2006年09月07日

猪苓湯(滑石茯苓湯)の有用性について

性別 : 男性
年齢 : 30歳〜39歳
ご職業 : 自営業
簡単なご住所 : 関東方面
具体的な御職業 : 漢方販売
お問い合わせ内容 : 以前もメールさせていただきました。その節は本当にありがとうございました。
 今回はお礼を言わせていただきます。

 先生のお書きになっている アトピー性皮膚炎について読んだところ 弁証によって湿熱に猪苓湯を使うと効果があるというのを読みとても考えさせられました。
 あるアトピー性皮膚炎の方に 血熱と湿熱があると判断し 涼血清営顆粒と竜胆瀉肝湯を処方していたところ芳しくなく 逆に食欲不振が起こるということで 補気剤を加えるか思案していましたところ 『猪苓湯!!!』を思い出し 早速涼血+猪苓湯を服用していただいたところ なんとすぐに著効を表し 服用1ヶ月で今までのが嘘のように良くなってしまいました。

 本当にまだ未熟なもので 漢方薬の配合の妙には驚かされる事が多いものです・・・勝手ですが これからも 本気で村田先生のHPで勉強させてもらいます。
 頑張って下さい それでは失礼します。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復
 大変貴重な御報告を賜り、ありがとうございます。

 小生の「少陽三焦」に対する滑石茯苓湯(猪苓湯)理論、
http://murata-kanpo.ftw.jp/u21390.html

をますます補強と証明を支える御経験であることと、嬉しい限りです!

 早速、当方のブログ http://murata-kanpo.seesaa.net/ に転載させて頂きたいと存じます。

蛇足ながら、村田漢方堂薬局の繁用方剤としては、アトピー性皮膚炎に限らず、広い分野で猪苓湯を使用する機会が多く、少陽三焦理論に沿って、近年、インチンコウトウも広範囲な領域で応用する機会がとても多くなっています。

 また、猪苓湯製剤の場合、製造メーカーによって優劣が激しく、利尿系を主目的とする場合は阿膠が邪魔になることが多いのですが、アトピー性皮膚炎の場合は、明らかに滋陰利水の目的から、阿膠がしっかり配合された製剤が有利な場合があるなど、各社それぞれの猪苓湯製剤の特長を活かした使用方法に、やや神経質過ぎるほど気を使っています。
 
 以上、取り急ぎ、お礼まで。
                         頓首

村田漢方堂薬局 村田恭介


折り返し頂いたメール:お返事の方ありがとうございました。『猪苓湯』の使い方 まだまだ奧が深そうです。じっくり勉強して自分の物にしたいと思っています。これからもご指導のほうよろしくお願いします。


編集後記: アトピー性皮膚炎関連のサイト
漢方と漢方薬専門のヒゲ薬剤師:アトピー性皮膚炎研究変遷史

漢方と漢方薬のヒゲ薬剤師:中医漢方薬学論にもとづくアトピー性皮膚炎の研究変遷史

posted by ヒゲジジイ at 13:19| 山口 ☁| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする