2008年05月12日

長期間続けてもらってようやく奏効したり気がついたりした難儀な症例

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 一度クリックした後に、もう一度「ENTER」をクリックしてもらわなくてはならない。 昨日までのように日本漢方批判を書くと必ずクリック数が激減っ。その筋の先生方がとても多いという証明のようですねっ(苦笑

 頑固な疾患というのは、時に効果がなかなか出ずに難儀することもあるが、諦めずに服用し続けることでようやく奏効する例というのも枚挙に暇がない。

 といってもヒゲジジイはせっかちな方だから、10日間で多少とも効果が見えなければ、「微調整」という名目で早く一定の効果がでるようにあらゆる工夫と無い知恵を働かせるのが常である。

 なかなか難治性の疾患で、たとえば膝関節を手術後に細菌感染を生じ、繰り返し長期間ミノマイシンの投与を受けながら治りきらず、漢方に救いを求めて来たやや高齢の人にもやや難航していたが、ご本人自身も長期間かかるものと観念されているので、四ヶ月間の服用の成果がようやく実り始めたところである。

 まだまだ予断を許さないが、ヒゲジジイとしては珍しく配合処方を一度も変えることなく続けてもらった。
 金銀花入りの荊防敗毒散に防巳黄耆湯製剤に白花蛇舌草である。
 黄耆(オウギ)と金銀花の配合など、托裏消毒飲の方意を含ませるのは、日本流の時代から実績が多いからである。

 単なる皮膚掻痒症でも、やや高齢のお馴染みさんが最初に出した茵陳蒿湯だけを飲み続けて半年以上、最初の頃は薬局店頭には遠来の人達が沢山立て込んでいるときに大声で「まだ効かんっ」と言いながら、アテツケガマシクやられていたが、昨今、大人しくなったのでご夫婦で来られたときに、その後どうなのっと訊くと、この木の芽立ちの春先、もっとも皮膚病患者が増える時期に、最近は痒くないそうだ。

 初期にはステロイドを塗りたくっていたはずだが、効き目が出てくると現金なものである。茵陳蒿湯だけでは不足だから瀉火補腎丸などを追加しようにも、きまって立て込んでいる時にばかり偶然こられるものだから「アレ頂戴っ」で半年以上、単方でもあきらかな黄膩苔がある人だから、長期間の服用でようやく確実な効果がでて来たようで、今年になって、しかも春先にも激しい再燃することもなく落ち着いている。

 本来なら上記の二例のようなノロノロした効果では、服用者が途中で諦めるか、あるいは効果を出すために追加の方剤を工夫するかのいずれかだが、幸か不幸か上記のお二人のように、漢方薬は効果がのろいものだという先入観が、却って幸いした例である。

 とても申し訳なかった例では、重度の貧血症状に気がつかず、様々に方剤を多種類工夫するも、大きな成果が得られずに丸一年。
 丸一年も頑張ってもらって成果が乏しいのによううやく気づいて何のことは無い、牛黄製剤を利用したシンプル・イズ・ベストでようやくまともな効果が得らたという近年まれに見るひどいドジ。

 本当は、アトピー以上にご相談者の多い転移癌や進行癌における数々の自慢話を書きたかったが、変な誤解を受けたくないので自慢話は止めにした。
posted by ヒゲ薬剤師 at 00:23| 山口 ????| 中医漢方薬学

2008年05月11日

虚証・実証・虚実中間証の錯誤について

 昨日の続きである。
 最近はご自身の病気を治したい一心で勉強熱心な素人さんも多いから、少しは理解しやすい虚実論をここに書いておきたい。

 皆さんの仕入れてくる漢方の知識では、体力が乏しいのが実証、体力が充実しているのが実証という何ともあやふやな知識を仕入れて、実証用の黄連解毒湯や大柴胡湯、虚実中間用の加味逍遥散、虚証用の六君子湯などという日本漢方の錯誤した知識を得て来られるケースがほとんどである。

 こんないい加減な分類で漢方処方を運用していたら、一定レベル以上の疾患になると滅多なことで治るものではない。
 ここからがとても重要な記載である。

 一人の身体において五臓六腑それぞれに寒熱および虚実に違いがあり、しかもそれは固定的なものではなく、情況によって五臓六腑それぞれの寒熱や虚実は変化するのである。

 だから日本漢方の解説書で特に強調されて書かれているような「体力」によって虚証と実証や虚実中間に振り分けることは、ほとんどナンセンスに近い分類なのである。

 どんな人でも一人の身体で五臓六腑それぞれで美妙に寒熱も虚実も同居しているのだから、体力が無い人でも、配合バランスを考えながら、必要に応じて黄連解毒湯や大柴胡湯などがシバシバ配合されることがあっても当然なのである。

 そもそも「体力のあるのが実証」という考え方そのものが、ほとんど錯誤に違い考え方であることだけは覚えておくといい。
 体力があれば実証用の漢方薬も服用する必要なんてある筈が無いっ!

 たとえばこの仕事を始めて35年間、胆石症発作を繰り返す虚弱体質で体力の無い女性達に随分遭遇して来たが、その多くが大柴胡湯+茵陳蒿湯+オルスビーや牛黄製剤で即効を得る機会がしばしばであった。
 また、気力体力の喪失した人たちのストレス性疾患でも、舌先が極端に赤く、イチゴの粒粒のような赤みが顕著な華奢な女性達に随分遭遇して来たが、必要な他の漢方処方とともにバランスを取りながら、黄連解毒湯の適量を併用してもらうことで明らかな改善効果を得ることもシバシバである。

 とりわけ黄連解毒湯などは、各地の漢方専門病院や漢方薬局を歴訪して治らず、当方のところへ辿り着いて判明したことは、いわゆる虚証用の温める方剤ばかりが出されていて、清熱解毒作用のある黄連解毒湯など、その人にとって必須の配合が欠けていたために、いつまでも諸症状に困しんでおられたというケースは枚挙に暇が無いほどである。

 だからといって、黄連解毒湯のような清熱作用のある方剤を単独で乱用すべきではないことは常識で、必ず他の方剤とバランスをとりながら、氷伏(ひょうふく)を起こさせない配慮が必要である。

 それゆえ素人療法は怪我のもとだから、必ず中医学に堪能な専門家と常に相談しながら漢方薬を求めるべきなのである。
posted by ヒゲ薬剤師 at 10:04| 山口 ????| 中医漢方薬学

2008年05月10日

体力が無ければ虚証、体力がある人は実証、その中間が虚実中間証と規定する日本漢方の錯誤

 本日たまたま二度目の来局者で、黄連解毒湯製剤を主体にした三種類の配合をお出ししていた人から質問を受けた。

 漢方薬専門の書籍を数冊持っていて、いずれの本にも黄連解毒湯は体力の充実した実証用の方剤と書かれているが、自分のよう虚弱性の体質に大丈夫だろうか?

 黄連解毒湯製剤を規定の半分量で服用頂いており、既に鎮静効果などを感じられ、他薬との配合で他症状にもやや効果が出ている上でのご質問である。

 確かにこの方は、見かけ上は明かに華奢なタイプで日本漢方の虚実論から言えば「虚証」と判断されるのだろう。
 だから既に病院で出されていた六君子湯を代表とする各種虚証用の方剤では効果がなく、虚実中間証用の方剤で一部効果があったのであろう。

 ところで、そもそも体力の充実度で虚実を判断する日本漢方の考え方事体があまりに稚拙で、あいまい過ぎるのである。
 体力が充実しているのが実証なら、実証の人はどうして病気になるのか不思議な理論である。

 こんな幼稚で理屈に合わない錯誤した理論を引っ提げて「WHO東アジア伝統医学用語の標準化」の作業に出席する資格があるのか実に疑わしい。

 虚とは正気の不足を指し、虚証とは正気不足を示す証候である。
 実とは邪気が盛んなことを指し、実証とは邪気が盛んなことを示す証候である。

『中医学基礎』(1978年:上海科学技術出版社発行)

 これこそが虚実論の本流のはずであるが、日本で出版される多くの一般向け漢方書籍類では、体力で虚実を分類する錯誤をおかすから、華奢なみかけの人には永久に大柴胡湯も黄連解毒湯も使用できないことになる。

 虚実論をもっと詳しく知りたければ、虚証と実証についてがある。
 これは以前、『中医臨床』誌に依頼されてヒゲジジイが翻訳したもの。

 さらにヒゲジジイの血気盛んだった昭和末期に『漢方の臨床』誌に掲載され、当時日本の漢方界を震撼?させた記念碑的な拙論を引用しておこう。

 「虚実」の問題において、<体力が余っているのが実証><体力が衰えているのが虚証>と表現する漢方の一般向け啓蒙書籍が多い。その実、漢方の専門家個人個人によって様々にニュアンスの異なった解釈がなされているが、やはり結果は大同小異である(文献5)。この実証、虚証の極めて幼稚な解釈は数々の困った現象を生むことになる。

 現代日本漢方の特異な風潮として、体質ばかりでなく方剤においても実証用、虚証用、虚実中間証用などと規定することに熱心な現象が見られるが、これは病人の状態を常に固定的に捉えることを奨励するような間違った観念を植え付けかねないものである。

 一方、<実とは外因、内因を含めた病邪の存在をあらわす概念><虚とは生態の機能面、物質面の不足をあらわす概念>と規定する中医学のありかたにおいては、合理的な病態把握が可能である。「実とは邪気が盛んなこと指し、虚とは正気の不足を指す」のであるが、従って「実証」とは邪気が盛んなために現れる証候であり、「虚証」とは正気不足より現れる証候である。
 現実問題としてとりわけ慢性的な疾患の場合、「虚実挟雑」状態であるのが一般であるが、疾病の過程はある意味では、正気と邪気との相互闘争する過程とも言える。それ故、中医学には「扶正&去邪」の法則がある。この理由から一般的な慢性疾患では「扶正法」、「去邪法」を同時に用いる「攻補兼施」が治療原則となることが多い。

 ところが現代の日本漢方に従っていると、体力の強弱のみで虚実を論じ続けるあまり、病邪(邪気)の存在に対する認識を忘却しかねない奇妙な医学と言わざるを得ない。その奇妙さをカバーするためか、かの徹底した実証主義者であるはずの吉益東洞が提唱した「万病一毒論」という「観念論」を利用して一事を糊塗する以外に、この極めて幼稚と思える漢方医学をどう弁明できるのであろうか?

専門用語が未熟な日本漢方より一部抜粋

posted by ヒゲ薬剤師 at 16:28| 山口 ?J| 漢方と漢方薬関連の御質問

2008年05月08日

杞菊地黄丸は規定の半分量でも効く

 必然的に特定の製品の宣伝をすることになりそうだが、イスクラ製の杞菊地黄丸は用法用量に規定されている分量の半分量、3〜4丸を1日3回でも十分に眼精疲労に効果を感じると言われる人も多い。

 別に節約しているわけでもないだろうが、こちらから見れば不思議に思うが、いずれも若い二十代の男女で言われるので間違いないのだろう。
 ネットや携帯で画面ばかりを眺めている世代である。

 ネットと言えば、連休中に予定していた遠出も億劫になって中止し、家にこもって「Web標準・・・」とか「スタイルシート デザインレシピ」などの本を眺めていると、XHTMLの世界の習得が、まだまだ基礎レベルの習得にまで到ってないのを痛感した。

 そこで、連休中に僅かでもWeb標準にかなうようなサイトに修正する努力をしてみたが、まだまだ序の口の修正しか行えていない。所有するサイトが多過ぎるからナオサラ。

 ホームページというのは、意外に「構造言語学」的な世界のようで・・・
posted by ヒゲ薬剤師 at 12:22| 山口 ????| 中医漢方薬学

2008年05月03日

過剰な糖分は痒みの敵! 当然でしょうっ

 先日来、急に気温が上昇して暑くなった頃、やたらに咽喉が渇くので、アイスクリーム類をバカスカ何人分も食べ、おまけに美味しいショートケーキ類に甘いジュース類をシコタマ胃袋に入れたら、全身各所が痒くなり、二日間に亘ってボリボリ掻き毟って、痒みを掻くときの快感と苦痛を同時に味わった。

 ちょうど慢性湿疹で、村田漢方堂薬局では珍しく消風散と黄連解毒湯、天津感冒片と猪苓湯製剤でピントが合うかもしれない人の目の前でボリボリとやって、いかに甘いものが痒みに悪いかを実証してみせて教訓を与える情況に遭遇したのだった(苦笑。

 昨今、ヒゲジジイは杞菊地黄丸と茵陳蒿湯、小陥胸湯加味製剤、柴胡加竜骨牡蠣湯、超高級な牛黄製剤で体調が頗る良いところへ、甘いものの過食によって僅か二日間とは言え、痒みを掻き毟る苦痛と快感を同時に味わったのである。
 高濃度の茵陳蒿湯を服用していてさえもこの通りである。

 アトピーで苦しんでおられる人の中には、甘いものを止めてもあまり変化がないと強弁する人もあるが、甘いものを止めたくないための反論に過ぎないと信じている。

 今日からしばらく休みが続くので、またまた美味しいケーキ類やアイスクリームをタラフク堪能して再実験でもしてみますかっ
posted by ヒゲ薬剤師 at 09:42| 山口 | 中医漢方薬学