2006年09月24日

遠方の人はわざわざ下関まで来られるのは重々慎重に!

 安倍さんが自民党総裁に選出されたからといって、わざわざ下関の村田漢方堂薬局まで来られるわけでもないでしょうが(実際に我が薬局の所在地は安倍さんの選挙区ですよ。地元の側近には知り合いも複数おられる)、県外の近隣ならともかく、泊りがけでないと来られないような地区で、再三通うことの出来ない遠距離の方は、よほど慎重であってほしい。

 貴方や貴女の地元近辺にも漢方と漢方薬専門のクリニックや漢方専門薬局がかならずあるはずです。通える範囲のお近くで、何度も繰り返し根気よく通ってもどうしても埒が明かなかったというわけでもないのに、ややお気楽な気分でやって来られた人ほど、当方で頑張っても根気が足りず、数ヶ月たってようやく効果が見え始めたという緩慢な効き目であった場合は、そういう人に限ってなおさら根気が続かない。

 遠来の人では、地元近辺で何軒かで漢方治療を頑張って、それでも無効だったが西洋医学治療でも行き詰っているだけに(現実にもヒゲジジイの身内の内科医の中には西洋医学の型に嵌った治療方法の限界を強く感じ、漢方と漢方薬に羨望の眼を向け、本格的な学習を試み始めた者も複数存在する)、なんとか少しでも緩解できればという強い思いから来られた人ほど頑張りが効いて、直ぐに効果が出ない場合でも、一定期間しっかりと頑張られ、しかも少しでも効果が見え出すと、そのことに素直に喜んでもらえる。
 こういう人ほど根気があって、現実に5割以上の緩解に持ち込めた後こそ、さらに将来予測されるお互いの大変な根気と苦労にもめげず頑張られる。
 その根気と苦労というのが5割緩解程度では、まだまだピントがしっかり合ってない部分があるかもしれないので、その時点でも10日〜20日、多くは引き続き10日毎に経過観察で、あれやこれやの検討を加えながら微調整を行うヒゲジジイの極めて繊細(笑)で神経質な中医漢方薬学流のやり方にお付き合いいただかなければならないからである。

 そんな根気が続いているのは御自身のお近くで様々な苦労を経た後の一大決心で来られた人ばかり。中途半端な思いで来られた少数の人達は、やはり少々の効き目では満足されず次第に服薬の手綱が緩み、10日分の漢方薬が延び延びになり、そのために効果の判定が不能に陥り、微調整が不可能となる。
 だから数ヶ月で音(ね)をあげるレベルの根性のない人は来ないでほしいのである。ヒゲ薬剤師の腕の悪さを棚に上げて言うのもおこがましいが、そんなことならもっと地元で頑張ればよかったのですよ。
 そのように根気のない人は今からでも遅くないから、あっさり通える範囲の地元の漢方に切り替えて欲しい。当方とて中途半端で経過観察が不能となる服用方法をされている場合では大事な微調整が不可能となり、おんぼろコンピュータの作動が停止してしまう。

 といっても、今現在の効き目のレベルでも構わない、少々のびのびの服用でも自覚あってのことで、気長くのんびりやりますよ、という思いの場合は別である。このような考えでのんびりとやられている人は、従来から遠近に関わらず多いのも事実ですよ。

 ともあれ、やはり県外であっても定期的に通えている人ほど有利なのは事実で、最近も逆質問ばかりされて困惑していた難治性、進行性の様相を呈している病名不明の方でも、10回目あとで相談カードを調べたら正確には7回目だった!)近くでようやく西洋医学で見逃されていた因果関係の糸口が掴め、別ルートから確実にピントのあった一つの漢方処方が見つかったのである。
 近隣でこそ、あらゆる医学分野で行き場を失った人ほど根気が続くのか、10回7回も通い詰めて漸く一つだけピントの合った漢方薬が見つかったのである。

 お互いの苦労というのは、時としてこういうことが付き物で、東京の超美人のオバ様のケースでも同様である。遠方だから二度目からは電話やメールでの御相談だったが、熱心に頑張られたお陰で確実に合っている一つの処方が見つかったのが5〜6回目であった。現在、季節の変わり目でややぶり返し気味だが、中心の方剤が見つかっているだけに将来は明るいし、年内にはもう一度下関に来ようという情熱と意欲がおありである。
 過去の経験からも、このように熱心な人の多くは、最終的に安定した8割緩解に継続して持ち込めているものである。

 いずれにしても、しばしば通える近隣の人達の方が、根気がある限りは有利なことは間違いないので、わざわざ遠方から下関まで来られるのは、慎重にも慎重であってほしいということですよ。
 慢性化した疾患というものは、多くの場合、どんなにうまくことが運んでも8割緩解がいいところで、しかもそれを維持するには継続して漢方薬を続けなければならないことも多いし、もちろん状態によっては、服薬量を減らして、一日2回の服用など、ケース・バイ・ケース。

 とは言え、坐骨神経痛や関節リウマチあるいはアトピー性皮膚炎などの多くのありきたりな疾患では、運よく短期間(半年〜1年半)で緩解した人達が直ぐに廃薬したのに、再発までに10年近くも無症状でおれたケースも多々あるのも事実ではありますが・・・・・でも、これらはよっぽど運がよかったとしか考えられないのも事実(笑)
 毎年、そんな運の良かった人が10年ぶりに再発して舞い戻ってこられるケースが複数おられる。

 ともあれ「灯台下暗し」というコトワザ通り、当方の地元近辺の人が、関東を始め各地の様々な治療方法を頼って苦労したのに経費ばかりかかってすべて徒労に終わったのに、こんな近くで安上がり(???)な経費で治っていくとは思いもしなかったとお世辞を言われる人が毎年のようにおられるが、同様なことは各地で言えることだと思われる。
 どこの地方でアレ、常に「灯台下暗し」(とうだいもとくらし)ということを忘れないで欲しい。
 つまり、重ねて再三言うように、まずは地元でしっかり漢方を試みてみるべきで、山のあなたの空遠くにだけサイワイが棲んでいるわけではないということですよ!
posted by ヒゲジジイ at 12:40| 山口 ☀| 中医漢方薬学 | 更新情報をチェックする