2006年10月05日

僅か10日間の服用で、諸症状が殆どすべて消失した場合こそ! 油断は禁物

 本日のこと!
 村田漢方堂薬局のHPかブログか?を御覧になって10日前にはじめて来られた人が、皮膚症状や鼻炎症状など(あんまりアッサリ諸症状が消えてしまったので内容を忘れた)が、あっけなく僅か10日間の服用で消失して、薬の追加を求めてやって来られた。

 村田漢方堂薬局に現在通っておられる一部の人がよくご存知の例の三点セットである。

 この三点セット(当方には三点セットと名付けられたものがタクサン存在する)HPやブログに具体的に書かないようにしている理由は、直接来られた人がよくご存知のように、村田漢方堂薬局のオリジナルだけに、細かいテクニックがあるので、変に公開して間違った使用方法をされ、評判を落としたくないからに他ならない。
 現実には、過去に有名雑誌のみならず専門誌や一般書籍にも紹介されたことがあるが、断りきれぬ人にどうしてもと依頼され、渋々承知したものばかりである。

 以来、サンザン取材に懲りて、これ以上、誤解されかねない記事により、せっかくのオリジナルのイメージを壊されたくない。

 また、一般処方の配合僅か二種類の併用で、慢性関節リウマチの疼痛が、短期間で消失する人も稀ではないが、このような短期間に即効が得られた人こそ、もっとも警戒が必要なのである。

 警戒が必要というのは、再発の問題である。

 本日来られた僅か10日で諸症状があっさりと消失した人にも重々述べたことだが、速効があった人ほど油断してしまい、消えていたはずの症状が再発した場合の落胆は、そういう人ほど大きく、病根がまだしっかり残っているにもかかわらず、最初の著効があだになって、漢方では結局治らないんだと、大きな誤解をしてしまいがちだからであるである。

 本日のご当人もこのブログを御覧になる可能性が高いので、復習としてよく頭に入れていて欲しい。
 確かに僅か10日間で、一見根治したみたいにあっけなく無症状となってはいても、過去の病歴から考えても、病の根は深く残っているのですよ。

 むしろ、お互いに苦労して、途中であまり効き目が出ないので、何度も挫折しかかる気持ちを抑えて、我慢に我慢を重ねて、10日毎の微調整を繰り返し、ようやく5割程度の緩解が得られたという人ほど、漢方と漢方薬の底力(ソゴジカラ)を認めてもらえるし、また合理的な理論に支えられた信頼するに足る医学・薬学であると体感してもらえるのである。

 折々に、今回のような僅かな期間で一見すべてが治ったように見える著効を得るものだが、このような場合こそ、再発率は却って低くないので、たずなを緩めることなく一定期間はしっかりと連用することが肝心なのである。
posted by ヒゲジジイ at 20:19| 山口 ☁| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする

2006年10月04日

このブログにはミスマッチな鬱病関連の合成医薬品についての御質問

性別 : 男性
年齢 : 40歳〜49歳
ご職業 : 医療・福祉関係
具体的な御職業 : 薬剤師
簡単なご住所 : 関東地区
お問い合わせ内容 : 先生お得意のうつ病に関して質問させていただきます。

 男性でスルピリド服用時に生じる高プロラクチン血症は中医学的にどの様に考えたらよいのでしょうか。
 パキシルで代用出来ない場合パーロデルを西洋医学的には投与すると思うのですが東洋医学的にはどう考えるのでしょうか。よろしくお願いします。


お返事メール:拝復

 小生は特別鬱病が得意なわけではありません。しばしばお寺などから紹介されて来るケースが多いというだけのことです。

 女性でドグマチール(スルピリド)を服用している人は、しばしば遭遇するのですが、男性でこれを使用されているケースに遭遇したことは、いまだかつてありません。

 ところで、弁証論治にはじまり弁証論治におわる中医漢方薬学の世界に、西洋医学における医薬品に対して、どのように思うも感じるも、返答不能です。
 あくまで個人個人の特殊性に対処する融通無碍の世界が、中医学・薬学の世界です。

 蛇足ながら、男性であれ、女性でアレ、一定レベル以上の鬱病患者さんの場合、四逆散や半夏厚朴湯などを主体に使用する機会が多いとは言え、これだけですべてが漢方薬で解決出来るはずもありません。

 さらに強力にバックアップできる何種類かの高価な漢方系のれっきとした厚生労働省認可の医薬品類を併用してもらうことがしばしばという現実ですが、そこまで詳しく公開するつもりはありません。

 中医学・薬学の世界の無限に近い可能性と真の実力は、ほんとうに経験した人でなければ、到底理解できない世界であろうと思います。

 しかしながら、現実には西洋医学主体の医療現場なのですから、その足らざるを補助するのが漢方の立場であるとしても、すべては弁証論治にはじまり、弁証論治で終わるべきだと思います。

 今回のように弁証論治とほとんど無縁の世界の御質問は、些か興ざめした次第です。
 中西医結合的な考えは思ったほど成果上がっておらず、サーズ治療の時にも純粋中医学派の方はかなりな治癒例を出せたのに、中西医結合のほうでは、たいした成果が出なかったと聞いています。(本年の「漢方の臨床」誌1月号の新年のご挨拶中のS先生の御報告)
 
中国では中医学の再評価の動きが高まり「中西医結合」は中医学の発展にあまり芳しくないことから、今後の発展方向に議論が高まっているというS先生の記事は大変興味深い。
 SARSが流行したときも「中西医結合」で育った若い世代よりも、中医学に長じた老中医が活躍したことなど、示唆に富むお話である。

以上、東亜医学協会発行『漢方の臨床』誌1月号で「新年のことば」特集からの引用。
                          頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介


編集後記:上記の引用したブログ、どうせ執筆者はヒゲジジイであり、しかもその「新年のことば」にも参加していて、葛根湯問題を指摘しているのも張本人だから、ツイデに全文を引用しておこう!
 主として漢方を専門とする医師・薬剤師の会員がほとんどを占める専門誌『漢方の臨床』の新年号が発行され、恒例の「新年のことば」特集が組まれている。

総勢150名近い医師・薬剤師等が「あいうえお」順に掲載されている。

各先生方がやや気楽に書ける雰囲気のもと、全体を概観すれば日本漢方の様々な問題点のほとんどが指摘されている。

目に付いたことを執筆者名を敢えて省略させて頂き、ホンの要点だけをピックアップする。

●まずは最初の方でアメリカ在住?らしいA先生が、アメリカの「伝統薬会議」において中国薬局方は採用されても、日本薬局方が採用されないことで、「漢方の国際化」とは何なのか、といたく嘆いておられる。

つまり今後も世界から中医学は重要視されても、日本漢方(漢方医学)はローカルのまま世界に置き去りにされるであろう将来を占うような事態かもしれない。

●次に、日本漢方出身の先生が、桂枝湯や麻黄湯などは、温めていながら表熱証と表現するのはおかしいじゃないか、と盛んに漢方医学における論理の矛盾に疑問を呈しておられる。

百尺竿頭一歩を進めば、すなわち中医学の世界に到達するのだが、きっとやがて目覚められることだろうと思われる。

●一方、中国国内の状況として、中国では中医学の再評価の動きが高まり「中西医結合」は中医学の発展にあまり芳しくないことから、今後の発展方向に議論が高まっているというS先生の記事は大変興味深い。
SARSが流行したときも「中西医結合」で育った若い世代よりも、中医学に長じた老中医が活躍したことなど、示唆に富むお話である。



●専門誌だけに医師が多数を占める中、地方の漢方専門薬局の薬剤師が、風邪やインフルエンザに対して病院で処方される医療用の葛根湯がいかに有効に使用されていないか、あるいは、いかに無効であるかを述べて、銀翹散製剤こそ有効である旨を述べている。

急性疾患に傷寒論医学を主体にする日本漢方(漢方医学)では、インフルエンザ一つすら理論的にも現実的にも、治すことは出来ないので、そろそろ根本的な基礎理論あたりから、中医学に学ぶべきときが来ているように思われるのである。

●Y先生は、エビデンスによる医療(EBM)に対する大いなる疑問を投げかけておられた。

病名治療に等しいエビデンスなるものは、普遍性を重視する西洋医学のみに有効な手法であり、個別性を重視する漢方医学や中医学に採用するには、根本的に問題があり過ぎると本ブログの筆者は思うものである。

●昨今、日本国内では漢方の原理・原則を無視した大建中湯の乱用が目立つ、第二の小柴胡湯事件が勃発しなければよいがと強い危惧の念を表明されるR先生。

「新年のことば」特集全体を眺めていて、きっと誰もが感じることは、漢方医学の講義を各大学医学部で正式なカリュキュラムとして採用するところがかなり増えているということから、N先生のお言葉にもあるように「首尾一貫した総論を備えた教科書」はあるのだろうか?
基礎理論における不安はないのだろうか、という大きな疑問が湧いて来ざるを得ない印象を持つことだろう。

以上、本ブログの筆者の主観を交えながらの解説となっているので、月刊『漢方の臨床』誌に興味がおありであれば、

東亜医学協会のホームページまで!
posted by ヒゲジジイ at 00:12| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする

2006年10月03日

前回の記事に関して、超美人の江戸っ子オバサマより流石(さすが)のコメント

東京の超?美人のオバサマ、メールでコメント:村田先生。

 今日はブログを拝見し、ちょっと思い出し笑いをしていたのでメールしてます。

 私が始めて先生の所にお電話さしあげたのは(●●先生をご紹介して頂いた時)です。

 まつこ先生とお話していたのですが、その最中、村田先生のお声が電話越しに聞こえてきました。
 確かに!! チョッピリだけ怒鳴り声のように受け取れる感じであったように思われますが・・・。

 こちらは真剣・大真面目でしたので、ひるんでいる場合じゃありませんでした(笑)
 却って頼もしくさえ思えたものですよ。
 
 案外 先生の嫌いな患者さん撃退法(?)になるかも?なんちゃつて。
posted by ヒゲジジイ at 13:14| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

いつも同じパターンの怪訝なお問合せ電話「それじゃ〜〜いいです」の捨て台詞

 昨日の昼にもあった不思議なお問合せ電話。
 中年前くらいの女性の声で、
 「ちょっと漢方薬のことでお訊きしたいのですが、いつ行ってもよろしいですか?」
 というお問合せに女性薬剤師のお返事は毎度同じで、
「はいっ、構いませんが、どのようなご用件ですか?」
当然、単に話が聞きたいだけで遊びに来られたんじゃ〜カナワナイから、しっかり用件を訊いてからの話ですよ、実際!

 ところが、この応対に対して「それじゃ〜〜もういいです」ガチャリ!

 これっ、以前からシバシバあるパターンだが、いつも女性薬剤師は狐につままれている。
 丁度このお電話の時、HPを御覧になって村田漢方堂薬局に通い始めて4〜5回目の方で、少し親しくなっていたので、あれ、一体何なんでしょうね?と訊ねてみたが、不思議な顔をされるばかり。

 とっ、女性薬剤師が思い出したように、そういえば丁度その電話の最中にヒゲジジイの大声が聞こえたのよ、それと同時に「じゃあ〜〜もういいです」になったようだ、ということだった。

 それにしても以前から、シバシバ多いケース。まったく単純な電話のやりとりのはずが、特別な御愛想やオベンチャラを言わない女性薬剤師の応対が気に食わないのだろうか?

 同じ応対でも30前後の女性からは、とても親切に応対して下さったのでますます頑張ろうと思ったと、親しくなって述懐された人も多いのだが、十人十色の世の中、何がなんだか、サッパリ分かりませんね〜〜〜〜つ。

 同様なケースがしばしばあるから、怪訝なんですよ。

 まっ、自国の国旗や国歌に敬意を払えない教師達 というようなまともな常識が通用しない世の中に成り下がっているのだから、まともな会話が成り立たない人ばかりの日本国になったて〜〜〜こってしょうね、きっと。
 自国の国旗や国歌に敬意を払えない先生方に、大事な子供をあずけるわけには参らぬ。

 父や母、祖父や祖父母、曽祖父や曾祖母をはじめとしたみずからのご先祖様に敬意を払えない不遜な輩と非難されても致し方ないのではなかろうか?

 そんな不遜な輩にどうして大事なわが子を託すことが出来ようか!?

 実に不倶戴天と表現するに相応しい。
 価値観の相違で済まされる次元とは到底思えない。
posted by ヒゲジジイ at 00:08| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2006年10月02日

本末転倒?!したホームページ制作

 村田漢方堂薬局という正式な薬局名をよく「村田漢方薬局」と間違えられる。
 つまり、村田漢方堂薬局の中の「堂」をドウしてか忘れられるのである。

 そこで、覚えたてのスタイルシート(CSS)ばかりを使った新たなホームページを作ってみた。覚えたての技術をどこで活かすか、てぐすね引いていたのだが、よっぽど良い口実ができたと思って、ここ数日で一気呵成に制作してみたのが、

漢方と漢方薬の村田漢方薬局

 まだ、すべて完成したわけではないが、大体の骨格は出来上がったので、ここで自慢げに御紹介することにした。
 老人が作る割には、ヨク出来たと自画自賛しているが、些か制作目的が本末転倒気味なので、やや内容が空疎である。いわゆるコンテンツに乏しいのが玉に瑕。
 しかしながら、あと数年もしたらHP制作のプロ級の腕に上達する自信は大いにありますよ!

 漢方と漢方薬の世界に比べたら、はるかにイージーな世界ですよ。といってもHTMLとCSSの世界も、かなり奥深いものを感じるのではありますが、その奥深さの点で言えば、中医学や中医漢方薬学の世界の方が、遙かにハルカに奥深く深遠であるということですよ。
 当然といえば、トウゼンでしょうけどね。

 この初々しい技術を活かして、一般向けのアトピー専門サイトを制作する予定ですよ。
 すでにある漢方と漢方薬によるアトピー性皮膚炎研究変遷史というのは、一般向けではなくて専門家向けの論文集だから、今度は、ちょっと本末転倒気味の口実ではあるけど、ようやく修得したばかりのスタイルシートを多様した一般向けのアトピー専門サイトを年内には制作する予定ということです。
 もしかしたら今月以内で、やってしまうかもしれません。
posted by ヒゲジジイ at 13:13| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2006年10月01日

秋の乾燥肌には湿熱を除去するインチンコウトウや黄連解毒湯・猪苓湯などは乾燥肌に悪影響しませんか?という御質問

 関東から二泊三日で来られた方から、とても有益な御質問があり、それにお返事した回答を一部引用してここに掲載する。

 質問の趣旨は、タイトル通りの内容「秋の乾燥肌には湿熱を除去するインチンコウトウや黄連解毒湯・猪苓湯などは乾燥肌に悪影響しませんか?という御質問」である。

お返事メール:

 湿熱を除去する漢方薬は、皮膚表面までは乾燥させません。

 寒湿を除去する漢方薬の場合は、ときに肌まで乾燥させてしまう場合もあり得ます。
 単にシナモンの入っている五苓散でさえそうですが、とくにカッコウショウキサンなどはその傾向があります。

 ところが湿熱を除去するインチンコウトウや黄連解毒湯、膀胱炎の漢方薬、猪苓湯などは、肌の表面までは乾燥させません。むしろ体内の湿熱を解消しながらバランスを取って、乾燥肌を潤す作用を発揮することすら珍しくありません。

 たとえば尋常性乾癬という難治性の皮膚病は、患部がひどく乾燥する病気でもありますが、

http://murata-kanpo.seesaa.net/article/24572671.html

 このブログの後半に書いているように、膀胱系から湿熱を除去する猪苓湯とヨクイニン・板藍茶の併用10日足らずで八割以上、消えてしまいました。

 ヨクイニンというのは、肌に潤いを与えるので一般にも有名ですが、実は中医学の世界では湿熱を除去する重要な生薬でもあるのです。

 人間の身体は体表が乾燥しているからと言って、体内までが乾燥しているのではないのです。乾燥したでこぼこ状の発疹の直ぐ下は湿熱の膨らみなのです。

 ですから、湿熱を除去する適切な漢方薬を使用すれば、膨らんだ発疹の湿熱が乾燥している表面と調和が取れて、発疹が消失すると同時に、その湿熱が体表に出てきて乾燥肌を潤してくれるのです。

 人間の身体はこういう複雑さがあるので、短絡的に湿熱を除去する漢方薬は、肌を乾燥させると思いがちですが、逆なのですよ!!!

 寒湿を除去する漢方薬の場合は、すべてではないですが、先にあげたようなかっこうしょうきさんでは、肌を乾燥させてしまう場合もあり、シナモンという辛温性の生薬が配合された利水剤の五苓散なども同様です。

 ここが、寒湿と湿熱の大きな違いです。

 漢方の世界は、世間的な常識の裏の裏を読めるヒネクレ者でないと理解しにくい複雑な理論体系で成り立っているようにも思われます。
 とりわけ中医学の世界では、すべて実際上の現象を鋭く解明出来る指針となる基礎理論がしっかり構築されています。

 人体で起こる現象は、世間で思っているのとは逆なケースが多々あります。体表がトテモ乾燥している人なのに、体内はむくみぼくて水分でだぶついている人も多いのですが、このような人は、体内の水分が体表に回ってくれてないだけです。体内の水分調節をしてやれば回復するのですが、このような人が潤い成分のサプリメントなどを服用すればするほど、体内ではますます湿熱毒邪を貯留停滞させてしまうために、体表では保湿機能がいよいよ阻害されて乾燥肌がますます悪化する場合すらあり得るのです。
posted by ヒゲジジイ at 02:05| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする