2005年10月10日

麦門冬湯証が激減して、滋陰降下湯が急増中!

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今年になって急激に増加中なのが、滋陰降下湯である。

従来なら、風邪の後期の症状というか、治り際になって乾燥咳が止まらず、病院治療も効果なし、という時にシバシバ遭遇した麦門冬湯証が激減している。

昨年暮れ頃から、今年にかけて急増中のことだから、まだ充分に観察する必要があるが、麦門冬湯を服用してもらっても、従来のような期待するほどの効果が得られないことが、しばしば見られた。

よく観察すると、多少の肺陰虚のみならず肺熱を伴っており、麦門冬湯に配合される朝鮮人参がマイナスに働いているのは明らか。

これが涼性の西洋人参なら、まだ何とか効果を示していたと思われるが、やはり温性の朝鮮人参はまずい。

そこで、滋陰降下湯に転方すると、直ぐによくなった。

その後、春先に、自分自身もこの状態に陥り、従来の麦門冬湯が、ほとんど効果を示さない。

そこで滋陰降下湯に変えると、即治。

続いて、愚妻も同様な状態で、また同様に滋陰降下湯で即治。

もちろん、風邪が長引いてこじらせて来た人では、しばらく続ける必要があるが、どうしてこう、皆が皆、類似した証候を呈するのか?

これが時代の流れ、あらゆる環境的な条件そのほか、多くの共通性が見られる現代社会においても、その時代時代、その年毎の傾向と対策というものがあっても不思議はない。

当然といえば、当然のことだが、今後も「麦門冬湯証」の患者さんが減り続けるのか、たまたまの偶然なのか、充分な観察が必要であるが、村田漢方堂薬局では、従来この「滋陰降下湯」は、滅多に使用することが無い方剤であったことは確かである。

40〜49歳の女性・不定愁訴の悩みの質問

お問い合わせ内容 : はじめまして ホームページを見せていただきました。

長年不定愁訴のような症状がでて漢方薬のお世話になっていますが、実感としてよくなったと感じられません。 

いろんな症状にいったい根本はどこが悪いのかがわからなくなっています。

首や肩の凝りや目や頭の重さもあり口内炎ができ 膀胱炎もよくかかり 不安な感じもあり外出は遠出は難しく、だるさや不眠気味で何とか生活をしてるものの内面からの力が不足してるようでそのたびに胃腸のための人参湯 女性のホルモン関係の漢方や膀胱炎には八味地黄丸を飲んだりとしてきましたがどこからどのようにしていけばいいのか、わかりません。

長々とすみません。 よろしくお願いします。


お返事:拝復

ずいぶんお困りのようですが、漢方薬は、本当の専門のところでご相談なさっているのでしょうか?

西洋医学で言う本物の膀胱炎であれば、八味丸は使う可能性は大変低いものです。

安易に「八味丸」のような刺激性のある漢方薬方剤を出される所は、本当の専門家とはいえないかもしれません。

派手な宣伝などあまりやらず、コツコツと真面目にご相談に乗られる漢方専門薬局や医院が、きっとお近くでも見つかると思います。

なるべく中国医学(中医学)を専門とされる薬局や病院を選ばれることです。

それと、必要な西洋医学的な諸検査は、必ず一度は受けておかれるべきです。

本来、中医学というものは、大変理屈っぽい医学です。

その理屈っぽさのお陰で中医学なりの原因を必ず類推して、漢方薬方剤をあわせていきますので、お互いが根気を持って、しっかりした漢方薬の配合を見つける努力をされれば、きっと、現在の症状の8割以上は楽になるはずです。

お互いに真剣に信頼し合えそうな専門家を、お近くで、是非、見つけて下さいませ。

以上、簡単ながら、お返事まで。

                                          頓首
posted by ヒゲジジイ at 03:17| 漢方と漢方薬関連の御質問 | 更新情報をチェックする