先日、眩暈というより正確に言えば立っておれないフラツキから、昼間に台所にしゃがみ込んで動けなくなった時の様子を見た女性薬剤師が、もしや救急車を呼ばないといけないかも?と危惧するほど大変な状態に見えたそうだ。
幸いに、直ぐに服用した愛用の牛黄製剤で救われたが、その後に服用した柴胡加竜骨牡蠣湯に加えた八仙丸と地竜だが、このブログを読まれた東京の超美人のオバサン(「関東の美人のオバサン」ではややご機嫌斜め)が、自分にもテッキリ八仙丸(六味丸+麦門冬・五味子)を送ってもらえると思っていたらしく、貴方は六味丸でいいの!というと怪訝そうなので、電話で説明したことは、たまたま台所にあったのが六味丸が見つからず、その親戚の八仙丸がころがっていたからそれを服用したまでで、基本の六味丸でよかったのを代用したまでのこと。だから貴女には前々から予告していた六味丸で問題ないのですよ、と説明したばかりである。
超美人の彼女こそ、得体の知れないフラツキに悩まれ、関東の漢方専門のクリニックや漢方薬局を歴訪して治らず。しかしながらその程度の疾患で、わざわざ来ないでくれと懇願するのを半ば強引に下関にやって来られた情熱を見ると、やはり相当苦しまれていたことが分かる。泊りがけで来られたにも拘らず、最初に出した漢方薬類はのきなみピンとはずれ。
その後10日毎に微調整しながら、ようやく5〜6回目(一ヵ月半)ではじめて改善の兆しが見え始め、その後は順調に経過して8割は緩解した状態で今日まで来ていたが、秋の季節の変わり目から連日の睡眠不足なども加わって6割5部の緩解状態に戻ってしまったのだった。(半分以上はいいということだが・・・)
主方剤は高濃度の柴胡加竜骨牡蠣湯製剤にに隠し味的な四逆散を少々と牛黄製剤の併用が基本であった。もしもぶり返すようなことがあれば、以前から六味丸や地竜を加えることを予定し、そのようにも伝えていたので、同様な症状に見舞われたヒゲジジイの服用した八仙丸の方がより効果的だと誤解されたようだが、上記のような理由から六味丸の代用としたまでのことだった。
この六味丸の詳細はリンクしたブログに書いている程度で、また暫定的に予定しているサイトに書きかけの六味丸があるくらいのものだが、実際には応用範囲が極めて多く、中医学でいう腎系から体内の水分調節を行い、また膀胱系の方からは猪苓湯が体内の水分調節を行ってくれる。
いずれはもっと詳細にブログや書きかけのサイトなどに書いていくつもりだが、実際のところ、六味丸系列の方剤だけでも一つのHPが楽々作れるほどであり、あるいは一冊の本が書けるほど有用性の高い漢方処方である。
日本漢方では八味丸は過剰なほどに繁用しても、六味丸はほとんど無視しているが、逆に中医漢方薬学派では、肺陰を損傷しやすい附子が配合された八味丸は滅多に使用しない。
だから今年の新人さんたちに六味丸や猪苓湯製剤を多くの人にお出ししているが、またアトピー性皮膚炎などでも六味丸系列の各種の方剤に猪苓湯を組み合わせる機械が非常に多いし、呼吸器系統や代謝系の疾患など、あるいは不随意運動を伴う各種疾患や、多くのこじれにこじれてしまった疾患に体内の水分調節を行うときに、言い換えれば五臓六腑各部位における水分の偏在を調節する。不足は補い、過剰は除去する目的で、六味丸系列の方剤と猪苓湯は不可欠な方剤であるということだ。
この辺は、中医漢方薬学派の際立った特徴であり、さらに昨今、10人に8割の人にその存在を確認する湿熱の除去にも、のみならず猪苓湯の応用範囲は計り知れない。
ところで、ここで大きな問題があり、六味丸にしても猪苓湯にしても、とりわけ後者などの各製剤間の優劣は想像以上で、駄目な製剤を使っても意味がないので、過去、スタッフの薬剤師一同(笑)で出来る限りのメーカーの製品を取り寄せ、わが身を使って効能実験を繰り返したものである。実際に常連さんにも使ってもらって合格したものしか販売していない。
猪苓湯は配合薬中の阿膠(ゼラチン)が曲者だから、煎じ薬とて油断がならず、自分自身の尿路結石治療時にも、却って阿膠が邪魔になって配合薬から撤去して効果を上げたほどである。
話はややそれるが、二十年前ごろ、頚椎関連の症状に女性薬剤師がドンピシャで葛根湯が合うので、各種メーカーの製剤(医療用も含む)を軒並み吟味したが、葛根湯に関しては効能の優劣はそれほど激しくないものの、ある特定のメーカーに限って胃障害が生じて連用できないところがあった。
ともあれ、猪苓湯に関してこそ、皆で服用実験を繰り返して、ほとんど効果を示さないメーカーが複数あるのには驚いたが、それ以上の実例としても
追記: 専門的な六味丸の効果効能の中医学的記載を学ぶことは重要であるが、日本漢方の立場から書かれた解説には一部に錯誤が見られる場合があるので注意を要する。たとえば、中医漢方薬学における中医漢方薬学とは・・・で指摘しているように、
日本漢方では八味丸は乱用気味なほどに使用されても、六味丸系列の方剤はほとんど使用されていないのが実体である。もと日本古方派漢方出身のヒゲジジイが言うことだから間違いない。だから世間一般の解説書やネット上における漢方処方解説にはかなり錯誤した記載が散見されるので、とくに六味丸系列の方剤の解説には注意すべきである。
上記の「心下部(みぞおち)に振水音(胃内停水)が認められる」ことと六味丸はまったく無縁の世界であり、胃部に振水音があるからといってそれが六味丸を使用する目標とは絶対になり得ないし、むしろ振水音(胃内停水)が認められる場合は、六味丸は使用しないほうが良い場合が多いくらいなのである!
幸いに、直ぐに服用した愛用の牛黄製剤で救われたが、その後に服用した柴胡加竜骨牡蠣湯に加えた八仙丸と地竜だが、このブログを読まれた東京の超美人のオバサン(「関東の美人のオバサン」ではややご機嫌斜め)が、自分にもテッキリ八仙丸(六味丸+麦門冬・五味子)を送ってもらえると思っていたらしく、貴方は六味丸でいいの!というと怪訝そうなので、電話で説明したことは、たまたま台所にあったのが六味丸が見つからず、その親戚の八仙丸がころがっていたからそれを服用したまでで、基本の六味丸でよかったのを代用したまでのこと。だから貴女には前々から予告していた六味丸で問題ないのですよ、と説明したばかりである。
超美人の彼女こそ、得体の知れないフラツキに悩まれ、関東の漢方専門のクリニックや漢方薬局を歴訪して治らず。しかしながらその程度の疾患で、わざわざ来ないでくれと懇願するのを半ば強引に下関にやって来られた情熱を見ると、やはり相当苦しまれていたことが分かる。泊りがけで来られたにも拘らず、最初に出した漢方薬類はのきなみピンとはずれ。
その後10日毎に微調整しながら、ようやく5〜6回目(一ヵ月半)ではじめて改善の兆しが見え始め、その後は順調に経過して8割は緩解した状態で今日まで来ていたが、秋の季節の変わり目から連日の睡眠不足なども加わって6割5部の緩解状態に戻ってしまったのだった。(半分以上はいいということだが・・・)
主方剤は高濃度の柴胡加竜骨牡蠣湯製剤にに隠し味的な四逆散を少々と牛黄製剤の併用が基本であった。もしもぶり返すようなことがあれば、以前から六味丸や地竜を加えることを予定し、そのようにも伝えていたので、同様な症状に見舞われたヒゲジジイの服用した八仙丸の方がより効果的だと誤解されたようだが、上記のような理由から六味丸の代用としたまでのことだった。
この六味丸の詳細はリンクしたブログに書いている程度で、また暫定的に予定しているサイトに書きかけの六味丸があるくらいのものだが、実際には応用範囲が極めて多く、中医学でいう腎系から体内の水分調節を行い、また膀胱系の方からは猪苓湯が体内の水分調節を行ってくれる。
いずれはもっと詳細にブログや書きかけのサイトなどに書いていくつもりだが、実際のところ、六味丸系列の方剤だけでも一つのHPが楽々作れるほどであり、あるいは一冊の本が書けるほど有用性の高い漢方処方である。
日本漢方では八味丸は過剰なほどに繁用しても、六味丸はほとんど無視しているが、逆に中医漢方薬学派では、肺陰を損傷しやすい附子が配合された八味丸は滅多に使用しない。
だから今年の新人さんたちに六味丸や猪苓湯製剤を多くの人にお出ししているが、またアトピー性皮膚炎などでも六味丸系列の各種の方剤に猪苓湯を組み合わせる機械が非常に多いし、呼吸器系統や代謝系の疾患など、あるいは不随意運動を伴う各種疾患や、多くのこじれにこじれてしまった疾患に体内の水分調節を行うときに、言い換えれば五臓六腑各部位における水分の偏在を調節する。不足は補い、過剰は除去する目的で、六味丸系列の方剤と猪苓湯は不可欠な方剤であるということだ。
この辺は、中医漢方薬学派の際立った特徴であり、さらに昨今、10人に8割の人にその存在を確認する湿熱の除去にも、のみならず猪苓湯の応用範囲は計り知れない。
ところで、ここで大きな問題があり、六味丸にしても猪苓湯にしても、とりわけ後者などの各製剤間の優劣は想像以上で、駄目な製剤を使っても意味がないので、過去、スタッフの薬剤師一同(笑)で出来る限りのメーカーの製品を取り寄せ、わが身を使って効能実験を繰り返したものである。実際に常連さんにも使ってもらって合格したものしか販売していない。
猪苓湯は配合薬中の阿膠(ゼラチン)が曲者だから、煎じ薬とて油断がならず、自分自身の尿路結石治療時にも、却って阿膠が邪魔になって配合薬から撤去して効果を上げたほどである。
話はややそれるが、二十年前ごろ、頚椎関連の症状に女性薬剤師がドンピシャで葛根湯が合うので、各種メーカーの製剤(医療用も含む)を軒並み吟味したが、葛根湯に関しては効能の優劣はそれほど激しくないものの、ある特定のメーカーに限って胃障害が生じて連用できないところがあった。
ともあれ、猪苓湯に関してこそ、皆で服用実験を繰り返して、ほとんど効果を示さないメーカーが複数あるのには驚いたが、それ以上の実例としても
たとえば、これは既に十年くらい前に「和漢薬」誌などにも発表したことだが、顔面に生じた慢性の皮膚疾患に、医師の出された医療用の猪苓湯と茵蔯五苓散の配合で全く無効であったものが、市販されているエキス量二分の一の猪苓湯とエキスと粉末が混合された茵チン蔯五苓散の併用によって比較的速やかな効果を示した例など、患者さん御本人と、主治医に薬剤師2名によって、何度も確認したものである。というショッキングな実例は尽きないので、天産物を原料とする漢方薬、実に油断がならない。
さらに最近しばしば遭遇することだが、複数の女性が医療用の猪苓湯エキスを出され、小生から見ても適切な投与であると思われるのに、一向に効かないからもっといい漢方薬が欲しいという要求に、濃度は二分の一だが効力の点では長年信頼している某メーカーの猪苓湯エキス製剤を試してもらったところ、速やかな効果を得ている事実をどう解釈すべきだろうか?
追記: 専門的な六味丸の効果効能の中医学的記載を学ぶことは重要であるが、日本漢方の立場から書かれた解説には一部に錯誤が見られる場合があるので注意を要する。たとえば、中医漢方薬学における中医漢方薬学とは・・・で指摘しているように、
心下部(みぞおち)に振水音(胃内停水)が認められるのが、六味丸証の特長であると書かれていた!とあるように、湿困脾胃などの症候と錯誤されているとしか思えない解説がなされているものがある。
これはトンデモナイ錯誤で、こういう明らかに間違った記載が堂々と検索順位がトップクラスのサイトで見られるのだから、驚き桃の木、山椒の木である。
日本漢方では八味丸は乱用気味なほどに使用されても、六味丸系列の方剤はほとんど使用されていないのが実体である。もと日本古方派漢方出身のヒゲジジイが言うことだから間違いない。だから世間一般の解説書やネット上における漢方処方解説にはかなり錯誤した記載が散見されるので、とくに六味丸系列の方剤の解説には注意すべきである。
上記の「心下部(みぞおち)に振水音(胃内停水)が認められる」ことと六味丸はまったく無縁の世界であり、胃部に振水音があるからといってそれが六味丸を使用する目標とは絶対になり得ないし、むしろ振水音(胃内停水)が認められる場合は、六味丸は使用しないほうが良い場合が多いくらいなのである!