2006年05月31日

「中医学と漢方医学」という拙論

 調べものがあって久しぶりに故張瓏英先生(京大医学部出身)の御高著『臨床中医学概論』を開くと、パラリと落ちてきたのが1989年1月号の『和漢薬』誌だった。
 その巻頭に拙論『中医学と漢方医学』が掲載されている。

 ホンの少しだけ読んで見ると意外に新鮮。
 医師・薬剤師ばかりを対象とした専門誌であるはずだが、この内容なら一般の人にも十分意味が分る書き方をしているものと、我ながら他人の文章をはじめて読んだ時みたいに感心している。
 さもありなん、読み直すのも少なくとも十年以上はなろうし、執筆当時からは既に十七年を経ているのだから。

 というところで、これをホームページに転載するか、本ブログに転載するか迷ったところで夜中の二時を過ぎた。
 明け方四時半頃にはサッカー日本代表がドイツと練習試合をするらしいので、それを見るまで起きていたら、もう二度と明日は訪れないかもしれない。

 どうも、くだらんことで思案ばかりしているね。そろそろ老人ボケかモバQ

 ともあれ、昨今、昔の拙稿ばかりを取り出して活字を埋めるほど枯渇してしまったということかexclamation&question  まさか〜〜〜〜どんっ(衝撃)ダッシュ(走り出すさま)


追記
 サッカー、独逸戦は二時半に就寝して五時半に起床、前半の終わり頃から観戦できた。結果は2対2で、十分善戦と言える。

 なお、上記の「中医学と漢方医学」は、リンクしているところへ投入することにしたが、フロッピーに保存が無かったので、『和漢薬』誌の現物を見ながら写すことになったので、完成するまでには大分時間がかかりそう。
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2006年05月29日

漢方、生薬による、メタボリックシンドロームの改善または予防で使用される方剤と予後について

医療・福祉関係
ご質問メール : 漢方、生薬による、メタボリックシンドロームの改善または予防で使用される方剤と予後を教えてください。


お返事メール:拝復

 漢方は西洋医学とは異なり、人間様の共通性よりもそれぞれの特殊性を重視しますので、一概に言えるものではありません。

 西洋医学で注目されだしたからと言って、防風通聖散が適応するなど様々言われていますが、そんな一般化した方剤で対処できるものではないと思います。
 あくまでその人その人に正確な弁証論治に基づいて使用すべきであり、そうでなければ効果を発揮出来るものではありません。

 そんなことよりも、この長く続く飽食の習慣を止めるのが一番の予防ではないでしょうか?

 当方の薬局では、この問題で相談に来られる人があったら、まず「食べるのを止めよ」と言って、漢方薬は一切奨めないことでしょう。

 もちろん、本気で体質改善の意欲と熱意があって、是非にと懇願されれば、まずは食事制限と共に、弁証論治に基づいた方剤をアドバイスすることでしょう。

 中医学的にはおそらく血瘀○(けつお)の問題のみならず湿濁・痰濁・湿熱・痰熱の問題がかなり絡んでくるものと想像します。

 しかしながらどのようなご相談であれ、当方では西洋医学で治りが悪い、あるいは治らないというような段階でないと御相談に乗ることは稀ですので、シンドロームの段階では扱うことは滅多に無く、大事になって以後の漢方相談ばかりですよ。

 予防となれば食事制限以外にも、規則正しい生活と適度な運動などというのは、言わずと知れたことなので、そんな常識的なことをここで述べてもしようがないことと思います。

 結論として、「痰濁や湿熱と血瘀○(けつお)の問題が絡むであろう」ということですが、それぞれの体質上の個別性というものを正確に弁証分析して方剤を考えなければならないのですから、一般論としてこの方剤です、などと単純化は決して出来ないということです。

以上、簡単ながらお返事まで。

頓首
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2006年05月26日

中医学と日本漢方の接点としてのエキス剤

 タイトルの「中医学と日本漢方の接点としてのエキス剤」は1990年9月発行の季刊『中医臨床』誌(通巻42号)に発表した拙論である。
 これを土台に大幅に加筆修正して昨年、漢方薬専門・漢方相談/村田漢方堂薬局に、

漢方医学発展への道 (中医学と日本漢方)異病同治の日本漢方と、同病異治の中医学を合体した『中医漢方薬学』

 として公開している。
 しかしながら元版も捨てがたいところがあるので、本ブログに公開する。

 6月中旬になって過去の拙論を集大成する目的のサイト

漢方薬は漢方医学に中医学理論を導入した中医漢方薬学

 を開設したので上記拙論を移転することとなり、現在は

中医学と日本漢方の接点としてのエキス剤

 で公開している。
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2006年05月25日

昨日の続き(大黄牡丹皮湯の通信販売?)

昨日のブログ の続き

折り返しのお返事:村田様

 お返事ありがとうございます。
 昨日は1日出かけており、お礼が遅れ失礼しました。

 本当は処方してくれた医院に行ってお薬を替えてもらうとかした方が良いのでしょうが、今までの経験からするとなかなか上手く行く例は少ないかなと思います。

 村田様がアドバイス下さいました大黄牡丹皮湯または腸癰湯が出てくる可能性はゼロに近いと思います。

 3週間分のお薬を出された時点でちょっと不安でした。

 やはり、おっしゃいますように1週間から10日位で微妙に体質といいますか、薬の効き方が変わってくるように感じます。

 インターネットで上記のお薬について調べてみました。
 昔から便秘気味で、右の下腹部がいつも痛いような重いような感じがしていました。
 アトピーの悪化も腸の状態に関係しているのではないかと思うこともしばしばありました。
 ですから是非試してみたいと思います。

 それでご相談ですが、いつも相談するばかりで、村田様には1銭にもならないのは失礼かと思いますが、大黄牡丹皮湯を通信販売で売ってくださいというのはやはり無理なことでしょうか?

 やはり村田様の真意に反することになってしまいますでしょうか?

 本当にいつも相談ばかりで、しかも親身に回答してくださり感謝の念で一杯なのですがそれを表す方法が、そちらに伺うのが一番なのでしょうが、なかなか自由にならない身でどうしたものかと思っております。

どうぞご一考くださいませ。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

 お返事は急いでされる必要はありませんよ。
 こちらもブログに使わせてもらっているのですから、お互い様です。

 ところで、大黄牡丹皮湯についてのアドバイスはあくまでヒントですので、必ずそちらの専門の先生と御相談の上で使用して欲しいと思います。

 直接お会いして相談を受けたのと異なり、メールでのアドバイスはどうしても不確かな部分もありますので、あくまで一つのヒントとして受け取って欲しいと思います。

 桂枝茯苓丸や大黄牡丹皮湯あるいは腸癰湯のいずれにも「桃仁」というシアンが含まれた生薬が配合されていますので、決して二重に服用してはならない方剤同士です。

 それら専門的な諸注意など、いま罹られている先生に御相談の上、桂枝茯苓丸を一旦中止して、そのかわりに大黄牡丹皮湯を竜胆瀉肝湯と併用してみるなど、主治医と相談されるのが一番です。

 まだ安定した効果が確認できないときから、3週間も同一方剤を投与される感性は、当方の神経質なやり方では、やや理解にくるしむところです。

 しっかりピントがあうまでは、やはり一週間から10日くらいで臨機応変に方剤を切り替えなければ、やや重症に近いアトピー性皮膚炎では、対処しにくいのではないかと存じます。

 そのまま調子が悪いのなら、残りの漢方薬は犠牲にするつもりで、主治医に腹を割って御相談されてみられてはいかがでしょうか?

 当方では、直接お会いしてじっくり時間をかけて御相談したわけでもないのに、漢方薬を通信販売するわけにはいかないのです。(大変恐縮ながら、無責任な販売はできないということです。)

 このお返事も、あくまでヒント程度に思われ、現在服用中の方剤が思わしく無い場合は、やはり早めに主治医に御相談されることが一番です。

 なお、重ねて書きますが、お返事は気になさらないで下さい。
 ブログに掲載させて頂くことで、アトピーで悩まれている多くの方の参考になると思い、その点ではお互い様ですので。

 また、困った時にはいつでもお便り下さいませ。(僅かなヒント程度にしかならないかもしれませんが・・・・)

頓首


編集後記:医薬品である漢方薬のネット販売をしない理由当局も自粛を促しているネット通販(具体的な漢方薬類を陳列・掲載したお誘い販売)や電話相談あるいはメール相談のみによる販売のあやふやさ
posted by ヒゲジジイ at 18:25| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2006年05月24日

保険漢方による竜胆瀉肝湯に桂枝茯苓丸各エキス剤にして一時好転しかけていたがまた悪化し始めたという女性に対するお返事

 5月20日の5月15日の続き:アトピー性皮膚炎の方からのお返事メールの続きである。

 昨日、この方からメールで上記の報告のように一事好転しかかっていたが再び悪化しているという落胆のメールを頂いていたので、すかさず下記のお返事をメールで送信したつもりが、借りている某Webメールが一時使用不能となってしまい、その文面の詳細も再確認することも出来ず、お相手のメールアドレスも現状では確認もできないために、送信手段を断たれている状態なので、急遽下記に当方からのお返事だけを転載する。(幸いにこういう事故にそなえて当方からのお返事内容をコピーしておいてよかった。)

追記:ようやくWebメールが使用可能になったので・・・・

先方様からのメール: 悪化しています

村田様

 先日、桂枝茯苓丸を飲んで調子が良くなったとご報告したばかりですが、今は悪化しています。
 皮膚が乾燥している感じはしていましたが、それが痛痒くなり、今は赤く細かいブツブツが出てきています。表面が熱い感じです。

 温清飲のときもこんな感じでした。ただ温清飲は表面が潤うようで、桂枝茯苓丸は乾いている感じです。

 やっぱり一筋縄ではいかないのです。

 村田様のお世話になることもあるかと思います。
 その節は宜しくお願いします。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

 桂枝茯苓丸で一時良かったのが逆に悪化しているのは、最も考えられる原因は、処方中の桂枝の温散の性質が災いしている可能性が高いと思います。
それゆえ、このような場合は、すかさず桂枝の含まない「腸ヨウ湯(ちょうようとう)」か、あるいは「大黄牡丹皮湯(←もしも便秘気味なら)」に切り替える臨機応変さが欲しいものです。

 弁証論治にもとづくアトピー性皮膚炎の治療は、とても厳密なものですから、やはり一週間から10日くらいで臨機応変にピントを合わせる努力をしないと、なかなかピントが合わない場合がありますよ。

 折々に主治医にご相談されて、根拠のある配合を試行錯誤を繰り返しながら頑張る以外に仕方がないでしょう。

 アトピー性皮膚炎はT型およびW型アレルギーが関与しているとの西洋医学的観点による中西医結合的な配慮も必要でしょう。

 成人のアトピーでこれまで当方で御相談を受けた事例のほとんどは各医療機関や漢方療法によってもこじれまくってしまった状態ですが、多くは比較的順調に改善されていくものの、最初の数ヶ月は効果が安定しないで、微調整に手間取ることもあるのです。

 県内や隣県の人の場合は、しっかりピントが合うまで10日毎に通い詰めてもらいますから、比較的早めに効果が安定して来るのです。

 アトピー性皮膚炎はアレルギー関与のとてもデリケートな疾患ですから、隣県などと違ってかなり遠方から来られる人の場合、その後は10日毎にメールや電話での細かな微調整、かなりな神経質さと同時に大胆さも必要で、お互いに繊細でかつ臨機応変の柔軟性も必要とします。

 できるだけそちらで頑張って見て下さい!

 現時点では正確なアドバイスは不可能ですが、上記のように桂枝茯苓丸を腸ヨウ湯に変えることや、インチンコウ湯を加えるなど、まだまだ工夫する余地があるようにも思えます。

頓首
posted by ヒゲジジイ at 10:43| 山口 🌁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2006年05月23日

安定して人気が高いのは「漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記」

 ヒゲ薬剤師君の管理するホームページやブログの中で、もっとも安定してクリック数が多いのが、意外やイガイ、
漢方専門薬剤師による漢方薬方剤漫遊記

 その次が、漢方と漢方薬の真実である。
 ところでタイトルの長ったらしい本ブログは、最近では親サイトの
漢方薬専門・漢方相談/村田漢方堂薬局
を抜いて3番目にクリック数が多くなっている。

 少し前までは本命の村田漢方堂薬局がクリック数が安定してよかったのだが、ある日突然、ヤフー検索で下落してからは一向に振るわない。
 どうして下落したか少し推測がつかないでもないが、憶測に過ぎないから書くのは止めておく。
 難しいことばかり書いてるHPだから、訪問されても素通りされるのがオチだろうが、それにしても漢方薬方剤の漫遊記のブログが最も人気が高いのが不思議るんるん

 ガキのおもちゃと同じで、HPやブログで遊びまくっている感じだが、もうちょっとPageRankが上がるといいなと思っているだけに、常に顔を向けてるのはGoogleさんですけどね。

 ところで、このPageRank(ページランク)って何のことか、知ってますかグッド(上向き矢印)
posted by ヒゲジジイ at 01:54| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2006年05月22日

温熱療法の錯誤

身体を温めすぎて病を悪化させることだって多いよ!  という拙文からの引用。

 昨今、「万病の原因は冷えにある」とでも言うのか、様々な温熱療法がブームになっているようだが、このブームに乗って却って病気を悪化させた人を多々知っている。

 この問題はすでに親サイトの

漢方と漢方薬の真実:2月1日

 で述べているので屋上に屋を重ねる愚はしたくないが、中医学的な整体観の一部を極論してなるべく分かりやすく言えば、

 一人の身体で五臓六腑経絡それぞれの寒熱が異なるのだから、過度に温めすぎると、温めすぎては困る部分に弊害が出て来る可能性が高いということだ。

 言い換えれば、腎系は冷えているが、感染症などによって肺系統が熱化しているような場合、下半身が冷えているからといって過度に温めすぎると、最も過敏でデリケートな肺系統がマスマス化熱して、病状を悪化させるというようなことだ。

 冷えが身体に悪いからと言って、極端な温熱療法に走るとロクナことはない。

 だから中医学方剤、要するに漢方薬方剤は巧みな配合から成り立っており、詳細に分析すれば、ほとんどの方剤が、寒熱併用の生薬から構成されているのは上記の理由によるのだと断言しても、当たらずと言えども遠からずの解釈として十分に成り立ちうる理屈である。

 健康ブームも困ったもので、極端から極端に走り、右だと言えば皆が右に走り、今度は左だといえば、皆が熱に浮かされたように左に走ってしまう。

だから昔から「衆愚」と言われるのだ。

 と些か辛辣だが、遠来の新人さんではもっとも多い関東地区のご相談者の全員が例外なく、これまで治らなかった各医療機関や漢方薬局などで、各種の温め療法を強く奨められていた。

 だから、出されていた漢方処方も温性に偏る傾向が強く、そのために却って炎症を誘発しているケースばかりである。
 外見がひ弱に見えるからと言って、直ぐに日本漢方流の「陰証で虚証」などと分ったような分らないような些か錯誤気味の判断を下して、温補に偏る指示を下されていたということである。

 たとえば冷え症が強いと主張される女性の多くが、決して身体の芯から冷えているわけではなく、気血の運行が悪い為に結果的に末梢血管に温かい血液が流れてくれていないだけ。

 ストレスや欲求不満により肝気鬱結を呈すると、その気滞によって血の流れまで悪くなるという仕組みで、まずはストレスや欲求不満を取り除くのが先決だが、漢方処方としては四逆散(しぎゃくさん)系列の方剤を主軸に、あるいは隠し味として少量使用する必要を認めることが多いということなんですよ。

 漢方の専門家の方たちさえ、この温熱ブームに悪乗りしているとしか思えないアドバイスがあり、却って悪化させて当方に御相談に見えているケースばかりというわけです。

 昨今ブームの温熱療法とやらは、やりすぎると恐〜〜〜いことになる場合もあるんですよどんっ(衝撃)

 蛇足ながら、関東地区の人々は当方から見て、どうみても過度な薄着が目立つんですよexclamation
 真冬でも薄着のやせ我慢をすれば、末梢血管が冷え込んでも当然だが、かといって、身体の芯から冷え込んでるわけでもない。
 だから、もっと冬は厚着をすることですよexclamation×2


 薄着のやせ我慢をしながら、一方では過度な温熱療法に走るなんて、矛盾も甚だしいダッシュ(走り出すさま)ってこってすバッド(下向き矢印)

 ともあれ、人体の五臓六腑四肢百骸は複雑多変で、各臓腑経絡ごとに寒熱の違いがあり、寒熱錯雑証を呈することも珍しくはないので、漢方相談をされる方も受ける側も、かなり冷静・客観的な科学的態度を持って、慎重綿密に焦らずコツコツと、しかも臨機応変の柔軟性を忘れることなく、互いに努力する必要があるということでしょう。
 互いに切磋琢磨するといったような少々ではヘコタレナイ持久力も必要ということです。

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2006年05月21日

中医漢方薬学の理念

 今から十一年前の拙論『中医漢方薬学の理念』を本ブログに掲載したかったのだが、この高性能のシーザーブログさんは、大変残念なことに第二水準レベルの漢字の多くが使用できない。

 そこで急遽別のブログ「白衣を脱いだ漢方と漢方薬のヒゲ薬剤師」に掲載することにした。

中医漢方薬学の理念(上) 『和漢薬』誌500号記念
中医漢方薬学の理念(下) 『和漢薬』誌500号記念

 これからの「中医漢方薬学」 実際の雑誌の表紙は「中医漢方薬学」にある内容と一部重複するが、雑誌記者のインタビューは、当方の言った「痰濁(たんだく)」という説明がどうしても理解されず、日本古方派の先生方が主張される「おけつ」というありきたりな概念を押し通されることに憤った部分など、マスコミ取材の記者における独断と偏見の問題も突っ込んで取上げているので、物見遊山としては面白い記事になっているかもしれない。

 カタグルシイ拙論の中にも現実にあった裏話も暴露しているのだった。
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2006年05月20日

5月15日の続き:アトピー性皮膚炎の方からのお返事メール

2006年05月15日:下関まで直接来局予定の●●さんへの追伸の続き

村田様

 メールのお返事ありがとうございました。

 村田様のメールを読み、あるいはホームページを読み、自分なりにいろいろ考えたりすることもあり、なかなかお返事が出来ませんでした。

 十味敗毒湯は効いているのかいないのか、はっきり言ってよくわかりませんでした。
 水泡のある湿疹があって、その先が白とか黄色とか化膿する可能性があるということで出されていたのだと思いますが、それを改善している気配はありませんでした。

 かゆみの原因になっていたのか、痒いのは生理周期のせいなのか、或いはお天気(ここのところのぐずついたお天気)のせいなのか。
 ちょうど村田様のメールをいただき、十味敗毒湯を中止したタイミングで生理になり、その生理も数ヶ月ぶりに、普通のものだったので、生理不順も加味逍遥散の影響だったのかと改めて確認した次第です。

 生理がくるとぐっとアトピーの症状が楽になります。

 更に、通院している病院で温清飲を飲めないと言うと、桂枝茯苓丸を処方してくれたのですが、それを飲みはじめたら、体に合っているのか、調子が良いのです。
 まず小水の出がよくなり、そのせいか水泡も減ってきて、痒疹が縮んできています。

 生理前はステロイドを塗っても効き目がないのですが、生理後はすっきりするのでそのせいかもしれません。

 それから、漢方薬の治療は、保険が効かなければ2.3万円かかるというのは承知はしています。
 以前飲んでいた薬も1日500円ほど掛かっていました。
 1種類でしたので15000円程でしたが、種類が増えれば金額がかさむというのは頭ではわかっています。
 ただ、毎月のこととなるとだんだん負担になってくるかもしれないとは思いました。

(中略)

・・・・・長期となると苦しくなるかもしれません。

 又、エキス剤ですと、1日3回飲むのが苦しいときもあります。(肉体的に)
煎じ薬でしたら、その辺は個人に合わせて量も調整していただけるのでしょうが。

 今は竜胆しゃ肝湯と桂枝茯苓丸を飲んでいます。
 そんなこんなで、こちらが焦って却って村田様にご迷惑をおかけしてしまうといけませんね。
 これから梅雨・夏と悪化する季節なので、不安でいっぱいなのですが、しばらくは様子を見て、夏休み頃決心しようと思います。
その節にはどうぞよろしくお願いします。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

わざわざ下関に来られなくとも、今の調子で治るかもしれませんよ?!

 というのも、

>>生理がくるとぐっとアトピーの症状が楽になります。

 と書かれていますように、このような体質の方はオケツが多い体質の方ですから、桂枝茯苓丸がフィットするのでしょう!

 ですから、しばらく竜胆瀉肝湯と桂枝茯苓丸で様子をみて、これでも弱ければ、もしかしたら茵チン蒿湯(インチンコウトウ)を加えるくらいのことで、もっと効果が上がるのかも知れませんよ!?

 そのお医者様が漢方に熱心で、よく研究される先生でしたら、今後も治る可能性は十分にあると思います。

 それには患者さんのほうも、貴女のように客観的な観察力があって正直な報告を先生にされたり、あるいは提案をされていけば、保険漢方の続行でも今後の見通しは明るいような気がしますよ!
(ただ、水分の停滞しやすい体質のアトピー患者さんに温清飲を出されのは禁忌の配合ですので、基礎的な部分でやや不安が残りますね。)

 ところで、問題の自費の漢方の世界は、保険がきかない分、経費はかかるものの、自由自在な漢方が使える利点を最大限に活かせるから、病院でもうまくいかないものや、他の漢方薬局でもダメだったというのを解決できるのです。

 それだけに経費的な問題は、どうしても互いに足かせになる場合があるので、決して無理はされない方が良いと思います。

 現実に、ネットで遠方からやって来られた方でも、極めて順調に行きかけているのに、経費の問題で1日2回にしてしまっている人もいるわけですが、今のところさいわい順調に経過しているものの、これは運がいいほうで、多くは1日2回の服用になると、効果が不安定になるものなのです。

 ほとんど目途が付いてから、予防的な段階に入って服用回数を減らすのは構わないにしても、初期からこのようでは、正直言って、こちらの方がやる気が失せてしまうのです。

 だから、当方ではそのような中途半端な仕事はしたくないので、今後もますます多くの方に地元で治すようにアドバイスすることが増えるばかりでしょう。

 正直言って、ネットを通じて来られる方の多くは、当方の綿密で神経質な方法は一部の人しか通用しないことを最近ようやく悟っていますから、それはそれでいいのです。

 もともと当方のHPとブログ類の大目的は、我が愛する日本国のために(笑)、日本漢方に中医学理論を合体させるべきことを専門家に訴えるための方便の一つに過ぎないのですから。
頓首
posted by ヒゲジジイ at 20:11| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

アトピー性皮膚炎と補中益気湯

 平成六年の『和漢薬』誌の新年号の巻頭随筆として依頼されて書いたものの中に、一面的な内容だった『アトピー性皮膚炎の中医漢方薬学療法』(本ブログに「2006年05月13日:壮大?な失敗作:アトピー性皮膚炎の中医漢方薬学療法」として転載しているもの)に対する補足を書いている文章が見つかった。
  アトピー性皮膚炎と補中益気湯

 近年、爆発的に大流行しているこの疾患は、難治性なるがゆえにマスコミに大きく取り上げられ、日本の漢方界でも多様な治療方法が研究発表され続けていますが、漢方や中医学にとっても、決して容易な疾患ではないようです。

 筆者自身も本誌四六一号に『アトピー性皮膚炎の中医漢方薬学療法』と題して、黄連解毒湯と滑石茯苓湯(猪苓湯)や六味丸・三物黄芩湯などの合方に、食餌療法の一環としてウチダのイオン化カルシウム併用による方法を発表させて頂いたところ、各地の先生方から好評を得ることができました。

 ところが、最近は拙論で発表した方剤の組み合わせの範囲内では、十分に解決できないケースが出現しており、新たに補中益気湯や五苓散・辛夷清肺湯などが、配合方剤の一環として重要な位置を占めるようになっています。

 とりわけ、脾や肺の気虚を無視できない病態が増えており、数年前までの「黄連解毒湯+滑石茯苓湯や六味丸」が主体であったのに加えて、「黄連解毒湯+補中益気湯+滑石茯苓湯」のパターンが増加しています。

 前記拙論の発表当時は、補中益気湯類などの脾虚に対する方剤に関心をよせつつも、アトピー性皮膚炎に使用する必然性を認めることができなかったのですが、ここ二年間に爆発的に使用機会が増え続け、これによって当時と同レベルの有効率を、何とか維持しているのが現状です。

 したがって、前記の拙論は一部修正・補足する必要が生じているものの、補中益気湯類がアトピーに応用され得る理論的根拠は、すでに同拙論中に「脾虚について」と題した項目を設けて、ある程度のヒントを述べています。

 このように時代と共にアトピー性皮膚炎に対する経験と考察が深まるにつれて、豊富な手法を次第に習得してゆき、昨今は来局されたアトピー性皮膚炎の皆さんだけがご存知の一大飛躍?をなしとげて、普遍性と個別性をバランスよくミックスした手法を完成しつつある時代を迎えているということです。

 但し、中医学的にかなり正統派的手法であるのは、間違いなく
脾肺病としてのアトピー性皮膚炎
 の拙論です!

 しかしながら、昨今の方法の方が中西医結合的手法も用い、かなり普遍性のある方法を土台として一応の完成をみているわけです。

 実際に現在、服用中の方だけがニンマリとうなずく方法ですよね?!
 但し、保険は一切きかない漢方専門薬局の医薬品が主体ですから、ほどほどの経費はかかります。
posted by ヒゲジジイ at 02:34| 山口 ☁| 漢方薬や中医学の学習方法および懐かしい拙論 | 更新情報をチェックする

2006年05月19日

温経湯を男性に用いる場合はどのような症状があるときでしょうか?

お問い合わせ内容:温経湯は代表的な女性向けの漢方薬で、不妊症や更年期障害に有効であると聞きましたが、男性に用いる場合はどのような症状があるときでしょうか?


ヒゲ薬剤師のお返事メール:前略

 温経湯の中医学的な効能は、衝任虚寒・於血阻滞に対する温経散寒・養血去於(ようけつきょお)です。(本ブログでは旧漢字が使用できないので、詳細は⇒温経湯で!)

 この病機(衝任虚寒・於血阻滞の証候)であれば、男性・女性の区別なく使用できます。

 但し、小生自身の経験では、ご夫婦で手の湿疹で病院治療で不可能だった病名はショウセキノウホウショウだったかどうか、ちょっと記憶は定かではありませんが、拙著「求道と創造の漢方」にも実例を簡単に書いております。
 ご夫婦とも、とりわけご主人の方が、かなり即効だった記憶があります。

 それ以外では、男性に使用した経験はありません。(女性には数知れず!ですが・・・)

 しかしながら、上記の病機を呈する場合は、男性・女性区別なく応用はできます。

 いずれにせよ、中医学あるいは漢方医学においても病名も大切ですが、病名ばかりに拘っていては、漢方と漢方薬の本領が発揮できるものではありません。

(ご質問者のご職業や資格が書かれていませんので、どの程度のレベルに基準を合わせてお答えすべきか難しいのですが、)

病名だけで、漢方処方を選ぶのは間違いのもと、ということです。

不悉
posted by ヒゲジジイ at 16:10| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

通常ならお返事も出さないお問合せの典型的な御質問(実例)

医療・福祉関係の方からの御質問
お問い合わせ内容 :
加工ブシ末、〔三和生薬〕オースギ桂枝加苓述附湯、コタロー九味びん榔湯、の薬効についてお教え下さい。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

 このような基礎的な御質問は、ネットで調べるなり、製造メーカにお尋ねになるなり、あるいは基本図書を購入するか借りるなりしてお調べ下さい。

 なにも小生が貴重な時間を浪費してまでお答えするほどのものではないと存じます。

 悪しからず御了承下さいませ。

頓首

ヒゲ薬剤師
posted by ヒゲジジイ at 12:15| 山口 ☔| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

漢方薬局の漢方薬と病院から出される医療用漢方の違い

 そう言えば、従来からよく電話で訊ねられていたことに、お宅の漢方薬は保険がききますか?という不思議なお問合せである。

 不思議なというのは、医療制度をご存知であれば、保険がきくというからには必ず医師による処方箋が必要なのが常識のはず?だからである。

 でも、このような常識と思われることでも、よくご存じない方もおられるようで、従来からしばしばお電話で問合せのあった「保険がききますか?」という御質問には、「病院ではありませんから一切ききませんよ」というお返事で、アッサリと御質問にお答えして直ぐに電話を終えるのが常であった。

 漢方薬局の漢方薬と、病院で処方される医療用漢方の違いを詳細に述べればキリがないので、的確に答えているブログがあるので、ご紹介する。

漢方薬に保険はききますか、というお問合せ

 医療用漢方と漢方薬局の漢方薬の違いは、保険がきくきかないの違い以外にも保険に適用されている漢方処方と、保険は一切適用されない特殊な処方のバリエーションの豊富さの違いもあり、また、それぞれに特徴があるといえばいえるのであるが、さて、「なんとかとハサミは使いよう」というコトワザ以上の専門的な難しさがあるのも事実である。

 なるべく経費をかけたくなければ、保険漢方に限る。

 しかしなから、それでも効果が不十分である場合は、かなり経費はかかるものの特殊な漢方処方も使用できるので、経費的な覚悟さえあれば、漢方薬局の漢方薬を試して見る価値があるかもしれない。

 但し、安易・お気楽なご相談では、なかなか適切な漢方処方は見つかるものではない。

 たとえば、当方では最近、毎日、新しい人が来られているが、鬱病・鬱病・腎不全・アトピー性皮膚炎と、毎日、新しい方には最低でも二時間はかけて、時には三時間以上も珍しくはない。

 それだけ手間隙かけるから、初回で9割の打率で的中しているのである。
 しかしながら、微調整はその後も続くことになる。
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2006年05月17日

『アトピー性皮膚炎の漢方治療』を読んで

 今回のタイトルは、ちょうど10年前の1996年9月号の『中医臨床』誌に掲載されたヒゲ薬剤師による拙文である。
 アトピー性皮膚炎の漢方治療の目次にあるように、ヒゲ薬剤師自身も参加した専門書ではあるが、当時、編集長に依頼され、読後感を書くことになった。
 内容としては、アトピー性皮膚炎のことよりも、『患者よ、がんと闘うな』などの諸著作によって当時かなり物議を醸した近藤誠氏のことを中心に書いている。
 これには一つ理由があって、ヒゲ薬剤師自身が足に悪性黒色腫(メラノーマ)を疑われるホクロの異変を認め、どの病院で諸検査を行うべきか悩んでいた頃であったという極めて個人的な苦悩の影響もあったようである。
 結局は試験切除によって病理検査の結果はまったくのシロだったものの、外見上の疑わしさから、試験切除前に患部の画像を何枚も撮影されたことで、ますます悪性であることを確信したり・・・・・という裏にはこんな事情の隠された拙論であった。
 長い前置きはこのくらいにして、当時の拙文を以下に全文掲載する。
 後日(6月25日に、アトピー漢方専門サイト
漢方薬によるアトピー性皮膚炎治療薬研究論説集
 を開設したので、そちらに移動した。以下をクリックされたしひらめき

『アトピー性皮膚炎の漢方治療』を読んで

posted by ヒゲジジイ at 22:15| 山口 ☔| 漢方薬や中医学の学習方法および懐かしい拙論 | 更新情報をチェックする

2006年05月15日

下関まで直接来局予定の●●さんへの追伸

昨日の アトピー性皮膚炎の漢方薬(再度の御質問) の続き

●●様

突然ですが、追伸として、数ヶ月前に◎◎からみえた・・・・・・の方が、保険漢方で出されていた4〜5種類の漢方すべてがあっていないので、中止してもらって、当方の漢方にすべて切り替えたところ、幸いに順調に軽快しているものの、計算すれば一か月分の当方の漢方薬代が月によって2〜3万円かかってしまうのに、これでは続けにくいので、薬用量を落として昼は抜かしますとのことで、ちょっと愕然としているところです。

 当方では、(漢方薬局の性質上)もともと保険のきかない漢方ですので、ホームページを開設する前は、皆さんそれくらいの経費は当然のこととして受け入れてくれておりましたが、このようにとても順調な経過を辿っておられる方に、経費の問題を正直に告白されて、些かショックを受けてしまった次第です。

 長年の当方の経費面の感覚が鈍感になっていたようで、●●様にもお伝えしなければならないことは、保険の効かない漢方では様々な自由がきく分、経費的には月額にすればこのような現状だということです。

 もちろん、ピントが合うまでは10日前後で見ていくわけですが、一月分に換算すれば、2〜3万、ときにはそれ以上ということもあり、これまで保険漢方でされていたかたには、そのギャップに驚かれるようですので、●●様も、出来るだけそちらで保険で治せるものなら、そうされたほうが、経費的には大きな違いが出るものと思います。

 同じ◎◎から見えられた人でも、各保険のきかない漢方専門病院まで歴訪されて無駄だった方は、ある程度の経費は当然のこととして受け入れられているようですが、皆様それぞれのご事情がおありでしょうから、その点をお伝えしなければと、本日午前中の◎◎からのお電話で思い出した次第でした。

 以上、大事な経費的な問題もありますので、取り急ぎお伝えする次第です。

頓首



編集後記:問題のアトピー性皮膚炎について、保険漢方で様々努力して頂いても、どうして好転せず、相変わらず悪化して行くようだったら、その時点でやって来られても遅くはないと思うので、上記のようなメールを●●さんにお送りしたのであった。

 ただし、経費的な問題においては上記の通りであるので、そのおつもりで来て頂かないことには、経費をギリギリ切り詰めるような制限があれば、完全に手足を縛られた不自由となるので、その場合はまず思う存分の実力を発揮できないだろうから、多分、遠路はるばる来られる意味が無いと思われるからであった。
posted by ヒゲジジイ at 18:38| 山口 | 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

アトピー性皮膚炎における去風薬配合上の問題点(『中医臨床』誌1993年3月号に発表分)

 文字通りの「拙論」アトピー性皮膚炎における去風薬配合上の問題点(『中医臨床』誌1993年3月号に発表分)は13年前の拙論とて、やはり一面的な記載が目立ち、現在の考えと異なる部分もある。

 ただ、一部に参考価値のあるものも含まれるので、敢えて懐かしい拙論として掲載してみることにした。

 はっきり言える事は、当時はステロイドによる副作用を解除するのに寒涼薬を使用する機会がやけにに多かったということで、わずか十数年足らずで、やや隔世の感がある。

 拙論の中では、最も順当で無難かつ中医学的にも正当性を十分保持出来ているのは、やはり

脾肺病としてのアトピー性皮膚炎

 であるが、昨今は、これに加えて中西医結合的な手法で、栄養学的なミネラル学を応用したものをベースに、上記のような中医学的弁証論治にもとづいた漢方処方を併用することで、有効率100パーセントを走行中である。

posted by ヒゲジジイ at 00:46| 山口 ☀| 漢方薬や中医学の学習方法および懐かしい拙論 | 更新情報をチェックする

2006年05月14日

アトピー性皮膚炎の漢方薬(再度の御質問)

4月23日の21日の続き:アトピー性皮膚炎の漢方薬の御相談 の続き


お問合せ:村田先生

 先日はアトピーの漢方薬に関してご相談に乗っていただきありがとうございました。
 いただきましたアドバイスを生かすべく、近隣の漢方薬局を探したりしておりますが、ピンとくる薬局が見つからず、以前通っていた漢方医のところへ塗り薬と痒み止めを貰うために未だに通っているという感じです。

 漢方薬は十味敗毒湯と竜胆しゃ肝湯を1日2回エキス剤で服用しています。

 5月になって漢方医に行ったときに、漢方薬も処方してもらったのですが、なんとなく今飲んでいる薬のほうがそのときの処方より、効いているような気がして上記の薬を飲んでいます。
 その処方は十味敗毒湯1+猪苓湯1+三物黄ごん湯1/2を1日2回というものです。

 今の症状は、一目見てアトピーとわかる容貌です。特に脚の内腿と腕の内側に痒疹がたくさんできていて、そこがじくじくして痒いというのが主な症状で、竜胆しゃ肝湯は下半身に良いということで、飲んでいるうちに脚の痒疹がだんだん小さくなって来ています。

 上半身に効いているかどうかは判りません。特に首の後ろ側がひどく、夜寝るときにはじくじくしてきます。

 3月位から悪化していて、湿疹が全身に及んでいます。

 ブログに書かれていた先生のアトピーに関する論文を読ませていだだきました。
 素人には難しく、斜め読みの、自分に都合の良い解釈ですが、温清飲に関することはまさにそうだ、と深くうなずいてしまいました。

 表面は乾いていても、皮膚の下は浮腫んでいたりして、その水が行き場が無くて逆流してくるんじゃないかと感じます。
 それで、熱くもないのに汗をたくさんかいたりします。
 それを止めるために、防巳黄ぎ湯や桂枝加黄ぎ湯を処方されたときもあったのですが、飲んですぐは皮膚が乾いて、調子が良いのですが、その水の行くところがなくて皮膚の下に溜まっていて、それを尿として排出するだけの腎臓の機能がないのか、そのうちに再び汗がたくさん出るようになったりします。

 じくじくすることはとても気持ちが悪くて、私にとっては一番避けたい事です。
 それで、尿が増える処方が、自分にあった処方と思う傾向はあると思います。
 私が今まで処方されて、尿が増えたものは消風散と竜胆しゃ肝湯、当帰四逆加ごしゅゆ生姜湯等です。
 猪苓湯は尿が増えたと実感したことはありませんが、他の漢方薬との組み合わせもあるのでしょうか。

五苓散は時には増えて、時には変化なしでした。

 それで、今回の先生の論文を読んで、自分は竜胆しゃ肝湯を飲み続けてもよいのではないかと思ったのですが、当帰と地黄を抜いたものとなると煎じ薬が良いということでしょうか。

 それから胃強というのは胃が強いということでしょうか。
 アトピーの人は大食いが多いといいますが、私も胃は強い方で、健啖家だと思います。
 食べすぎがアトピーの原因ともいうので、少し食欲を抑えるお薬を飲んだ方がよいのではないかと思う位で...。

 私の一方的な思い込みかもしれませんが、先生なら私のアトピーを治していただけるのではないかと、今回痛切に思いました。が、いかがなものでしょうか?

一度も・・もしないで処方してくださいというのは無理だと承知しております。
すぐにそちらへ伺うことも多分できないので1ヶ月が2ヶ月か先になると思いますが、
みていただけますでしょうか?

どうかよろしくお願いします。


ヒゲ薬剤師のお返事:拝復

 ブログに再録した拙論は、当時ステロイドの乱用によるリバウンドなどで、炎症症状の激しい人ばかりを扱っていた関係で、強力な消炎作用のある黄連解毒湯を中心にした考察でしたので、やや偏っています。

 かなり中医学的に正統なやり方は、その後に書いた、

http://www.kanpoyaku.info/hihaibyou.html

 こそが、かなり中医学の正統的なやり方です。
 しかしながら、ここ5年以上はもっと改良を加えた中西医結合的な方法で、個別性のみならず普遍的に、I型アレルギーに高確率で有効な方法を土台に、弁証論治に基づく方剤を加えることでやっていますので、進化し続けているつもりです。
 
 ところで、竜胆瀉肝湯があっているようでしたら、その方剤は基本としてしばらくは続けるべきでしょう。また、地黄や当帰を除去せずに様子をみてもいいと思います。

http://www.kanpoyaku.info/hihaibyou.html

こちらのほうの拙論には、当帰や地黄入りの方剤も必要に応じて使用していますよ。
 むしろ問題は去風薬の配合された十味敗毒湯が合っていないのかも知れませんが、どう思われますか?貴女の実感としては?

 去風薬の配合問題は、十数年前にも拙論があるので、近々にはブログにでも再録しておきたいと思います。(全面的に正しいとは言えないかもしれませんが、かなり一理あることを述べています。)

 貴方はとても観察力がおありですので、あとは舌の状態で、かなり判断がつくかもしれませんよ。

 ところで、当方でも、もっぱら下半身のアトピーが重度であった30前の女性に、同じ竜胆瀉肝湯でも「一貫堂の竜胆瀉肝湯」に猪苓湯や地竜(みみず)あるいは茵チン蒿湯など適宜加えるなどして八割がた略治している人もおられます。

 もしも舌に黄膩苔などがあれば、竜胆瀉肝湯・茵チン蒿湯・猪苓湯、このへんで合いそうにも思いますが、なにせ少ない情報での推理ですから、決してアテにはなりませんよ。

 猪苓湯にしても組み合わせる相棒次第で、効果は大きく左右されます。

 どうも、貴方には十味敗毒湯が怪しい(というのも、ゆえあって小生の大嫌いな方剤ですが、カンジタにはシバシバ効果を発揮します、アトピーに使用するのは問題の多い方剤だと思います。)

 これ等の方法でも無理であれば、やっぱり直接来られないと、いいアドバイスは無理かもしれません。
 やはりあとは舌の状態です。

                             頓首
posted by ヒゲジジイ at 20:14| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2006年05月13日

壮大?な失敗作:アトピー性皮膚炎の中医漢方薬学療法

ウチダ和漢薬発行の『和漢薬』誌1991年10月発表の文字通り拙論(つたないロン!)。

 論点が一面的過ぎるところがあるのが大いなる欠点であるが、一面ではかなり参考価値の高い考察もかなり含まれているので、失敗作とは言え、とても思い出深いものであるが、この拙論だけでアトピー性皮膚炎が解決できるほど甘いものではなかったのだ。

 これに比べれば、
肺脾病としてのアトピー性皮膚炎の方が、遥かに進歩しているので、両者を足して二で割らなければならない!

 下記の拙い論説をすべて鵜呑みにして黄連解毒湯を乱用し過ぎると、氷伏(ひょうふく)を生じることもあり得るので、あくまで一つの考え方として参考にする程度にして頂きたい。もちろん素人療法は禁物である。

 追記:6月25日をもって下記の新しいサイトに移転したので、その「ツタナイ拙論」は下記をクリックすれば到達できる。
 (つたないといっても、適応する場合は意外に劇的効果を示すのである。)

   アトピ−性皮膚炎の中医漢方薬学療法
           
posted by ヒゲジジイ at 01:12| 山口 ☁| 漢方薬や中医学の学習方法および懐かしい拙論 | 更新情報をチェックする

2006年05月12日

アトピーに対する現在の方法と10年前の方法比較

 10年前までのアトピー性皮膚炎の中医漢方薬学療法は、前回の投稿で示したとおり、

    肺脾病としてのアトピー性皮膚炎

 の内容通り、かなり本格的な中医学的な弁証論治を行う綿密さであったが、(実際には当時も汎用していた腎虚の方剤、六味丸系列の方剤を必要とする症例を敢えて省略している)、かなり正統派に近い方法論であったことには違いない。

 ところが、昨今のアトピー性皮膚炎に対する「中医漢方薬学」療法は、中西医結合的な方法論に大変貌を遂げている。
 要するに、村田漢方中西医結合論
 というものを実践している典型例が、T型アレルギーに属するアトピー性皮膚炎や、気管支喘息などとなっている。

 つまり、上記の10年前の純粋中医学的な弁証論治の時代から少し脱却し、さらに普遍性のある能率的な方法にチェンジしているものであるが、それもこれも有効率の点でほぼ百パーセント近い結果を残せるようになっているからという理由にほかならない。
posted by ヒゲジジイ at 10:58| 山口 ☁| 漢方薬や中医学の学習方法および懐かしい拙論 | 更新情報をチェックする

2006年05月10日

アトピー:漢方薬の実際(肺脾病としてのアトピー性皮膚炎)

 5月7日の「アトピー性皮膚炎の漢方治療」にちなんで、当事のワープロ原稿が残っていたので、変換ソフトを使って村田漢方堂薬局のホームページに取り込んでみた。
 (これは後日6月25日に下記に移転。)

肺脾病としてのアトピー性皮膚炎

 変換ソフトで取り込めたパソコンの文書をそのままコピーして公開したが、あとでよくみると一部の重要な漢字が変換できてないものが少数みられたので、後ほど穴埋めしておかねばならない。

 でも、便利なソフトがあるもんですねexclamation
posted by ヒゲジジイ at 19:36| 山口 ☔| 漢方薬や中医学の学習方法および懐かしい拙論 | 更新情報をチェックする