2006年09月12日

脳腫瘍治療後の後遺症に対する漢方薬の御相談


性別 : 男
年齢 : 50歳〜59歳
簡単なご住所 : 北海道
お問い合わせ内容 : すみませんが私の子供の病気のことについてご相談させてください。
 私の子供は現在大学3年生ですが 高校2年生の時脳腫瘍を患い 札幌の大学病院で手術を行ないました。腫瘍の場所は小脳の近くで手術後放射線治療と抗がん剤の投与を行ないました。

 現在は以前から比べれば少しは良くなりましたが腫瘍のできた場所が悪かったのか 発音がすらすらと出来ず又歩き方もふわふわした状態で左右にゆれて歩くような感じです。目は白内障と診断されましたが 今のところ手術は不要と診断されましたがちょっと暗い所では視力は極端に落ちるみたいです。

 全てが良くならないまでも漢方薬の力を借りて症状が軽減できないものかとご相談申し上げます。
 宜しくお願いします。


お返事メール:拝復

 漢方薬でかなり改善する可能性は高いように思われます。

 中医学的な考え方を簡単に説明すれば、

 あくまで中医学的に五臓六腑のバランスの乱れを把握して、
 その五臓六腑の機能失調の状況や、
 体内に流通する気・血・津液・精の盈虚通滞(量的に過剰か不足か、流通が過剰が停滞かなど)の情況を把握した上で、

 五臓六腑の機能を調整する漢方薬および体内に流通する気・血・水(津液)・精の疎通あるいは補充を行う漢方薬によって、かなり改善する可能性はあり得るわけです。

 敢えてこのような一般の人にとってはやや理解しにくい要点を述べましたのは、漢方と漢方薬の世界は構造化された理論と法則によって、どのような困難な病状に思える場合でも、中医学理論の常と変を知って対応すれば、期待される結果が多かれ少なかれ得られるであろうという期待が大いに持てる過去の膨大な実績と成果があるわけです。

 現実に当方では、ご子息のケースと異なるものの、根治不能な血液ガンや転移ガンの人達が、あくまでクオリテー・オブ・ライフの向上目的で綿密な漢方相談と配合により、10年以上バリバリの現役で社会生活を送っておられる方が複数おられます。

 もっとくだけて言えば、漢方と漢方薬の常と変を知って臨機応変の漢方処方の運用により、きっと8割程度の改善は得られるのではないかと思われます。
 それには、かならずお近くで10日毎くらいにピントがシッカリ合うまで通える範囲のところで、相当高度な知識と経験をお持ちの専門家を見つけるのが最善ですが、次善の策としては、その専門家を育成するくらいのつもりで勉強熱心な先生を見つけて、喰らい付いてでも通い詰めれば、可能性は高いものと思われます。

 ただし、トテモ重要なことですが、ご本人が本気で漢方に賭けてみるという熱意と情熱と根気が無ければ、可能性は大変低いことになると思います。

 以上、簡単ながらお返事まで。
                               頓首

posted by ヒゲジジイ at 17:50| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする