二泊三日では見えなかった部分が判明したり新たな発見があったりで10日毎の微調整を繰り返すうちに、次第に基本の組み合わせが完成し、あとは服用し続ける根気と、時折の点検や微調整で済むように進歩する。そのうち、あれだけ頻繁だった往復メールも、体調が次第に調うにつれて減ってくる。それは自然な成り行きであろう。
ところで、これを書いている最中に地元の六度目の重度の耳鳴り患者さんが来られた。何年来の耳鳴りの原因が昔の交通事故の後遺症であったことを突き止めたのが四度目の来局の時であった。頑固な耳鳴りに伴っていた重度の肩こり・頭痛を目標にした僅か一種類の方剤の40日の服用にして、耳鳴り以外は9割がた消失し、これに伴って耳鳴りも明らかに半減しているのだった。
10日毎に通ったのにもかかわらず、最初は年齢的な腎虚と内風によるものとの判断は、意外にもことごとくピンとはずれで、交通事故の後遺症が何年も治らずに整形に通院中で、耳鳴りの耳鼻咽喉科で出される医薬品も二年以上服用するも何の効果もないという事実をヒントに、しっかりピントの合う一方剤が決まったのが四度目に来られたときだったのだ。
このようにたとえ地元近隣でも、一回目や二回目でしっかりピントが合う人ばかりではないので、数回以上、あるいは何度も通い詰めてようやくピントが合いだすことも多いのだから、
たとえ遠方でも二泊三日や一泊二日で直接来られ、2〜3日連続時間をかけて綿密な漢方相談を行ったあとだけに、運悪く直ぐにピントが合わずとも、その後の頻繁な往復メールによって結果的には、数ヶ月もすればしっかりピントが合って来ているケースがほとんどだよ・・・というわけなのだった。
何よりも、遠路はるばる泊りがけでやって来られる気合と緊張感が、却って互いに切磋琢磨の空気を生んで、そのことがお気楽やお気軽な連中とは明らかに異なり、「病気を治そう!」「治ってもらおう!」という互いの意気が合って来るのに違いない。
その発見というのは既にタイトルに記したように、筆まめな人であればという大前提の上での話ではあるが、却って近隣や近県の人達と同等に、時にはそれ以上に能率よいピンと合わせが可能となっている事実を発見して驚いている。
但し、本日のように超遠方ながら三十数日目にして主訴の8割が減じたと電話で報告があり、補充注文があるほど二泊三日で来られた当初に既にピントが一発であってしまった場合は、遠方も近隣も無関係な話で、タイトルに該当する話は、直ぐにすべてのピントが合うとは限らない3割くらいの人達のお話である。
近くでアレ遠方であれ、シッカリあるいはある程度のピントが合うまでは、10日毎に連絡を密にして微調整と確認を互いに根気よくメールや電話で連絡し合う訳だが、中には毎日のように様子の変化や精神面の苦渋そのほか、様々な詳細な報告をされる筆まめさんでは、初期にピンと合わせが難航していても、意外に数ヶ月もするとシッカリピントが合ってくるもので、遠方であるという緊張感から、却って真剣に互いに切磋琢磨することで、好結果が得られていることが多い事実を発見して驚いているのだった。
毎日の報告はやや極端にしても、折々に症状の変化や疑問点などに対する往復メールを交わすうちに、下関の二泊三日では見えなかった部分が判明したり新たな発見があったりで10日毎の微調整を繰り返すうちに、次第に基本の組み合わせが完成し、あとは服用し続ける根気と、時折の点検や微調整で済むように進歩する。そのうち、あれだけ頻繁だった往復メールも、体調が次第に調うにつれて減ってくる。それは自然な成り行きであろう。
ところで、これを書いている最中に地元の六度目の重度の耳鳴り患者さんが来られた。何年来の耳鳴りの原因が昔の交通事故の後遺症であったことを突き止めたのが四度目の来局の時であった。頑固な耳鳴りに伴っていた重度の肩こり・頭痛を目標にした僅か一種類の方剤の40日の服用にして、耳鳴り以外は9割がた消失し、これに伴って耳鳴りも明らかに半減しているのだった。
10日毎に通ったのにもかかわらず、最初は年齢的な腎虚と内風によるものとの判断は、意外にもことごとくピンとはずれで、交通事故の後遺症が何年も治らずに整形に通院中で、耳鳴りの耳鼻咽喉科で出される医薬品も二年以上服用するも何の効果もないという事実をヒントに、しっかりピントの合う一方剤が決まったのが四度目に来られたときだったのだ。
このようにたとえ地元近隣でも、一回目や二回目でしっかりピントが合う人ばかりではないので、数回以上、あるいは何度も通い詰めてようやくピントが合いだすことも多いのだから、
たとえ遠方でも二泊三日や一泊二日で直接来られ、2〜3日連続時間をかけて綿密な漢方相談を行ったあとだけに、運悪く直ぐにピントが合わずとも、その後の頻繁な往復メールによって結果的には、数ヶ月もすればしっかりピントが合って来ているケースがほとんどだよ・・・というわけなのだった。
何よりも、遠路はるばる泊りがけでやって来られる気合と緊張感が、却って互いに切磋琢磨の空気を生んで、そのことがお気楽やお気軽な連中とは明らかに異なり、「病気を治そう!」「治ってもらおう!」という互いの意気が合って来るのに違いない。
posted by ヒゲジジイ at 16:24| 山口 ☀| 中医漢方薬学
|
2006年11月16日
病気がよくなると超美人に生まれ変わる女性達!
本当はもっと早く書きたかった驚きと目の保養になった二例である。
今週の月曜日だったか火曜日のことだったか、同じ日の出来事で、午前中に難病指定を受ける持病を持つ若い女性が、少し前までは入退院を繰り返していたくせに、半年前に短期の海外留学をするといって、半ば強引に常用中の(主治医も公認の)村田漢方堂薬局の漢方薬を一抱え買い込んで旅立って行った彼女が戻って来た。
ヒゲジジイは留学を反対したのだが、主治医はしぶしぶ承知したと言う。だから名医の言われることだから仕方ないと、こちらも許可したものの、帰ってくるまで心配のし通しだったが、サイワイに帰国後の検査でも緩解状態を維持したまま、どころか、見違えるほど美人になって戻って来たのには驚いた。本当に目の保養になるとはまさにこのことだ。
忙しい一日だったが、目の保養はこれだけに終わらなかった。
午後にはどこかでみたような美人の女性が先客の向こうの扉から入ってくるのが見えたが、ハッと気がついて先客を無視して歩み寄り、えらい見違えましたねっ!と思わず口に出してしまったのは、ほんの一ヶ月前に速効でアトピーが消えてしまった女性が、ほんとうに別人かと思われる超美人に変身しているのだった。
実に目の保養! たまにはこのような目の覚めるような感激がなければ、こんな辛気臭い仕事はやってられませんよ。
関東勢の複数のお嬢様方も、我も負けじと超美人さんとなって再度顔見世(することはないだろうけど・・・)して欲しいものですよ。
あっ、もちろん関西や東海勢のお嬢様方も同様です!
注記:お嬢様方=もちろん昔のお嬢様方も含まれていますので念のため!
今週の月曜日だったか火曜日のことだったか、同じ日の出来事で、午前中に難病指定を受ける持病を持つ若い女性が、少し前までは入退院を繰り返していたくせに、半年前に短期の海外留学をするといって、半ば強引に常用中の(主治医も公認の)村田漢方堂薬局の漢方薬を一抱え買い込んで旅立って行った彼女が戻って来た。
ヒゲジジイは留学を反対したのだが、主治医はしぶしぶ承知したと言う。だから名医の言われることだから仕方ないと、こちらも許可したものの、帰ってくるまで心配のし通しだったが、サイワイに帰国後の検査でも緩解状態を維持したまま、どころか、見違えるほど美人になって戻って来たのには驚いた。本当に目の保養になるとはまさにこのことだ。
忙しい一日だったが、目の保養はこれだけに終わらなかった。
午後にはどこかでみたような美人の女性が先客の向こうの扉から入ってくるのが見えたが、ハッと気がついて先客を無視して歩み寄り、えらい見違えましたねっ!と思わず口に出してしまったのは、ほんの一ヶ月前に速効でアトピーが消えてしまった女性が、ほんとうに別人かと思われる超美人に変身しているのだった。
実に目の保養! たまにはこのような目の覚めるような感激がなければ、こんな辛気臭い仕事はやってられませんよ。
関東勢の複数のお嬢様方も、我も負けじと超美人さんとなって再度顔見世(することはないだろうけど・・・)して欲しいものですよ。
あっ、もちろん関西や東海勢のお嬢様方も同様です!
注記:お嬢様方=もちろん昔のお嬢様方も含まれていますので念のため!
posted by ヒゲジジイ at 19:41| 山口 ☁| 中医漢方薬学
|
2006年11月15日
メタボリック症候群の取材に医療ジャーナリストの旭丘光志氏が来局される
東洋医学の名医シリーズなど、医学・薬学・健康関連書籍を多数書かれている旭丘光志氏が予定通り、1時過ぎに来られた。
ちょっと前にも本ブログで予告したメタボリックシンドロームに関連した取材で、メインは矢張り、九味半夏湯加減方である「扁鵲(へんせき)」、およびインチンコウトウで増強すべき話など、キーワードは「痰濁」「痰お互結証」などだが、詳細は来年の3月に出版される予定なので、是非、購入して御覧頂きたい(笑)
ブログの続きの画像:
メタボリックシンドロームに対する漢方薬の取材に訪れた医療ジャーナリストの旭丘光志氏
posted by ヒゲジジイ at 17:51| 山口 ☁| 中医漢方薬学
|
多汗症の漢方相談
漢方薬は中医漢方薬学派の漢方相談専門薬局サイトのお問合せフォームより
性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単な住所 : 山陰地方
具体的な御職業 : 清掃
ご意見やご質問をどうぞ : 汗掻きで困っています。おでこ 首 襟足 顔面 背中 お尻にかきます。
首から上の汗がポタポタしたたれ落ちるので仕事に支障が出ます。
漢方薬で改善できるのでしょうか?
お返事メール:拝復
何年もかかるつもりで体質改善を行い、根気よく続ければかなり軽くなることと思います。
但し、漢方的にしっかりとピントの合ったものを服用しないことには、思うような効果が得られません。ピントがかなり合ったとしても、速効が得られるとは限らず、微妙なところまで、すなわち交感神経興奮型の体質であれば、副交感神経が優位になるような体質に変える必要があるなど、現在も貴女と同様な方を数ヶ月以上ピントを合わせて来ましたが、ようやくピントが合い始めたところで、このままおそらく数年以上の継続が必要なことを明言し、また自覚してもらっていますが、服用者のほうも最後の手段くらいに思って積極的な粘り強さと前向きな考えになってもらえているから可能なことだと考えます。
体質病というものはこのように漢方薬をもってシテも、第一にしっかりしたピントの合った漢方薬の配合が必要であり、服用者の忍耐と努力が続くかどうかの問題も重要ですし、また自費の漢方では自由な組み合わせが可能な分、経費的な問題が付随するなど、様々なハードルを越えなければ、絶対に治るなどと明言できるわけではありません。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
ヒゲ薬剤師
性別 : 女性
年齢 : 30歳〜39歳
簡単な住所 : 山陰地方
具体的な御職業 : 清掃
ご意見やご質問をどうぞ : 汗掻きで困っています。おでこ 首 襟足 顔面 背中 お尻にかきます。
首から上の汗がポタポタしたたれ落ちるので仕事に支障が出ます。
漢方薬で改善できるのでしょうか?
お返事メール:拝復
何年もかかるつもりで体質改善を行い、根気よく続ければかなり軽くなることと思います。
但し、漢方的にしっかりとピントの合ったものを服用しないことには、思うような効果が得られません。ピントがかなり合ったとしても、速効が得られるとは限らず、微妙なところまで、すなわち交感神経興奮型の体質であれば、副交感神経が優位になるような体質に変える必要があるなど、現在も貴女と同様な方を数ヶ月以上ピントを合わせて来ましたが、ようやくピントが合い始めたところで、このままおそらく数年以上の継続が必要なことを明言し、また自覚してもらっていますが、服用者のほうも最後の手段くらいに思って積極的な粘り強さと前向きな考えになってもらえているから可能なことだと考えます。
体質病というものはこのように漢方薬をもってシテも、第一にしっかりしたピントの合った漢方薬の配合が必要であり、服用者の忍耐と努力が続くかどうかの問題も重要ですし、また自費の漢方では自由な組み合わせが可能な分、経費的な問題が付随するなど、様々なハードルを越えなければ、絶対に治るなどと明言できるわけではありません。
以上、簡単ながらお返事まで。
頓首
ヒゲ薬剤師
posted by ヒゲジジイ at 00:02| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
|
2006年11月14日
猪苓湯の効能についてのご質問
IMGP4728 posted by (C)ヒゲジジイ
ご質問者:東海地区の内科医師
論文、脾肺病としてのアトピー性皮膚炎、のなかでの考察で、猪苓湯の作用について、肺、脾、 腎、肝四臓の補益とともに滋陰利水の効能をもつので,少陽三焦を通じて皮毛と肌肉間の膜ソウ区域の水分代謝の偏在を調節する効能、と記述されています。
私のような浅学にあっては勉強不足のせいか、この方剤の効能として理解が容易ではありません。
中医理論ではごく当然のことなのかもしれないのですが、本剤のアトピー性皮膚炎における作用を考える上で鍵となる点ですので、肺、脾、腎、肝四臓の補益、膜ソウ区域の水分代謝の偏在を調節、について今一度ご教示くださいますと幸いです。
IMGP4900 posted by (C)ヒゲジジイ
ヒゲジジイのお返事メール:拝復
たしかにあの拙論だけでは説明不十分だと思います。
そもそも少陽三焦理論そのものが、中国四川省 西都中医学院教授・陳潮祖先生独特の深遠な考察にもとづくものです。ですからこの少陽三焦理論は、中医学世界において特に重視するのは陳先生著の中国語原書「中医病機治法学」においてかなり完成された少陽三焦理論を提唱されて以後のことだと思います。
といっても、この説を特に重視するのは一部の人に限られるように思えます。
この書籍の翻訳書は下記のページに詳しく書いていますが、小生自身が翻訳競争に負けた経緯も書いています。
中医臨床のための「病機と治法」 陳潮祖著 神戸中医研訳編
ところで、猪苓湯の拙論は、文字通りの村田のオリジナル拙論です。
陳潮祖先生の少陽三焦理論にヒントを得て打ち立てた理論で、この理論から言えば、猪苓湯ではなく「滑石茯苓湯」と名付けたいところです。
その拙論の詳細は、
猪苓湯と少陽三焦 (猪苓湯が滑石茯苓湯に変わるとき)
に掲載していますが、これは改訂版で、
元版は 猪苓湯が滑石茯苓湯に変わるとき(アトピー性皮膚炎) に掲載しています。
これらは既に御覧になっておられるかもしれませんが、その中に当時、はっきり書いたつもりの「チョレイ」に補益作用があることの記載が欠けているのに気がつきました!
昨今の中医学書には、チョレイの補益作用が欠落していますが、神農本草経にはっきりと記載があります。チョレイを服用し続けると老化しないという記載すらあるほどです。(追記注:正確には、「身が軽くなって老いに耐える」と記載されている。但し李時珍の本草綱目では茯苓のような補薬に入れられてない。)
ブクリョウには滲湿利水とともに健脾補中などの補益作用があるのはご存知の通りですが、これらチョレイとブクリョウの補益作用により、猪苓湯一方剤で、明らかな扶正と去邪を兼ね備えた方剤となっています。
もともと甘味を備える生薬は、補益作用があるのは当然の理屈であり、一般の中薬学書には、チョレイの補益作用の指摘が欠落していると愚考しています。
ちょっと話がそれてしまいましたが、これら補益作用の指摘がやや欠落していたこと以外は、上記の拙論にかなり詳細に説明したつもりです。
しかしながら、結局は陳潮祖先生の少陽三焦理論が基礎となっており、これについての詳細な記載は、一般中医学書には決して見当たるものではありません。
先の中国語原書「中医病機治法学」か、医歯薬出版から発行された翻訳書か、さもなければ先にあげた拙論、あるいは、
http://mkanpo.exblog.jp/3434231/
膜原(まくげん)と腠理(そうり)の詳細については、(追記注:膜腠=「膜原と腠理」について本ブログの性能上、正しい漢字が表現できないので「膜腠」=「膜原と腠理」は下記のURLを参照されたし。)
http://mkanpo.exblog.jp/3557456/
などが参考になるかと思います。
結局は陳潮祖先生の少陽三焦理論をヒントにした立論であるだけに、陳先生の主著「中医病機治法学」読んでいただくのが、急がば回れの道かもしれません。
以上、不十分な説明で恐縮です。
頓首
折り返し頂いたメール:お忙しいなかを早速詳細にしかも文献まで参照してお返事くださいましてありがとうございました。
さっそく、論文を拝読して理解を深めたいとおもいます。かさねて感謝します。
後日思い出した追記: ヒゲジジイ自身が以前「和漢薬」誌に陳潮祖先生の『中医病機治法学』の訳注的連載を行っていた折の編集後記に記した拙文を漢方薬は中医漢方薬学派の漢方相談専門薬局サイト中の1ページとして利水滲湿薬「猪苓」の補益性についてを掲載している。
その中に
神農本草経には「久服すれば身が軽くなって老いに耐えるようになる」と述べられており、清代の名医葉天士は「猪苓の甘味は益脾する。脾は統血するので猪苓の補脾によって血が旺盛となり、老いに耐えるようになる。また猪苓の辛甘は益肺する。肺は気を主るので猪苓の補肺によって肺気が充実して身は軽くなる」と解説している。ということを書いている。
IMG_4179 posted by (C)ヒゲジジイ
posted by ヒゲジジイ at 12:59| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答
|
薬学部進学を目指す受験生からの漢方薬に関する質問
漢方と漢方薬の真実 サイトの御質問フォームより、
性別 : 男性
年齢 : 10歳〜19歳
御職業 : 学生
簡単な御住所 : 東北地方
ご意見やご質問をどうぞ: 初めまして、●●と申します。
お忙しいとは思いますが、質問させてください。
私は現在、高校三年で、漢方薬に興味があり、大学では薬学部に進学したいと考えています。それで、漢方薬について自分でインターネット等で調べてみたのですが、漢方薬が終末期医療や癌に対する代替療法として利用されているというような事が書いてありまりた。
そこでなのですが、漢方薬をそれらの用途に用いることの有効性や現在の普及率、また将来性はどれほどのものなのでしょうか?教えてください。
また、近年ヒトゲノムの解析が進み、これから個人個人にあった創薬が可能になると思うのですが、その中で、漢方薬の必要性が低くなっっていまうことはないのでしょうか?
上の質問とは全く違う内容なのるのですが、市販の漢方のエキス製剤について質問させてください。
漢方薬は患者一人一人の証の診断をおこなって処方するものであると本にあったのですが、市販のエキス製剤の場合、風邪なら葛根湯、というように症状によって用いられてしまっていると思うのですが、問題はないのでしょうか?
長々と申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
ヒゲ薬剤師のお返事メール: これはあくまで個人的な意見としての前提ですが、総論的に言って、一般世間の人が思われる以上に漢方と漢方薬の世界はとてつもなく奥深く、奥深いということは一定レベルの知識と技術を修得するにはそれなりの苦労と経験が必要であるということです。
それだけ奥深いものを浅薄な知識だけで漢方薬を使用し、効くとか効かないとかを云々しても、はじまらない。
言い換えれば、高度な知識と技術があれば、一般の人が想像する以上の力を発揮できる、すなわち治療効果、改善効果を発揮できるということです。
例は悪いかもしれませんが、小生個人の経験で言えば、本業以外にのめり込んだものにチヌ釣りと、ホームページ制作があります。これらの分野は一定期間、たとえばチヌ釣りの場合は、数年も集中的に修練すれば、人よりも釣果を上げられるようになります。
ホームページ制作は、二年前に一つだけ業者に僅かなページを作ってもらっただけですが、一年間くらいはなかなか勉強する暇もないまま、ホームページビルダーなども使いこなせず、かと言って若い人達でも作れるものを50歳をかなりすぎた老人でも何とかやれないかとHTMLソースを眺めたり、本を読んだり、試行錯誤をしていたら突然、視界が開けて、今では難関だったスタイルシートを使ってデザインも変えられるくらいになりました。業者さんほどの上手なサイトは作れなくとも、二年も経たないうちにかなり自由自在なHPが作れるようになりました。それも、多忙な本業をこなしながら作成ソフトは一切使わずに、手打ちですべて簡単に制作できるほどになりました。
ところが、本業の漢方と漢方薬の世界と来たら、若い頃にはのめり込んで、日本漢方や中医学と、独学ならが悪戦苦闘し続けて、ようやく大きな視界が開けたのが、15年以上どころか20年以上、どころか現在33年のキャリアがありますが、まだまだもろいところがあるのを自覚しています。
世間では漢方をやさしいように宣伝しているむきもありますが、それほど単純ではなく、片手まで修得できるほど安易ではないのです。ところが、深く修得すればするほど、ありきたりな方剤でも適応症がはっきり見えてきますので、的確に使用すれば相当な威力を発揮することができます。
しかしながら適応を誤れば、合成医薬品ほどの副作用はないにしても、たとえ効果効能に書かれている症状でもぜんぜん効果を発揮してくれないのが、漢方の難しいところです。
もともと小生自身は興味を持った対象には、かならず一定レベルに上達せずにはおれない性格上、のめり込んだチヌ釣り、最近ではホームページ制作などは二年も経たないうちに、来年くらいは漢方で食い逸れたらホームページ制作業に転業しようかと冗談にでも言えるほどに上達しつつあります。
ところが、一番好きだった漢方と漢方薬の世界と来たら、三十年以上経っても上には上がタクサン本場の中国にはおられ、中医学専門書籍類を読んでいると、凄まじい治験例が続出!
これには各個人の先生方の腕一つに追うところが多く、再現性の問題となれば、西洋医学のような普遍性には乏しいところのある困難さが常につきまといます。
要するに、個人の腕次第、知識と経験次第という大きな壁がある、ということです。
だから、将来性を言えば、日本の漢方に関して言えば、中医学理論を取り入れない限りは危ういし、取り入れたとしても徹底した漢方専門の大学が出来ない限りは宝の持ち腐れで、真に有効に活用できる人材は常に少数派に終わることだろうと思われます。
ところで、葛根湯レベルのお話については、一般的、ありきたりな疾患に対して病名治療的に使用するのは間違いが多いのですが、サイワイ漢方薬には強い副作用は滅多に生じるものではありませんので、漢方薬を使用してもしないでも、自然治癒してしまうような風邪などでは、気休め的に使われている部分が多く、それはそれで世の中が安易な風潮は昔からの人間社会の構図ですから、しかたないことでしょう。
また、遺伝子レベルの研究云々の話から、漢方薬の必要性が云々といわれるのは、確かにそれが実現したとしても、漢方薬の活躍部分は遺伝子レベルで解決できない問題が無数に残されるはずのものですから、漢方に関しては「永遠であろう」と思われます。
実際に漢方薬の有用性というものは、その恩恵を蒙っている人達にしか体感できない世界です。でなければ、自費の高い漢方薬を何十年も続ける常連さんがいるはずもありません。
こういう情緒的な表現をせざるを得ないのは、漢方と漢方薬の真の実力を簡単には述べることが難しいからです。中医基礎学的な基本図書を学ばれない限りは、到底理解されない世界です。
すくなくとも西洋医学・薬学世界とは全く異質な論理で成り立っている世界ですが、決して非科学的なものではありません。
中医学と西洋医学 ―中西医結合への道― (村田恭介著)
上記を参考にされるとよいかと思います。
以上、冗漫なお返事ながら、とりあえずお送りします。
頓首
ヒゲ薬剤師
折り返しお礼のメール:丁寧かつ迅速にご回答していただき感謝しております。
漢方薬について学ぶ際に生半可な態度では、人の役に立てるような事は出来ないと感じましたが、それほど奥が深いものであるならば、ずっと興味を持ってやっていけるのではと思いました。
試験まで残りの時間は決して長くはありませんが、希望が叶えられるよう精一杯頑張りたいと思います。
お忙しい中、どうもありがとうございました。
性別 : 男性
年齢 : 10歳〜19歳
御職業 : 学生
簡単な御住所 : 東北地方
ご意見やご質問をどうぞ: 初めまして、●●と申します。
お忙しいとは思いますが、質問させてください。
私は現在、高校三年で、漢方薬に興味があり、大学では薬学部に進学したいと考えています。それで、漢方薬について自分でインターネット等で調べてみたのですが、漢方薬が終末期医療や癌に対する代替療法として利用されているというような事が書いてありまりた。
そこでなのですが、漢方薬をそれらの用途に用いることの有効性や現在の普及率、また将来性はどれほどのものなのでしょうか?教えてください。
また、近年ヒトゲノムの解析が進み、これから個人個人にあった創薬が可能になると思うのですが、その中で、漢方薬の必要性が低くなっっていまうことはないのでしょうか?
上の質問とは全く違う内容なのるのですが、市販の漢方のエキス製剤について質問させてください。
漢方薬は患者一人一人の証の診断をおこなって処方するものであると本にあったのですが、市販のエキス製剤の場合、風邪なら葛根湯、というように症状によって用いられてしまっていると思うのですが、問題はないのでしょうか?
長々と申し訳ありませんが、よろしくお願い致します。
ヒゲ薬剤師のお返事メール: これはあくまで個人的な意見としての前提ですが、総論的に言って、一般世間の人が思われる以上に漢方と漢方薬の世界はとてつもなく奥深く、奥深いということは一定レベルの知識と技術を修得するにはそれなりの苦労と経験が必要であるということです。
それだけ奥深いものを浅薄な知識だけで漢方薬を使用し、効くとか効かないとかを云々しても、はじまらない。
言い換えれば、高度な知識と技術があれば、一般の人が想像する以上の力を発揮できる、すなわち治療効果、改善効果を発揮できるということです。
例は悪いかもしれませんが、小生個人の経験で言えば、本業以外にのめり込んだものにチヌ釣りと、ホームページ制作があります。これらの分野は一定期間、たとえばチヌ釣りの場合は、数年も集中的に修練すれば、人よりも釣果を上げられるようになります。
ホームページ制作は、二年前に一つだけ業者に僅かなページを作ってもらっただけですが、一年間くらいはなかなか勉強する暇もないまま、ホームページビルダーなども使いこなせず、かと言って若い人達でも作れるものを50歳をかなりすぎた老人でも何とかやれないかとHTMLソースを眺めたり、本を読んだり、試行錯誤をしていたら突然、視界が開けて、今では難関だったスタイルシートを使ってデザインも変えられるくらいになりました。業者さんほどの上手なサイトは作れなくとも、二年も経たないうちにかなり自由自在なHPが作れるようになりました。それも、多忙な本業をこなしながら作成ソフトは一切使わずに、手打ちですべて簡単に制作できるほどになりました。
ところが、本業の漢方と漢方薬の世界と来たら、若い頃にはのめり込んで、日本漢方や中医学と、独学ならが悪戦苦闘し続けて、ようやく大きな視界が開けたのが、15年以上どころか20年以上、どころか現在33年のキャリアがありますが、まだまだもろいところがあるのを自覚しています。
世間では漢方をやさしいように宣伝しているむきもありますが、それほど単純ではなく、片手まで修得できるほど安易ではないのです。ところが、深く修得すればするほど、ありきたりな方剤でも適応症がはっきり見えてきますので、的確に使用すれば相当な威力を発揮することができます。
しかしながら適応を誤れば、合成医薬品ほどの副作用はないにしても、たとえ効果効能に書かれている症状でもぜんぜん効果を発揮してくれないのが、漢方の難しいところです。
もともと小生自身は興味を持った対象には、かならず一定レベルに上達せずにはおれない性格上、のめり込んだチヌ釣り、最近ではホームページ制作などは二年も経たないうちに、来年くらいは漢方で食い逸れたらホームページ制作業に転業しようかと冗談にでも言えるほどに上達しつつあります。
ところが、一番好きだった漢方と漢方薬の世界と来たら、三十年以上経っても上には上がタクサン本場の中国にはおられ、中医学専門書籍類を読んでいると、凄まじい治験例が続出!
これには各個人の先生方の腕一つに追うところが多く、再現性の問題となれば、西洋医学のような普遍性には乏しいところのある困難さが常につきまといます。
要するに、個人の腕次第、知識と経験次第という大きな壁がある、ということです。
だから、将来性を言えば、日本の漢方に関して言えば、中医学理論を取り入れない限りは危ういし、取り入れたとしても徹底した漢方専門の大学が出来ない限りは宝の持ち腐れで、真に有効に活用できる人材は常に少数派に終わることだろうと思われます。
ところで、葛根湯レベルのお話については、一般的、ありきたりな疾患に対して病名治療的に使用するのは間違いが多いのですが、サイワイ漢方薬には強い副作用は滅多に生じるものではありませんので、漢方薬を使用してもしないでも、自然治癒してしまうような風邪などでは、気休め的に使われている部分が多く、それはそれで世の中が安易な風潮は昔からの人間社会の構図ですから、しかたないことでしょう。
また、遺伝子レベルの研究云々の話から、漢方薬の必要性が云々といわれるのは、確かにそれが実現したとしても、漢方薬の活躍部分は遺伝子レベルで解決できない問題が無数に残されるはずのものですから、漢方に関しては「永遠であろう」と思われます。
実際に漢方薬の有用性というものは、その恩恵を蒙っている人達にしか体感できない世界です。でなければ、自費の高い漢方薬を何十年も続ける常連さんがいるはずもありません。
こういう情緒的な表現をせざるを得ないのは、漢方と漢方薬の真の実力を簡単には述べることが難しいからです。中医基礎学的な基本図書を学ばれない限りは、到底理解されない世界です。
すくなくとも西洋医学・薬学世界とは全く異質な論理で成り立っている世界ですが、決して非科学的なものではありません。
中医学と西洋医学 ―中西医結合への道― (村田恭介著)
上記を参考にされるとよいかと思います。
以上、冗漫なお返事ながら、とりあえずお送りします。
頓首
ヒゲ薬剤師
折り返しお礼のメール:丁寧かつ迅速にご回答していただき感謝しております。
漢方薬について学ぶ際に生半可な態度では、人の役に立てるような事は出来ないと感じましたが、それほど奥が深いものであるならば、ずっと興味を持ってやっていけるのではと思いました。
試験まで残りの時間は決して長くはありませんが、希望が叶えられるよう精一杯頑張りたいと思います。
お忙しい中、どうもありがとうございました。
posted by ヒゲジジイ at 00:10| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問
|