2006年02月27日

今月二人目のアトピーの子供さんのお母さんからのメール

昨夜、といっても数時間前にメールを頂いた。
前回の投稿分の続きとなる内容で、珍しく今月は子供さんのアトピー性皮膚炎で25日に漢方薬類をお出ししたというそのお子さんのお母さんから通信。


メール:昨日、子供(◎◎)を連れて、ご相談に伺いました母親です。
▲▲▲▲▲共々内服は楽なようで、顔もしかめず一気に飲んでいます。
・・・・・・・・・・・・・。
今日は、外で遊んで汗をかいたはずなのですが、聞いても「痒くない」といいますし、お尻を掻いた形跡がありません。
やっていけそうです。
試させてくださいまして、ありがとうございます。
また、伺います。失礼します。


当方からのお返事:よかったですね。
今後も、あせることなく頑張って下さい。
頓首


要するに、子供さんでも御両親、とりわけお母さんがしっかりされていれば、子供さんも落ち着いて頑張れると言うことだ。
初めての場合でも、稀にはスムーズに漢方相談に応じることも可能になる。
posted by ヒゲジジイ at 00:07| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2006年02月26日

今月は珍しく子供さんのアトピー性皮膚炎で新規に2名!

漢方専門薬局では、子供さんのアトピー性皮膚炎は珍しくもないだろうが、村田漢方堂薬局では原則として、ご両親のどちらかが当方での漢方薬の服用経験が無い限りは、なるべくお断りすることにしている。

ここ10年以上の習慣だが、この奇妙な習慣が定着したのは理由もあって、「安心」という月刊誌だったか、某メーカーの熱心な仲介依頼に断り切れずにインタビューに応じた時にも、原則アトピー性皮膚炎は、成人に限るということを記事本文に入れてもらったほどだ。

ところが、今月は珍しく親御さんとご本人の熱心な依頼に断りきれず(といってもそれくらいの情熱がないと長続きしないし、この情報過多の時代にあれこれと迷われては仕事にならない!)2名の子供さんに漢方薬類をお出しすることになった。

昨日そのお二人目の子供さんの御相談に応じたばかりだが、今月の一人目の方には、短期間ながら既に効果がハッキリと出てきている。

この情報過多の時代に、若い両親がはじめて子供さんのために漢方相談に訪れるとしても、まだまだ多くの情報過多による右顧左眄(うこさべん)の混乱した迷いが付随していることが多いために、多くの時間と労力を強いられる忍耐強いご相談は、ここ10年以上、不可能となっている。

行き場を失って本気で来られる新しい方は、一定期間、当方の漢方薬に賭けるつもりで迷いがないし、常連さんはもちろん、互いの信頼関係があるので、新たな問題点が生じても、辛抱強く当方のアドバイスに従って下さるから、苦労のし甲斐があるが、まだまだ右顧左眄されているような段階の御相談にすべて応じていては、これらの本気の方達に配分すべき大事な時間と労力を削がれてしまうからである。

それでも、タマには子供さんのアトピーではじめて当方に訪れる場合でも、文句なしに一定期間、漢方に頼ってみようと決意が固い場合は、とてもスムーズに適切な漢方薬をお出しできるという結果にもつながるのであった。
posted by ヒゲジジイ at 01:59| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2006年02月24日

不安神経症に対する漢方薬の御相談

お問い合わせ内容 : 平成11年4月から不安神経症(動悸と不安感)を患い1年半の断薬期はありましたが昨年4月腰部脊柱管狭窄症の発症と前後して再発しました。

現在コンスタン0.4を1日1~2錠と香蘇散で凌いでおりますが中途(2時から4時ぐらい)・早朝覚醒、それも動悸と寒気によって起こり起床時まで何回となく繰り返します。朝食後は何故か欝状態で食後に服薬しても10時ごろまで何をする気もおこりません。

友人は桂枝加竜骨牡蠣湯か加味帰脾湯にしたら効果が出ると助言してくれますが専門家でもないので躊躇しております。

ご教示いただければさいわいです。


お返事メール:拝復

漢方薬を選ぶのは、必ず専門家にアドバイスを受けながら使用すべきです。

お近くの漢方専門薬局などに直接行かれて、体質と症状に合った方剤のアドバイスを受けながら使用すべきです。

一度や二度で、ピントの合った漢方薬が見つからなくとも、じっくりと御相談しながら、10日毎くらいに経過を見て、適切な漢方薬を見つけてもらうのが一番の早道です。

漢方薬の選択をご自身の研究やご友人のアドバイスなどでも、まれには適切な方剤が見つかる場合もあるでしょうが、その確率は10分の1くらいのものです。

病状や体質が複雑な場合は、単純な方剤では無理なこともあり、上手な配合が必要な場合も多いものです。

そうなると専門家でないと殆ど不可能です。

以上、簡単ながらお返事まで。

頓首


折り返しお礼のメール:早速のメール,お忙しい中を誠にありがとうございました。

近隣には漢方薬局はありませんので、総合病院の漢方外来でツムラかカネボウの顆粒を投与を受けるほかありません。

ブログなど体調回復(いつのことやら)した暁には見させていただきます。

村田漢方薬店主様 
posted by ヒゲジジイ at 00:55| 山口 | 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2006年02月21日

お電話でいきなり見ず知らずの女性の声で「漢方薬は1日3回飲まないといけないのでしょうか?」との御質問!

タイトルのように、いきなり見ず知らずの方からびっくりするような質問を受けることも多い。

ご本人様は至って真面目なのかもしれないが、突然見ず知らずの方からいきなりこのような質問を受けるのは、些か怪訝である。

どのような漢方薬をどのような目的で出されて服用されているのかも存じ上げないのですから、どうともお返事出来かねます。
漢方薬を頂いたところでお訊ねになるべきではないでしょうか
exclamation

というのが応対に出た女性薬剤師のお返事である。

極めて適切な応答というべきであるひらめきひらめきひらめき
posted by ヒゲジジイ at 17:40| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2006年02月15日

何のためのお問い合わせか?優柔不断なお問い合わせが多いのはなぜか?

本日は、早朝から常連さん方からのご紹介による新人さんが3名連続し、その間にはまだ数回目の御相談の方たちも来られるから、長い間待ってもらうことも続いた。

ようやく終わって昼食時間にはお電話での優柔不断なお問い合わせがあり、このために食事も取れないまま。

電話でのお問い合わせというのも曲者で、時に話し相手欲しさの時間つぶしに使われるいるとしか思われない内容の場合も意外に多い。

薬局店頭に直接訪れて長時間待って下さる方もあるのに、そのような優柔不断な電話相談には、まともにつきあっておれないことも多い。

一番疲労感を覚えるのは、のらりくらりのお問い合わせ電話で、当方に適切な病院や薬局を紹介して欲しい、貴店のHPには紹介すると書いてあったではないかと言うので、当方は当惑して、そんなことが当方のHPに書いてありましたかね???と、逆に問い返して教えを請う始末。

こんな愚痴は本来なら、ブログ

漢方と漢方薬の将来のために

に書くべき内容だが、あのブログは本日は、アガリクス問題で満タンになってしまった。

   アガリクスを置かない薬局として、やや変人扱いされて来たが

漢方と漢方薬の真実サイトもアガリクス問題で忙しい。

      アガリクス問題

ともあれ、お電話によるお問い合わせにしても、お問い合わせフォームによるメール相談にしても、昨今、その方達の服用されている漢方薬の御相談が多く、直接お会いしたわけでもなくても、その内容によっては、どうしてそんな漢方薬を奨められて服用しているのだろう?と思われるような、ちょっと信じられないような、ほとんど誤投与に近い漢方薬が出されていたり、奨められたりしているのを見聞きすることが多いので、ちょっと気分が悪くなることが多いのだった。

日本というのは、まだまだ漢方後進国だな〜〜と思うことが多いんですよ。

おまけに、お電話で御相談をとおっしゃる方には、ややお気軽過ぎる傾向が強いのですよ。

当方ではお気軽なご相談は好みません。

余りにもお気軽る過ぎるご相談というのは、結局のところ、本当に真剣な思いで直接御来局の人達の貴重なお時間を奪っているということも御配慮願いたいものですよ。

もっとも絶句してしまったのは、トンデモナイ漢方処方を挙げられて、これを飲んで見ようと思うのですが、どう思われますか?
などと素人療法は怪我の元を地で行く話しを電話で持ち込む方も後を絶たないのだから、実に困ったものです。

見ず知らずの初めての方が、お電話だけでそうやすやすと適切な漢方処方が選べるものではありませんよ。
posted by ヒゲジジイ at 22:19| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2006年02月11日

休日なのにうっかり薬局を平日のようにオープンしてしまった!

とうとうドジをやってしまったexclamation

これまでも何度か祭日や休日なのに間違って開けかけて、途中で気がつくのが通例だったが、本日はとうとう本当にやってしまったのだったパンチ

とうとう本当に焼きが回ってしまったバッド(下向き矢印)

記事カテゴリを「ちょっとトウヘンボクなヒゲ薬剤師」としているが、新たに「ちょっとピンボケなヒゲ薬剤師」を設けるべきだが、これをやるとますますピンボケが進行してはかなわないから、新たなカテゴリを新設しないことにする。

日本は「言霊(ことだま)」が宿る国だから・・・・・・・時計

あまりにも音沙汰の無い女性薬剤師が、もしかして睡眠中に息を・・・・exclamation&questionと考えると走って隣家に駆け込むと、休日だから朝寝坊だと言って、ヒゲ薬剤師の白衣姿を見るや笑い転げて呼吸困難を来たすほどだった音楽

慌てて白衣を脱いで、薬局のシャッターや入り口を閉める時の恥ずかしかったことモバQ
posted by ヒゲジジイ at 20:02| 山口 ☔| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2006年02月10日

9日午後、ヒゲ薬剤師のパソコンの先生が当直前の時間を利用して御来局

IMG_2.JPG

パソコン操作のことなら何でも知っている先生。

当直の日には立ち寄ってくれることが多い。
posted by ヒゲジジイ at 11:55| 山口 ☁| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

2006年02月07日

昨日のお問い合わせ:大腸癌から腹膜播種による腹水等の続き

村田先生へ

早速にご回答ありがとうございました。

色々なサイトを拝見させていただいたり「求道と創造の漢方」も先日拝読させていただき、いったいどんな生活をされているのか驚きとともに敬服しております。

お忙しいのに申し訳ありませんでした。

母の癌に関しては、これも先日先生ご推薦の「下げたら、あかん!コレステロールと血圧」を読んで、まさにこれだったんだ(@_@;)と後悔したところです。

今更、完治は無理だと思うのですが、できるだけの延命と苦痛がない治療を主治医にお願いしながら、私も勉強していきたいと思っております。

実はまだ、腹水で苦しんでいるという段階でないのですが早めに飲ませることは意味がないでしょうか?

そろそろ今投与中のオキザリプラチンの効果が怪しくなってきており、いきなり進行するのではないか 不安な日々です
(本人はいたって元気に振舞うので、まだ奇跡が起こるような手がないかと考えてしまいます)

ついでにと言っては失礼なのですが、質問させてください。

「●●●●●●」は中国からの▲▲▲▲とは異なる、と言う本を読みまして効果があれば完治の可能性もあると言われたのですが、これは漢方薬なのでしょうか?

ありがちな高価なものと聞いております。

もしお時間があればお答えいただければ幸いです。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

拙著までお目通し下さり、恐縮です。

内容は30歳までの経験談ばかりで、あまりにも未熟すぎるのですが、売れ残ってまだ売られているみたいですね。

ところで、お母上様のご病状、やはり補中益気湯が有効であったのなら、これに五苓散を加えることは、かなり有効な可能性が高いように思います。

前回のメールの往復の内容を、http://murata-kanpo.seesaa.net/article/12891222.html

に掲載させて頂きましたが、あとでフト気がついて、追記として、


このお返事メールをお送りして、フト思いついたのだが、当方で過去扱った腹水の多くは、超末期の癌患者さんたちばかりだったから、補中益気湯合五苓散では間に合わなかっただけかもしれないのだった。その証拠に、肝臓癌の腹水で当方に通える婦人には、分消湯合茵?蒿湯などで、あっさり解決したりしていた。たまたま、虚証ではあるが、超末期にまではなっていないような段階の方は、偶然、あまり遭遇することがなかったということが考えられる。理論的にも、補中益気湯合五苓散がしっかり奏功する時期とタイプがあって当然なのである。


このように記しました。

お母上様のご病状は、当方でしばしば経験した超末期とは違って、大分様子が宜しいので可能性は高いように感じられます。

>「●●●●●●」は中国からの▲▲▲▲とは異なる、と言う本を読みまして

とのことですが、▲▲▲▲は、中国では健康食品としても使用し、漢方薬としても使用しておりますが、日本では完全に食品扱いです。

しかしながら、中国では漢方薬としても使用している関係で、薬性というものが割り出されており、本来は弁証論治に基づいて、その患者さんにとって本当に適切かどうかを確認して使用すべきものです。

>効果があれば完治の可能性もある

と言われたそうですが、小生などは内心思うことがあっても口が裂けても言えない言葉です。

こういうキャッチコピー的な言葉が、世の中には氾濫しています。

本当に良い物なら、宣伝しないでも自然に広がるものでしょう。

世の中には「癌に効く」といわれるものが、五万とあふれていますが、どの患者さんに、どれが本当に有効か、という見分け等を行っての話ではないようで、素人さんが素人さんに向かって宣伝販売するという、「癌ビジネス」として、白い目で見られても 仕方ないひどい実態が横行しています。

アガリクスの治験例捏造例などで逮捕された出版社がいい証拠です。

小生には親しい警察関係の友人が複数いますが、あまりにヒドイペテンが発覚すればいつでも捜査する体制で、常々監視を怠らないというように、健康食品関連の薬事法違反には、当局もかなり敏感になっているようです。

それほど、誇大広告がまかり通っているということのようです。

ですから、何が本当に信用のおける情報かをしっかり吟味して、なるべく適切で有用なものを選択されるべきで、それにはお近くで信頼の置けそうな漢方専門薬局など、有資格者のところで、なるべく一度はご本人様を連れられて御相談なさるのが一番だと思います。

その時々の病状と体質に応じて使用するのが中国医学の基本原則であり、弁証論治の法則でもあります。

ですから、●●●●●●などのように、特定のものに拘る根拠をしっかりして、もしもこれが本当にいいものなら、善は急げでなるべく早急に使用すべきでしょう。

でも、医療というものは、最終的には「賭け」という部分が常に付きまといますので難しいものだと思います。

(一部省略)

以上、まともなお返事になっていませんが、代替医療というものは、すべてが否定されるべきではないし、中には素晴らしいものもあるのは確かのようですので、イカガワシイ物との選別をしっかり調査し、なるべく適切なものを求めて、真の有資格者で信用のおける専門家にご相談されることをお奨めします。

最終的にはどうしてもやはり「賭け」の部分はあるかと存じます。

以上、あまり役に立たないお返事になってしまいましたが、御許し下さいませ。

頓首
posted by ヒゲジジイ at 20:36| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2006年02月06日

大腸癌再発による腹膜播種で腹水の漢方薬

ご職業 : 医療・福祉関係
お問い合わせ内容 : 母のことでご質問します。

大腸癌の再発からすでに腹膜播種で腹水が少したまっておりますが、抗がん剤の効果がない場合3ヶ月と言われながらすでに1年8ヶ月、ひどい副作用がないためずっと抗がん剤投与が続けられています。

主治医にはほとんど相談できないため勝手に補中益気湯エキス剤を飲ませています。

副作用なく抗がん剤投与継続できるのはこのためだと思うのですが、先生のブログで五苓散でも腹水に効果あり、と言うのを拝見しぜひ試してみたいのですが、いかがでしょうか?

実家は◎◎なのでできればそちらに伺ってみたいのですが、予約しないで来店することはできるのでしょうか?

本人の体調など考慮して直ぐに伺えないときは自分で購入してしばらく飲ませてみたいと思っています。

突然の勝手なご相談ですがよろしくお願いいたします。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

きっと、補中益気湯がよく合っているのだと思います。

腹水に関しましては、補中益気湯が合うような方には、理論的には五苓散を加えると、一時的にせよ、腹水が気持ちよく取れることもあり得ます。

当方の常連さんが小生の話を訊いて、知人の末期がんの腹水に奨めてみたところ劇的に効いたという実例があります。

きっとそのブログ(どのブログに書いたのかは、忘れてしまいましたが・・・・・)を御覧になったのでしょうね?

当方での過去の経験では、どうしても理論通りには効いてくれないことが多くて、結局は「補気建中湯(ほきけんちゅうとう)で著効を得ることばかりでした!

ご参考までに、http://cyosyu.exblog.jp/780136/

しかしながら、理論的には、補中益気湯が合う方には、五苓散を加えると多少なりとも効果が出ても不思議はありません。

ですから、そちらで適当な五苓散を入手されて、必ず補中益気湯と一緒に服用してみては如何でしょうか?(五苓散だけでの服用は理論に反します。)

もしも、それでも効果が無い場合の一つの手段としては、先ほどの

http://cyosyu.exblog.jp/780136/ に書いてある通りの内容の煎じ薬をお近くの漢方専門薬局で作ってもらうという手もあります。

まずは、補中益気湯に五苓散を加えてみることは、やってみる価値がおおいにあると存じます。

簡単ながら、お返事まで。

頓首

追記:このお返事メールをお送りして、フト思いついたのだが、当方で過去扱った腹水の多くは、超末期の癌患者さんたちばかりだったから、補中益気湯合五苓散では間に合わなかっただけかもしれないのだった。

その証拠に、肝臓癌の腹水で当方に通える婦人には、分消湯合茵&茵蔯蒿湯などで、あっさり解決したりしていた。
たまたま、虚証ではあるが、超末期にまではなっていないような段階の方は、偶然、あまり遭遇することがなかったということが考えられる。

理論的にも、補中益気湯合五苓散がしっかり奏功する時期とタイプがあって当然なのである。

【後日談】 その後、実際に村田漢方堂薬局にご本人が来られることとなり、気力、体力は想像していたよりもそれほど損耗されておらず、腹水と腹満に関する限りは分消湯エキス製剤で明らかに好転した。
 実際にお会いしてみると、補気建中湯や補中益気湯合五苓散証などではなかったのである!
 
 これによっても分かるように、ご本人に直接お会いしないままのメール相談ではあやふやなことが多く、ましてや今回のケースのように代理人を介してのご相談となると、ますますイヨイヨもって当てにならないことが多いという教訓となっている。

参考文献: 補気建中湯

2006年02月05日

電話相談だけで漢方薬を出してもらえないかというお問い合わせ

お問い合わせ内容 : はじめまして・・

当方▲▲県に住んでおります。

かなり遠いので電話での相談で漢方を処方していただくことは、可能でしょうか?

宜しくお願いします。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

申し訳ありませんが、電話で相談されても、お互いに時間を浪費するばかりで得るところは少ないと思います。

そもそも漢方と漢方薬の性質上、お電話だけで簡単に薬が決まるものでもありませんし、たとえ決めても、直接来られる方とは、ピントの合わせ方に雲泥の差が出ますので、当方では電話相談だけでお薬を出すことは行っておりません。

当方のシステムとしては、どんなに遠方であっても、一度は来られないとお薬は出せません。

一度来られている方であって遠方の場合は、次回から漢方のピント調節そのほかを電話相談に切り替ることは通常のことです。

しかしながら、最初から電話相談だけでお出しすることは行ってないということです。

当方のホームページhttp://murata-kanpo.ftw.jp/をご覧になっておられましたら、トップページに、

●中医学・漢方医学・西洋医学の三者を合体した中医漢方薬学による難病相談。
                     煎じる必要のない漢方製剤の調合が主です。

★漢方薬理論構造主義科学「中医漢方薬学」にもとづく漢方専門相談薬局です。
※漢方薬は体質と症状で選ぶものです。ただし、病名も大変重要です。
※病名も重要ですが、病名だけで漢方薬を選ぶものではありません。
※病名が同じでも体質によって漢方薬の調合や配合(組み合せ)が異なります。
※遠近に関わらず、一度だけでも、直接、ご本人がおいで下さい。
※但し、病院での諸検査及び標準治療などを、すでに充分受けている方に限ります。

上記のような記載があったと思います。

以上、簡単ながらお返事まで。

頓首
posted by ヒゲジジイ at 22:57| 山口 ☁| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

2006年02月04日

珍しく新人さんが続く毎日

一日の例外を除いて、毎日新人さんが続いている。

本日などは、市内の健康食品店に紹介され来られたアトピー性皮膚炎の子供さんもおられた。

通常なら、親御さんの方に問題があってお断りして市内の適切な皮膚科をご紹介するのが常だが、理解力のある御夫婦であったので、試験的に一週間分ほどお出しした。

子供さんのアトピー性皮膚炎というものは、ご両親のどちらかが当方の漢方薬に親しんでいるかたであれば、これほどやさしいことはない。
漢方に対する理解が親御さんに体感としてあるから、スムーズに当方のアドバイスに従ってもらえるからだ。

ところが、ご両親に漢方の服用経験が無い場合は、多くは大変である。
子供さんを漢方で治して欲しいと言いながらも、氾濫する情報に気が散って、こちらが適切な漢方薬を考えている最中に、雑音ばかりをまくし立てられ、

結局は「やっぱり漢方をお出しするのは止めときましょう」ということになりやすいものだ。

あの療法、この療法を枚挙しながら、
アトピーには◎◎◎というサプリメントも良いと訊いたのですが、併用してもよいですか?
サプリメントと漢方薬を併用しても副作用はないですか?
今までお医者様にもらっていた白虎加人参湯と併用しても良いですか?
子供でも漢方薬は飲めるでしょうか?(白虎加人参湯は飲めてたくせに!)

という雑音は、代表的なものである。


ところが大人になって多くの治療法に失敗して直接やって来られるような方の場合は、アトピー性皮膚炎や子供の頃から続いている喘息であっても、行き場を失って漢方に賭けるつもりで来られる方が多いだけに、比較的スムーズなことも多い。

大人になっても治らないでかなり重症化している場合でも、子供さんと違ってご本人が何とか治したいし、これまでの多くの治療法で失敗して来られている方達だから、素直にアドバイスに従ってくれる方が多いから結果は良好なことが多い、ということである。

もちろん、及び腰の場合は、別である。
結局、優柔不断でお話だけに終わる方もおられるのだから。

本日、御相談に乗った子供さんの場合も、アトピーそのものは決して重症ではないが、多くの間違った情報を御両親が仕入れらて、その様々な療法を並行して行うから、ますます混乱と同時に治癒を遅くしている。

皮膚を乾燥させて治療するのが最善という医師の治療方針に従って失敗もされているし、ステロイドを使用しない医師の治療方法でも失敗されている。

アミノ酸が有効という薬局の奨めにしたがって却って悪化させて見たり、世の中、アトピー性皮膚炎に対する療法は百花繚乱であるが、それに踊らされる患者さん達も、どれを選択したらよいか右顧左眄するばかりで、余計に不安感を増している。

アトピービジネスと言われるくらいで、何でも奇抜なことを考案・宣伝して儲けの材料とされている。
その中には大分イカガワシイモノが混在しているのである。

漢方を用いて良好な結果を出すには、服用される方が及び腰ではどうしようもない。

お金を出せば何とかなるという問題ではないのだ。

服用者の理解と冷静さも要求され、氾濫する情報に安易に流されない節度と判断力がほどほどに備わってなければならない。

あるいはそこまでに到達するには、様々な失敗を繰り返してようやく得られる場合も多いようだから、西洋医学治療で思わしくない場合の解決方法の選択というのは、一般の方にはかなりな困難が伴っても当然かもしれない。

それゆえか、当方のHPを見て来られる方は、クリック数の割には僅少だが、その僅少の方達の多くは、氾濫する情報の中からの一選択に過ぎなかったようで、多くは長続きしない。

やはり本腰を据えて当方の漢方に専念できるのは、多くは当方の漢方で難病や慢性疾患が緩解した方による紹介に限られるようだ。

最近、毎日続く新人の方も、そのような方がほとんどである。

アトピー性皮膚炎や喘息、花粉症はもちろん、アレルギー性疾患で腰を据えて頑張られたかたの9割以上は緩解しているのが現状だが、100パーセントの完治となると、そうは人間の身体は自動車の修理ほど甘くは無いですよ、というのが現実だと思われる。

実際には100パーセント完治したように見えても、継続していた漢方薬類を中止すると、一部の方は、どうしても再発してしまうからである。
posted by ヒゲジジイ at 14:29| 山口 ☀| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする

この1年以内に完治させる方策

お問い合わせ内容 : (20代男性)丸1年間治療中ですが、なかなか良くならない。

@アレルギー性肉芽種性血管炎

A喘息

BWWP症候群(治療済み)

上記@とAのため現在ステロイド毎日4錠の生活です。

@の症状は未だに右足に痺れと痛みが続いています。

現在▲▲の・・・病院で治療中です。この1年以内に完治させる方策をご指導下さい。宜しくお願い申し上げます。


ヒゲ薬剤師によるお返事メール:病気でお困りの状況、察して余りありますが、この一年以内に・・・などという限られた条件では、ご様子から推察して到底不可能、あるいは限りなく不可能に近いので、申し訳ありません。
頓首


注記:期間を限定されると、どうしてもこのようなお返事になってしまう。申し訳ないが・・・
posted by ヒゲジジイ at 15:55| 山口 ☀| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする

このところ珍しく真剣な新人の御相談が毎日続いた

昨日の水曜日は新人ナシだったが、(といってもお電話のお問い合わせをすべてお断りしたからだが)、昨日まで珍しく連日毎日、真剣な御相談の新人さんが来られた。

いずれもお電話やメールでのお問い合わせナシに「直談判?」といった雰囲気で、意を決して来られた様子であるから、自ずから当方も真剣に時間をかけて御相談に乗れるのだった。

及び腰でないから、こちらも真剣に御相談に乗れるし、それぞれ漢方の実力からして、比較的対応しやすい内容ばかりであったが、(意外というか案の定というか)神経質な小生としては、あらゆる角度から検討して、初発は必要最小限の漢方処方しかお渡ししない。

本格的には2回目からだが、それでも今回の多くの人は一回目の方剤で多くが解決できる可能性が高い方ばかりだった。

思い返せば10年近く前まで、千客万来で忙しい分、それだけ漢方薬方剤のピントがしっかり合いだすまでの速度が鈍って来ることに我ながら忸怩たる思いがあった。

忙しいとそれだけ頭脳も疲労が激しいから、精度が落ちるボロ頭であった。

また、及び腰の人にまで漢方薬を渡しているから、無駄な相談時間ばかり食って能率も非常に悪い部分があったから、超多忙な割には本当に真面目な方に応対するころには疲労困憊の極に達していることも多かった。

とうとういい意味で(と自分では思っている)プッツンしてしまった。

及び腰の人、病院に行くのが嫌さに訪れた方、御両親が漢方の服用経験のないお子様、お電話で「ちょっとおたずねですが・・・」の方たちをすべてお断りすることにして、10年近くなる。

そのお陰で、月曜日と土曜日以外には、比較的時間に余裕のある職場となった。

及び腰でない真剣な御相談の方にかなり十分な時間が取れるようになった。

だから「大分(時間が)かかりますか?」と聞かれると、「御自分のことでしょつ」っと内心思って、丁重にお断りすることになっている。
posted by ヒゲジジイ at 01:34| 山口 ☀| 繊細でデリケートなヒゲジジイ | 更新情報をチェックする