先週のように予告ナシにやって来られる遠来の人や何とか通える範囲なので10日毎に通ってこられる県内の人や県外の人、いずれも真剣・真面目で、難病指定を受けるような病ばかりでなく、単なる風邪のコジレや不妊症まで、あるいは病院で治らない慢性化した蕁麻疹や神経痛、あるいはリウマチなど、いずれも真剣・真面目で物見遊山とは程遠い人たちばかりだから、実際の所は、どんなに疲れても、とてもヤリガイのある仕事である。
最近、特にヒゲジジイが疲れやすくなっている原因は、10年以上、通うべき歯科医院に行かずに自己治療と漢方薬で無理にもたせているからに他ならない。
歯医者さんに行けない理由は、ヒゲジジイにも人には言えない(もう言ってるけど)持病があって、平成元年頃に、夜釣りの帰り道に猛スピードで漕いでいた自転車が、鉄柱にもろに激突して頭部打撲し、一時失神したほどの外傷を受けたが、病院で検査や治療もせずに、漢方薬類の自己治療でなおした。
その数年後にも家の駐車場で、おでこを激しく打っている。
これらの頭部打撲以降、あの歯科医院での中途半端な仰向けで静止するのが、とても辛いのである。あの姿勢に限り、じっとしておれなくなる。あるいは昔、野球やボクシングの練習をやりすぎたためか、右肩がひどく落ちて、明らかな頚椎のズレが素人目にも分かる頚椎症も絡んでいるかもしれない。
日頃の生活にはまったく支障がないのに、あの歯科医院での姿勢だけは、耐えられない。あらゆる面で度胸の良い方だと自画自賛するものであるが、ここ二十年近く、歯科医院での治療だけは、耐えられないのである。
抜歯すべき状態の歯をかかえたまま、漢方薬でごまかしているのが多分、影響しているのだろうと愚妻に指摘されて、もしかするとそうかも知れないと考えている。
と、話が自分の弱点を告白することになったが、さらに本業の漢方相談の不得意分野を言えば、真正の鬱病は比較的得意だが、リストカットの人たちにはどうも相性が会わないのか、根掘り葉掘りの探偵的なヒゲジジイの質問には腹を立てられて、仕舞いには脅迫めいた居直りをされたこともあるので、不得意分野と諦めて、リストカットされる人の御相談は、どんな理由があろうともお断りすることにしている。
もちろん及び腰のご相談は、全面的にお断りしているのはいつも述べている通りだが、例外的に過去にご縁のあった人の御相談の場合、あまりにも漢方薬では簡単な問題と分かりきっているような内容であれば、多少とも命に関わる問題でもあればなおさら、もどかしく歯がゆくなって、多少強引に叱ったりイヤミを言ってまでも、お節介をしてしまうこともある。
その実例が、漢方薬・漢方専門薬局薬剤師の憂鬱:「シャックリの漢方薬:呉茱○茰湯(ゴシュユトウ)証の状況証拠?」の後日談
これだけのことをしても、感謝の一言もないケースだってあるのだが、及び腰の相談でも、話を訊けば、漢方の他には治療方法がないだろうと思うと、無視することが出来なくなるのである。
だから、入院中の患者さん、とりわけ末期のガン患者さんなどで生じやすいシャックリの問題では、柿の蔕や芍薬甘草湯が有効とは限らないので、点滴などによる寒邪犯胃、あるいは肝寒犯胃に適応するゴシュユトウこそ、医療用漢方で大いに使用されるべきであるから、老婆心ながら追記しておいたところである。
医療用漢方レベルでも十分にシャックリ程度は、証に応じてゴシュユトウなどの、やや特殊な方剤で止めることが可能なのである。
三十数年間の仕事で、入院中の末期患者さんのシャックリが止まらないのに、医師に柿の蔕を買ってくるように言われた御家族が、結局は柿の蔕では止まらずに、懇願されて渡したゴシュユトウで、一発でシャックリを止めたケースは、相当な数にのぼる。
しかしながら、あれだけ医療用漢方がテレビ宣伝される時代なのだから、シャックリの漢方薬の一つにゴシュユトウがあることくらい知っていてもらいたものだ。
そうすればこちらとて、イチイチ怪訝がられるのを我慢してまでゴシュユトウを販売する必要がなくなるのだから。
ともあれ、電話でのお問合せに、最低限のマナーすら守れない人々のようなケースは、ったく問題外ですよ。
このような最低限のマナーすら守れない人の御相談に乗るつもりはまったくありませんね。このような方達が、どのような遠方から来られようとも、断じてお断りしますからね。
2006年09月10日
ヤリガイのある仕事ばかりでなく、稀には歯痒い使命感から強引にやってしまう仕事もあるのだった
posted by ヒゲジジイ at 02:21| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ
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