2006年08月11日

神経型ベーチェット病による複視

男性
年齢 : 30歳〜39歳
お問い合わせ内容 : ベーチェット病と診断され、5年ほど経った今年3月前、神経型ベーチェット病が発病しました。

 主に眼症状が現れ、複視の状態です。

 医者では慣れるしかないという判断ですが、漢方である程度は改善できる症例はありますか?可能性はありますか?


お返事メール: 拝復

 「可能性」という表現であれば、複視の改善は漢方によってあり得ます。難病指定とは言え、基礎疾患がかなり特定されている場合は、中医学に堪能な医師で、しかも眼科を専門とされる医師が最も理想です。
 中医学には「中医眼科学」があるくらいですから・・・・。

 但し、日本は中国と違って、眼科専門医師で中医学に堪能という先生は稀かもしれません?
 次善の策としては、そちらは都会地だけに、捜せばきっと中医学に堪能な医師あるいは漢方薬局の薬剤師がおられることと思いますので、そちらの地元で10日毎に通い詰めるつもりで、綿密・詳細な弁証論治を行ってもらい、根気と忍耐・不屈の精神で頑張れば、可能性があるということであり、絶対に改善できるという保障があるわけではありません。

 眼科的に詳細な診断も大いに参考にするのが中医眼科学の鉄則でもありますので、正しい診断を常に参考にしつつ、慎重で繊細な配慮によって適切な漢方薬の配合を工夫して下さる先生にめぐり合わないことには・・・・、まずそれが第一関門です。

 やはり賭けになる部分があると思いますが、漢方と漢方薬の世界では、西洋医学で困難な疾患や自覚症状が、適切な漢方薬によって緩解するケースは、それこそ日常茶飯事でもありますので、漢方に賭けてみる価値は大いにあると思います。
 たとえば、万一目的の複視に対する効果が不十分であっても、基礎疾患がかなり緩解するなど、多くの場合はお互いに苦労し甲斐があるもののように思います。

 もしも漢方にしばらく賭けてみようと思われた場合は、ベーチェットおよび眼科症状には微妙な部分がありますので、必ずお近くの通える範囲で、たっぷりと時間をかけて下さる先生のところを選ぶ必要があると思います。
 
 以上、簡単ながらお返事まで。
                                                              頓首

posted by ヒゲジジイ at 12:59| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする