年齢 : 40歳〜49歳
ご職業 : 医療・福祉関係
簡単なご住所 : 関東地方
お問い合わせ内容 : 数ヶ月前に癌性腹膜炎の母のことで質問させていただいたものです。
その節はご丁寧なご回答ありがとうございました。
実はあの後早速●●●●漢方薬局に連れて行き、相談しました。
が、処方されたのは小柴胡湯でした。
しばらく服用していたのですが、腫瘍マーカー値が上昇ししたり、抗がん剤の副作用で口腔内がひどく炎症を起こしたりで、本人が飲むことを苦痛に感じて休んでいました。
私自身は五苓散と補中益気湯が効果があると感じていましたので(マーカー値も落ち着いていた)●●●●の先生に伝えてみましたが、五苓散はやはり急性の吐き気などの時に飲む薬だからと取り合ってもらえませんでした(無理強いすることもできないので)。
最近抗がん剤もだんだん効果がなくなりつつあり、おなかの辺りも少し硬い感じらしいのですが、抗がん剤を中止すれば口腔内炎症も治まってくるようなので、頑張って漢方も飲むといいます。
この段階でまだ五苓散と補中益気湯は効果的でしょうか?実は別に買って飲めるときは飲むように言ってあるのですが。
本人は倦怠感はあるのですが、今のところ普通の生活を十分に送っています。ただここ数週間は口のせいで食事が満足に取れず、マーカー値もかなり上がってしまいました。ご指導のほどよろしくお願いいたします。
歯がゆい気分でお返事メール:拝復
メールの内容を拝見して、絶句するのみです。
その漢方薬局さんは老舗のはずが、その程度の知識だったのかと愕然とします。
まったく漢方の基本中の基本、といっても中医学のですが、その基礎が全然分かってない様子が伺えます。
癌性腹膜炎に何の根拠があって小柴胡湯のような甘草・大棗・人参など、水分を保持させる作用のものばかりを出されるのか、中医学の世界では常識以前です。
この調子では扶正去邪という基本中の基本の常識もご存じない、漢方を販売する資格すら疑いたくなります。
二ヶ月前にも偶然、同じ漢方薬局さんで風邪をこじらせ後、重度の咽喉腫痛で悩まれる方が一年間も通い詰めて、いろいろ処方してもらうのに、首尾一貫してこともあろうに、小青竜湯ばかりが出されており、偶然、当方の小青竜湯乱用問題のサイトを御覧になって、お問合せがあり
小青竜湯誤投与の典型例
このようなやってはいけない誤投与を一年、悪化させる為の漢方薬を出されていたようなもんです。
頂いたメールの内容といい、あまりにも基礎的な問題以前の話で、お返事することすら腹立たしくなります。
貴女ご自身も医療関係者であるなら、もっと知恵を出すことができなかったのでしょうか?
実際に服用していて調子が良いものなら、なおさら扶正去邪というバランスの保てた五苓散と補中益気湯の配合で、何が問題があるのでしょうか?
もしも問題が出るとしても、これまで服用してやや調子が良かったものが、効果がいまひとつ弱いなあ〜〜と感じることがあるかもしれませんが、少なくとも小柴胡湯のようなほどんど腹膜炎には、しかも腹水が貯留するような状態には、中医学ではありえない方剤を投与される学識とキャリアを疑わざるを得ません。
ご職業には医療関係者とされておられますが、どうして貴女ご自身がそのような判断力が出せなかったのか不思議です!
あの悪評高い小柴胡湯をこのような重大な疾患に頑として出される神経が理解できません。
当方に遠方から押しかけるようにして、やや強引にやって来られる人達も、それぞれの地で、とんでもない漢方処方が出されており、その漢方をやめるだけでも半分は軽くなりますよという例ばかりですから、もう、本当にこの世の中、ウンザリしています。
ただ、このような人達もシロウトさんながら、気がつくだけましですが、クロウトに近い場所におられる貴女がこれまで、小柴胡湯のようなトンデモナイ処方に甘んじていたこと事態が信じられません。
ただ、今思い出しましたが、その漢方薬局さんは老舗だから良いのではないか?と、お伝えした記憶があり、これはあくまで先代の先生までのイメージだけの話でしたので、少しこちらも責任を感じないわけではありません。
貴女ご自身の問題でないだけに、歯がゆいばかりですよ。
その漢方薬局さん以外にも、大きな町ですから何軒も漢方専門薬局やクリニックがあるはずです。ハシゴして相談してみるのが最善でしょう。
いずれにしましても、当方では御本人みずからによる御相談と、御本人みずからの意志で行動される方以外は、直接的なタッチは出来ませんので、悪しからず御了承下さいませ。
いずれにせよ「五苓散はやはり急性の吐き気などの時に飲む薬だからと」いうレベルの知識しかないようでは、漢方薬局の看板を下ろすべきではないでしょうか。
頓首
村田漢方堂薬局 村田恭介
編集後記: いわゆる専門家とされる人の無知ほど恐いものはない。
上記で引用した「小青竜湯の誤投与の典型例」の全文を引用する。
サイワイこの方は、遠路を一泊二日で直接、村田漢方堂薬局に来られ、二ヶ月目の服用で7割ほど緩解していることは、既に数日前にこのブログでも述べている。残りの3割は意外に期間がかかるかもしれない。(東京の超美人のオバサマも現在7割緩解となり、一時良かった8割緩解にもう少し?)
御意見や御質問をどうぞ : はじめまして。●●に住む38歳の主婦です。
私は慢性気管支炎(乾燥した咳で痰が出ません)と咽喉痛で苦しんでいます。病院で検査をした結果「気管支炎と咽頭炎です。繰り返しますよ。」と言われました。医師に処方してもらう消炎剤や咳止め薬は効きません。
昨年7月から1年間漢方薬を続けてきましたが思うように治りません。
その漢方薬局では、「体の冷えが原因です。」と言われまして小青竜湯を中心にした漢方薬を服用していました。
現在、咳の症状は軽いのですが、口がカラカラに乾いて咽喉痛や咽喉から胸にかけて不快症状(痛痒い)が続きます。
以上、典型的な小青竜湯の誤投与の文面である。
肺寒停飲の証候を呈するのであれば、確かに小青竜湯は素晴らしい効果を発揮するが、昨今の社会風潮では「肺寒停飲」を確かめもせず、あるいはその基礎理論に無知なまま、不適応者に対する鑑別能力のないまま、あまりにも乱用が目立ち過ぎるのである。
今回のケースはたまたま漢方薬局で出されていたが、小生の地元ではもっぱら医療用漢方での誤投与が顕著で、言葉は悪いが、その尻拭いばかりをさせられている。(今年は珍しく、ほんの数例に減少している。)
また、昨今ブームの「冷えが原因」とする余りにも短絡的な病因論も大いに問題である。ネコも杓子も「冷え」に帰するというのだから、稚拙極まりない論法である。
最初の原因が何でアレ、炎症性疾患を抱えている場合に、過度な温熱的治療方法は逆効果になることを知る専門家が、意外に少ないのに些か驚いている。
折り返しのメール: 村田先生へ
早速にまた的確なご回答ありがとうございました。
実は、叱られるかな・・・と思いながらご質問したのでやっぱりでした。
言い訳では在りませんが、小柴胡湯と聞いたのはしばらくしてからで
本人も体調がひどく悪いわけでもなく、逆に私自身に気を遣って効いてるような気がする、と言うようなわけで
でもやはり、私の勉強不足です。反省しています。
近くに在住であれば、的確な弁証論治をしてくださる先生を捜して連れて行くのに、と暗中模索状態です。
とにかくは、五苓散と補中益気湯を真剣に飲むよう申します。
ありがとうございました。
編集後記の追加!:五苓散合補中益気湯で効果が無くなったら、多くの場合、補気建中湯加梅寄生かわらたけを考慮すると良いだろう。