小青竜湯と麦門冬湯のどちらでも良いと医師に言われながら出された小青竜湯に疑問をお持ちの親御さんからのお問合せの続き
折り返しのメール:村田先生
さっそくのお返事、ありがとうございます。
今朝からは、下の子が熱を出して、タン絡みのセキをし始めましたのでさて、どうしたものかと思案しておりました。
専門薬局を探して、今日はかかってみたいと思います。
とりいそぎ、お礼まで。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:
急性疾患の場合は、漢方薬の場合は相当な経験と知識が必要ですので、漢方治療ばかりに拘らず、信頼の置ける西洋医学の小児科にかかった方が無難だと存じます。
アドバイスする必要のないことかも知れませんが、念のためお伝えする次第です。
不悉
折り返しのお返事:村田先生
ブログを拝見しましたところ、本当にご多忙でいらっしゃるにも関わらず
こまめにお返事、アドバイスいただきましてそのお心のあたたかさに、目頭があつくなります。
本当にありがとうございます。
> 急性疾患の場合は、漢方薬の場合は相当な経験と知識が必要ですので、
> 漢方治療ばかりに拘らず、信頼の置ける西洋医学の小児科にかかった方が
> 無難だと存じます。
結局、下の子の熱も37.4度あたりで落着いておりましたので雨の中を連れまわすよりも、養生が基本と思いなおし、上の子も一緒に、ゆっくり休養させました。
今はまだ初期なので、重くなれば、かかりつけの小児科へ行きます。
上の子は「小青竜湯」がおいしい、タンが出やすくなるといって飲みたがっています。様子を観察しながら、今日も服用しました。
二人ともぐっすり眠ったので、先生のブログを勉強させてもらいました。
「葛根湯はごく初期にしか効かないこと」や「1日の内にも処方を変えること」など、とても興味をひかれました。
上の子の声がかすれた朝、「ああ、もう少し水気があればタンが出るのに」と思い鼻が詰まったときにも「もう少し、潤っていれば楽に出てくるのに」と思いました。
なすすべもなく、梅生番茶を入れたり、レンコンを料理したりしましたが
こんなときに、病を追いかけて手当てしてあげられるのが漢方薬なのでしょうか。
村田先生のところの常連さんたちが、心から羨ましいです。
でもそれだって、長い時間をかけて築きあげた信頼あってこそ…とのことなので私も、小児科でお世話になりつつ、まずは先生探しから始めようと思います。
先生のおかげで、お医者さんをよく見極めることの大切さを知ることができました。
本当にありがとうございました。
◎◎◎◎
これは余談ですが、自分と子どもの舌をちょくちょく見るようにもなりました。
舌って本当に表情が変わるものだなーと驚いています。
ヒゲ薬剤師のお返事メール:しっかりしたお母様だろうな〜〜と拝察申し上げているところです。
とても有益な御質問(小青竜湯と麦門冬湯問題)を頂き、
当方のブログ:http://murata-kanpo.seesaa.net/ に僭越ながら往復メールを掲載させて頂きました。
皆様の御質問に、非力ながらこちらでお答えできる範囲内で、お返事していますが、漢方薬というものは、世間で思われるほど、安易でもなく、簡単なものでもなく、奥深くとても高度な「構造主義科学」を形成している世界です。
実際のところ、理論の複雑性と論理性から言えば、マクロ的に言えば西洋医学を理解するよりも遥かに困難が多いものです。
それだけに、というか、それだからこそ、臨機応変に適切に使用すれば、西洋医学でも困難な疾患などに対しても相当なレベルで解決がはかれることが多いものです。
ですから、必要な部分は当然西洋医学的な診断や治療を受けながら、もしもそれだけでは不十分だったり無効であったりする場合には、漢方と漢方薬に頼るのはとても賢明なことだと思います。
そしてもしも漢方と漢方薬の必要性を感じられる場合は、臨機応変の対応を得る為にも、なるべくお近くの専門家を見つけ、(非力かなと思える先生だった場合でも、)患者さんのほうがその先生を育てるくらいのおつもりでお付き合いすると、長期的に見て子供さんの体質改善が図れるものと思います。
たとえば、現在、折に触れて使用されている小建中湯が適切かどうか、その場合でも、ずっと使用すべきか、あるいは季節的に処方を変化させるべきか、など、細かいアドバイスを受けられることと存じます。
また、たとえば小青竜湯や麦門冬湯の問題にしても、まれには一人の体質で、その両極端の方剤を、時期によって小青竜湯だったり麦門冬湯だったりというように、変化しやすい体質の人もあったりという風ですから。
お子様のご病気が一日も早く改善されることをお祈り申し上げます。
頓首
2006年05月03日
昨日の続き:小青竜湯と麦門冬湯問題
posted by ヒゲジジイ at 02:02| 山口 ☀| 小青竜湯と麦門冬湯の違い
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