2006年06月04日

悪性リンパ腫による腹水

お問い合わせ内容 : お世話になります。検索サイトで、貴HPを拝見しました。父(81歳)についてです。今年の2月に悪性リンパ腫と診断され、そのときに、医師より余命1ヶ月と言われました。幸いにも、父は現在痛みや熱などの症状もなく、まだ頑張っています。

 持病は前立腺肥大(普通の人の6倍程度)、拡張型心筋症(20%しか動いていないそうです。)。腎臓機能の低下があり、悪性リンパ腫の治療は全くできずに在宅ホスピスで、家族で看ています。
 心臓が悪いため、どんな治療も不可能と言われました。現在、白血球は25万を超えています。異常な数値ですが、本人は毎日笑顔で話ができます。
 リンパ腫からの症状は、・身体がだるい ・足がだるい ・食欲がない くらいです。医師も驚くほどの生命力で頑張っています。

 腹水がかなり溜まっていて、腹囲は99センチ。ほとんどカチカチの状態です。
 食べることが好きな人なので、できればできるだけ長く好きなものを少しでも食べさせてあげたいと思っていますが、さすがに最近食欲もなくなってきました。
 本人は少し痴ほうがあるので、腹水による圧迫感等は感じていないようです。
 ただ、食欲が日に日に落ちていっていると言う状況です。現在は、利尿剤をかなりの量で使用していますが、もうこれ以上は増やせないだろうとの医師の話です。腹水を抜くこともかなりの危険を伴うとのことです。

 何か西洋医学以外で私たちにできることがないかと思い、漢方にたどり着きました。私たち家族は、腹水を少しでも取って上げられたらと思っているのですが、本人には余命、病名の告知をしていないため、無理に飲ませることはできないかなとも思っています。
 難しい状況ですみません。
 副作用が全くなく、腹水が少しでも減るような漢方薬はありますでしょうか。
 また、それは、やはり苦いものでしょうか?
 かなりの量を飲まなければ効果はありませんか?

 インターネット等でさがしていると、小豆や鳩麦が腹水に効くという情報等もあり、あまりの情報の多さに少々戸惑っているところです。
 しかし、あまり時間がありません。お電話でお尋ねしようかと思いました
が、日曜日ですのでお問い合わせフォームにてお尋ねさせていただきました。
 お忙しいところ恐れ入りますが、お返事いただけると助かります。よろしくお願いいたします。


ヒゲ薬剤師:拝復

 小豆や鳩麦で腹水とは、そう簡単にいくものではないと存じます。

 とてもデリケートな状態のようですが、アドバイスできるとしたら、
補気建中湯(ほきけんちゅうとう)という漢方処方です。

 味や飲みにくさまでは個人の感覚の相違がありますので、何ともお答えできません。

 といってもこのアドバイスもあくまでヒントとして差し上げるのみで、当方では作って差し上げるほどの責任は持てません。
(当方では、代理のお問合せやネット上での通販などは一切行っておりませんので、悪しからず御了承下さい。)

 必ず、お近くの漢方専門の医師、または漢方薬局などで、よくご相談してみてください。
 漢方の専門家であれば、常識的な漢方処方ですので、知らない先生はいないはずです。

 大変な状態のようですが、81歳と高齢なことも考えますと、補気建中湯なら無難だと思いますが、あくまで類推に過ぎません。

 ネットでの情報量の多さに戸惑われておられますが、深いところの知識や経験というものを、すべてネット上に公開しているとは限りません。(たまたま補気建中湯は、小生の関連ブログで公開していますが・・・)

 重ねて申しますが、必ず地元の専門家と御相談下さいませ。

 以上、簡単ながらお返事まで。

ヒゲ薬剤師

肺癌の患者さんをサポートする漢方処方についてのお問合せ

簡単なご住所 : ●●県
お問い合わせ内容: 私の父(五十代後半)が肺癌のため、余命長くないもしかしたら三ヶ月程度かもしれないと診断を受けました。
 父は、仕事が好きで、手術や抗ガン剤を受けるときっとフラフラになって仕事ができなくなってしまうだろうと判断し、自然に任せることにしたようです。
 でも、日に日に弱っていく父を見て、私は耐え切れません。息苦しそうで、ハーハー言っており、筋肉が痛むようです。父は、典型的な虚のタイプです。
 非常にやせており、貧血もあり、未熟児で、生まれた時から体が弱く、喘息ももっています。
 癌治療に漢方薬が見直されていると言う記事を読み、先生にお尋ねしたく思いました。
 よく記事で目にするのは、補中益気湯、十全大補湯なのですが、どちらを飲ませるべきなのか悩んでいます。この二つはどのような違いがあるのでしょうか?
 また、こういうのも追加して飲むと効果があるなどありましたら教えていただけませんでしょうか。
 お忙しいとは思いますが、どうかお力をくださいませんでしょうか。


ヒゲ薬剤師からのお返事メール:当方では手術不能の地元の肺がん患者(60代)さんで、某新聞社に紹介されて御相談に来られた方に、適切な漢方薬類を併用してもらいながら、病院では抗癌剤や放射線を適宜おこなってもらったところ、副作用なども余り出ず、ほぼ肺がんは消退してしまいました。
 「悪がたまり」した?ということで、定期的に病院で観察しながら3年経過したところで、漢方薬類も飽きがきて、中止したところ、その二年後には、転移ではなく、新たに胃癌が出来ました。
 この胃癌は手術可能だったので、切除しましたが、こんどは心を入れなおして一生漢方薬類を続けるつもりだということで、胃癌切除後2年経過していますが、今のところ全く順調です。

 とても不思議なことは、癌の大きさと位置の関係で手術不能だった肺がんは、抗癌剤や放射線治療および漢方薬類のサポートで、「悪がたまり」しているとて、何とも非科学的な表現をされる患者さんなのですが、確かに当方に相談に見えられるようになってから7年以上経過していますが、肺がんは暴れることも、転移することもなく、順調に経過しているのです。

 また、もっと若い人の40代の手術不能の肺がんの方も、病院における適切な抗癌剤や放射線に漢方薬類の併用により、四年以上、順調な経過を辿っている例もあるのです。

 ですから、貴女のお父様の場合も、もしも手術が出来ない場合でも、抗癌剤や放射線を適宜受けられ、同時に漢方薬類の併用も考慮すべきではないでしょうか?

 おたづねの漢方処方につきましては、弁証論治という精度の高いピンと合わせを行うべきですので、一概にここで処方を述べることは出来ません。
必ずそちらの地元近くで通える範囲内で、詳細・綿密な御相談とともに適切な漢方薬をアドバイス・販売交付してもらえる漢方専門薬局か、あるいは真に深く漢方を研究されている医師がおられたら、そのような専門家に見てもらいながら、適切な漢方薬類をもとめるべきです。

 西洋医学治療をすべて拒否するのはもったいないことだと存じます。

 以上、簡単ながらお返事まで。

頓首
posted by ヒゲジジイ at 12:20| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする