2005年11月04日

学生さんから江戸期の梅毒治療についてのお問い合わせ

お問い合わせ内容 : 梅毒の治療法の歴史を調べています。

明治以後、サルワルサン、ペニシリンといった化学薬品作られ、梅毒の治療は飛躍的に・世界的に進んだことが知られています。

しかしそれ以前は、水銀を含んだ漢方薬が江戸時代に使われていたらしい、ということまでしかわかりません。

汞藍丸・迦路米と呼ばれる漢方薬がそれにあたると思われるのですが、それらの効能や副作用、また実際いつごろまで使われた薬品なのか、を調べています。参考になる本をご存知でしたら、教えてください。


ヒゲ薬剤師のお返事メール:拝復

梅毒の治療法のご調査、本当にしっかり調べてみましたか?

小生の書庫に、その関連の文献がどの程度揃っているか、それを取り出すだけで、相当な時間を食ってしまいますので、さしあたり、ささやかな調査方法のヒントだけ述べます。

その前に、漢方の「日本古方派」の始祖、吉益東洞の時代は、もちろん江戸期ですが、治療対象の患者さんは多くは梅毒治療だったと言われているほどです。

だから、水銀剤をバンバン使っていますので、日本古方派の江戸期の先生方や、もちろん吉益東洞全集なども調べる必要があるでしょう。

医学史の領域でもあるので、医学部や薬学部の図書館などで調べると能率的でしょう。

医学部なり薬学部なりの医学史、薬学史専門の先生にお尋ねになると早いですよ!

以上、簡単ながら、調べ方のヒント?として下さい。

こういうことは、苦労して調べることに価値があります。

第一、調べている目的など、また学生さんといっても何学部の学生さんかなどものべてもらわなっくちゃ〜〜、こちらもこの程度のお返事しかする気にはなれませんよ。

頓首
posted by ヒゲジジイ at 22:35| 山口 ☀| 日本の漢方関連医学・薬学史問答 | 更新情報をチェックする

ヒゲ薬剤師の論文集「漢方薬専門の論文集」

漢方薬専門の論文集の中には、次のような拙論の改訂版を掲載しているが、本来なら、この何倍かの拙論を投入するつもりでいた。
ところが、あまり整理するのが得意ではなく、どうしても書きなぐりの性格から、正直言って面倒になってきた部分もある。
過去に書いた膨大な拙論を眺めていると、改訂したくなる部分ばかりが目に付いて、少し自分自身に嫌気がさしてしまった、というところである。
しばらく、このことは忘れて、気分転換が終わったら、やはりいつかは、あの膨大な拙論を少しは整理してあの世に行きたいと思っている。
その気持ちだけでも忘れないために、ネット上に既に公開した拙論集の代表的なものだけでも、その目次をここに転載しておきたい。
◆No.001 中医学は構造主義科学
◆No.002 漢方医学発展への道「中医学と日本漢方」(「同病異治」と「異病同治」の世界)
◆No.003 肝気鬱結の原因について
◆No.004 これからの「中医漢方薬学」
◆No.005 病名漢方の功罪(柴胡剤と「病名漢方」雑感)
◆No.006 「瘀血阻滞」とその形成原因
◆No.007 「生薬製剤二号方」の中医学的効能
◆No.008 書評集No.010 『中医理論弁』を読む
◆No.009 翻訳集No.001 「邪の湊るところ、その気は必ず虚す」新解(改訳版)瞿岳雲著
◆No.010 翻訳集No.002 「邪気が盛んであれば必ず実」とは限らない(改訳版)瞿岳雲著
◆No.011 中医学と西洋医学 ―中西医結合への道―
◆No.012 脾湿についての考察
◆No.013 猪苓湯と少陽三焦(猪苓湯が滑石茯苓湯に変わるとき)
◆No.014 漢方専門用語「証」の考察
◆No.015 注意が必要な漢方薬(肺陰を損傷しやすい漢方薬方剤の使用上の注意)
◆No.016 村田漢方中西医結合論
◆No.017 弁証論治と方証相対 (原題:「弁証論治」「方証相対」雑感)1982年執筆論文)
◆No.018 日本漢方の将来「中医漢方薬学」の提唱
       (東亜医学協会創立50周年記念特集号「漢方の臨床」第35巻12号掲載分)

◆No.019 翻訳集No.003 肝は下焦には属さず、中焦に属する(改訳版)瞿岳雲著
◆No.020 翻訳集No.004 「病が表にあればすべて表証」とは限らない(改訳版)瞿岳雲著
posted by ヒゲジジイ at 20:29| 山口 ☀| 漢方薬や中医学の学習方法および懐かしい拙論 | 更新情報をチェックする