2005年11月01日

中医学を学習中の薬剤師さんからのお問い合わせ

ご意見やご質問をどうぞ : いつも興味深く拝見させて頂いております。

実は私は薬剤師で、今迄、企業の管理薬剤師をしておりました。

数年前よりあるきっかけから、主人が鍼灸の道に入り、ただ今学生をしておりますが、その影響により私も中医学(特に中医学における漢方)に興味を覚え、独学ではありますが書籍より知識を深めようとしております。

が、独学と言うのもなかなかはかどらないもので、少々行き詰っております。

こちらのホームページでは、かなりその道に精通された先生ばかりのお話の場となっておられるようですが、私の様な初心者が、今から知識を深めていく方法をご指導頂けないものでしょうか?

かなり、時間もかかり、先のこととは思いますが、将来的に主人が開業しました暁には、その傍らで漢方専門の薬局を開設する事を目標としております。

ぶしつけにたわ言のような質問を送りました事、お許し下さい。
恥を忍んで送っております。
お返事、宜しくお願い致します。

お返事のメール:
拝復 

いつも見て頂いているとか、ありがとうございます。

さて、中医学の習得ですが、小生も大変苦労しました。

日本漢方のマスターは、比較的単純なパターン認識の医学ですから、力を入れてやれば比較的短期間にほどほどのレベルには行くのですが、理詰めの基礎理論がないために、早晩行き詰ります。

その点、中医学理論は複雑ならがらも、意外に理路整然とした医学薬学体系だと愚考します。

その分、かえってよくできすぎた物語に思えて、現実には教科書的な典型的な病人さんはいないだけに、一時は、作り物、物語、に見えて、よく出来すぎていて、かえって信用なら無い、と疑ったものです。

事実、現実には、あのようなクリアカットな典型的弁証分型に当てはまる人は、殆ど皆無に近い。

それゆえ、その教科書的理論をいかに応用できるか、の問題だと思います。

http://murata-kanpo.ftw.jp/u43616.html

こういうイメージをつかんでおく事も、必要だと思います。

ですから、実際に漢方専門薬局などに勤務して、実践的な仕事をされながら、創意工夫するのが、近道です。

書籍としては、張瓏英(ちょうろうえい)先生の著書2冊が実践的で便利だと思います。
現在、絶版のようですが、以前、緑書房というところから出版されていました。

臨床中医学概論

臨床中医学各論

の2冊です。

古本屋さんで入手する以外にてはないでしょうが・・・

同じ内容では、概論のほうが、

臨床中医入門 張 龍英 金剛出版 1993

出されましたが、これも絶版かもしれません。

この先生の本は、とても実践的ですが、このまますべてを真似するだけだけではダメで、自分なりの創意工夫は常に必要です。

ともあれ、ちょっと失礼な言い方ながら、もしも、本気で中医学をマスターされたいようでしたら、いつでも、かなり具体的な御質問を頂ければ、その都度、あくまでヒント程度にしかならないかも知れませんが、簡単なイメージ、あくまで理解するための「イメージトレーニング」的なヒントくらいは、アドバイスできるかもしれません。

このようなイメージを強調するのは、中医学理論というものは、多少はずれていても構わないから、その人なりの、あくまで習得しようとされる、その人なりの、中医学理論全体の「イメージ」を構築することが、とても大切だと考えるからです。

いつでも質問して下されば、いつでも折り返し、お返事申し上げますが、いかがですが?

小生のHPやブログ類は、半分以上は専門家を対象にしているつもりですので、もしも折々に質問を下されば、それをそのまま、もちろん匿名のまま、問答集として、ブログを充実させることが出来るからです。

その気で、中医学や漢方医学、どちらもほどほどは知っているつもりですので、どんな御質問でも、ヒント程度のものにしかならないにせよ、大体24時間以内にお返事できます。

この問答集を、別に、この往復問答集をそのまま専門ブログでやってもよいくらいだと愚考しています。

びっくりすることをおっしゃるとお思いでしょうが、小生、いつも書いていることですが、しゃべるより書くほうが早いくらいですから。

以上、お返事まで。 頓首
posted by ヒゲジジイ at 02:55| 山口 ☀| 中医漢方薬学問答 | 更新情報をチェックする