問題なく服用できることを確かめつつ、必要量に増やしていきましょうという約束を最初にしっかりしているはずである。
ところが、最初の少ない量からどうしても増やしてくれない方が時々あって、このためにせっかくの漢方薬も効果がしっかりと発揮できないことも多い。
厚生労働省の認める正規の分量、あるいは必要量に増やすのだからまったく問題ないのであるが、多分経費的な問題でもあるのか、最初のお試し期間の分量から頑として増量しようともしない方がママおられて、内心地団太を踏むことが意外に多いのである。
本日も、どうしてもアドバイスに従わず、最初の少量で効き目が出かかったところで、しばらくそのまま様子をみて、効き目が弱ければ正式な量に増やしましょうという約束だったが、「もう効かない、効かない」と駄々をこねられるのである。
以前も、アトピー性皮膚炎でかなり遠方(近畿地方)から親子で来られた方が、どうしても増量しないのを根気よい女性薬剤師の説得により、数ヶ月経ってようやくアドバイスに従ってくれたところ、急速に軽快して行った。
このような説得に難儀したことはここ数十年、繰り返しであったが、昨今、歳を取ったせいか数ヶ月経ってもアドバイスに従わない方には、それじゃ〜あなたの場合、漢方薬では無理ですねと、はっきりと断言することにしている。
もちろん、正式な量に増やしたからといって急速に軽快するという何の保障もないが、正式な分量でやってもらわないことには、その漢方薬もまだピントにズレがあるのかどうかさえ確かめることが出来ないのである。
こういう当然の理屈が何度もことを分けて説明しても理解できない、あるいは理解しようとされない方もおられるので、こちらのほうが地団太を踏むこともあるというわけである。
つまりは、最初に「アナタは当方の漢方薬には向かない」からとお断りすべき方がどうかを見誤っていたことも確かだ、ということなのだった

まっ、ここに常連さんと一部の新人さんたちとの間に、大きな違いがあるのは止むを得ないことなのかもしれないが。